世界の経済と技術の潮流を牽引する巨大IT企業群、通称GAFAM(Google、Apple、Meta、Amazon、Microsoft)のサービスやプロダクトは生活やビジネスのインフラとして不可欠な存在となっています。
また、近年は自社製チップ、生成AI、仮想現実(VR/AR)、宇宙開発や次世代エネルギーなど物理的なハードウェアと情報技術を融合させたシステムの構築が進んでいます。
世界中から高度な人材を集めて巨額の投資によって進められており、どのような研究開発がおこなわれ、どのような専門性が求められるのか、その実態を把握することは困難です。
この問題に対し、特許情報を活用します。
特許情報は企業の開発の軌跡であり、客観的なエビデンスになり得る情報です。
本記事では、採用サイトとは別の視点で、グーグル、アマゾン、フェイスブック(メタ)、アップル、マイクロソフトの研究・開発職ニーズと関連する専門性を特許情報から解読します。
結論(概要)は以下の通りです。
・情報系分野(情報学、情報工学、情報科学、ソフトウェア工学、通信工学など)
・電気電子系分野(電気電子工学など)
・物理系分野(物理学、応用物理学など)
・機械系分野(機械工学、航空宇宙工学など)
・その他分野(認知科学、材料科学、経営システム工学)
1 業界サーチの概要
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
業界サーチは、業界における主要企業の特許情報から、その業界の企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。
特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。
すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。
2 GAFAM
2.1 GAFAMとは
ここでは、米国の巨大IT企業であるグーグル(G)、アマゾン(F)、フェイスブック(メタ)(F)、アップル(A)、マイクロソフト(M)を意図します。
2.2 サーチ対象
以下の5社を対象にしました。
(2)アマゾン
(3)フェイスブック(メタ)
(4)アップル
(5)マイクロソフト
以下、括弧内の略称で記載します。
アマゾンにはアマゾン ドット コム インコーポレイテッドとアマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッドの情報を用いました。
マイクロソフトにはマイクロソフト テクノロジー ライセンシング エルエルシーとマイクロソフト コーポレーションの情報を用いました。
2.3 使用プラットフォーム
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
3 サーチ結果
3.1 結果概要
開発イメージは下表のとおりです。
|
モノの開発 |
サービスの開発 |
|
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個人向け |
・ヘッドマウントディスプレイ |
・ユーザのプライバシー保護とアシスタント連携 |
|
法人向け |
・自動精算システム |
・量子コンピュータのキュービットの動作方法 |
モノの開発としては、例えば、自動精算システムが挙げられます。
サービスの開発としては、例えば、コンテンツダウンロードの自動開始などが挙げられます。
モノの開発が同時にサービスの開発になっている場合も多いです(非接触取引など)。
3.2 出願件数の推移
下図はGAFAMの日本への特許出願件数の推移です。

総出願件数はマイクロソフトが最も多いですが、年によって大きく変動しています。
上図期間中ではグーグル、アップルが増加傾向にあることが確認されます。
ただし、各社とも毎年一定数、出願しており、そのような出願につながる開発がおこなわれていることが推測されます。
3.3 開発の活発度
特許出願件数≒開発の活発度、だと考えるなら、
マイクロソフト>アップル>グーグル>アマゾン、メタ
だと言えます(アマゾンとメタは同程度)。
直近5年間(2018年-2022年)では、
グーグル>アップル>メタ>マイクロソフト>アマゾン
です。
3.4 主な開発分野
各社ごとに特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。
各社の出願上位3つの技術分野を抽出して並べています(特許出願されていても、その企業の出願件数上位に入っていない技術分野は除外されています)。
各記号は発明の技術分類をあらわします。

分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)
レンズなどがこれに該当します。
メタがこの分野から多く出願しています。
制御装置などがこれに該当します。
全5社がこの分野から多く出願しています。
画像処理システムなどがこれに該当します。
マイクロソフトがこの分野から多く出願しています。
電子決済システムなどがこれに該当します。
アマゾンがこの分野から多く出願しています。
音声コマンド認識などがこれに該当します。
マイクロソフトがこの分野から多く出願しています。
ネットワークセキュリティプロトコルなどがこれに該当します。
アマゾンがこの分野から多く出願しています。
デジタルビデオ信号の符号化などがこれに該当します。
グーグル、メタ、アップルマイクロソフトがこの分野から多く出願しています。
セキュリティ装置などがこれに該当します。
アップルがこの分野から多く出願しています。
3.5 GAFAMの近年の開発トレンドと求められる専門の例
特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。
ここ10年のトレンドは以下のとおりです。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
出願件数が少ない技術分野は除外しています。
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。
(1)グーグル|開発トレンドと専門性

上図期間中、G06Fが最も多いです。次いでG10L、H04N、G06N、G06T、H04Lが多いです。
具体例として検索クエリに対する短い応答を、トップランクの検索結果だけでなく、複数の検索結果に含まれるパッセージ間の関連性を考慮して生成する技術が挙げられます。
従来の検索エンジンではトップランクの検索結果から抽出されたパッセージをそのまま短い応答として表示するため誤解や不正確な情報が提示される可能性がありました。
これに対し、トップランクの候補パッセージに対し、他の検索結果の文脈パッセージを用いて確度スコアを算出し、そのスコアに基づいて短い応答として表示するかどうかを決定することにより、複数の情報源を参照することでより信頼性の高い短い応答を提供することが可能になる方法が開発されています(以下URL)。
文脈パッセージによる確度スコアに基づき短い応答を提供する方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7597907/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(適切なモデルアーキテクチャの選定、効果的な特徴量の設計、関連性の高いパッセージを迅速に特定するアルゴリズム)、情報科学(多様な情報検索モデルの検討、クエリとパッセージの特性に応じた最適な関連度指標の設計、効率的なデータストレージシステムの設計)
