最終回となる今回は、化学系が希少な業界に焦点を当てます。
前回記事:化学系の研究開発職の業界・企業ニーズ(第2部/全3部)
前々回記事:化学系の研究開発職の業界・企業ニーズ(第1部/全3部)
これらの業界では、特許出願の多くを機械、電気、情報系などの他分野が占めており、化学系が占める割合は決して高くありません。
しかし、周りに化学系が少ない環境は、裏を返せば、自らの知見が代替不可能であり、開発環境において独自の存在感を発揮できる可能性があると考えることができます。
このような化学系にとってブルーオーシャン(?)でのキャリア形成を検討する方にとって新たな発見につながれば幸いです。
本タイトルの記事は、以下の3部構成です。
①化学系が主役となる業界(化学系の需要がかなり大きい業界)
②化学系がハブとなる業界(化学系の需要が大きい業界)
③前の2つに比べ、化学系が希少な業界(化学系の需要が一定ある業界)
本記事は、主に、③の「化学系が希少な業界」(下図の点線赤枠で囲まれた部分)を取りあげています(2.2 化学系が希少な業界~)。

- 1.考え方と注意点
- 2.評価結果
- 2.1 結果一覧(先の記事と同じ内容)
- 2.2 結果詳細:化学系の需要が希少業界(上記2.1.3の業界)
- 2.2.1 時計業界(例:カシオ、シチズン)
- 2.2.2 家電業界(例:アイリスオーヤマ、象印マホービン、タイガー魔法瓶)
- 2.2.3 農機業界(例:クボタ、ヤンマー、井関農機)
- 2.2.4 放送業界(例:NHK、テレビ朝日、日本テレビ、TBS、フジテレビ、東京テレビ)
- 2.2.5 電力業界(例:北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)
- 2.2.6 戸建等住宅業界(例:大和ハウス、積水ハウス、住友林業、旭化成ホームズ、ミサワホーム、パナホーム、トヨタホーム)
- 2.2.7 電気設備等工事業界(例:関電工、きんでん、トーエネック、九電工、中電工業、ユアテック)
- 2.2.8 医療機器業界(例:オリンパス、テルモ、ニプロ、シスメックス、キヤノンメディカルシステムズ)
- 2.2.9 卸売業界(例:三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商、双日)
- 2.2.1 アパレル業界(例:ファーストリテイリング、ワコール、オンワードホールディングス)
- 2.2.10 鉄道業界(例:東京メトロ、東急、東武鉄道、小田急鉄道、西武鉄道、京王電鉄、京浜急行電鉄、京成電鉄、相模鉄道、阪急電鉄、近畿日本鉄道、京阪電気鉄道、南海電気鉄道、名古屋鉄道、西日本鉄道)
- 3.最後に
1.考え方と注意点
・本記事では、これまでの各業界についての記事において化学系と評価された専門性に関わる情報を対象にしています。
・総合メーカーは除きます。
・概念的に同じ業界であっても、規模感などで分けている場合もあります。
・過去記事「理系専攻別の就職先マップ|60業界335社の開発職ニーズを特許分析で徹底比較 」で化学系について◎、〇、△の評価が付された業界を対象にします。ただし、◎、〇、△の評価の妥当性は保証されません。
・上記記事における◎、〇、△の評価は、◎>〇>△の評価順をランキングに反映させます。
・化学系が単独で◎の場合が最も評価が高く、次が、他の専門が△の場合、その次が、他の専門が〇の場合、その次が、他の専門が◎の場合とします(化学系がより独占的であるほど高い評価とします)。
・化学に違い専門性(例えば、材料系、物理系、生物系、薬学系など)であっても、上記記事で化学系とみなされていないものは、ことわりのない限り化学系ではないものとします(従って、情報のとりこぼしがあります)。
・上記記事の注意点は本記事の注意点でもあります。
・本サイトにおける特許情報は、各企業において出願件数が多い技術分類から優先的に抽出した情報(上澄みの情報)です。従って、本記事で拾いきれていない化学系人材の需要は多いと考えられます。
・本評価はあくまで特許情報の一部から得られた評価であり、実態と乖離している場合も多々あると考えられます。
・結果一覧の見方の例

2.評価結果
2.1 結果一覧(先の記事と同じ内容)
化学系人材の需要を3段階に分けて化学色が濃いと推定される順に一覧表示しました(表1~表3)。
あくまで特許情報から抽出された情報に基づく推測です。
2.1.1 化学系の需要がかなり大きい業界
上記過去記事において化学系が◎(他の専門と比較して関連する出願数があきらかに多い)のものです。
上に表示されている業界ほど、他の専門に関連する出願が少ないです。
すなわち、上に表示されているほど、化学色が強い技術開発がおこなわれていると推測することができそうです(例えば、有機合成など)。
逆に考えると、他の専門性の◎が多いほど、化学以外の開発も多くなされており、技術横断的な要素を含む開発がおこなわれている可能性があると推測することもできます(例えば、電池や半導体など)。
<表1>
| 業界 | 企業例 | 出願最多企業の年間出願件数 (本サイトでの直近) |
