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電子機器関連メーカー20社(キオクシア、東京エレクトロン、京セラ、ダイキン、リコーなど)の開発職・化学系ニーズ|特許に基づく開発データから整理・比較

 電子機器等メーカー20社の開発職・化学系ニーズ|開発データ(特許)から分析・比較 今回、以下の電子機器等メーカー(半導体、半導体製造装置、電子部品、エアコン、複写機等のメーカー)20社について、開発職における化学系の人材ニーズを開発実態とも言える特許データから整理・比較してみました。

主な分野 企業(図表では括弧内表記)
半導体装置 キオクシア株式会社(キオクシア)
半導体製造装置 東京エレクトロン株式会社(東京エレクトロン)
株式会社SCREENホールディングス(SCREEN)
株式会社KOKUSAI  ELECTRIC(KOKUSAI  ELECTRIC)
株式会社ディスコ(ディスコ)
電子部品 京セラ株式会社(京セラ)
株式会社村田製作所(村田製作所)
ティーディーケイ株式会社(TDK)
ミネベアミツミ株式会社(ミネベアミツミ)
日東電工株式会社(日東電工)
株式会社キーエンス(キーエンス)
ローム株式会社(ローム)
イビデン株式会社(イビデン)
太陽誘電株式会社(太陽誘電)
エアコン ダイキン工業株式会社(ダイキン)
複合機 セイコーエプソン株式会社(セイコーエプソン)
株式会社リコー(リコー)
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(富士フイルムビジネスイノベーション)
コニカミノルタ株式会社(コニカミノルタ)
ブラザー工業株式会社(ブラザー工業)

 

 結論としては、化学系ニーズ(※)はいずれの企業においてもありました。

 ただし、ニーズの大きさや技術領域には企業ごとの差が見られました。

 本記事が就職、転職における新たなキャリアの選択肢を見つけるきっかけになれば幸いです。

 

※ 本記事でいう「化学系ニーズ」とは、化学系の専門性を必要とする可能性がある開発テーマが、企業内にどの程度存在するかを特許情報から推測したものです。

 

(本記事では、特許情報を用いていますが、特許や法律の前知識は不要です。)

 

公開日:2026/8/8
最終更新日:2026/8/8

 

 

1.はじめに

 特許情報は、企業が何を開発したかを示す情報です。

 すなわち、特許情報から、企業がどのような開発(発明)をおこなってきたのか、開発にどのような専門性が求められるのか、客観的事実を把握することができます。

 ただ、半導体、半導体装置、電子部品、エアコン、複写機など、いずれも電気系や機械系のイメージが強く、化学系のニーズがどの程度あるのか把握しづらい面があります。

 そこで、今回、化学系の色が強い技術分野にフォーカスし、電子機器等メーカー20社の開発職における化学系ニーズを分析しました。

 

2.留意点

 本記事は特許情報に基づいて分析を行っています。特許データを用いることで企業の研究開発活動を客観的に把握できる一方、以下の点には留意が必要です。

  • 特許出願から公開まで通常約1年半の時間差があるため最新の開発状況を完全に反映しているわけではありません。
  • 企業が行っているすべての研究開発が特許として出願されるわけではありません。
  • ノウハウとして秘匿されている技術や出願されなかった開発テーマは分析対象に含まれません。
  • 特許出願件数の多さがそのまま採用人数や配属人数の多さを意味するわけではありません。
  • 特許分類や検索条件によって抽出結果が変化するため本記事の結果は一定の条件に基づく分析結果です。
  • 本記事は実際の採用職種や配属部署を直接示すものではありません。

 

3.分析結果

3-1.電子機器関連メーカー20社の化学系ニーズ(全体)

 化学の色が強い技術分野の特許出願件数は以下の通りです(※)。

 1件の特許出願の裏には、数人の開発メンバーによる、最短でも数カ月レベルの開発活動があることが予想されます。

 すなわち、化学分野の出願数が多い≒化学系ニーズが大きい(化学系の専門性を必要とする開発テーマが社内に存在している可能性が高い)、という推測ができます。

 