従来の固定長命令では短い命令も固定のビット幅を占有するためプログラムサイズが増大する問題がありました。一方、可変長命令はプログラムサイズを削減できるものの命令長を順次解析する必要があるため並列復号が困難でした。
これに対して、各命令を固定長の接頭辞と可変長の接尾辞で構成するハイブリッド命令形式が採用されています。接頭辞には対応する接尾辞の長さ情報が含まれるため、複数の固定長接頭辞を並列に識別することで、後続の可変長接尾辞の位置と長さを効率的に特定し並列復号を可能にすることで、プログラムサイズの縮小と命令の並列処理による実行性能の向上の両立を図る方法が開発されています(以下URL)。
プログラムサイズの縮小と命令の並列処理による実行性能の向上の両立を図る方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7642849/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(定長接頭辞の並列識別と、それに基づく可変長接尾辞のオフセット計算を行うための効率的なハードウェア(復号器、並列加算器など)のアーキテクチャの設計・実装、ハイブリッド命令形式に最適化された命令フェッチ機構やキャッシュ機構の設計)、情報工学(ハイブリッド命令形式に基づいた具体的な命令セットアーキテクチャを定義し、既存の命令セットとの互換性、プログラムサイズ、実行性能などの評価)
具体例として高位の自動アシスタントが、口頭クエリの処理を依頼する副次的な自動アシスタントの信頼度に応じて、提供するクエリの内容を調整する技術が挙げられます。
既存の自動アシスタントでは受け取った口頭クエリをそのまま他のアシスタントに渡すため信頼性の低いアシスタントに機密情報が漏洩する懸念がありました。
これに対して、副次的なアシスタントとの過去のユーザインタラクションに基づき信頼度を測定し、その信頼度に応じて口頭クエリのオーディオデータから個人情報などを削除・難読化したり、テキスト変換後の情報の一部を伏せたり、意図のみを伝えたりするなどの処理をおこなうことでユーザのプライバシーを保護しつつ多様な自動アシスタントの連携を可能にする方法が開発されています(以下URL)。
自動アシスタントの連携を可能にする方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7486680/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(副次的な自動アシスタントの信頼性を正確かつ多角的に評価するためのアルゴリズムの設計)、情報学(複数の自動アシスタントが連携するシステム全体の設計、ユーザが高位の自動アシスタントを介してさまざまな副次アシスタントと円滑に連携できるようなユーザインターフェースおよびユーザエクスペリエンスの設計)
具体例として近くのメディアプレーヤデバイスでユーザが選択したサードパーティコンテンツに応じて、ユーザのモバイルデバイスへのコンテンツダウンロードを自動開始する技術が挙げられます。
既存技術ではユーザがメディアプレーヤ上のコンテンツに興味を持ってもモバイルデバイスで別途検索・ダウンロードする必要があり手間と時間を要していました。
これに対して、メディアプレーヤでコンテンツが選択されると、その操作情報は無線通信またはサーバを通じてモバイルデバイスへ瞬時に伝送され、デバイスは伝送された情報に基づき表示されていたコンテンツに関連するアプリや追加データを特定し、ユーザによる明示的な操作を介さずに自動的にダウンロードを開始することで、ユーザが興味を持ったコンテンツを煩わしい操作なしに自身のモバイルデバイスですぐに利用できるようになる方法が開発されています(以下URL)。
コンテンツダウンロードを自動開始する方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7656051/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(メディアプレーヤデバイスからの選択指示を受けて関連するダウンロード可能コンテンツを特定しモバイルデバイスへダウンロード指示を出す一連の制御ロジックの検討)、電気電子工学(近距離無線通信技術の選定と実装)
具体例として量子コンピュータのキュービット動作方法が挙げられます。
従来の量子コンピュータではキュービットの動作パラメータは固定されるか、時間変化する欠陥の影響を考慮せずに調整されるため計算中に予期せぬエラーが発生する可能性がありました。
これに対して、キュービットの動作パラメータ(例:エネルギー緩和時間に関連する周波数)の過去の時間データを取得し、このデータに基づいて時間依存の欠陥の発生確率が低くなるような動作パラメータ値を選択、具体的には、過去の欠陥状態やその時間変化の傾向を分析し、将来の欠陥発生を予測することで、影響を受けにくい動作パラメータ値を決定し、その最適化された動作パラメータ値でキュービットを動作させることにより計算エラーを低減させる量子コンピュータのキュービット動作方法が開発されています(以下URL)。
量子コンピュータのキュービット動作方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7658031/15/ja
関連する専門分野の例:物理学(量子デバイスにおける欠陥の物理的メカニズムの解明、キュービットの動作パラメータと欠陥の相互作用の解析)、情報工学(過去の時間データに基づいた欠陥発生予測モデルの設計、動作パラメータ最適化アルゴリズムの設計)
具体例として画像中の傍観者とそれに付属するオブジェクトを背景と区別し除去する技術が挙げられます。
既存技術では傍観者がオブジェクトを持つ場合、傍観者のみを単純に除去しようとするとオブジェクトの一部が残ってしまい不自然な画像になるという問題がありました。
これに対して、画像から傍観者を検出し、その周囲の傍観者ボックスを生成し、傍観者に付属するオブジェクトを包含するローカライザボックスを複数生成し、これらのボックスを集約して集約ボックスを形成し、この集約ボックスに基づいてセグメンタを用いて傍観者とオブジェクトを画像からセグメント化し、傍観者マスクを生成し、最後にこのマスク領域を背景画素で置き換えることで、傍観者とオブジェクトを同時に自然に除去したインペイント画像を生成する方法が開発されています(以下URL)。
インペイント画像を生成する方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7653519/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(傍観者ボックスとローカライザボックスを生成するアルゴリズムの設計、傍観者とオブジェクトの統合的なセグメンテーションの検討)、情報科学(傍観者に付属する可能性の高いオブジェクトを推論するモデルの設計、検出、ローカライズ、セグメンテーション、インペイントの各処理を最適に組み合わせるための制御機構の設計)
具体例としてクライアントデバイスにおけるデジタルコンポーネントの選択表示が挙げられます。
既存技術ではユーザ属性に基づいたコンテンツ配信においてユーザのプライバシー保護とデータセキュリティの確保が課題でした。