化学系 | 機械系 | 電気系 | 情報系 | 材料系 | 物理系 | 生物系 | 数学系 | 薬学系 | 土木系 | 建築系 | 食品系 | 農学系 | 医学系 |
| 日用品、化粧品業界(2) | P&G、ユニリーバ、 ロレアル、ヘンケル |
約130件/年 | ◎ | 〇 | △ | 〇 | △ | 〇 | ||||||||
| 石油業界 | ENEOS、出光興産、 コスモ、INPEX |
約150件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | ||||||||
| 環境リサイクル業界 |
カナデビア、タクマ |
約100件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 | ||||||
| 化学業界 |
三菱ケミカル、住友化学、 |
約800件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | |||||||||
| 化学業界(2) | 積水化学、エア・ウォーター、 ダイセル、JSR、ADEKA、artience、日産化学、日油、 日本化薬、高砂香料、三洋化成 |
約500件/年 | ◎ | 〇 | △ | ◎ | 〇 | △ | △ | △ | ||||||
| 食品業界(2) | 江崎グリコ、明治、 森永製菓、ロッテ、 日清食品ホールディングス |
約40件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 | ◎ | |||||||
| セメント業界 | 太平洋セメント、UBE、 住友大阪セメント、デンカ |
約300件/年 | ◎ | 〇 | △ | ◎ | △ | |||||||||
| 印刷業界 | 大日本印刷、凸版印刷、 NISSHA、共同印刷 |
約1300件/年 | ◎ | 〇 | △ | 〇 | ◎ | 〇 | ||||||||
| タイヤ業界 | ブリヂストン、住友ゴム、 横浜ゴム、TOYO TIRE |
約600件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | |||||||||
| 繊維業界 | 東レ、帝人、クラレ、東洋紡、 日東紡、グンゼ、住江織物、 セーレン、日本バイリーン |
約600件/年 | ◎ | 〇 | △ | △ | ◎ | △ | ||||||||
| 半導体業界(1) | 東京エレクトロン、SCREEN、 KOKUSAI ELECTRIC、 ディスコ、東京精密、 アドバンテスト、レーザーテック |
約700件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | ||||||||
| ガラス業界 | 日本板硝子、AGC、 日本電気硝子 |
約300件/年 | ◎ | 〇 | △ | △ | ◎ | 〇 | ||||||||
| 塗料業界 | 日本ペイント、関西ペイント、 エスケー化研、中国塗料、 大日本塗料 |
約50件/年 | ◎ | △ | △ | △ | ◎ | 〇 | ||||||||
| プラント業界(1) | 栗田工業、メタウォーター、 神鋼環境、オルガノ、月島、 水ing |
約120件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | △ | ||||||||
| 飲料・乳業業界 | コカ・コーラ、 サントリー食品、アサヒ飲料、 伊藤園、キリンビバレッジ、 雪印メグミルク、 森永乳業、ヤクルト |
約40件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ | ◎ | △ | ||||||
| プラント業界(2) | 日揮、千代田化工建設、 洋エンジニアリング |
約20件/年 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | △ | △ | ||||||||
| 医薬品業界(1) | 武田、アステラス、第一三共、 大塚、中外、エーザイ |
約80件/年 | ◎ | △ | △ | △ | ◎ | ◎ | △ | |||||||
| 医薬品業界(2) | 住友ファーマ、田辺三菱、 協和キリン、塩野義、 小野薬品、参天、ツムラ、久光 |
約50件/年 | ◎ | △ | ◎ | ◎ | △ | |||||||||
| 非鉄金属業界 | 三菱マテリアル、住友金属鉱山、 JX金属、三井金属鉱業、 DOWA、UACJ、日本軽金属 |
約300件/年 | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ | 〇 | ||||||||
| 日用品・化粧品業界 | 花王、ユニ・チャーム、 ライオン、アース製薬、 小林製薬、資生堂、 コーセー、ロート製薬 |
約800件/年 | ◎ | ◎ | △ | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | ||||||