 ※ 特許の分類表示(FI)において化学(C)が含まれる特許出願(参考:JPlatPat
   今回の技術分野はかなり絞り込まれているので、化学系ニーズはもう少し大きく評価されるべきかもしれません(本記事は、総合的に見ると、化学系ニーズをやや小さく見積もっている可能性があります)。

 

 上図の詳細を下表に示しています(表1)。

<表1> 化学の色が強い技術分野の特許出願数

  2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 合計
キオクシア 17 12 15 5 6 55
東京エレクトロン 244 249 214 180 169 1056
SCREEN 13 23 27 34 28 125
KOKUSAI  ELECTRIC 104 89 57 47 32 329
ディスコ 16 18 20 20 19 93
京セラ 84 82 70 75 34 345
村田製作所 73 52 57 60 27 269
TDK 76 93 74 43 35 321
ミネベアミツミ 5 5 10 5 5 30
日東電工 311 340 336 274 237 1498
キーエンス 0 1 5 0 1 7
ローム 2 4 2 6 1 15
イビデン 48 41 33 26 22 170
太陽誘電 6 6 8 8 5 33
新光電気 6 6 8 8 5 33
ダイキン 216 214 278 246 216 1170
セイコーエプソン 140 119 146 122 139 666
リコー 148 129 97 50 52 476
富士フイルムビジネスイノベーション 38 41 15 23 11 128
コニカミノルタ 63 57 48 45 45 258
ブラザー工業 11 9 9 13 4 46

 

 東京エレクトロン、日東電工、ダイキンは5年間合計で1000件を超えており、化学系ニーズが相対的に大きいことが推測されます。

 その他、5年間合計100件以上だと、10社(SCREEN、KOKUSAI ELECTRONIC、京セラ、村田製作所、TDK、イビデン、セイコーエプソン、リコー、富士フイルムビジネスイノベーション、コニカミノルタ)確認されます。

 

 次に、各社の総出願数に対する上記化学の色の強い出願の割合がどの程度なのか見ます(表2)。

 この割合が大きいほど、社内における化学系の人材の割合も大きいと考えることができます。

 

<表2> 化学の色が強い技術分野の特許出願の割合(その企業の全出願数に対する割合)

  2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 合計
キオクシア 2.7% 1.8% 2.4% 1.1% 1.4% 2.0%
東京エレクトロン 27% 28% 26% 24% 25% 26%
SCREEN 3.4% 6.0% 5.9% 7.7% 6.5% 6.0%
KOKUSAI  ELECTRIC 84% 71% 61% 58% 52% 68%
ディスコ 2.2% 2.7% 2.8% 3.1% 3.0% 2.8%
京セラ 9.8% 11.8% 9.2% 10.3% 6.7% 9.7%
村田製作所 6.6% 6.0% 6.0% 6.6% 4.7% 6.1%
TDK 13% 15% 13% 10.2% 8.3% 12%
ミネベアミツミ 1.9% 1.7% 3.8% 1.7% 2.2% 2.2%
日東電工 47% 49% 50% 46% 42% 47%
キーエンス 0.0% 1.1% 7.1% 0.0% 0.8% 1.5%
ローム 0.5% 0.8% 0.3% 0.8% 0.2% 0.5%
イビデン 23% 19% 14% 13% 10% 15%
太陽誘電 2.8% 2.9% 4.2% 5.9% 3.1% 3.6%
新光電気 9.1% 8.5% 11% 9.0% 7.4% 8.9%
ダイキン 18% 27% 36% 33% 27% 27%
セイコーエプソン 6.9% 6.2% 7.1% 6.4% 7.0% 6.7%
リコー 7.2% 8.8% 6.9% 4.2% 5.3% 6.7%
富士フイルムビジネスイノベーション 3.8% 4.9% 1.9% 3.7% 2.0% 3.4%
コニカミノルタ 5.4% 7.5% 7.3% 6.0% 5.8% 6.3%
ブラザー工業 1.0% 0.8% 0.8% 1.3% 0.4% 0.9%

 