これに対して、候補と配信パラメータをクライアントデバイスが受信後、各候補の配信パラメータを暗号化し、デバイス内のトラステッドハードウェアで実行される暗号解析アプリに入力することで、アプリが暗号化された選択データとセキュアなユーザ属性との一致度を暗号化したまま出力し、クライアントが復号した一致度に基づき表示するコンポーネントを選択し表示できるようにすることで、ユーザ属性をネットワーク送信せずにプライバシーを保護し、ゼロ知識証明でセキュリティを高め、デバイス内処理で迅速な表示を実現する技術が開発されています(以下URL)。
デジタルコンポーネントの選択表示→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7600267/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(効率的なゼロ知識証明プロトコルの実装と最適化)、ソフトウェア工学(プライバシー保護に基づいたシステム設計)
(2)アマゾン|開発トレンドと専門性

G06Fが最も多いです。次いでH04L、G06Q、B65G、B64Cが多いです。
具体例としてクラウド環境におけるコンピューティングリソースへのアクセス制御が挙げられます。
既存技術では複雑化するセキュリティポリシーの管理と異なるポリシー間の許容性や矛盾の検出が困難でした。
これに対して、複数のベースラインセキュリティポリシーと新規なセキュリティポリシーを取得し、それらを命題論理式に変換した後、充足可能性モジュロ理論(SMT)ソルバーを用いて解析することで、新規ポリシーがベースラインポリシーよりも許容性があるかどうかを判定し、その結果を特権ユーザーに提示することで、安全かつ柔軟なアクセス制御を実現する技術が開発されています(以下URL)。
クラウド環境におけるコンピューティングリソースへのアクセス制御→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7240785/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(セキュリティポリシーを命題論理や一階述語論理などの形式論理に基づいて正確かつ網羅的にモデル化する手法の検討)、情報科学(充足可能性判定アルゴリズムの設計)
既存技術では電子書籍に固定的に記述された間隔プロパティ(パディング、マージンなど)が異なる表示環境下で過剰な空白を生み出しコンテンツが画面外に表示されてしまう問題がありました。
これに対して、電子書籍の表示要求に応じて現在の行の表示に使用可能な幅または高さを特定し、電子書籍で定義された間隔プロパティに基づいてその行に含めるべき間隔の量を特定し、その間隔の量が使用可能な行表示の長さの閾値を超えると判断した場合、個々の文字サイズは変更せずに、間隔プロパティを縮小したり、行の揃え方を変更したりすることで異なる様式でレイアウト、特に、間隔の量が大きい場合には右揃え(横書き)または下揃え(縦書き)を適用することで作成者の意図に近い表示を実現するシステムが開発されています(以下URL)。
作成者の意図に近い表示を実現するシステム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7425214/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(さまざまな画面サイズ、解像度、文字サイズ設定においてコンテンツの可読性を損なわずかつ作成者の意図を尊重した最適な間隔調整の閾値や縮小率、揃え方変更をおこなうためのアルゴリズムの設計)、デザイン情報学(異なる調整方法による視覚的な変化をユーザー調査や専門家評価を通じて分析、自然で質の高い表示となるようにデザインガイドラインや調整パラメータの最適化)
具体例としてクラウド無線ネットワークにおけるシステムが挙げられます。
既存技術では無線ネットワークの機能は標準規格に固定されており顧客の多様なニーズに柔軟に対応することが困難でした。
これに対して、クラウドサービスプロバイダが運用する無線ネットワークにおいて、標準規格に規定されていない顧客固有の機能を、クラウドプロバイダネットワークのコンピューティングデバイスが顧客からの入力データに基づきデータ処理ネットワーク機能に構成することで標準規格外の柔軟な機能拡張を可能とするシステムが開発されています(以下URL)。
標準規格外の柔軟な機能拡張を可能とするシステム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7654106/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(顧客が要求するカスタマイズ機能をデータ処理ネットワーク機能上で効率的かつ安全に実現するためのアーキテクチャの設計)、電気電子工学(無線ネットワーク標準規格と顧客が要求するカスタマイズ機能が矛盾なく共存できるかの技術的な検証と設計)
具体例として自動精算(AC)システムを備えた施設においてユーザが注文場所でカスタマイズ可能な商品を注文した際にその注文をユーザと関連付けるシステムが挙げられます。
既存技術ではカスタマイズ可能な商品の注文とユーザの紐付けが困難でありACシステムの適用が限定的でした。
これに対して、AC入場場所への入場情報、注文場所のユーザ入力デバイスからの注文情報および独立したカメラからの注文場所の画像データを取得し、画像データから注文時のユーザの存在と対話性を判定することで注文を特定のユーザに関連付け、ユーザが手動精算なしに施設を退出できるようにするシステムが開発されています(以下URL)。
ユーザが手動精算なしに施設を退出できるようにするシステム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7417738/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(カメラ画像から注文時にユーザがユーザ入力デバイスにいたことや対話していたことを判定するコンピュータビジョンアルゴリズムや機械学習モデルの設計)、経営システム工学(さまざまな施設導入を念頭に置いたACシステムの最適化や運用方法の検討)
具体例としてコンベヤシステムが挙げられます。
既存のコンベヤシステムでは複数の注文の物品が混ざり合い仕分け前に手作業による個別化が必要となる場合があり処理速度のボトルネックとなっていました。
これに対して、上側コンベヤレベルに流れ方向に沿って排出開口幅が増加する上側排出開口と流れ方向に沿って運搬幅が減少する上側運搬面が設けられることで、搬送される物品の幅に応じて下方の後続コンベヤレベルへ順次排出する構成であるため、横並びで搬送されてきた物品を後続のコンベヤレベル上で縦列に配置することが可能となり自動化された高速な個別化処理を実現するコンベヤシステムが開発されています(以下URL)。
コンベヤシステム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7050812/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(排出開口幅および運搬幅が流れ方向に沿って変化する具体的な機構(ローラ配置、ベルト構造、ガイド形状など)の設計)、電気電子工学(上側コンベヤレベルと後続コンベヤレベルの搬送速度を制御し物品が後続コンベヤレベル上で縦列となるように連携させる制御システムの設計)
具体例として航空機装置(ドローン)が挙げられます。
既存の無人航空機(UAV)は敏捷性と効率性の両立およびピッチ、ヨー、ロール、ヒーブの4自由度での動作に限界がありました。