| 紙・パルプ業界 | 王子HD、日本製紙、レンゴー、 王子製紙、北越、三菱製紙 |
約300件/年 | ◎ | ◎ | ◎ | |||||||||||
| 食材業界 | 日清オイリオ、 J-オイルミルズ、不二製油、 日清製粉、ニップン、昭和産業 |
約100件/年 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ | ||||||
| 電子部品業界(1) | 京セラ、村田製作所、TDK、 ミネベアミツミ、日東電工、 アルプスアルパイン、キーエンス |
約750件/年 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ||||||||
| 電子部品業界(2) | ローム、イビデン、太陽誘電、新光電気工業、ニデック、 マブチモーター、 日本航空電子工業、ホシデン |
約500件/年 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ||||||||
| 自動車業界 | トヨタ、スズキ、ホンダ、 日産、ダイハツ、マツダ、 三菱自動車、SUBARU |
約6500件/年 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | |||||||
| 自動車部品業界 | 豊田自動織機、豊田合成、 トヨタ紡織、アイシン、デンソー、 ジェイテクト、小糸製作所、 東海理化 |
約1800件/年 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ |
2.1.2 化学系の需要が大きい業界
上記過去記事において化学系が〇(他の専門と比較して関連する出願数が中程度以下)のものです。
ただし、上記(1)の「化学系の需要が大きい業界」に分類されてもおかしくないレベルだと評価されるものもあります(表中、上位のもの)。
<表2>
| 業界 | 企業例 | 出願最多企業の年間出願件数 (本サイトでの直近) |
化学系 | 機械系 | 電気系 | 情報系 | 材料系 | 物理系 | 生物系 | 数学系 | 薬学系 | 土木系 | 建築系 | 食品系 | 農学系 | 医学系 |
| たばこ業界 | 日本たばこ産業(JT) ブリティッシュ・アメリカン・タバコ フィリップ・モーリス・プロダクツ |
約200件/年 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ | ||||||||
| 食品業界(1) | 味の素、キューピー、キッコーマン、 ハウス食品、ミツカン、カゴメ、 ヱスビー食品、永谷園 |
約200件/年 | 〇 | 〇 | △ | △ | 〇 | △ | ◎ | 〇 | ||||||
| 酒類業界 | アサヒ、キリン、 サントリー、サッポロ |
約180件/年 | 〇 | △ | △ | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| 文房具業界 | コクヨ、パイロットコーポレーション、 三菱鉛筆 |
約130件/年 | 〇 | ◎ | △ | △ | 〇 | |||||||||
| 電線・ケーブル業界 | 住友電気工業、古河電気工業、 フジクラ、矢崎総業 |
約1000件/年 | 〇 | ◎ | ◎ | △ | 〇 | △ | ||||||||
| 産業機械業界(1) | ダイフク、グローリー、 島津製作所 |
約250件/年 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | △ | △ | △ | |||||||
| 半導体業界(2) | NVIDIA、インテル、TSMC、 クアルコム、AMD |
約100件/年 | 〇 | △ | ◎ | ◎ | 〇 | △ | △ | |||||||
| 鉄鋼業界 | 日本製鉄、JFEスチール、 神戸製鋼所、大同特殊鋼 |
約800件/年 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | △ | △ | ||||||||
| 建設業界 | 鹿島建設、大林組、清水建設、 大成建設、竹中工務店 |
約300件/年 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | ◎ | ◎ | ||||||||
| スポーツ用品業界 | アシックス、ミズノ、ヨネックス、 デサント、ゴールドウイン |
約60件/年 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | △ | △ | ||||||||
| 住宅設備業界 | LIXIL、TOTO、YKK AP、 三和シャッター、アイカ工業、リンナイ |
約400件/年 | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | △ | ◎ | |||||||
| 複合機業界 | セイコーエプソン、リコー、 富士フイルムビジネスイノベーション、 コニカミノルタ、ブラザー工業 |