 KOKUSAI ELECTRONIC、日東電工、東京エレクトロン、ダイキン、イビデン、TDKは全出願に占める化学系の出願割合が2桁と相対的に大きいです。

 セイコーエプソンやリコーなどの精密機器(複写機等)関連のメーカーは、化学系の出願数はそれなりにありますが、化学系の割合は少し小さくなります。

 

 上記について分類化しました。

 

 タイプ1は、社内全体における化学系人材の比率が極めて高いと推測されます。

 タイプ2は、化学系人材の絶対数だけでなく、社内比率も高いと推測されます。

 タイプ3は、一定数の化学系人材が社内に継続して存在していると推測されます。

 それ以外は、社内における化学系人材の絶対数・割合ともに小さく、希少な存在だと推測されます。

 

3-2.電子機器関連メーカー20社の化学系ニーズ(技術分野:仕事内容別)

 上記データをより細かい技術分野(仕事内容別)に分解したものが以下になります(表3)。

 下表の記号自体は無視しても問題ないです(重要なのは数値の大小)。

 いずれの技術分野についても、その特許出願に化学要素(FI:C)が含まれることが前提になっています。

<表3> 個別分野の特許出願数(2020年-2024年合計)

キオクシア H01L C23C                  
半導体デバイス・製造プロセス 気相成長(CVD/PVD)・コーティング膜形成                  
28 17                  
東京エレクトロン H01L C23C H05H C25D              
半導体デバイス・基板処理装置 気相成長(CVD/ALD/PVD)・薄膜形成装置 プラズマ発生・制御技術(プラズマエッチング等) めっき処理技術(電解・無電解めっき装置)              
576 339 103 8              
SCREEN H01L C12M G01N C25B C23C C25D          
半導体洗浄・基板処理装置 細胞培養・バイオプロセス装置 物質分析・細胞計測・検出機器 水電解・電解用電極(水素製造技術) スパッタリング・成膜処理装置 めっき処理装置・めっき技術          
22 18 17 15 13 8          
KOKUSAI  ELECTRIC H01L C23C H05H                
半導体製造装置・基板熱処理技術 気相成長(CVD/ALD)・成膜処理技術 プラズマ発生・プラズマ改質技術                
282 43 4                
ディスコ H01L C02F C30B B24B B23Q            
半導体切断・研削・ダイシング装置 加工排水処理・循環水(純水)供給システム 単結晶育成・結晶成長技術(SiC・インゴット等) ウェハ研磨(グラインディング・ポリッシング)技術 工作機械構造(保持台・治具・機械制御)            
34 17 9 8 7            
京セラ B23B H01M C04B H01L C08L C30B C12M C25B C22C H01G  
旋削・切削工具(チップ・インサート) 燃料電池・二次電池・電気化学セル ファインセラミックス・焼結体材料 半導体製造装置用セラミック部材・保持具 絶縁・封止用樹脂組成物(高分子材料) 結晶成長・単結晶半導体基板 細胞培養容器・遺伝子検査用バイオ機器 水電解用触媒・電解セル(水素製造技術) 超硬合金・サーメット(金属複合材料) 積層セラミックコンデンサ(MLCC)・キャパシタ  
50 46 43 40 17 17 12 11 8 6  
村田製作所 H01F H01M C04B B01J H01G H01B C12M C25D C01B C08J C08L
