エアコン技術には、冷媒の物理特性からインバーターによる電力変換制御、AIが居住者の位置や体感温度を学習して最適化する空間知能化などがあり、近年では、冷媒の低GWP化といった環境材料や換気と連動した湿度・除菌制御、ビル全体の空調をクラウドで一括管理するエネルギーマネジメントシステムなど、その技術領域が多角化しています。
しかし、その裏側において、どのような研究開発がおこなわれているのか、どのような専門性が求められるのか、その全体像を把握するのは容易ではありません。
この問題に対し、特許情報を活用します。
特許情報は企業の開発の軌跡であり、客観的なエビデンスになり得る情報です。
本記事では、採用サイトとは別の視点で、ダイキン、富士通ゼネラル、コロナの研究・開発職ニーズと関連する専門性を特許情報から解読します。
結論(概要)は以下の通りです。
・機械系分野(機械工学など)
・電気系、情報系分野(電気電子工学、電気工学、電子工学、制御工学、情報科学など)
・材料系(材料科学、材料工学など)
・化学系分野(高分子化学、化学工学、物理化学、有機化学など)
1 業界サーチの概要
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
業界サーチは、業界における主要企業の特許情報から、その業界の企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。
特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。
すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。
2 エアコン業界
2.1 エアコン業界とは
ここでは、室内の温度・湿度・空気質などを制御する空調機器を製造、販売する業界を意図します。
ただし、業務用、家庭用の区別はしておらず、空調機器とそれ以外の機器の技術の区別もしていません。
2.2 サーチ対象
以下のエアコンメーカー3社を対象にしました。
(2)富士通ゼネラル
(3)コロナ
2.3 使用プラットフォーム
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
3 サーチ結果
3.1 結果概要
開発イメージは下表のとおりです。
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モノの開発 |
サービスの開発 |
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個人向け |
・空気調和装置と換気装置を備えた空気調和システム |
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法人向け |
・空気より比重が大きい冷媒を使用する冷凍サイクル装置の熱源ユニット |
・トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))の製造方法 |
法人向け、個人向けなどの区別は明細書から読み取ることができないものも多く、厳密なものではなりません。
3.2 出願件数の推移
下図はエアコンメーカー3社の特許出願件数の推移です。

出願人によって件数の差はありますが、各社とも一定レベルで特許出願をおこなっていることがわかります。
すなわち、そのような出願につながる開発がおこなわれていることが推測されます。
3.3 開発の活発度
特許出願件数≒開発の活発度、だと考えるなら、
ダイキン>富士通ゼネラル>コロナ
だと言えます。
3.4 主な開発分野
各社ごとに特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。
各社の出願上位3つの技術分野を抽出して並べています(特許出願されていても、その企業の出願件数上位に入っていない技術分野は除外されています)。
各記号は発明の技術分類をあらわします。

分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)
回転ピストン機械などがこれに該当します。
ダイキンがこの分野から多く出願しています。
蒸気中央暖房方式などがこれに該当します。
コロナがこの分野から多く出願しています。
空気調和のためのルームユニットなどがこれに該当します。
全3社がこの分野から多く出願しています。
ボイラなどがこれに該当します。
富士通ゼネラル、コロナがこの分野から多く出願しています。
空気加熱器などがこれに該当します。
ダイキンがこの分野から多く出願しています。
冷却、換気装置などがこれに該当します。
コロナがこの分野から多く出願しています。
3.5 エアコンメーカーの近年の開発トレンドと求められる専門の例
特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。
ここ10年のトレンドは以下のとおりです。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
出願件数が少ない技術分野は除外しています。
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。
(1)ダイキン|開発トレンドと専門性

上図期間中、F24Fが最も多いです。次いでF25B、F04Ⅽ、Ⅽ08F、Ⅽ07Ⅽ、Ⅽ09K、H02Kが多いです。
具体例として空気より比重が大きい冷媒を使用する冷凍サイクル装置の熱源ユニットが挙げられます。
既存の技術では、圧縮機などを覆う遮音部材の内部で冷媒が漏洩すると、比重の大きい冷媒が空間下部に滞留し、濃度が高まることで発火のリスクがありました。
これに対し、ケーシング内に冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒の状態を調整するアキュムレータを収容し、これらが非通気性の遮音部材で覆われ、その内部に第1空間が区画された熱源ユニットであり、第1空間の下部と、遮音部材の外側でケーシングとの間に形成される第2空間とを連通させる第1連通路が設けられていることにより、第1空間内で漏洩した比重の大きい冷媒は自重で第1空間の下部に移動し、第1連通路を通じて第2空間へ排出されるため、遮音部材で囲まれた空間内での冷媒濃度が異常に高くなることを抑制できて冷媒漏洩時の発火リスクを低減できる熱源ユニットが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7684592/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(冷媒(プロパンなど)が漏洩した場合の第1空間から第2空間への濃度分布と流動経路の予測、第1連通路の形状、サイズ、配置が冷媒排出効率に与える影響の評価、最適な通気抵抗と排出速度を確保するための設計)、材料科学(冷媒(特に可燃性冷媒)に接触する可能性のある遮音部材(例:金属板、ゴムシート)について長期的な冷媒暴露による物性変化(劣化、膨潤、収縮など)の評価、遮音部材の厚さや材質が防音性能に与える影響の評価、冷媒の排出を妨げずに高い防音効果を発揮できる材料の選定)
従来の熱源ユニットでは、圧縮機やアキュムレータからの騒音が機械室から外部へ漏れ出し、騒音規制基準が厳しくなる中で問題となっていました。
これに対して、ケーシング内部を機械室と送風機室に仕切る仕切構造部を備えた熱源ユニットであり、仕切構造部が熱交換器の一部である扁平管の端部が接続されるヘッダを含み、また、ヘッダの風上側を仕切る第1仕切部と、風下側を仕切る第2仕切部が機械室を外部から隔離することで騒音の漏洩を抑制し、さらに、ヘッダには非金属製の固定具が取り付けられ、第1仕切部または第2仕切部をヘッダと直接接触させずに固定具に固定する構成により異なる金属材料間の電触による劣化を回避しつ防音性を確保する熱源ユニットが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7633550/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(熱源ユニット全体の音響特性の解析、騒音源である圧縮機やアキュムレータからの音響エネルギー伝達経路の特定、防音効果を最大化するための構造設計)、材料科学(固定具に用いられる合成樹脂やエラストマー、シール材に用いられる独立気泡ウレタンなどの材料についての長期的な温度変化、湿度、冷媒への曝露に対する耐性試験、振動減衰特性や音響吸収係数といった防音性能に直結する物性値の評価、実際の運転環境下での性能劣化を抑制できる材料の選定)