約2000件/年 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | △ | ||||||||
| 重機械業界 | 三菱重工、川崎重工、IHI、 住友重機 |
約800件/年 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||||||||
| エアコン業界 | ダイキン、富士通ゼネラル、 コロナ |
約800件/年 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | |||||||||
| 防犯設備業界 | 能美防災、ホーチキ、 ニッタン、日本ドライケミカル |
約200件/年 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | ||||||
| トラック業界 | いすゞ自動車、日野自動車、 三菱ふそうトラック・バス |
約250件/年 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | △ |
2.1.3 化学系の需要が一定見込まれる業界
上記過去記事において化学系が△(他の専門と比較して関連する出願数が少ない)のものです。
組織における化学系人材の割合が小さい場合が多いことが推測されます。
この分類では、出願件数についても注意してみる必要があります。あまりにも出願件数が少ない業界(下表中の下段部)は、開発規模が小さい中で、さらに化学系が占める割合が小さいことを意味するからです。
<表3>
| 業界 | 企業例 | 出願最多企業の年間出願件数 (本サイトでの直近) |
化学系 | 機械系 | 電気系 | 情報系 | 材料系 | 物理系 | 生物系 | 数学系 | 薬学系 | 土木系 | 建築系 | 食品系 | 農学系 | 医学系 |
| 時計業界 | カシオ、 シチズン |
約600件/年 | △ | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | △ | △ | |||||||
| 家電業界 | アイリスオーヤマ、象印マホービン、 タイガー魔法瓶 |
約100件/年 | △ | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | |||||||||
| 農機業界 | クボタ、ヤンマー、 井関農機 |
約600件/年 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | ||||||||
| 放送局業界 | NHK、テレビ朝日、日本テレビ、TBS、 フジテレビ、東京テレビ |
250件/年 | △ | 〇 | ◎ | 〇 | ||||||||||
| 電力業界 | 北海道電力、東北電力、東京電力、 中部電力、北陸電力、関西電力、 中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力 |
約200件/年 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | △ | |||||||
| 戸建等住宅業界 | 大和ハウス、積水ハウス、住友林業、 旭化成ホームズ、ミサワホーム、パナホーム、 トヨタホーム |
約350件/年 | △ | ◎ | △ | △ | △ | ◎ | ◎ | |||||||
| 電気設備工事業界 | 関電工、きんでん、トーエネック、 九電工、中電工業、ユアテック |
約40件/年 | △ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | |||||||
| 医療機器業界 | オリンパス、テルモ、ニプロ、 シスメックス、キヤノンメディカルシステムズ |
約500件/年 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | △ | △ | △ | ||||||
| 卸売業界 | 三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、 住友商事、丸紅、豊田通商、双日 |
約15件/年 | △ | △ | △ | △ | △ | |||||||||
| アパレル業界 | ファーストリテイリング、 ワコール、オンワードホールディングス |
約10件/年 | △ | ◎ | △ | 〇 | ◎ | |||||||||
| 鉄道業界(2) | 東京メトロ、東急、東武鉄道、小田急鉄道、 西武鉄道、京王電鉄、京浜急行電鉄、 京成電鉄、相模鉄道、阪急電鉄、 近畿日本鉄道、京阪電気鉄道、南海電気鉄道、 名古屋鉄道、西日本鉄道 |
10件以下/年 | △ | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
2.2 結果詳細:化学系の需要が希少業界(上記2.1.3の業界)
上記<表3>に記載された業界について化学色が濃いと推定される順に見ていきます(ボリュームがあるので、<表1>および<表2>の詳細は別記事にしています)。