磁性材料・インダクタ(コイル)・フェライト 全固体電池・二次電池材料・SOFC電解質 セラミックス材料(誘電体・フェライト焼結体) 触媒(光触媒・炭化水素改質触媒) コンデンサ(MLCC・フィルムコンデンサ)・導電性ペースト 固体電解質・導電性ペースト・伝導性材料 微生物培養装置・細胞捕集バイオデバイス 電子部品用めっき装置・めっきプロセス 無機2次元材料(MXene等)・機能性無機化合物 液晶ポリマー(LCP)フィルム・多孔質シート 電子部品用樹脂組成物・熱伝導性高分子
29 24 22 17 17 14 13 12 10 9 9
TDK H01F C04B H01M C30B B22F C22C H01G H01L H01B C09K  
フェライト・磁性材料・ネオジム磁石(R-T-B系) 誘電体・磁性体セラミックス(積層部品用材料) 全固体電池・リチウムイオン電池部材 単結晶育成・結晶基板(AlN・蛍光体等) 軟磁性粉末・圧粉磁心(粉末冶金技術) 軟磁性合金・金属磁性材料 積層セラミックコンデンサ(MLCC)・誘電体素子 圧電薄膜・磁気電気変換素子(薄膜デバイス) 固体電解質・伸縮性導電材料 蛍光体材料(照明・発光装置用)  
117 53 18 14 12 12 11 10 8 7  
ミネベアミツミ C10M F16C                  
軸受用グリース・潤滑剤組成物 転がり軸受・流体動圧軸受・保持器構造                  
14 6                  
日東電工 C09J G02B B32B H01L C08J C23C H01B C09D B01D C08L  
粘着剤・粘着シート・テープ・表面保護フィルム 偏光板・位相差フィルム・光学積層体 多層フィルム・複合加工積層体 半導体封止用シート・ダイシングダイボンドフィルム 樹脂発泡体(クッション材)・高分子加工品 スパッタリング・透明導電性膜の薄膜形成 透明導電性フィルム(ITOフィルム・導電材料) コーティング剤・保護塗料・プライマー 分離膜・PTFE延伸多孔質膜(通気・濾過フィルター) 光ファイバー用・光学用高分子樹脂組成物  
649 259 125 92 78 32 28 21 20 14  
キーエンス C12M                    
微生物コロニー自動計数・細胞観察装置                    
6                    
ローム H01L                    
パワー半導体デバイス・製造プロセス・パッケージング                    
6                    
イビデン C04B A01N B01D C12N F16L B01J B32B C12P H05K C25D C30B
SiC(炭化ケイ素)焼結体・セラミック複合材 植物賦活剤・抗微生物・抗ウイルス部材 DPF(排ガス用ハニカムフィルタ)・CO2回収構造体 細胞・生体試料の凍結保存液 配管・設備用断熱材・断熱シート 排ガス浄化用ハニカム基材・触媒担体 抗ウイルス・防炎・断熱用多層積層体 バイオプロセスによる機能性脂質・植物成分製造 プリント配線板・ICパッケージ基板 めっき用治具・めっきプロセス SiC単結晶育成装置・炭化ケイ素繊維
33 27 19 16 10 5 5 5 5 4 4
太陽誘電 H01F H01G C04B H01L H01M            
金属磁性粉末・インダクタ(パワーコイル) 積層セラミックコンデンサ(MLCC)・誘電体材料 誘電体磁器・圧電セラミックス(電子セラミックス) 圧電素子(アクチュエータ)・ハプティクス(触覚)モジュール 全固体電池・固体電解質・電極材料            
13 11 8 8 6            
新光電気 H01L C09K                  