従来の空気調和システムでは、換気装置の制御が空気調和装置の運転中か停止中かといった単純な情報に基づいて行われていました。このため、システム全体の運転を効率的に制御できないという問題がありました。
これに対して、室外空気と室内空気を熱交換する第1熱交換器を備えた換気装置、室内空気を熱媒体と熱交換する空気調和装置、これらの装置の動作を統合的に制御する制御器を備えた空気調和システムであり、制御器は空気調和装置の運転モード(内気加熱、内気冷却など)に応じて換気装置に設けられた第2熱交換器(第1熱交換器を通過した室外空気を熱媒体と熱交換させる部分)の熱交換量を変更(例えば、空気調和装置が暖房モードを開始すると、換気装置の外気加熱量を減少または停止させることで、熱交換能力が高い空気調和装置に優先的に暖房負荷を処理させ、システム全体のCOP(成績係数)向上による省エネルギー化を実現)することにより、両装置の連携を最適化して効率的な室内環境の維持を可能にする空気調和システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7594206/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(熱交換器の伝熱性能を向上させるためのフィン形状や管配置の最適化、送風機の効率を高めるためのブレード設計、システム全体の熱・流体シミュレーションによる運転性能予測と改善策の検討、各コンポーネントの信頼性・耐久性評価)、電気電子工学(マイクロコントローラーを用いた制御アルゴリズムの実装、センサーからのデータ取得と処理、電力変換効率の高いインバーター回路設計、システム全体の消費電力のモニタリングと最適化、通信プロトコルの設計)
具体例として冷媒漏洩時の冷媒遮断が可能な冷凍サイクル装置が挙げられます。
従来の装置では、多数の遮断弁が必要で部品点数が多く、冷媒漏洩時の対応に時間を要する問題がありました。
これに対して、圧縮機と熱源熱交換器を有する熱源ユニット、利用熱交換器と冷媒センサーを備える複数の利用ユニット、これらの間を繋ぐ配管と弁類で構成された冷凍サイクル装置であり、ガス配管に複数の利用ユニットで共通の第1遮断弁が、各利用ユニットに個別の開度調整可能な第2遮断弁(利用膨張弁)が設けられて部品点数が削減され、冷媒漏洩を検知すると検知した利用ユニットのコントローラーが熱源ユニットを介さずに共通の第1遮断弁と、同じガス配管に接続される他の利用ユニットの第2遮断弁に直接閉鎖指令を送信することにより、迅速に冷媒の供給を遮断する冷凍サイクル装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7701640/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(冷媒の圧力損失と熱交換効率を両立させる配管径とレイアウトの最適化、圧縮機の運転特性と冷媒の種類に応じたシステム性能のシミュレーション、冷媒漏洩時の弁の閉鎖速度と密閉性能の向上に関する材料選定と構造解析)、電気電子工学(高感度で信頼性の高い冷媒センサーの選定と配置最適化、漏洩検知信号の即時処理と各弁への閉鎖指令伝達のための高速通信システムの構築、モーター駆動の膨張弁の精密な開度制御を実現するファームウェア設計、異常発生時のフェイルセーフ機能やバックアップ電源システムの設計、複数ユニット間の連携をスムーズに行うための分散制御システムのアーキテクチャ設計)
既存技術では、二酸化炭素冷媒を臨界圧力以上で圧縮する超臨界運転時、冷媒の凝縮温度が存在せず、室内温度の調整が困難でした。
これに対して、圧縮機、放熱器、膨張弁、蒸発器を有する冷媒回路、これを制御する制御装置を備えた空気調和装置であり、暖房運転では冷媒を臨界圧力以上に圧縮し、放熱器出口の冷媒温度を膨張弁で調整するとともに室内温度と目標室内温度との差に基づいて冷媒回路の高圧を制御(室内温度差が大きい場合に冷媒回路の高圧を高くすることで室内温度を迅速に上昇させて目標温度に近づける)し、また、放熱器の下流に気液分離器と、そのガス貯留部から圧縮機吸入側へ冷媒を送るガス抜き通路に開閉弁が設けられ、室内温度差が所定値より大きい場合にこの開閉弁が開くことで圧縮機吸入側への冷媒供給を促進して暖房能力を向上させ、室内温度を効果的に調整することを可能にする空気調和装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7617464/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(熱交換器のフィン形状や流路設計の最適化、伝熱性能を最大化するシミュレーション解析、圧縮機の内部構造や駆動方式の圧縮効率を高めるための設計、冷媒の超臨界状態における流動特性の解析、配管内の圧力損失や振動を最小限に抑える設計、システム全体のエネルギー消費を削減するための各部品の統合的な性能評価)、電気電子工学(室内温度や冷媒の状態を検出するセンサーの選定と配置の最適化、各構成要素(圧縮機、膨張弁、ファン、弁類)を適切に動作させるためのマイコンや制御基板の設計、超臨界冷媒の特性を考慮した制御ロジックのプログラミング)
具体例として冷凍機油の潤滑性向上を図る冷凍装置が挙げられます。
従来の冷凍装置では、冷媒が冷凍機油に多量に溶け込むことで粘度が低下し、圧縮機内の摺動部の潤滑不良や摩耗が発生するという問題がありました。
これに対して、冷媒溶解度が50wt%以下(冷媒が溶けにくい)の特定の冷凍機油(ポリアルキレングリコールを含む)を採用し、油貯まりの下部に給油機構の吸込口を配置する技術構成により、特定の運転条件(油貯まりの少なくとも一部に泡が発生し白濁する状態)下で、油貯まりの下部の冷凍機油の粘度を上部よりも高くする粘度勾配を意図的に形成し、この粘度の高い冷凍機油を摺動部に供給することで、潤滑性を確保し圧縮機の信頼性を向上させる冷凍装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7678357/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(ポリアルキレングリコールの分子量、末端基の種類、水酸基の割合が冷媒に対する溶解度や粘度特性に与える影響の評価、添加剤(極圧剤、酸化防止剤など)が冷凍機油の潤滑性、熱安定性、泡立ち特性に与える影響の検証および最適な配合の探索、油貯まりにおける粘度勾配の形成メカニズムの解明)、機械工学(油貯まり内での冷媒の循環量、温度、圧力、泡の発生が冷凍機油の粘度勾配形成に与える影響の予測・最適化、給油ノズルの吸込口の形状、内径、配置が粘度の高い冷凍機油を効率的に吸い上げる能力に与える影響の評価、圧縮機構内の摺動部(軸受、スクロールなど)における冷凍機油の膜厚、せん断応力、摩擦係数の計測・解析、摩耗量と潤滑性の関係の評価)
従来のロータリー圧縮機では、吸気管が直接シリンダやミドルプレートに接続されるため、圧縮機構の扁平化が困難でした。
これに対して、ヘッド、第1シリンダ、ミドルプレート、第2シリンダの積み重ねによって圧縮部が構成され、吸気管が接続されるヘッドから第1シリンダ、ミドルプレート、第2シリンダを貫通する主流路が設けられ、さらに主流路から各シリンダ内部へ冷媒を分岐させる分岐流路が設けられた技術構成により、各部品の薄型化が可能となり、圧縮機構全体の扁平化が実現される2シリンダロータリー圧縮機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7662954/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(主流路や分岐流路の設計変更が圧縮機全体の振動特性や騒音レベルに与える影響の解析、静音性・低振動性を考慮した構造設計、薄型化されたシリンダやミドルプレートの剛性を確保するための補強リブの配置や材料の最適化、主軸の短縮が回転体の動バランスに与える影響の評価、適切な軸径や軸受の選定)、電気電子工学(圧縮機の小型化・扁平化に伴う電動機のサイズ制約の中で高効率かつ高出力なモータの設計や巻線方式、磁石配置の最適化、冷媒の流量や圧力、温度といった運転状態をリアルタイムで検知するための各種センサー(圧力センサー、温度センサーなど)の選定および配置と信号処理回路の設計、主流路や分岐流路の流動特性変化に対応して圧縮機の回転数やトルクを制御するアルゴリズムの設計)