これに対して、第1、第3、第5の操縦推進機構が同一平面上で第1の方向に、第2、第4、第6の操縦推進機構が同一平面上で第2の方向(第1の方向にほぼ垂直)に向けられるとともに、揚力推進機構が前記平面に並置されることで6自由度(ピッチ、ヨー、ロールの回転と、サージ、ヒーブ、スウェイの並進)での効率的な動作を可能にする航空機装置が開発されています(以下URL)。
航空機装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6920519/15/ja
関連する専門分野の例:航空宇宙工学(揚力推進機構と6つの操縦推進機構の配置、サイズ、推力特性などの最適化、機体の空力特性、構造強度、重量バランスを考慮した効率的かつ安定的な航空機設計)、機械工学(各操縦推進機構(モーター、プロペラ等)の効率、推力特性、応答性などの評価、航空機の要求性能を満たす最適な推進機構の選定・設計)
(3)メタ|開発トレンドと専門性

G02Bが最も多いです。次いでG06F、H04N、G06T、H01Lが多いです。
具体例として拡張現実(AR)/仮想現実(VR)ディスプレイで使用される光学過焦点反射システムが挙げられます。
従来のAR/VRシステムでは仮想画像と実世界の像との間の焦点深度の不一致が使用者の目の疲労や不快感を引き起こすという問題がありました。
これに対して、少なくとも一つの光学基板と入力されたコリメート表示画像を基板に連結する光学入力連結部、基板と一体化された光学過焦点出力連結部を備え、出力連結部は少なくとも一つの過焦点反射ビューポートを含み、このビューポート内の複数の部分反射性スポットが入力表示画像の一部を個別の光線として所定の作動距離の標的エリア(通常は人間の目)に反射投影し、これらの反射スポットは標的エリアに過焦点の仮想表示画像部分を形成するように大きさが調整されているので、使用者の焦点深度の不一致による疲労感を軽減できる光学過焦点反射システムが開発されています(以下URL)。
光学過焦点反射システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7404368/15/ja
関連する専門分野の例:応用物理学(過焦点反射スポットの形状、配置、反射特性、回折光学素子の設計)、電気電子工学(ディスプレイデバイスと光学過焦点反射システムの効率的な連結方法の検討、リアルタイムな視線検出アルゴリズムの設計)
従来の屈折率測定法はサンプル作成後に行うオフライン測定であり時間と手間がかかり効率的ではありませんでした。
これに対して、光源アセンブリから放出されたプローブビームを格子領域で走査し、ビームスプリッタで分割された基準光と格子で回折・透過した光のパワーをそれぞれパワーメータで測定し、これらの測定値をコントローラが解析することで格子の屈折率の時間変化をリアルタイムに決定できる製造システムが開発されています(以下URL)。
格子製造のおける製造システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7324782/15/ja
関連する専門分野の例:応用物理学(格子の種類や形成プロセスに応じて屈折率変化を高感度かつ正確に検出できるプローブビームの波長、偏光、入射角、走査方法などの検討)、材料科学(格子形成材料の露光による屈折率変化の物理化学的なメカニズムの解明、時間依存の数式モデル化)
具体例として人工現実(AR)環境においてユーザが一時的にAR体験を中断するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)が挙げられます。
既存のARシステムではユーザが他の参加者とのインタラクションを一時的に停止したい場合、HMDを取り外す必要があり没入感が損なわれるという問題がありました。
これに対して、ユーザ入力に応答して中断モード環境を有効にする中断モードエンジンを備え、ユーザのアバターをAR環境から停止させつつ他のユーザのアバターはAR環境への参加を継続させ、中断モードエンジンはユーザのHMD内に他のアバターを静的位置にレンダリングすることでユーザが中断中も他の参加者の存在を把握でき、HMDを装着したままAR体験をスムーズに一時中断して必要に応じて復帰することを可能にするシステムが開発されています(以下URL)。
HMD→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7604404/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(ユーザが直感的かつ容易に中断モードを起動・終了でき、中断中に必要な情報を効率的に把握できるUI/UXを設計・実装)、認知科学(AR体験の中断がユーザの没入感、注意、疲労感などに与える影響の評価、ユーザのソーシャルプレゼンスの維持のためのアバターの表示方法、音響効果、通知システムの検討)
具体例として光強度をデジタル値に変換する画像センサーのピクセルセル構造が挙げられます。
従来の画像センサーではフォトダイオードの飽和や暗電流、アナログ-デジタル変換時の量子化誤差など、測定可能な光強度のダイナミックレンジを制限するという問題がありました。
これに対して、フォトダイオードで発生したオーバーフロー電荷と残留電荷を別々に検出し、それぞれの電圧を異なるランピングしきい値電圧や静的しきい値電圧との比較により複数の判定を生成し、これらの判定に基づき光強度を表す適切なデジタル値(第1または第2のデジタル値)を選択的に出力する処理回路を備えることで、広いダイナミックレンジでの光強度測定を可能にする装置が開発されています(以下URL)。
画像センサーのピクセルセル構造→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7292313/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(フォトダイオード、電荷貯蔵ユニット、各種トランジスタスイッチ、比較器、デジタル値生成回路などの回路構成の設計、各制御信号の生成回路の設計)、応用物理学(広いダイナミックレンジの測定に適したフォトダイオードの構造や材料の検討、フォトダイオードからの電荷転送効率を高めてノイズの影響を低減するための構造の検討)
具体例として複数のカメラで撮影した画像から3Dモデルを生成し、その3Dモデルにセマンティック情報(物体が何であるかの情報)を付与する技術が挙げられます。
従来の技術では3Dモデルの生成には高価な機器が必要であり、また、セマンティック情報の付与は手作業で行う必要がありました。
これに対して、複数のカメラポーズで取得された複数の画像にアクセスし、各画像から捉えられたオブジェクトのセマンティック情報を含むセマンティックセグメンテーションを生成し、対象物の3Dモデルと各画像に対応する仮想カメラポーズを決定し、これらの仮想カメラポーズを用いて複数のセマンティックセグメンテーションのセマンティック情報を3Dモデルの表面へと投影し、複数のセマンティックセグメンテーションからのセマンティック情報については同一オブジェクトに適用するために統合するという一連の処理により、多視点からの情報を効果的に活用し、3Dモデルの全体にわたって一貫性のあるセマンティック情報を自動的に付与する方法が開発されています(以下URL)。