本記事で取り上げる業界は化学系に関係するデータが少なく、他の専門に関わる特許情報からの推測の割合が大きい場合が多々あります。
また、特許出願件数が極端に少ない卸売業界、アパレル業界、鉄道業界については、本記事の推測との乖離が大きい可能性があります。
各業界における開発類型は、特許情報に基づく場合とそうでない場合があります。
2.2.1 時計業界(例:カシオ、シチズン)
精密機械、電子、情報の技術が融合する中で、化学系は外装材料の機能化や次世代デバイスの基盤構築など不可欠な場面があります。
光電変換素子の高効率化や微細構造の形成など、物理・電気的な機構において機能向上面での役割を担い得ることが特許情報からも読み取れます。
周囲にメカやソフトの専門家が多い環境において、製品の差別化を生む独自の価値を発揮できる場面があると考えられます。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)次世代光電変換素子の開発
・鉛フリーの銀ビスマスヨウ化物を用いた逆構造型光電変換素子など環境負荷を低減しつつエネルギー効率を高める新素材の探索とデバイス構造の最適化
・材料化学、無機化学などが関連する場合が多いと想定
(2)ナノ構造による光学機能の開発
・波長変換光の指向特性を向上させるためのナノアンテナ積層構造を備えた発光装置や特定の光学特性を実現する薄膜技術の開発
・材料工学、材料化学、物理化学などが関連する場合が多いと想定
(3)高精度な機械式・電子部品の製造プロセスの開発
・ドリルと外径切削バイトを用いた薄肉部品の同時切削プロセスやヒゲゼンマイを仮固定するための特殊な壁部構造など、精密加工を支える材料・表面処理技術の探索
・材料化学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):時計業界
2.2.2 家電業界(例:アイリスオーヤマ、象印マホービン、タイガー魔法瓶)
機械構造や制御ソフトが開発の主流である家電業界において、化学系は関連する特許出願こそ多くないものの、特定の機能を実現するための素材やプロセスなどを通じて所定の技術領域で専門性を発揮しています。
調理家電における飲料抽出の挙動やフィルターによる物質分離など、化学的なアプローチが必要な工程が特許情報からも見受けられます。
周囲に機械・電気系の技術者が圧倒的に多い環境だからこそ、化学に基づく素材レベルのトラブル解決や差別化において代替不可能な価値を発揮できる可能性があると言えそうです。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)飲料抽出・調理制御技術の開発
・コーヒーメーカー等の抽出器における過抽出の抑制や液体の量に応じた沸騰判定の制御
・応用化学、化学工学などが関連する場合が多いと想定
(2)物質分離・ろ過機能の開発
・空気清浄機や掃除機のフィルター、調理容器のろ過構造など、流体中の特定成分を物理的、化学的に分離する機構の探索
・化学工学、材料化学などが関連する場合が多いと想定などが関連する場合が多いと想定
(3)筐体・パッキン等の素材評価技術の開発
・傾斜、横転時の漏出を防ぐ飲料容器の栓体や加熱調理器の支持構造、製品の耐久性や気密性を左右する樹脂、ゴム材料などの特性評価
・材料化学、高分子化学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):家電業界
2.2.3 農機業界(例:クボタ、ヤンマー、井関農機)
トラクタやコンバインなどの農機業界では、機械・電気・情報系が大部分を占めており、化学系人材は少ないと言えます。
この業界では、自動運転技術や駆動機構の開発が主流である一方、作業環境の快適性を高める触媒技術や排出ガス浄化、部材の表面処理といった化学的プロセスも製品の環境性能や耐久性を支えていることが推測されます。
周囲に機械系など他の技術者が多い環境だからこそ、化学的な視点による素材の機能向上は独自の価値を発揮できる領域だと言えます。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)排出ガス浄化システムの開発
・エンジンから排出されるガスを浄化するための触媒選定や無害化システムなどの化学反応を利用した環境負荷低減技術
・応用化学、化学工学などが関連する場合が多いと想定
(2)防錆・表面処理技術の開発
・過酷な泥水や肥料にさらされる農機部材の腐食を防ぐための特殊コーティングやめっき、塗装組成の最適化
・材料化学、無機化学などが関連する場合が多いと想定
(3)機能性樹脂・潤滑剤の選定や評価体系の開発
・高温、高負荷環境に耐えるシール材(樹脂、ゴム)や可動部の摩耗を抑制する潤滑油などの化学的性質に基づいた部材評価
・高分子化学、材料化学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):農機業界
2.2.4 放送業界(例:NHK、テレビ朝日、日本テレビ、TBS、フジテレビ、東京テレビ)
(この業界の特許出願の大部分はNHKによるものである点に注意が必要です。)