具体例として変性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられます。
従来のPTFEは高強度化すると押出加工性が悪化するという問題がありました。
これに対して、全重合単位に対しテトラフルオロエチレン単位を99.0質量%以上、特定の変性モノマー単位を1.0質量%以下で含み、破断強度が32.8N超、標準比重が2.150以上であることにより、破断強度を維持しつつ成形性を実現するPTFEが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7553859/15/ja
関連する専門分野の例:高分子化学(乳化重合におけるモノマー濃度、重合開始剤の種類と量、反応温度、圧力などの重合条件が得られる変性PTFEの分子量、分子量分布、変性モノマーの取り込み量、共重合組成分布に与える影響の評価、ラジカル捕捉剤や重合開始剤の分解剤の添加タイミングや量が重合反応速度や最終的なポリマーの構造にどう影響するかの解析、重合条件と物性の相関関係の解析)、材料科学(変性PTFEの粉末物性(平均一次粒子径、平均二次粒子径、アスペクト比など)とペースト押出時の圧力や延伸加工時の破断挙動との関係の検証および最適な粉末特性の特定、変性PTFEを用いたフィルムやコーティング膜の破断強度、延伸性、耐熱性、クラック発生挙動などの物性評価、変性モノマーの種類や含有量がPTFEの結晶性、分子鎖の絡み合い、フィブリル化の程度に与える影響の観察および破断強度と押出圧力の両立メカニズムの解明)
具体例として環境負荷の低い冷媒であるトランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))の製造方法が挙げられます。
従来のHFO-1132(E)製造プロセスでは、沸点が非常に近い1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)が不純物として生成され、通常の蒸留では分離が困難であるという問題がありました。
これに対して、HFO-1132(E)とHFC-143aを含む組成物を特定のアミン(モノメチルアミン、ジメチルアミンなど)を含む溶媒と接触させる抽出蒸留工程によってHFC-143aを効率的に低減し、高純度なHFO-1132(E)を得る製造方法が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7598043/15/ja
関連する専門分野の例:化学工学(抽出蒸留塔の理論段数、還流比、供給位置および運転圧力・温度などの最適化、HFC-143aの除去率とHFO-1132(E)の回収率のバランスの評価、抽出溶媒であるアミンの回収・再循環システムの設計、溶媒の損失を最小限に抑えつつプロセスの経済性と持続可能性を向上させるための物質収支とエネルギー収支の解析)、物理工学(アミン溶媒の選択がHFO-1132(E)とHFC-143aの相対揮発度に与える影響の分子レベルでの検討、アミンと各成分との間の水素結合、誘起双極子相互作用または電荷移動相互作用の寄与の解析、HFO-1132(E)とHFC-143aの共沸組成物や共沸様組成物の挙動をさまざまな圧力・温度条件下で測定、アミン溶媒の熱安定性や分解挙動の評価)
具体例としてハロオレフィン類組成物が挙げられます。
従来のハロオレフィン類は冷媒として有望視される一方、時間の経過や使用環境によって分解・酸化が生じやすく、安定性に課題がありました。
これに対して、主成分のハロオレフィン類(特にHFO-1234yf)に、水、微量の副生成物(HFO-1243zfなど)、酸素を特定の比率で共存させることで、ハロオレフィン類の分子内二重結合の安定化と酸化抑制を実現し、冷媒性能を長期間維持できる高安定な組成物が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7644385/15/ja
関連する専門分野の例:有機化学(HFO-1234yfの二重結合における求電子攻撃や求核攻撃による分解経路および酸化反応におけるラジカル生成メカニズムの解明、水分子がハロオレフィン類の水素結合供与体または受容体としてどのように機能して二重結合の電子状態や立体構造に影響を与えるのか評価、副生成物であるHFO-1243zfなどの存在がHFO-1234yfの安定性に及ぼす触媒的または抑制的効果の評価)、材料科学(冷媒や熱媒体として使用される環境下でのハロオレフィン類組成物と冷凍機内部の金属材料(銅、アルミニウム、鉄など)との腐食挙動の評価、水の含有量が腐食に与える影響の解析、潤滑油(ポリアルキレングリコール、ポリオールエステルなど)とハロオレフィン類組成物との相溶性、熱安定性、潤滑性能の変化の評価および水や酸素の存在がこれらの特性に与える影響の検討、冷媒ラインやシール材として使用されるポリマー材料(ゴム、プラスチックなど)に対するハロオレフィン類組成物の浸透、膨潤、劣化の影響の評価)
具体例としてアキシャルギャップ型モータが挙げられます。
従来のアキシャルギャップ型モータはロータとステータ間のエアギャップの固有振動により異音が発生するという問題がありました。
これに対して、円板状のロータに軸方向に貫通する複数の貫通孔がコイルよりも径方向内側に配置され、かつその貫通孔の総面積とエアギャップ開口面積の比が20%以上40%以下にされることで、エアギャップの固有振動数を変化させて異音の発生を抑制するアキシャルギャップ型モータが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7648930/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(貫通孔の導入がロータの磁気回路に与える影響の評価、貫通孔による振動特性の変化を考慮したモータの駆動制御アルゴリズムの設計、異音の少ない安定した運転を実現するための制御パラメータの最適化)、材料工学(貫通孔を設けることによるロータの機械的強度(特に疲労強度や剛性)の変化の評価、貫通孔の加工性、熱的安定性、および長期信頼性を考慮した評価基準の設定、ロータに使用される磁石材料や金属材料、樹脂材料の選定)
(2)富士通ゼネラル|開発トレンドと専門性

F24Fが最も多いです。次いでF25B、H02P、F04Ⅽ、H02K、F28F、H02Mが多いです。
具体例として冷媒回路と水回路とを接続する中継ユニットを備えた空気調和機が挙げられます。
従来の空調機は室内温度センサーを持つ室内機が接続されていることを前提としており、センサーがない室内機や床暖房などの自然対流式暖房では適切な制御が困難でした。
これに対して、冷媒を直接循環させる一次冷媒回路と、水を介して熱を運ぶ二次冷媒回路を組み合わせた空気調和機であり、制御装置が室内機からの室内負荷情報を受信でした場合は室温制御モードで圧縮機の回転数を制御し、室内負荷情報を受信できない室内機が1台でもある場合は二次冷媒回路の熱負荷情報に基づいて水温制御モードで圧縮機の回転数を制御することで、さまざまな機能の室内機が混在する環境でもそれぞれの状況に応じた空調運転を自動で実現する空気調和機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7663108/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(圧縮機やファン、ポンプを駆動するためのインバータ回路や電源回路を設計、室内外の各種センサー(温度センサー、圧力センサーなど)から得られるアナログ信号をデジタル信号に変換して制御装置に送るための信号処理回路の設計、室内機と室外機、中継ユニット間の通信プロトコルの確立)、機械工学(圧縮機の回転数を可変させながらも高効率を維持して振動や騒音を低減するための機械的対策の検討、圧力損失と熱交換効率のバランスを最適化する熱交換器のフィン形状や配管の流路設計、異なる材料特性を持つ部品の組み合わせによる熱膨張や収縮の影響の評価)