セマンティック情報を自動的に付与する方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7532395/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(多様な環境下で撮影された画像から対象となるオブジェクトを正確に認識し、そのカテゴリ(セマンティック情報)を高精度に抽出できるモデルやアルゴリズムの設計)、コンピュータ科学(複数のカメラの位置とカメラポーズを推定する技術および3Dモデルとの空間的対応付けをおこなう手法の検討、2Dのセマンティックセグメンテーション結果を3Dモデルの表面に歪みなく投影するためのマッピング手法の検討)
具体例として複数の回路ダイを積層する3次元(3D)集積回路の製造方法が挙げられます。
従来の3D集積回路の積層方法ではフェースツーバック構成における制約、高密度な機能モジュールの組み込みの困難さ、能動回路エリアの損失なしに多数のスルーシリコンビア(TSV)を設けることの難しさ、一時的キャリアの使用に伴う課題などが存在していました。
これに対して、複数のTSVを形成したシリコン基板を第1のダイ上に取り付け、TSVの一部を第1のダイに電気的に接続し、次にシリコン基板と第1のダイをフェースツーフェース接合により第2のダイ上に取り付け、第1のダイと第2のダイを電気的に接続し、最後にシリコン基板を薄化してTSVを露出させることにより、TSVがシリコン基板上に取り付けられた電気的構成要素と第1のダイとの間の電気的接続を提供する方法が開発されています(以下URL)。
3D集積回路の製造方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7304936/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(高密度かつ高信頼性のTSVをシリコン基板に形成するための微細加工プロセス(エッチング、絶縁膜形成、導体埋め込みなど)の設計)、応用物理学(シリコン基板の薄化プロセス(エッチング、研磨など)における均一性、表面粗さ、結晶性などの制御、TSVの露出を最適化するための条件の探索)
(4)アップル|開発トレンドと専門性

G06Fが最も多いです。次いでH04N、H04L、G06T、G06Qが多いです。
具体例としてコンピュータシステムにおける複数のアプリケーションからのイベント通知を効率的に表示するユーザインタフェース制御方法が挙げられます。
既存技術では複数のアプリケーションの通知を個別に確認する必要があり重要な情報を迅速に把握することが困難でした。また、イベントが終了した後も表示が残存しユーザインタフェースの視認性を低下させるという問題がありました。
これに対して、複数のアプリケーションからのイベント(第1のイベント、第2のイベントなど)に関する更新をサブスクライブし、単一の第1のユーザインタフェース内の特定の領域(第1の位置の第1の領域)にアクティブなイベントの表現を切り替えて表示、具体的には、第1のイベントがアクティブで第2のイベントが非アクティブであれば第1のイベントの表現を、その逆であれば第2のイベントの表現を同じ領域に表示し、それぞれのアプリケーションからの更新に基づいて表示情報をリアルタイムに更新し、表示中にアクティブであったイベントが終了したことを検出するとユーザの明示的な操作なしに、そのイベントの表現の表示を自動的に停止することで、限られた表示領域を有効活用し、アクティブな最新情報をユーザに効率的に提供する方法が開発されています(以下URL)。
ユーザインタフェース制御方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7631271/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(効率的な通知表示とインタラクションの検討、重要度の高いイベントを優先的に表示する制御ロジックの設計)、ソフトウェア工学(各アプリケーションからのイベント更新をサブスクライブし、受信した更新に基づいてユーザインタフェースの表示をリアルタイムに更新する処理の実装、イベント終了時に対応する表示を自動的に停止する制御ロジックの実装)
従来の技術ではアプリケーションの実行状態はアプリケーションのユーザインタフェース内に表示されるため複数のアプリケーションの状態を同時に把握することが困難でした。また、アプリケーションを切り替えるたびに状態表示が消えるため継続的な状態監視には不向きでした。
これに対して、ディスプレイ内に常時表示される状態領域を設け、アプリケーションのユーザインタフェースが表示されている際には状態領域にはそのアプリケーションの状態変化のインジケーションは表示されないが、アプリケーションのユーザインタフェースが閉じられると状態領域にはそのアプリケーションの現在の状態が継続的に表示され、別のアプリケーションのユーザインタフェースに遷移した後も元のアプリケーションの状態は状態領域に維持され、状態領域に表示されているアプリケーションの状態インジケーションに対応するユーザインタフェースを再度表示する要求が検出されると状態領域にはそのアプリケーションの最新の状態が表示されることで、ユーザが主要な作業領域を広く確保しつつ複数のアプリケーションの状態を効率的に把握し必要に応じて迅速にアクセスすることを可能にする方法が開発されています(以下URL)。
ユーザインタフェース制御方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7591541/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(限られた状態領域で分かりやすく瞬時に理解できるようなアイコン、テキスト、アニメーションなどの視覚的表現の設計、アプリケーションへの迅速なアクセスや簡単な操作を可能にするためのインタラクションの設計)、ソフトウェア工学(アプリケーションのライフサイクルや状態変化に応じて状態領域の表示を適切に更新するバックエンドのシステムアーキテクチャの設計、状態領域とアプリケーション領域が連携して動作するためのGUIフレームワークの設計)
既存技術では非視覚的アラートへの反応が遅れた場合、関連情報の表示が遅延したり再度操作が必要になったりする問題がありました。
これに対して、イベント検出と非視覚的アラート出力後、ユーザインタフェース表示要求が一定時間閾値以内であるかを判定し、閾値以内であればアラート関連コンテンツを直ちに表示する一方、閾値を超えていれば表示しないという技術構成により、重要なイベントに対するユーザの迅速な対応を支援し操作効率を向上させる方法が開発されています(以下URL)。
アラートに対応するコンテンツを即座に表示する技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7646622/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(効率的かつストレスのない情報提示を可能にする時間閾値の検討、非視覚的アラートとコンテンツの対応付け)、ソフトウェア工学(リアルタイム処理システムの設計・実装、イベントを管理してアラート出力後の状態遷移を制御するソフトウェアアーキテクチャの構築)
具体例としてパルス幅変調(PWM)方式の画像センサの動作方法が挙げられます。
従来のCMOSイメージセンサ等では高速な被写体の動きによる画像歪みや高ダイナミックレンジ撮影における課題、限られたフルウェルキャパシティによるダイナミックレンジの制約といった問題がありました。