情報・通信技術が開発の圧倒的な主流である放送業界において、化学系の関与は将来の放送技術を見据えたデバイスの基礎研究や周辺材料の評価など限定的な領域に留まります。
確認された特許情報は映像処理や伝送に関するものですが、一部には次世代ディスプレイを支える素子構造や薄膜製造技術といった物質制御の知見を要するであろう開発が見受けられます。
放送局が自ら製造を行うわけではありませんが、周囲の大部分が情報・電気系の専門家しかいない環境だからこそ、素材の物理的・化学的性質を理解する視点は独自の専門性を発揮する領域だと言えるのかもしれません。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)次世代デバイスの基礎研究
・高精細放送を実現するためのディスプレイ素子や薄膜トランジスタの積層構造、製造プロセスに関する基礎的な検討
・無機化学、高分子化学、物理化学などが関連する場合が多いと想定
(2)放送設備の部材・環境耐性評価
・送信設備やスタジオ機材に使用される素材の経年劣化調査や特殊な使用環境に耐えうる樹脂部材等の選定、評価
・高分子化学、材料化学などが関連する場合が多いと想定
(3)特殊な記録媒体の研究
・長期的な映像アーカイブ保存を目的とした磁性材料や光記録材料の特性解析および安定性に関する検討
・材料化学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):放送局業界
2.2.5 電力業界(例:北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)
電気工学や制御技術が主流の電力業界において化学系は、脱炭素やインフラの長寿命化などの役割を担っていることが推測されます。
業界で最も出願が活発な中国電力をはじめ、温室効果ガスの削減量算出や排ガスの無害化処理など、環境負荷低減に直結する開発が特許情報から推測されます。
電気・機械系が多い環境だからこそ、二酸化炭素の回収や材料劣化の化学的解析といった知見により価値を発揮できる領域だと言えそうです。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)脱炭素・環境負荷低減技術の開発
・火力発電等の排ガス無害化処理や温室効果ガスの削減量を適正に算出するためのシステムなど環境規制に対応する技術の探索
・化学工学、環境工学などが関連する場合が多いと想定
(2)エネルギー貯蔵・変換材料の開発
・再生可能エネルギーの導入に不可欠な電力貯蔵装置など、化学的エネルギーを電気に換える材料やプロセスの検討
・材料科学、電気化学などが関連する場合が多いと想定
(3)電力インフラの材料解析・診断技術の開発
・電力ケーブルの劣化評価や発電所の構造物の寿命計算など、材料の化学的な性質変化を測定、分析してインフラの安全性を保つ技術の検討
・分析化学、材料工学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):電力業界
2.2.6 戸建等住宅業界(例:大和ハウス、積水ハウス、住友林業、旭化成ホームズ、ミサワホーム、パナホーム、トヨタホーム)
建築構造や施工技術が開発の主軸である戸建等住宅業界において、化学系の関与は、建材の耐久性を高める表面処理や部材の化学的評価など周辺的な領域に留まります。
確認される特許情報は主に耐震・耐火構造に関するものですが、その一部に壁や床の仕上げ材の組成検討や住空間の空気質の制御において、化学系の知見が関与する余地が考えられます。
建築・土木系が多くを占める中で、素材の性質や経年変化や劣化を化学的な視点での管理などにおいて、価値を発揮し得る領域だと言えそうです。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)建材の仕上げ・表面処理技術の開発
・壁や天井などの仕上げ材において、耐火性や防汚性を高めるための化学的な組成検討や部材の表面保護技術の検討
・材料工学、応用化学などが関連する場合が多いと想定
(2)居住空間の環境制御・解析の開発
・全館空調システムにおける空気の流れや湿度変化のシミュレーションおよび室内の空気質を維持するための化学的、物理的アプローチ
・応用化学などが関連する場合が多いと想定
(3)建築部材の劣化解析・評価技術の開発
・木材や金属部材の腐食、劣化を防ぐための薬剤処理や過酷な屋外環境における素材の化学的安定性の評価
・分析化学、高分子化学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):戸建等住宅業界
2.2.7 電気設備等工事業界(例:関電工、きんでん、トーエネック、九電工、中電工業、ユアテック)
電力供給や通信網の構築を担う電気設備等工事業界において、化学系の関与は、設備の耐久性を高める塗料やバイオマス燃料の貯蔵設備に関する周辺技術など限定的な領域に留まるようにも見えます。
一方、特許情報からはケーブルの布設や電力制御が中心である一方、送電鉄塔の腐食を防ぐ塗料やバイオマス燃料の貯蔵技術など、材料工学と密接に関わる領域で一定の化学系ニーズの余地が見えてきます。