従来、室外熱交換器(金属)と底板(異なる金属)が接触し、水が介在すると異種金属接触腐食が発生するという問題がありました。
これに対して、両者間に絶縁材料製のスペーサを配置し、底板の角部を挟むいずれかの一辺の1箇所にのみ設けた固定部に対し、スペーサの装着部を挟持固定する構成により、スペーサが熱交換器収容空間側へ移動するのを規制し、位置ずれを防ぐことで熱交換器と底板の接触による異種金属接触腐食の発生を抑制する室外機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7673766/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(熱交換器と底板の最適な金属組み合わせの選定およびそれらの電位差に基づく腐食挙動の予測と評価、スペーサに用いる絶縁材料(樹脂、ゴムなど)の耐候性、耐熱性、機械的強度、長期的な絶縁性能の評価および最適な材料の選定、水(雨水、凝縮水)が存在する環境下での異種金属接触腐食の促進試験の実施)、機械工学(スペーサの装着部(基部、対向部、アーム部、リブ、爪部)と底板の固定部(引掛部、凸部、嵌合孔)の形状の設計、室外機の運搬時や運転時に発生する振動や衝撃の解析、適切な挟持力と挿入・離脱抵抗を確保するための寸法公差の決定)
既存技術では、電装品箱を難燃性樹脂で形成しても本体部と蓋体部の合わせ目から延焼する問題がありました。
これに対して、本体部と蓋体部を組み合わせた際の合わせ目またはその近接部分に可撓性を有する不燃性材料で形成された第1延焼防止部材が設けられた室内調和機の室内機であり、第1延焼防止部材がシート状で可撓性があるため、電装品箱の複雑な形状にも容易に対応でき、絶縁性材料と導電性材料の使い分けにより、電気的短絡のリスクを低減しつつ耐熱性と機械的強度を確保し、第1不燃性材料よりも硬度の高い第2不燃性材料で形成された第2延焼防止部材の併用により、機械的強度と延焼防止効果を高めた空気調和機の室内機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7635796/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(可撓性、耐熱性、絶縁性、導電性、機械的強度などの観点から不燃性材料(例: マイカシート、セラミックファイバー、特殊金属箔など)の基本物性の評価、複数の不燃性材料を組み合わせた複合材料や既存の材料に耐火性能を付与するための表面処理技術の探索、 電装品の発火から延焼に至るプロセスにおける材料の燃焼挙動、熱分解挙動、ガス発生挙動の分析)、電気電子工学(短絡、過電流、過電圧、過熱などの異常事態に対して回路が安全に停止する機構(ヒューズ、ブレーカー、温度センサーを用いたシャットダウン回路など)の設計・検証、発火源となりうる部品(コンデンサ、パワートランジスタなど)の選定と配置の最適化、高温環境下での信頼性が高く難燃性の材料で構成された電気部品の選定および部品が異常時にどのように挙動するかの評価、電装品内部での電磁ノイズやサージ電圧が他の部品の誤動作や異常発熱を引き起こす可能性を排除するための適切なシールドやフィルタリング設計)
具体例として冷凍サイクル装置が挙げられます。
従来の空調機では、除霜運転中に暖房が中断され、快適性が損なわれる問題がありました。
これに対して、冷媒回路に蓄熱熱交換器と複数の膨張弁、切替弁が設けられ、蓄熱暖房運転時には室内熱交換器と蓄熱熱交換器を凝縮器として機能させ、除霜運転時には蓄熱熱交換器を蒸発器として利用することで暖房能力を維持しつつ効率的な除霜を可能にする冷凍サイクル装置であり、蓄熱暖房運転時において、蓄熱材の温度上昇を示す実測の傾き(第2の傾き)が室内熱交換器の凝縮温度に基づいて設定された目標の傾き(第1の傾き)と一致するように蓄熱熱交換器の上流に設けられた第1の膨張弁の開度を制御することにより、蓄熱材の凝縮温度を直接検出することなく除霜に必要な熱量を適切に蓄えることができユーザーの快適性低下を抑制する冷凍サイクル装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7647831/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(蓄熱熱交換器を含む各熱交換器についてフィン形状、チューブ配置、流路設計などの検討、蓄熱材の種類に応じた最適な熱交換器の材料選定、高効率かつ幅広い運転範囲で安定した性能を発揮する圧縮機の選定、各膨張弁の流量特性、開度制御範囲、応答性、切替弁の信頼性や切り替え速度の評価および冷媒回路内での最適な配置の検討)、電気電子工学(蓄熱温度センサー、室内熱交換器の凝縮温度センサー、外気温度センサーなどの選定、冷媒回路内の最適な設置位置の決定、センサーから得られるデータを正確かつ安定して取得するためのインターフェース回路の設計、第2の傾きが第1の傾きと一致するように第1の膨張弁の開度を制御するための制御プログラムの設計)
従来の冷凍サイクル装置では、低負荷運転時や特定の冷媒使用時に圧縮機から吐出される冷媒の過熱度が圧縮機の正常な潤滑に必要な最低限の過熱度を下回るリスクがあり、圧縮機の信頼性低下が問題でした。
これに対して、冷媒回路に圧縮機加熱用の加熱手段(ベルトヒーターなど)が設けられ、制御手段が膨張弁の開度と加熱手段を制御する冷凍サイクル装置であり、吐出過熱度が圧縮機の信頼性維持のために設定された下限値(例えば10℃)を下回り、かつ膨張弁の開度がこれ以上調整できない最小開度になった場合に加熱手段によって圧縮機を加熱することにより、圧縮機に吸入される冷媒の過熱度を上昇させ、吐出過熱度を信頼性維持のための下限値以上に保つことで、圧縮機の信頼性低下を効果的に抑制する冷凍サイクル装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7647786/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ベルトヒーターによる加熱効果を考慮した圧縮機の軸受や摺動部の材料選定、表面処理および潤滑油の最適な供給方法の検討、凝縮器や蒸発器における冷媒と周囲流体(空気、水など)との熱交換効率を最大化するフィン形状、チューブ径、流路配置の設計、圧縮機の運転、冷媒の流動、ファンの回転によって発生する振動や騒音を低減するための防振構造、吸音材の選定、筐体の設計)、電気電子工学(圧縮機やベルトヒーターへの電力供給を効率的かつ安定的におこなうためのパワーエレクトロニクス回路の設計、冷媒の吐出温度、吐出圧力、膨張弁の開度、周囲温度などの各種センサーからのアナログ信号をデジタル信号に変換してマイコンで処理するためのインターフェース回路の設計)
具体例としてモータ制御装置が挙げられます。
従来のモータ制御では、モータ停止時や極低回転時にロータ位置推定の誤差が大きくなるため、起動時には同期運転をおこない、その後位置センサーレス制御へ移行する方法が一般的でした。しかし、誘起電圧定数のばらつきやインバータの出力電圧誤差によりロック状態を誤検出する問題がありました。