静電チャック・半導体基板固定装置 潜熱蓄熱体(熱対策材料)・機能性化学材料                  
20 5                  
ダイキン C08F C09K C08L C07C C08G C09D H01M C08J C07F F25B  
フッ素樹脂・含フッ素共重合体(PTFE・PFA等) フッ素系冷媒組成物・防汚表面処理剤 フッ素ゴム架橋組成物・フッ素樹脂ブレンド フッ素化有機化合物・フルオロカーボン合成 フルオロポリエーテル(FPE)重合体 フッ素系塗料・耐候性コーティング材 電池用フッ素系バインダー(電極結着剤)・二次電池材料 フッ素樹脂フィルム・発泡成形体(基板・電線被覆材) 含フッ素シランカップリング剤・有機珪素化合物 混合冷媒充填技術・冷凍サイクル装置  
268 174 158 148 72 59 42 39 24 18  
セイコーエプソン C09D B41M D06P B22F C08L B41J H01F C22C C12N G04B  
インクジェットインク組成物(着色・機能性インク) インクジェット記録方法・印刷プロセス デジタル捺染(布地印刷)用前処理液・染料インク 軟磁性金属粉末・金属3Dプリンタ用粉末(粉末冶金) 紙粉・木粉複合樹脂(ペーパーラボ系・バイオマス成形材料) インクジェット印刷装置・ヘッド吐出制御 圧粉磁心・金属磁性粉末・磁性素子(インダクタ等) アモルファス合金・ナノ結晶軟磁性合金材料 酵素・有用微生物・セルロース系バイオ材料 高級腕時計用外装部品・外装加飾・精密構造  
274 72 42 32 30 27 26 17 12 10  
リコー C09D B41M C08F C08J B41J C08L C12M C12N G03G B29C  
水系・UV硬化型インクジェットインク インクジェット記録・デジタル印刷プロセス 活性エネルギー線硬化型樹脂(UV/3Dプリント用) 樹脂発泡シート・多孔質膜形成技術 インクジェットヘッド・液体吐出装置 OA機器用・環境配慮型樹脂組成物 バイオプリンティング用細胞チップ・培養容器 バイオインク・ハイドロゲル(細胞吐出技術) 電子写真用トナー・ポリエステル樹脂エマルション 3Dプリンタ積層造形・繊維強化樹脂(FRP)成形  
121 81 35 31 30 22 21 21 21 9  
富士フイルムビジネスイノベーション C08L C08J G03G C01B C08F C08B          
トナー・ポリイミド用樹脂組成物・環境配慮型高分子 セルロース微粒子・樹脂粒子分散液(トナー製造) 静電転写用トナー・中間転写ベルト・圧力応答性粒子 外添剤用シリカ粒子(無機ナノ粒子) トナー・感圧接着用共重合体(複合樹脂粒子) セルロース誘導体・化粧品用セルロース微粒子          
40 24 24 9 6 5          
コニカミノルタ C09D C08L B41M D06P G02B C08F B41J C07F C09K G03G  
インクジェットインク・UV(活性光線)硬化型インク リサイクル難燃性樹脂組成物・電子機器用成形材料 インクジェット記録方法・カラー画像形成プロセス デジタル捺染用インク・布帛前処理剤 液晶偏光板用TAC/光学フィルム・機能性薄膜 トナー用・光応答性機能性重合体(樹脂) インクジェット捺染・液体吐出記録装置 有機EL・電子デバイス用有機金属錯体化合物 近赤外線吸収材料・病理診断用発光性ナノ粒子 電子写真用トナー・固形潤滑剤材料  
80 31 23 21 19 12 11 6 6 5  
ブラザー工業 C09D B41M                  
インクジェット記録用水性インク・機能性インク インクジェット記録・画像形成プロセス                  
26 10                  