機械、電気系が多くを占める中で、化学的な視点から絶縁・防食・耐環境といった物質レベルの課題を解決し、インフラの信頼性を支える立ち位置として光明を見出せるのかもしれません。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)インフラ設備の防食・表面処理技術の開発
・送電鉄塔や電気機器を錆や劣化から守るための特殊な塗料の適用方法や表面保護に関する化学的な検討
・材料工学、化学工学などが関連する場合が多いと想定
(2)次世代エネルギー設備の環境対策・管理技術の開発
・バイオマス燃料の貯蔵サイロ装置における劣化防止や熱管理効率を高める空調システムなど物質特性を活かした技術の検討
・化学工学などが関連する場合が多いと想定
(3)高機能な施工材料の評価・選定
・特定の化学プロセスを応用した静電噴霧技術や消防関連設備における消火剤・難燃材料の評価など専門性の高い素材の活用
・化学工学、材料工学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):電気設備工事業界
2.2.8 医療機器業界(例:オリンパス、テルモ、ニプロ、シスメックス、キヤノンメディカルシステムズ)
(この業界は、材料系や生物系、薬学系など化学系に近い領域を含めると、化学系の需要が大きい業界だと言えるかもしれません。ただし、業界内の企業によって差がありそうです。)
情報・電気・機械工学が主導する医療機器業界において、化学系は、診断の精度を左右する検体分析やバイオマテリアルの制御という生物・化学と工学の境界領域で役割を担っていることがうかがえます。
特許情報からは、手術器具や診断装置の開発が主流である一方、検体検査システムや微生物測定、生体適合性材料といった化学的な解析や素材選定が製品の核となる開発が一定程度見受けられます。
物理的なハードウェア開発が中心である中、分子レベルでの反応制御や材料特性に関する化学系の知見で専門性を発揮し得ると考えられます。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です。
(1)検体分析、試薬反応制御技術の開発
・血液や細胞などの自動分析装置における検体と試薬を効率よく反応させるための化学的なプロセス制御や抗体を用いた測定技術の検討
・分析化学、生物化学などが関連する場合が多いと想定
(2)生体内留置デバイス・チューブの素材評価
・カテーテル、ステント、腹腔内チューブなど人体に導入されるデバイスにおける素材の化学的な安全性(溶出物評価等)や機能性向上のための表面処理
・材料工学、高分子化学、分析化学などが関連する場合が多いと想定
(3)薬剤容器および接続用デバイスの開発
・シリンジやバイアル、それらを連結する器具など薬剤と接触する部材における素材の適正選定や経口フィルム製剤の製造プロセスの検討
・製剤学、材料工学、有機化学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):医療機器業界
2.2.9 卸売業界(例:三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商、双日)
(この業界は、特許出願が一定数認められますが、件数が少なく、また、開発実態が社内にあるのか、社外にあるのか不明な部分があります。下記開発類型への投資などがビジネスそのもののようなところがあると推測されます。)
投資や商品の仲介が主軸の卸売業界において、化学系は、資源・エネルギーの効率的な抽出や環境負荷を低減するプロセスといった技術領域で関わっている可能性があります。
特許情報からは、メーカーと比較して出願件数は少ないものの、温室効果ガスの排出量算出や鉱物からの資源抽出方法、水処理プロセスなど、化学工学に基づいた技術開発での関与が読み取れます。
投資や商品の流通などがメインとなる中、化学系は、物質の抽出・変換・評価といった技術的エビデンスに基づいて業務を担い得ると言えそうです。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)資源抽出・環境浄化プロセスの開発
・鉱石から効率的に金属を取り出す方法や水環境を保全するための有害物質除去など資源循環に関わる化学的プロセスの構築
・化学工学、環境工学などが関連する場合が多いと想定
(2)脱炭素・エネルギー関連技術の開発
・CO2の分離、回収や排出量の算出、さらに水素の製造や化学肥料の原料製造など、脱炭素社会に向けた技術検討
・化学工学、応用化学などが関連する場合が多いと想定
(3)食品加工・機能性素材の開発
・食品の加工、保存方法や機能性食品の研究など食品の化学的特性を活かした流通、製品化に関わる技術の検討
・食品化学、有機化学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):卸売業界
2.2.1 アパレル業界(例:ファーストリテイリング、ワコール、オンワードホールディングス)