これに対して、モータの回転速度を速度指令値に一致させる制御をおこなうモータ制御装置であり、速度指令値を積分した回転位相にモータを同期させる同期運転モードと、軸誤差を帰還制御して速度推定値が速度指令値に一致するようにモータを制御する位置センサーレス制御モードを有し、同期運転モードでモータに流れる電流が電流指令値に一致するように生成される電圧指令値の大きさに基づいてモータがロックしているか否かを判定する判定器を具備することにより、モータの誘起電圧に依存しない安定したロック判定が可能なモータ制御装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7616263/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(モータ電流を正確に制御するための電圧指令値を生成する回路の設計、電圧指令値の振幅からモータのロック状態を正確に判定するロジック回路やソフトウェアアルゴリズムの設計、同期運転モードから位置センサーレス制御モードへのスムーズな切り替えを実現するためのアルゴリズムの実装)、制御工学(モータの回転速度や位置を正確に制御するためのアルゴリズムの設計、位置センサーレス制御モードにおけるモータ誘起電圧や電流・電圧情報を用いたロータの位置や速度を推定するオブザーバの設計)
具体例としてロータリ圧縮機が挙げられます。
従来の液インジェクション方式のロータリ圧縮機では、インジェクションをおこなわない場合にデッドボリューム(死容積)が生じ、圧縮効率が低下するという問題がありました。
これに対して、冷媒を圧縮する圧縮部とそれを駆動するモータを備え、圧縮部の端板に形成されたインジェクション孔にインジェクション管を固定する構造を有するロータリ圧縮機であり、インジェクション孔が保持管が挿入される大径部、インジェクション管が挿入される第1の小径部、インジェクション管先端部の外径よりも細い第2の小径部で構成され、インジェクション管の先端部が第1の小径部に配置され、第1と第2の小径部の境界にある段差によってインジェクション管と第1の小径部の間の隙間を塞ぐことで、インジェクション管がシリンダ室のより奥深くに挿入され、デッドボリュームを減少させることで、インジェクション運転をおこなわない場合の圧縮効率の低下を抑制するロータリ圧縮機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7697492/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(インジェクション孔の各径部(大径部、第1小径部、第2小径部)とインジェクション管および保持管の寸法がデッドボリュームの最小化と圧力損失の低減を両立させる形状の特定)、材料工学(冷媒や潤滑油との適合性、高温高圧環境下での耐食性や強度、熱膨張率などを考慮した適切な金属材料(例:ステンレス鋼、銅合金など)や非金属材料(例:フッ素樹脂、ゴムなど)の選定、部品を製造する際の加工性(例:切削性、溶接性、成形性)やコストを考慮した最適な材料組み合わせの検討)
具体例として電動機が挙げられます。
既存の電動機では、永久磁石の個数とティース部の個数の比率が2:3の場合、ロータとステータ間の磁束密度分布が正弦波からずれてトルクリップル(回転ムラ)や振動、騒音が増大するという問題がありました。
これに対して、磁極部の外周面がロータの回転方向の前方側と後方側にそれぞれ複数の曲率半径を持つ面で形成され、磁極部をd軸(磁極の中心線)に沿って仮想的に折り返した際に、前方側の外周面が後方側の外周面よりも径方向で内側に位置する小径外周面を有するように構成されていることにより、ロータとステータ間の空隙における磁束密度分布を理想的な正弦波に近づけることが可能となり、トルクリップル、振動、騒音の低減を実現する電動機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7574875/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(ロータとステータの幾何学的形状(磁極外周面の曲率、非磁性部の配置など)が電動機の磁束分布、誘起電圧、トルク特性に与える影響の解析、目標とするトルク性能と効率を達成するための最適な設計パラメータの導出、電動機の駆動システムを含めた全体システムの設計)、材料科学(埋め込み磁石型ロータに使用される永久磁石について磁気特性(保磁力、残留磁束密度、最大エネルギー積)や温度特性の評価および高温環境下での磁気劣化を抑制できる材料の選定、ロータコアやステータに使用される電磁鋼板の透磁率、飽和磁束密度、鉄損特性(ヒステリシス損、渦電流損)の評価および高効率化と発熱抑制を両立できる最適な材料厚さや積層方法の検討)
具体例として積層型の熱交換器が挙げられます。
従来の熱交換器では流路内で冷媒の偏りが生じやすく、熱交換効率が低下する死水域という現象が発生する問題がありました。
これに対して、複数の金属板が積層され、そのうちの少なくとも1つの金属板に流入口と流出口の間に3つの流路部(第1、第2、第3流路部)が設けらた熱交換器であり、流入口から流出口に向けて第1流路部、第2流路部、第3流路部の順に並ぶ配置において、第2流路部の流路抵抗が第1流路部および第3流路部のそれぞれの流路抵抗よりも大きくなるように構成され、第2流路部は流出口よりも流入口の側に配置され、第1流路部の面積よりも第3流路部の面積が大きく形成されていることにより、流入口から流入した冷媒が第2流路部で流れを妨げられ、第1流路部全体に冷媒が均一に行き渡りやすくなり、第2流路部によって整流された冷媒は第3流路部を通過して流出口へ均一に流れるため流路全体に冷媒が満遍なく行き渡り、死水域の発生を抑制する熱交換器が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7647819/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(第2流路部が他の流路部に対して高い流路抵抗を持つように流路を設計した場合の冷媒の流速分布、温度分布、圧力損失の予測、熱交換器の設置環境や使用目的(例えば、蒸発器、凝縮器など)に応じた最適な流路設計パラメータの導出)、材料科学(熱交換器に使用する金属板(例:アルミニウム合金、ステンレス鋼など)について熱伝導率、強度、耐食性、加工性の評価および目的に合致した最適な材料の選定、拡散接合やロウ付けといった積層プロセスの条件(温度、圧力、時間、雰囲気など)の最適化)
具体例として昇圧型コンバータにおけるスイッチング素子の破壊を防ぐ電源装置が挙げられます。
従来の過電圧保護では、AC電圧の急激な回復時に出力DC電圧が大きく変動すると、過電圧を検出してスイッチングを停止しても素子の耐圧を超える電圧が発生し、素子が破壊される問題がありました。
これに対して、AC電源をDC電圧に昇圧するコンバータに搭載される過電圧保護手段に特徴を有する電源装置であり、スイッチング素子がオフとなるタイミングからDC電圧に含まれるリップル電圧波形(DC電圧に重なって現れる微小なAC成分の波形)の山または谷までの変化時間を測定し、この変化時間の長さに応じて過電圧を判断する電圧閾値を自動的に変化させる構成を採用しており、AC電圧が急激に上昇している場合など過電圧が発生しやすい状況では、リップル電圧波形の谷に到達するまでの変化時間が短くなる特性を利用し、通常の電圧閾値よりも低い第2電圧閾値に切り替えることで、DC電圧が素子の耐圧を超える前にスイッチングを停止させることが可能となり素子の破壊を防ぐことができる電源装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7172759/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(スイッチング素子、インダクタ、平滑コンデンサなどの部品の選定および圧型コンバータの回路の設計、スイッチング制御部と過電圧保護手段のデジタル制御ロジックの設計、AC電圧の変動や負荷の急変といった異常時におけるDC電圧の挙動と過電圧保護機能の応答の解析)、情報科学(DC電圧信号やスイッチングパルス信号をリアルタイムでサンプリングしてリップル電圧波形の山や谷を正確に検出するアルゴリズムの設計、測定された変化時間に基づいて電圧閾値を動的に切り替えるロジックの最適化)
(3)コロナ|開発トレンドと専門性

F24Hが最も多いです。次いでF24F、F24D、F25B、F23N、F24Ⅽが多いです。
具体例として潜熱回収型給湯機が挙げられます。
従来のドレン水霧化排出方式の潜熱回収型給湯機では、霧化したドレンが熱交換器に再付着し、排水しきれずに溢れる問題がありました。