 上表の記号は特許の分類表示で、その下の括弧書きが、その分類の技術内容を示しています。その下の数字(出願件数)が多いほど、開発が活発であると推測されます。

 

 表3に基づいて各企業をタイプ分けしました(表4)。

<表4> 各企業の特色と根拠、適合しやすい化学分野

企業 化学領域における特色 根拠(特許分類・データに見る特徴) より適合しやすい可能性のある化学分野
キオクシア メモリ微細化に向けたプロセス材料開発 H01L(半導体素子)、C23C(成膜)、C08F(レジスト高分子)、C01B(薬液精製)など。 高分子化学(フォトレジスト/感光性樹脂)、プロセス薬液、高純度無機材料、CMP化学
東京エレクトロン 半導体製造装置・プロセスの化学制御 H01L(基板処理)、C23C(CVD/ALD成膜)、H05H(プラズマ処理)が上位を占める。 半導体プロセス化学、薄膜形成(CVD/ALD)、プラズマ化学、気相・液相エッチング、微細洗浄技術
SCREEN 洗浄プロセス・バイオ・水素技術の多角展開 H01L(洗浄)に加え、C12M(細胞培養・バイオ機器)や C25B(水電解)の出願が存在。 基板表面洗浄化学、バイオプロセス、細胞培養技術、電気化学(水電解・電極)
KOKUSAI ELECTRIC 半導体成膜・熱処理プロセスの特化型開発 C23C(気相成長成膜)や H05H(プラズマ改質)に極めて集中的に出願。 膜形成プロセス化学、薄膜材料、ガス反応化学、熱処理化学、表面改質
ディスコ 高精密研磨(CMP)および環境排水制御 B24B(CMP・ウェハ研磨)および C02F(加工排水処理)に特化。 CMP(化学機械研磨)スラリー、界面化学、精密研磨材、超純水・微粒子ろ過、排水処理化学
京セラ ファインセラミックス・電池セル・封止樹脂 C04B(セラミックス)、B23B(超硬工具)、H01M(燃料電池)、C08L(封止樹脂)。 無機化学(粉体・焼結・結晶構造)、電気化学(電池・水電解)、超硬・金属複合材料、封止樹脂
村田製作所 積層セラミック(MLCC)・磁性体・電池材料 H01F(磁性体)、C04B(誘電体)、H01M(全固体電池)、C01B(MXene等の無機物)。 無機結晶化学(誘電体・磁性体)、全固体電池・固体電解質化学、粉体プロセス、無機ナノ材料(MXene)
TDK フェライト磁性材料・焼結体・二次電池材料 H01F(フェライト)、C04B(焼結体)、H01M(電池材料・電解質)が出願の上位。 無機粉体化学、磁性体・金属酸化物合成、二次電池・電解質材料、導電性ペースト化学
ミネベアミツミ 精密軸受用潤滑グリース・油剤の開発 C10M(軸受用潤滑グリース・油剤組成物)および F16C(軸受構造)に特化。 トライボロジー(潤滑摩擦化学)、合成潤滑油・グリース組成物、表面界面化学
日東電工 粘着・光学フィルム・多層材料の塗工技術 C09J(粘着剤)、G02B(光学フィルム)、B32B(積層体)が出願の多くを占める。 高分子化学(粘着剤・有機合成)、コーティング・塗膜化技術、光学薄膜材料、多層積層プロセス
キーエンス 微生物コロニー自動計測・分析機器開発 C12M(微生物コロニー自動計数・細胞観察装置)にピンポイントで出願。 生化学・バイオ分析、蛍光色素・発光材料応用、試薬化学
ローム パワー半導体およびパッケージング技術 H01L(パワーデバイス構造・製造プロセス)が大部分を占める。 パワー半導体材料化学、封止用エポキシ樹脂組成物、結晶成長・ウエハ処理化学
イビデン SiCセラミックス・触媒担体・バイオ・断熱部材 C04B(SiC焼結体)、A01N(植物賦活剤/抗ウイルス)、B01D(DPF/CO2回収)、C12N(凍結保存液)。 無機セラミックス(SiC)、触媒・セラミック多孔体、環境触媒、バイオ・農薬関連有機化学
太陽誘電 金属磁性粉末・誘電体磁器・全固体電池 H01F(金属磁性粉末)、H01G/C04B(誘電体磁器)、H01M(全固体電池)を保有。 金属磁性粉末化学、セラミック誘電体材料、圧電セラミックス、全固体電池材料
新光電気 基板固定・熱対策材料の機能性材料開発 H01L(静電チャック)や C09K(潜熱蓄熱体・熱対策材料)が出願上位。 機能性有機/無機材料、熱制御化学(蓄熱・放熱材料)、定着・接着インターフェース技術
ダイキン フッ素化学全般・高分子および冷媒開発 C08F(フッ素樹脂)、C09K(フッ素系冷媒・防汚剤)、C07C(有機フッ素)を網羅。 フッ素化学、有機合成化学、高分子合成・配合(フッ素樹脂・ゴム)、冷媒物性・物理化学
セイコーエプソン 水性・顔料インクおよび微粒子・分散技術 C09D(インク)や B41M(印刷)、D06P(捺染)、B22F(金属粉末)が中心。 コロイド・界面化学(分散・分散安定化)、色材・顔料化学、機能性インク合成、粉末冶金化学
リコー UV硬化インク・機能性高分子・バイオインク C09D(UV硬化・水系インク)、C08F(光硬化樹脂)、C12M/C12N(バイオ吐出)に展開。 光化学(UV/EB硬化樹脂)、インクジェット分散化学、バイオインク・ハイドロゲル、高分子エマルション
富士フイルムビジネスイノベーション トナー用高分子・環境配慮樹脂・微粒子分散 C08L(トナー樹脂・環境配慮高分子)、G03G(静電トナー)、C08J(セルロース微粒子)。 高分子合成・高分子加工、粉体・微粒子分散化学、セルロース・バイオマス材料化学
コニカミノルタ 機能性インク・光学TACフィルム・リサイクル樹脂 C09D(インク)、C08L(難燃・環境樹脂)、G02B(光学フィルム)、C07F(有機金属錯体)。 光學高分子化学、色素・錯体合成、高分子配合・難燃化技術、機能性コーティング
ブラザー工業 水性顔料インクジェットインクの開発 C09D(水性インク)および B41M(記録プロセス)に集中的に出願。 水性顔料・染料化学、高分子分散剤、定着・界面制御化学