これに対して、検出期間中にPWM画素で受光した光子を光電流に変換し、その光電流に応じてセンスノードに電子を蓄積するとともに、検出期間と同期して非線形にカウントをインクリメントし、蓄積電子数が閾値に達した時点でそのカウント値を時間-デジタル変換器(TDC)回路のメモリにラッチする非線形なカウントインクリメントにより、光電流の強度に応じて変化するトリガー時間に対し非線形なカウントによってデジタル出力の時間分解能を最適化し、高ダイナミックレンジ化や高速な撮像を可能にする方法が開発されています(以下URL)。
PWM方式の画像センサの動作方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7565980/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(フォトダイオード、センスノード、コンパレータおよびTDC回路の回路設計とレイアウト設計、電子の閾値制御によるダイナミックレンジ拡張の検討)、情報工学(光電流とトリガ時間との非線形な関係性を考慮した時間-デジタル変換アルゴリズムの設計、露光パラメータを最適に制御する自動露光アルゴリズムの設計)
具体例としてミリ波通信における送信装置が挙げられます。
既存技術では複数のチャネルでOFDM信号を送信する際にチャネルごとにアップサンプリングやフィルタリング処理が必要となり装置の複雑化、消費電力の増大、コスト高を招くという問題がありました。
これに対して、複数のペイロード信号をまとめて逆高速フーリエ変換(IFFT)処理することで一つの広帯域OFDM信号を生成し、それをボンディングチャネルに割り当てる一方、プリアンブルとヘッダ信号は各チャネルに対応したシングルキャリア信号として生成し、それぞれのチャネルに割り当てることで、従来のチャネルごとの信号処理を不要とし、装置の小型化、低消費電力化、低コスト化を実現する送信装置が開発されています(以下URL)。
ミリ波通信における送信装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7516480/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(ミリ波帯に対応したキャリア信号回路、周波数変換器、送信回路などの回路設計、シングルキャリア信号とOFDM信号間の周波数配置の最適化、相互の干渉を抑制する技術の検討)、情報工学(複数のペイロード信号をIFFT処理し広帯域のサブキャリアにマッピングするアルゴリズムの設計、シングルキャリア信号とOFDM信号を含む新たな送信フレーム構造の設計)
具体例として複合現実(MR)環境における複数のプロセスによるデータ構成へのアクセス制御が挙げられます。
既存技術では複数のプロセスが同時にデータリソースを競合するため遅延や割り込みが頻発し、MRコンテンツのリアルタイム処理においてボトルネックが生じ、ユーザー体験を損なうという問題がありました。
これに対して、複数のプロセスの決定論的アクセススケジュールを決定し、特にMRコンテンツの生成に関わる複数のプロセスの中で最初にデータ(例えば、センサからの入力)を必要とするプロセス(第1のプロセス)に対して、その入力準備時間に基づいて入力を取得する時間パラメータを決定し、この時間パラメータに基づき第1のプロセスのウェイクアップ時間を計算することで、各プロセスにてデータが準備できたタイミングで効率的にアクセスできるようになり、リソース競合の低減、遅延の解消、リアルタイム性の高いMR体験を提供できる方法、システムが開発されています(以下URL)。
MR環境における複数のプロセスによるデータ構成へのアクセス制御→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7558241/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(どのプロセスが最初にデータ入力を必要とする「第1のプロセス」に該当するのかを特定する手法の検討、第1のプロセスが入力データを取得するための最適な時間パラメータを決定するモデルの構築)、情報科学(MRパイプラインにおけるボトルネック分析と改善、ユーザーのMR環境における操作やインタラクションの種類に応じて許容される遅延の閾値の評価)
具体例として電子ウォレットアプリケーションを搭載した電子デバイスにおける、ストアドバリュー口座(プリペイド口座など)を用いた非接触取引が挙げられます。
既存技術では取引の際に利用可能残高の確認や取引履歴の表示が別画面に遷移したり、取引処理中に画面表示が静的なままでユーザーが不安を感じたりする可能性がありました。
これに対して、電子デバイスのディスプレイ上にストアドバリュー口座の利用可能残高を常時表示しておき、非接触取引端末との通信時にその残高表示領域を取引の進行状況や結果を示す表示に動的に置き換えることで、具体的には、短距離無線通信を用いて認証情報を端末に転送後、その取引に基づいて元の残高表示が取引完了のインジケーション表示に切り替えることで、ユーザーが直感的かつ視覚的に取引の状況を把握でき操作性の向上と安心感につなげる方法が開発されています(以下URL)。
非接触取引→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7546022/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(利用可能残高から取引状況へのスムーズな画面遷移、分かりやすい取引インジケーションの設計、電子ウォレットアプリケーションの設計)、電気電子工学(通信距離、速度、消費電力などの最適化、ディスプレイの表示制御や無線通信モジュールの制御の設計)
(5)マイクロソフト|開発トレンドと専門性

G06Fが最も多いです。次いでH04N、H04L、G06T、G06N、G06Qが多いです。
具体例としてユーザーアプリケーションにおける機密データの漏洩を防ぐためのデータ難読化フレームワークが挙げられます。
既存技術では文書内に存在する機密データの特定やマスキングが煩雑であり、ユーザーが意図せず機密情報を公開してしまうリスクがありました。また、機密データの種類やポリシーに応じた柔軟な対応が困難でした。
これに対して、ユーザーコンテンツを複数のチャンクに分割し、分類サービスを用いて機密コンテンツを含むチャンクを特定し、特定された機密コンテンツはユーザーインターフェース上で注釈表示され、マスキングなどの難読化オプションが提示され、ユーザーが難読化オプションを選択すると関連する機密コンテンツが元のデータスキームを維持したまま難読化されたコンテンツに置換されることで、ユーザーが視覚的に機密データの存在を認識し容易かつ安全に難読化処理をおこなうことを可能にする方法が開発されています(以下URL)。
データ難読化フレームワーク→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7398537/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(複雑なパターンや文脈に基づいた高精度な機密データ分類アルゴリズムの設計、データ形式を維持しつつ意味を保持しないトークン化、仮名化、集計処理などの難読化方式の設計)、ソフトウェア工学(さまざまなユーザーアプリケーションやデータ形式に対応できる柔軟で拡張性の高い難読化フレームワークの設計、直感的で使いやすいユーザーインターフェースの検討)
既存技術では個々のデバイスのデータのみに基づいてセキュリティを監視しており、複数のデバイス間の相互作用や複合的な異常を検出することが困難でした。