これに対して、燃焼部、一次熱交換器、二次熱交換器を備え、二次熱交換器で生じた酸性の結露水を中和器で中和し、ドレン水タンクに貯留し、ドレン水を霧化する霧化手段と、霧化された空気を排出する霧化気流路が設けられた潜熱回収型給湯機であり、霧化気流路に設けられた第1開閉手段の開閉を制御する制御部が給湯機の燃焼中は第1開閉手段を閉じて霧化気流路を閉塞し、燃焼停止後に第1開閉手段を開放して霧化手段と燃焼用ファンを駆動させる制御をおこなうことで、燃焼中に高温の燃焼ガスが霧化気流路や中和器に流入して損傷するのを防ぎつつ、燃焼停止後の排気経路が低温になるタイミングでドレン水を気化させて再付着を抑制して外部へ排出する潜熱回収型給湯機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7700080/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(霧化気流路の形状、第1開閉手段の開閉タイミング、燃焼用ファンの風量などがドレン水の霧化効率と排出性能および二次熱交換器への再付着に与える影響の評価、二次熱交換器における潜熱回収効率の最大化と結露水の生成量およびそのpH値を予測するモデルの構築、中和器の最適な容量の決定と中和剤の選定)、電気電子工学(燃焼部、熱交換器、ドレン水処理系の各センサ(温度、流量、水位など)からの入力信号を処理して給湯機の状態を正確に判断する制御アルゴリズムの設計、第1開閉手段の開閉タイミング、霧化手段の駆動時間、燃焼用ファンの運転モード(送風のみの運転など)を最適化する制御ロジックの設計)
従来の暖房機は燃焼ガスの流れに偏りがあり、放熱部に熱ムラが生じ、焼損リスクや放熱量向上の困難さがありました。
これに対して、バーナ部で発生した燃焼ガスを流通させる放熱部を備え、この放熱部内が前面の放熱面と背面の燃焼ガス流路を仕切る仕切板によって区画され、燃焼ガスの流入口は背面側中央に、流出口は背面側の一端に配置された暖房機であり、仕切板に形成された複数の小穴の径が流出口から離れるに従って大きくなり、さらに仕切板の流出口の反対側の端の下部に張り出し部が設けられ、この張り出し部にも小穴が形成され、その周りが前方へ凸状のバーリング部(板金に開けた穴の周囲を円筒状に立ち上げた部分)となっていることで、燃焼ガスが流入口から直接流出口へショートカットするのを抑制し、ガスが放熱部全体に均等に行き渡るように誘導される暖房機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7680982/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(仕切板の小穴の径、配置、張り出し部の形状、バーリング部の有無が燃焼ガスの流動パターン、放熱部前面の温度分布、圧力損失に与える影響の評価、異なる運転条件下での放熱部各所の表面温度の測定、熱ムラの具体的な改善効果の検証、放熱部の輻射特性を考慮した熱設計)、材料科学(仕切板の材料として高温環境下での熱膨張率、熱伝導率、機械的強度の評価および最適な金属合金や表面処理技術の選定、小穴のバーリング加工や仕切板の曲げ加工における材料の塑性変形挙動の解析および流路形成と強度確保を実現する製造プロセスの確立)
従来の給湯装置は配管の水抜きが原因で沸上時にキャビテーション(液体の流れの中で圧力が下がり、気泡が発生・消滅する現象)が発生し、循環ポンプが停止すると器具が凍結破損するリスクがありました。
これに対して、貯湯タンク、冷媒を加熱する加熱手段、熱交換器、湯水循環回路、循環ポンプ、これらを制御する制御手段を備え、湯水を沸き上げる沸上運転を実行する貯湯式給湯装置であり、沸上運転中に湯水循環の不具合を示す所定のエラー事象(例:ポンプ過電流、異常高温、空焚き)が発生した場合、制御手段におけるエラー確定手段によりエラーが確定すると、次に状態判定手段がキャビテーション発生の可能性が高い所定状態(例:低外気温、高湯温、特定の時間帯)にあるかを判定し、もし所定状態でない場合はキャビテーション以外の原因と判断して加熱とポンプ駆動を停止し、所定状態である場合はキャビテーションが原因と推定して沸上運転を中止した後、一定の待機時間を設けて循環ポンプ内のエア抜きを促進し、その後、加熱を停止した状態で循環ポンプを駆動する凍結防止運転に切り替えることにより、キャビテーションによる沸上不能時でも回路の凍結を防ぎ、機器の破損を未然に防止する貯湯式給湯装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7677873/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(複数のセンサー(電流センサー、温度センサー、回転数センサーなど)からのデータに基づいてキャビテーション発生の有無やその原因を正確に診断するエラー確定アルゴリズムおよび状態判定アルゴリズムの設計、沸上運転から凍結防止運転へのスムーズな移行、待機時間の最適化、凍結防止運転中のポンプの間欠駆動(駆動時間と非駆動時間の比率)を制御するファームウェアの設計)、機械工学(湯水循環回路内の圧力分布、流速、温度変化がキャビテーション発生に与える影響の解析、循環ポンプ吸い込み側での負圧発生メカニズムの解明、不凍水栓の使用による貯湯タンク内の給水圧低下が、循環ポンプの性能やキャビテーション発生閾値に与える影響を評価し、ポンプの選定や配置(設置高さ、水頭圧など)の最適化)
具体例として空気調和機が挙げられます。
従来の技術では、熱交換器に付着した埃を除去できず、手動で洗浄水を注水した場合でも確実に乾燥運転がおこなわれないとカビや細菌が発生する問題がありました。
これに対して、送風ファンと熱交換器を備え、熱交換器洗浄用の注水口、その開閉を検知する開閉検知手段、洗浄後の水が流れ込むドレンタンクの水位を検知する水位センサ、これらを制御する制御部を有する空気調和機であり、制御部はユーザーが注水口を操作したことを開閉検知手段で検知し、さらにドレンタンクの水位が上昇したことを水位センサで検知することで、ユーザーが熱交換器を洗浄したと判断する二段階の確認により誤操作による無駄な運転を防ぎ、また、ドレンタンクの水位上昇量(洗浄水量)に応じて送風ファンの駆動時間を調整するため、洗浄水の量に応じた最適な乾燥が可能であり、洗浄がおこなわれた場合にのみ必要な乾燥運転が実施され、熱交換器におけるカビや細菌の発生を未然に防ぐ空気調和機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7633191/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(洗浄水受けの排水孔の形状、サイズ、配置が熱交換器表面への水の均一な広がりや埃の除去効率に与える影響の評価、送風ファンの回転数や送風経路が熱交換器表面の水滴の蒸発速度や乾燥ムラに与える影響の解析および最適な送風条件(風量、風速、時間)の導出)、電子工学(注水口の開閉検知手段(検知器)の信頼性向上と誤検知防止のための多重化または複合センシング技術の検討、注水口蓋の物理的な開閉だけでなく蓋の着脱を検知する複数のセンサ(例:磁気センサ、光学センサ)を組み合わせたシステムの設計と評価)
従来の加湿装置では、給水タンクへの給水作業が煩雑であったり、タンクの変形によって給水接続が不安定になったり、感電や水漏れのリスクがあったりする問題がありました。