 

 

 各社の上位技術分野(表3の一部)についてマトリクス化しました。

 

 

 

 領域①:インクジェットインク、光硬化性樹脂、フッ素樹脂、バイオマス高分子など、分子設計や合成反応に基づき機能性塗膜や着色材料といったマテリアルの開発が想定されます。

 領域②:細胞培養装置、コロニー自動計測機、バイオプリンティング、CO2回収・排ガス処理システムなど、生化学や理化学的な現象・反応メカニズムを基盤とした社会実装に向けた開発が想定されます。

 領域③:CVD/ALDによる原子レベルの成膜、プラズマ改質、CMP(化学機械研磨)、基板洗浄など、物理化学や化学工学の現象をプロセス制御技術として半導体製造装置やデバイス製造工程に関わる開発が想定されます。

 領域④:積層セラミックコンデンサ(MLCC)、磁性体、偏光・粘着フィルム、熱伝導シートなど、焼結プロセス・高分子分散・多層積層による電子部品や機能性マテリアルの開発が想定されます。

 

 本記事関連業界:半導体業界(国内)半導体業界(外資)半導体製造装置業界エアコン業界電子部品業界(総合7社)電子部品業界(大手8社)

 

4.終わりに(独自分析のやり方)

 各社の開発内容(特許情報)を調べる方法は、以下の通りです。

(1)特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を開く

   特許実用新案検索:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0100

 

(2)以下、①~③の操作

  ①「外国文献」からチェック(✓)を外す

  ②検索項目のプルダウンメニュー「申請人識別番号」でキーワードに「(番号:下表参照)」を入力

企業 識別番号
1 キオクシア株式会社 318010018
2 東京エレクトロン株式会社 000219967
3 株式会社SCREENホールディングス 000207551
4 株式会社KOKUSAI  ELECTRIC 318009126
5 株式会社ディスコ 000134051
6 京セラ株式会社 000006633
7 株式会社村田製作所 000006231
8 ティーディーケイ株式会社 000003067
9 ミネベアミツミ株式会社 000114215
10 日東電工株式会社 000003964
11 株式会社キーエンス 000129253
12 ローム株式会社 000116024
13 イビデン株式会社 000000158
14 太陽誘電株式会社 000204284
15 ダイキン工業株式会社 000002853
16 セイコーエプソン株式会社 000002369
17 株式会社リコー 000006747
18 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 000005496
19 コニカミノルタ株式会社 000001270
20 ブラザー工業株式会社 000005267

 

  ③検索項目のプルダウンメニュー「FI」から興味のある分野を選択(参考:JPlatPat

 

 

 

(3)検索結果を調べる。

 3000件を超える場合は表示されないので、検索オプションの「日付指定」で出願日を絞ってヒット件数を調節してください(上図④)。

 

 検索の詳細は以下の記事等を参照してください。

 ・研究内容から企業を特定する方法【事例あり】

 

 

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<注意事項>

 本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。

 

<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年、2026年版 東洋経済新報社

<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
・本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
・特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
・詳細な確認や重要な判断が必要な場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。