これに対して、IoTハブが複数のIoTデバイスから少なくとも二種類の異なるデータを含む集約されたIoTデータを受信し、これらのデータを組み合わせて分析し、複数のデバイス間で定義された少なくとも二つのセキュリティ規則への適合性を評価し、違反が検出された場合、選択的に警告を送信することで、個々のデバイスの異常だけでなく複数のデバイスが連携したより複雑なセキュリティ侵害の兆候を早期に捉えるセキュリティ装置が開発されています(以下URL)。
IoTセキュリティ装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7506719/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(耐タンパー性の向上の検討、セキュアブート機構の設計、物理的な改ざん検知センサーの統合、暗号化プロトコル、認証方式、鍵管理機構などの設計・実装)、情報科学(複数のIoTデバイスから収集される大量の異種データを効率的に分析するためのデータ処理基盤の構築、異常な挙動を検出するための統計的モデルや機械学習モデルの設計)
具体例としてビデオエンコーダにおけるビデオコンテンツの符号化方式を示すシンタックスエレメントの設定が挙げられます。
既存技術ではビデオのスキャンタイプ(プログレッシブ/インターレース)が不明確な場合やコンテンツ内でスキャンタイプが混在する場合に復号側で適切な再生処理をおこなうための情報が不足していました。
これに対して、ビデオコンテンツのソース表示に対する複数のオプション(プログレッシブ推奨、インターレース推奨、スキャンタイプ不明、プログレッシブ/インターレース混在推奨)の一つと、その信頼度を示す複数のシンタックスエレメントを符号化データに含める(スキャンタイプがプログレッシブか否かを示すフラグを含める)ことにより復号側は符号化データに含まれるスキャンタイプ情報とその信頼度に基づいて適切なデインターレース処理や表示方法を選択できるようにする方法が開発されています(以下URL)。
シンタックスエレメントの設定→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7376647/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(提案された複数のスキャンタイプオプションと信頼度情報を効率的に表現するためのシンタックス要素の設計と、これを実装するビデオエンコーダおよびデコーダのアルゴリズムの設計)、電気電子工学(提案されたシンタックスエレメントを処理しビデオ信号の符号化・復号化をおこなうための電気回路やシステムの設計)
具体例としてリアルタイム通信におけるユーザの体感品質(QoE)を最適化する技術が挙げられます。
既存技術ではネットワーク状況やアプリケーション要求が頻繁に変化する環境下で高品質かつ安定したリアルタイム通信を実現することが困難でした。特に変化への対応が遅れるとユーザのQoEが低下する問題がありました。
これに対して、送信側デバイスのエージェントがデバイスの状態と受信側からのネットワーク統計に基づき現在の状態を把握し、送信パラメータを決定・送信し、受信側からは受信した通信品質に基づく報酬とネットワーク統計をエージェントに送り、エージェントはこれらの情報から将来の報酬の合計予測値を算出しそれを最大化するように送信パラメータを動的に変更することで、ネットワーク状況やアプリケーション要求の変化にリアルタイムに適応し、ユーザのQoEを継続的に最適化する方法が開発されています(以下URL)。
ユーザのQoEを継続的に最適化する方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7635196/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(ユーザのQoEを最適化するための適切な強化学習アルゴリズムの選定とモデルの設計、送信側・受信側デバイス、エージェント間の情報連携、リアルタイム処理を実現するためのシステム全体のアーキテクチャの設計)、通信工学(ネットワークの遅延、損失、ジッタなどの統計情報がユーザの体感品質に与える影響の分析、リアルタイム通信プロトコルの最適化)
具体例としてデジタル画像におけるピクセル間の信号拡散の影響を補正する技術が挙げられます。
既存のデジタルイメージング技術では特にToFカメラにおいて光の回折やセンサ内部での電荷拡散などにより隣接するピクセル間で信号が混ざり合い画像がぼやけるという問題がありました。
これに対して、異なる変調周波数で取得された注目ピクセル(ターゲットピクセル)周辺のピクセル(カーネルピクセル)の信号値と信号振幅を用いて符号付き重み付け係数を算出し、これらの重み付け係数に基づいた線形結合によってターゲットピクセルの信号値を補正することで信号拡散の影響を低減し、鮮明なデジタル画像を得るとともに重み付け係数の符号に基づいて前景・背景の分類やその和に基づくエッジ検出をおこなうことで鮮明なデジタル画像が得られるようにするコンピューティングデバイスが開発されています(以下URL)。
ピクセル間の信号拡散の影響を補正する技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7536800/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(信号拡散のモデル化、重み付け係数の最適化アルゴリズムの設計、補正処理の高速化・効率化、さまざまな種類の画像データや撮像デバイスへの適用可能性の検証)、応用物理学(信号拡散の物理現象の解析、新たなセンサ構造や材料による信号拡散の抑制の検討、信号拡散の低減のための光学系の設計)
具体例としてフォールトトレランスを持つ量子コンピュータにおいて、特定の量子状態である「猫状態」を効率的に準備する技術が挙げられます。
既存の猫状態準備法は量子ビット間の高度な接続性や長い回路深度を必要とし実現が困難でした。
これに対して、近隣の量子ビット対に対するジョイントパリティ測定を繰り返しおこなうことで初期の猫状態を形成し、その後、一部の量子ビットのもつれを解くことで低回路深度(4+4t以下)かつ一次元接続性のみでt個以下の量子誤りを含むことが保証された猫状態を準備することで量子計算における誤り耐性を向上させる量子コンピュータの実現方法が開発されています(以下URL)。
量子コンピュータの実現方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7623389/15/ja
関連する専門分野の例:物理学(提案された猫状態準備シーケンスの物理的な実現方式の検討、異なる量子ビットアーキテクチャへの適用可能性の検討と最適化)、情報工学(提案された猫状態準備回路の具体的な量子ゲートレベルでの実装設計と最適化、準備された猫状態を用いた具体的な量子アルゴリズムの実装)
具体例としてユーザの現在位置や環境信号に基づき位置共有の有効化を自動で促すシステムが挙げられます。
既存技術ではユーザが手動で位置共有を設定する必要があり日常的な活動時には共有を避けたい反面、友人との遭遇機会を逃す可能性がありました。
これに対して、通常は位置共有が無効になっているデバイスにおいてその位置情報と近隣ユーザやビーコン信号などの環境信号に基づいてユーザからの入力なしに設定されたトリガ条件が満たされると位置共有を一時的に有効化するためのプロンプトをデバイスのディスプレイに表示し、ユーザの許可を得て位置共有を有効化し、有効化後もトリガ条件が満たされなくなったと判定されると自動的に位置共有を無効化し、また、ビーコン信号を環境信号として利用することで特定の場所に関連するアカウントとの位置共有をユーザに提案することにより、ユーザが普段は位置共有をオフにしていても特定の状況下でのみ手間なく必要な範囲で位置情報を共有できプライバシー保護と利便性の両立を図れるシステムが開発されています(以下URL)。