これに対して、器具本体から着脱可能な給水タンクを備えた加湿装置であり、給水タンクへの水供給が給水タンク上面の開閉可能な扉パネル近傍に設けられたワンタッチ脱着式の給水ホース接続部を通じておこわれ、貯水室からのオーバーフロー管の排水口も給水タンク上面のドレン受け口上部に配置され、さらに、給水用開口部には運搬時の水こぼれを防ぐ周状リブ付きの給水受け筒が挿入され、給水タンク上面には設置時の水溢れを防ぐ空気抜け穴が設けられており、扉パネルの開閉に連動して給水ポンプや銀イオン溶出電極への通電を停止する制御部により、給水タンクの出し入れが容易になり、給水ホースの接続を視認しながら確実におこなうことができ、給水作業における水漏れや感電のリスクを未然に防ぐ加湿装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7667101/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(加湿装置の貯水タンクに使用されるポリマー材料の吸水性、寸法安定性、機械的強度の評価、水による変形(膨潤、クリープ)を最小限に抑えつつ製造コストを低減できる材料の選定、タンク内部のリブ構造や肉厚の最適化、必要な剛性と強度を確保しつつ材料使用量を削減する設計)、電気工学(扉パネルの開閉検知センサからの信号に基づき給水ポンプやイオン溶出ユニットへの電力供給を瞬時に遮断する高信頼性安全回路の設計、給水ポンプの駆動制御において水の逆流防止や空運転防止のための流量センサや水位センサとの連携制御ロジックの設計、銀イオン溶出ユニットの電極への印加電流を制御して溶出効率と電極寿命のバランスを最適化するための回路設計)
従来の除湿機では、除湿運転一時停止時に蒸発器下部に冷気溜まりが発生し、室温センサーが実際の室温より低く検知してしまうため、除湿運転の再開が遅れる問題がありました。
これに対して、冷媒が流動する冷凍サイクル、吸込口から空気を吸い込み蒸発器を介して吹き出させる送風ファン、蒸発器の温度を検知する熱交温度センサ、吸込口と蒸発器の間かつ蒸発器の下方で吹出口の下端よりも下方に位置する室温センサを有する空気調和機であり、制御部が除湿運転を一時停止した後、室温センサの検知値が設定温度以下であり、さらに熱交温度センサの検知値以下であると判断した場合には冷気溜まりが発生している可能性が高いとみなし、圧縮機を停止したまま送風ファンのみを駆動させて室温センサ付近の冷気を吹き飛ばし、センサが実際の室温を正確に検知できるようになり、室温が適切に上昇した際に不要な運転停止の長期化を防ぎ、最適なタイミングで除湿運転を再開できるため、室内の過冷却を抑制してユーザーの快適性を向上させる空気調和機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7640446/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(除湿運転一時停止時の蒸発器周辺および室温センサ付近の空気の流れと温度分布の解析、冷気溜まりの形成条件、範囲、持続時間の特定、送風ファンを単独駆動させた際の冷気溜まりの解消速度と室温センサの応答性への影響の評価、ファン回転数や送風方向、継続時間における冷気排除効果の検証および最適な冷気排除運転条件の導出)、電気電子工学(室温センサと熱交温度センサからの情報を基に冷気溜まりの発生有無をより正確に判断して除湿運転の再開や冷気排除運転の開始・終了を決定する組み込み制御システムの設計、冷気排除運転時にファンを駆動させる際の電力消費を最小限に抑えるためのモーター制御アルゴリズムの設計)
具体例としてヒートポンプ式熱源機と貯湯式燃焼熱源機を併用する暖房システムが挙げられます。
従来のシステムでは、特にヒートポンプ式から貯湯式燃焼熱源機へ切り替える際、貯湯式の予熱時間により熱媒温度が大きく低下し、暖房の快適性が損なわれる問題がありました。
これに対して、暖房端末と、これに熱媒を循環させる循環回路、循環熱媒を加熱するヒートポンプ式熱源機、貯留缶体と気化式バーナを備え熱媒循環流の下流側に配置された貯湯式燃焼熱源機を備えた暖房システムであり、これらを制御する制御手段が熱源機切り替え時の両熱源機の動作オーバーラップ時間を切り替えパターンに応じて個別に設定、具体的には、貯湯式燃焼熱源機からヒートポンプ式熱源機への切り替え時よりもヒートポンプ式熱源機から貯湯式燃焼熱源機への切り替え時の方がオーバーラップ時間を長く制御することにより、予熱時間を要する貯湯式燃焼熱源機への切り替え時でもヒートポンプ式熱源機が一定時間加熱を継続するため、熱媒温度の急激な低下を防ぎ、快適性を維持する暖房システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7368307/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ヒートポンプサイクル内の冷媒挙動および貯湯式燃焼熱源機内の燃焼・熱伝達プロセスの解析、熱源機を切り替える際の熱媒温度の変動を最小限に抑えるための設計)、電気電子工学(暖房負荷や外気温度、電力料金などの外部情報をリアルタイムで取得して最も効率的な熱源機の組み合わせと運転モードを選択するアルゴリズムの設計、熱源機切り替え時のオーバーラップ時間を各熱源機の応答特性や熱媒温度の目標値に基づいて動的に調整する予測制御や最適制御アルゴリズムの設計)
具体例としてヒートポンプ装置が挙げられます。
従来のヒートポンプ装置では、暖房運転開始直後に膨張弁が過度に絞られることで蒸発器温度が低下し、短時間で着霜が発生して暖房効率が低下するという問題がありました。
これに対して、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器からなる冷凍サイクルと送風ファン、凝縮器通過後の冷媒温度を検知する冷媒温度センサ、制御部を備えたヒートポンプ装置であり、制御部が運転開始から第一所定時間まで膨張弁を全開の第一膨張弁開度で運転し、その後、第一所定時間経過かつ圧縮機回転数が所定回転数以上になった場合、膨張弁開度をより小さく、かつこれ以上小さくすると冷媒圧力変化量が大きくなる所定の圧力変化点となる第二膨張弁開度で固定して運転し、第二所定時間経過または凝縮器温度が安定したと判断した場合、膨張弁開度を負荷に応じて変更される第三膨張弁開度に切り替えることにより、暖房運転開始時の蒸発器温度の過度な低下を防いで熱源側熱交換器の着霜発生を抑制し、安定した暖房運転を維持できるヒートポンプ装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7590935/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(冷凍サイクル内の冷媒(圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器)の各点における圧力、温度、エンタルピー変化のシミュレーション、膨張弁開度が蒸発器温度や凝縮器温度に与える影響の評価および着霜発生条件の特定、着霜の発生・成長メカニズムの解明)、電気電子工学(冷媒温度センサや圧縮機回転数センサなどの複数のセンサからの信号を正確に読み取りノイズ除去やフィルタリングをおこなうためのアナログ回路およびデジタル信号処理回路の設計)
具体例として燃焼装置が挙げられます。
従来の燃焼装置は排気経路の閉塞時に高価な風速センサがなければ空燃比の適正化が難しく、またポストパージ運転の単純な延長では冷却が不十分になるという問題がありました。
これに対して、燃料を燃焼する燃焼部、排気筒、燃焼部の温度を検出する第1温度センサ、排気筒または排気ガスの温度を検出する第2温度センサ、燃焼室に燃焼用空気を送る送風機を備えた燃焼装置であり、さらに、第1・第2温度センサからの情報に基づいて燃焼室の内圧上昇具合を推測する推測手段と、推測された内圧上昇具合の増大に応じて送風機の目標回転数を増大補正する補正手段を有し、制御部が燃焼運転時またはポストパージ運転時に補正された目標回転数で送風機を制御することにより、新たなセンサを追加することなく燃焼時の適切な空燃比を維持し、ポストパージ時の燃焼室の十分な冷却を可能にする燃焼装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7685458/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(燃焼室、排気筒、送風機を含む燃焼装置全体のシミュレーションおよび閉塞度合いや外風条件下での燃焼室の内圧上昇、排気ガスの温度分布、送風量変化の予測、第1温度センサ(油温センサ)と第2温度センサ(排気温度センサ)の設置位置における熱伝達特性の分析)、電気電子工学(第1および第2温度センサから得られるアナログ信号をデジタル信号に変換してノイズを除去するための信号処理回路の設計、温度データから内圧上昇具合を推測するアルゴリズムの設計、推測された内圧上昇具合に応じて送風機の目標回転数を増大補正する制御ロジックの設計、送風機モーターを正確に駆動するためのモータードライバ回路とファームウェアの設計)