位置共有の有効化を自動で促すシステム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7328210/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(スマートフォンなどのモバイルデバイスにおける位置情報取得の精度向上と省電力化の検討、ユーザのプライバシー保護に配慮した位置情報の利用と管理方法の検討)、認知科学(ユーザが状況を理解し位置共有の有効化を適切に判断するためのプロンプトの設計、ユーザの認知負荷を低減するためのインターフェース設計)
(6)まとめ
ユーザーインターフェースの制御などのデジタルデータ処理や電子商取引など情報通信分野の技術に関する出願が多くを占めています。
これらは、セキュリティ強化や非接触取引、デジタル画像の補正、位置情報の共有など最終ユーザの利便性向上に関わるものが多く、これらの開発が日々おこなわれていることが推測されます。
なお、開発地ですが、米国出願を基礎にして日本に出願されたものが多くを占めることから、多くが米国だと考えられます。
3.6 共同出願人との開発例
共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。
技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。
各社の共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。
(1)グーグル

出願件数トップの共同出願人はネスト・ラブズ(グーグルに買収)です。
件数が少ないので、説明は省略します。
(2)アマゾン

件数が少ないので説明については省略します。
(3)メタ

出願件数トップの共同出願人はオキュラスVR(メタに買収)です。
他は件数が少ないので、説明は省略します。
(4)アップル

既存技術ではUEは単一の基地局に対するPHR情報のみを報告していましたが、デュアルコネクティビティ環境では複数の基地局との通信に必要な電力状況を基地局側が把握できず、効率的な無線リソース管理やスケジューリングに課題がありました。
これに対し、デュアルコネクティビティ環境下で動作するユーザ機器(UE)が自身の電力ヘッドルーム(PHR)情報を効率的に複数の進化型ノードB(eNB)へ報告するためのコンピュータ可読媒体であって、当該媒体に格納された命令をUEが実行することにより、UEはマスタセルグループ(MCG)とセカンダリセルグループ(SCG)それぞれに関連するPHR情報を媒体アクセス制御(MAC)制御要素に含めて生成し、複数のeNBに送信、具体的には、生成されるMAC制御要素がMCGのプライマリセル(PCell)に関連するPHR値を含む第1のオクテット群とSCGのプライマリセルに関連するPHR値を含む第2のオクテット群を有することで、各eNBがUEの電力状況を正確に把握し、効率的な無線リソース割り当てを可能にするコンピュータ可読媒体が開発されています(以下URL)。
コンピュータ可読媒体→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6705072/15/ja
(5)マイクロソフト

共同出願の例として追記形ディスクに対し疑似書換え機能を有するドライブ装置を用いた記録方法が挙げられます。
既存技術では追記形ディスクへの上書きは物理的に不可能でありメタデータパーティションの利点を活用できませんでした。
これに対し、書込み要求に基づきメタデータを読み出し更新し、データを追記領域へ記録した後、更新されたメタデータの少なくとも一部を読み出し元の位置へ疑似的に上書き記録するようドライブ装置に命令し、その際にドライブ装置は未記録領域へ記録し元の位置とのマッピング情報を保持することで、論理的な上書きを実現する記録方法が開発されています(以下URL)。
疑似書換え機能を有するドライブ装置を用いた記録方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-5128130/15/ja
ただし、当該出願人との共同出願で確認されたのは2005年の出願までです。
(6)上記(1)~(5)(共同出願人)のまとめ
共同出願されたものはそれなりにありますが、共同出願件数が多い企業を買収して自社の一部門にするパターンが複数確認されました。
4 開発に求められる専門性
上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。
上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。
・情報系分野(情報学、情報工学、情報科学、ソフトウェア工学、通信工学など)
画面の表示制御やセキュリティ強化、非接触取引など目的とする機能、効果を得るための手法の検討やアルゴリズム設計などが求められます。
・電気電子系分野(電気電子工学など)
各種電気回路の設計や制御アルゴリズムの設計などが求められます。
・物理系分野(物理学、応用物理学など)
物理現象のメカニズムの解析や各種効果を得るための評価、検討が求められます。
・機械系分野(機械工学、航空宇宙工学など)
当該機械、装置における機構の検討、構造設計などが求められます。
・その他分野(認知科学、材料科学、経営システム工学)
ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。
5 まとめ
IT全般にさまざまな出願がなされており、開発も多岐にわたると考えられます。
その中でも情報、電気に関わるものが多く確認されました。
大学の専攻と関連づけるとしたら、特に多いものとして、情報、電気、物理、機械などの研究が該当する可能性があります。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
6 次に何をすべきか迷っている方へ
この分野で就職・転職を考えている方へ
👉 関連する業界・企業における開発内容と求められる専門性を解説しています
技術的に近い業界:半導体製造装置業界・半導体業界(外資)・半導体業界(国内)・電子部品業界(総合)・電子部品業界(総合に続く規模)(カスタムチップの設計等の垂直的連携開発の観点)、自動車業界・トラック業界(AI実装やデータ活用の観点)、電力業界・電気設備工事業界(データセンターの脱炭素化、スマートグリッド構築の観点)
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<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社
<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
・本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
・特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
・詳細な確認や重要な判断が必要な場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。