具体例として電気ストーブが挙げられます。
従来の電気ストーブでは、首振り時に電源コードが周囲の部品に接触し、特にコードの接続部(カシメ部)が摩耗や破損を起こす問題がありました。
これに対して、ヒータを備えた本体ケース部、支柱、ベース部、本体ケース部を支持する首振り機構部、支柱固定部、支柱固定板を備えた電気ストーブであり、支柱固定部に電源コードが下から上に貫通するコード受け部が設けられ、首振り機構部にはその上方に電源コードを保持するコード保持部を備え、このコード受け部が上部に横長の開口(横長開口部)を形成し、下部に略円筒状の開口(円筒開口部)を形成しており、本体ケース部の回動に合わせてコード保持部が横方向に動くように構成されているため、首振り時の電源コードの動きをスムーズにしてコード下部のカシメ部が動いて擦れるのを防止することで電源コードの損傷を抑制する電気ストーブが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7404186/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(首振り機構部の動作範囲内での電源コードの変形、応力集中、周囲部品との接触箇所の解析、横長開口部やすり鉢状部が電源コードの屈曲に与える影響の評価)、材料工学(電源コードの被覆材料について耐熱性、耐摩耗性、柔軟性、電気絶縁性などの特性の評価、首振り動作による繰り返し応力や摩擦に対する疲労特性の分析、コード受け部やコード保持部に使用される樹脂材料について成形性、強度、耐熱性、電源コードとの摩擦係数の評価および最適な材料の選定)
(4)まとめ
各装置を組み合わせたシステムとしての出願、室内機や室外機に絞った出願、さらにシリンダーやモータ、圧縮機といった部品に関する出願、化学物質(冷媒)やその製造方法に関する出願などさまざまなレベルで出願されています。
これらの出願につながるような開発が日々おこなわれていることが予測されます。
3.6 共同出願人との開発例
共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。
技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。
各社の共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。
(1)ダイキン

共同出願の例として家庭用温水の消費パターンを機械学習を用いて高精度に予測するコンピュータ実装方法が挙げられます。
従来のシステムでは、温水の需要予測が不正確なため、蓄熱槽の温度を一日中高く設定する必要があり、エネルギー効率が悪化していました。
これに対し、まず第1期間内に蓄熱槽から取り出される熱量データを取得し、多数の第1期間にわたるこの熱量データの履歴を生成し、次にこの生成された履歴データに機械学習アルゴリズムを適用(複数のユーザーや世帯が過去の第2期間にわたって取り出した熱量データや、1日のうちの時間情報などでトレーニング)することで家庭用温水のユーザ消費パターン(UCP)を取得することにより、個々のユーザーの温水使用習慣を学習して消費予測を可能にして蓄熱槽の貯湯量を必要最小限に抑えてエネルギー効率を改善できるコンピュータ実装方法が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7675860/15/ja
従来の管継手は断熱部材の組み付けが困難で、配管全体の施工を非効率にしていました。
これに対し、硬質樹脂製パイプと発泡樹脂製被覆層からなる断熱配管同士を接続するにあたり、複数の受口とそれらを繋ぐ胴部を有する継手本体と、その外側から胴部を覆うカバー部材を備えた管継手であり、継手本体とカバー部材の間には密閉空気層が形成され、カバー部材は受口外表面に接着されることで気密性を保つ構成により、断熱機能を維持しつつ管継手自体の組み立てが容易になり、配管全体の施工効率が向上する管継手が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7041295/15/ja
(2)富士通ゼネラル

出願件数が少ないので詳細は省略します。
(3)コロナ

共同出願の例として燃料電池システムに用いられる改質器が挙げられます。
従来の改質器は水蒸気発生のための熱交換器の構造が複雑で製造精度が求められ、量産性や品質管理に課題がありました。
これに対し、改質触媒を収納する改質容器、これを加熱するバーナー、原料を供給する混合器、これらを収容するカバーを備えた改質器であり、カバー内部には水が流れる内管と内管を覆いバーナー排ガスが流れる排ガス流路を形成する外管からなる二重管ボイラーが設けられており、外管の一端はカバー内で開口し、排ガスが入り込み、内管と外管で形成された流路を通過することで水を効率的に水蒸気化するという二重管構造により、熱交換能力に影響する排ガス流路を容易かつ高精度に形成でき、熱交換効率と生産性を両立する改質器が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-4852295/15/ja
(4)上記(1)~(3)(共同出願人)のまとめ
空調機関連の出願が多いです。
4 開発に求められる専門性
上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。
上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。
・機械系分野(機械工学など)
冷媒漏洩時や冷媒配管内の流体力学的な挙動解析、熱交換器や送風機、排気経路などの機械要素の設計・最適化、圧縮機の主要構成部品であるヘッド、シリンダ、ミドルプレート、ピストン、主軸など対象装置各部の構造の設計などが求められます。
・電気系、情報系分野(電気電子工学、電気工学、電子工学、制御工学、情報科学など)
冷媒漏洩検知などセンサーネットワークの設計、冷媒遮断弁や利用膨張弁の制御などの処理をおこなうアルゴリズム設計、各機器の電力効率最大化など目的とする電気回路や制御システムの設計などが求められます。
・材料系(材料科学、材料工学など)
遮音部材の冷媒耐性、耐久性、防音性能などの評価、冷媒溶解度と粘度の関係性など対象とする材料の物性の解析、所望の効果を得るための最適な材料選定や組み合わせの検討、摺動部の潤滑性能を最大化する冷凍機油の組成や構造などの目的に応じた材料設計などが求められます。
・化学系分野(高分子化学、化学工学、物理化学、有機化学など)
化合物の重合反応メカニズムなどの解析、目的とする分子構造と物性を有する化合物を合成するための条件の最適化、抽出蒸留など目的物質の製造プロセスの設計、HFO-1132(E)、HFC-143a、アミン溶媒間の分子間相互作用の解明など目的物質に関わる化学的メカニズムの解明、ハロオレフィン類など対象化合物の分解・酸化メカニズムの解析などが求められます。
ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。
5 まとめ
基本的に空調関係の出願が大半です。
ただ、各種装置が統合されたシステムから室外機や室外機、モータ、圧縮機、化学物質(冷媒)などの製品レベル、部品や構成材レベルのものまでさまざまなレベルで出願されており、技術分野も多様です。
大学の専攻と関連づけるとしたら、主に機械、電気・情報、材料、化学における研究分野が該当する可能性があります。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社
<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
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