(この業界も上記卸売業界と同様、出願件数が少なく、そのため情報の不確かさがあります。)
デザインやブランドイメージが先行するアパレル業界において、化学系はマスクの多層構造化や特殊なシート素材の活用といった製品に特定の機能を付加する領域で関わる可能性があります。
特許情報からは、下着の構造や外着のデザインといった人間工学・機械工学的な開発が主流である一方、形状記憶樹脂シートを用いた複合材料の開発など、材料系の分野にまたがる開発も見受けられます。
限定的かもしれませんが、分子レベルで素材の特性(伸縮性や保持力など)を理解し制御できる化学の知見を活かし得る領域だと言えるのかもしれません。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)衣類用複合材料の開発
・形状記憶樹脂シートと低伸長応力生地を組み合わせるなど、異なる性質を持つ素材を化学的、物理的に接合して特定の保持力や形状維持機能を実現する技術の検討
・材料工学、高分子化学などが関連する場合が多いと想定
(2)多層構造マスク等の衛生製品の開発
・捕集効率や通気性を両立させるための多層立体構造マスクなど不織布やフィルター材の特性を活かした機能性製品の設計
・高分子化学、材料科学などが関連する場合が多いと想定
(3)高機能生地の選定と性能評価
・皮膚の伸縮に追従する下衣や乳房の揺れを抑制する衣類において、求められる伸縮率や応力を実現するための樹脂材料や繊維素材の適正評価
・材料工学、繊維工学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):アパレル業界
2.2.10 鉄道業界(例:東京メトロ、東急、東武鉄道、小田急鉄道、西武鉄道、京王電鉄、京浜急行電鉄、京成電鉄、相模鉄道、阪急電鉄、近畿日本鉄道、京阪電気鉄道、南海電気鉄道、名古屋鉄道、西日本鉄道)
(この業界も上記卸売業界やアパレル業界と同様、出願件数が少なく、そのため情報の不確かさがあります。同じ鉄道業界のJRについては表3において取り上げていませんが、化学系に近しい材料系を含めると、そのニーズは同程度かもしれません。)
運行システムや車両、土木設備が開発の圧倒的中心である鉄道業界において、化学系人材の関与はインフラの維持・管理を支える材料の評価・解析といった限定的な領域に留まることが想定されます。
特許情報の多くは列車の自動運転やレール締結装置、運行ダイヤの最適化に関するものですが、その周辺領域として、レールの摩耗推定や部材の劣化検出あるいはトンネル掘削に伴う地盤改良剤の選定など素材の性質を理解した上での評価・管理の知見が求められることが考えられます。
素材の経年変化や化学的な劣化メカニズムの観点からインフラの長寿命化などの役割を担い得る可能性などが推測されます。
以下は特許情報などから推測される開発類型の例です(化学系の特許情報が相対的に少ないため、推測による部分大)。
(1)部材の劣化解析・寿命推定技術の開発
・レールや車両部品、コンクリート構造物などの摩耗や劣化状況を物理的、化学的な手法での検出、評価やメンテナンスの最適化
・材料工学、分析化学などが関連する場合が多いと想定
(2)地盤改良・土木施工補助の検討
・トンネル掘削や線路建設における地盤を安定させるための薬剤選定や施工プロセスでの化学的な阻害要因の排除の検討
・材料工学、化学工学などが関連する場合が多いと想定
(3)設備周辺材料の評価
・潤滑剤や防食塗料あるいは絶縁材料など、鉄道の安全運行を支える周辺素材の性能評価および選定
・材料工学、応用化学などが関連する場合が多いと想定
詳細(関連記事):鉄道業界(2)、鉄道業界(1)(JRは本分類に含めていませんでしたが参考までに)
3.最後に
今回は、化学系人材の需要が一定見込まれる「③化学系が希少な業界」について個別に紹介しました。
本記事で取り上げた業界は、特許情報の多くが機械、電気、情報などで占められており、化学系の出願は全体の一部に留まります。
しかし、製品の機能限界を突破するための新素材の活用や安全を担保する材料解析など、化学の知見なしでは完結しない重要な工程が存在する場合が多いと考えられます。
工学的なシステムが高度化に伴い、それを支える物質(材料・反応)の制御など、化学系の価値は高まることも考えられます。
機械系、電気系、情報系などが主な環境であるほど、化学系の視点による独自性は高まると言えるのかもしれません。
また、今回の3部構成の記事にしましたが、特許情報から化学系が出てこなかった企業においても、化学系の需要がある場合は多いと考えられます。そして、そのような企業においてこそ、化学系の存在意義が高いと言えるのかもしれません。
業界横断記事:
研究開発職のキャリアマップ|60業界の開発環境を特許データから分析
研究開発職の技術分野と需要のマトリクス(一覧表)|60業界335社の企業ニーズを特許データから分析
総合メーカー横断記事
総合メーカーの研究開発職の環境の相違|主要10社の開発環境を特許データから分析
総合メーカーの研究開発職の需要マトリクス(一覧表)|主要10社の技術領域と開発職ニーズを特許データから分析
化学系横断記事:
類似業界の比較記事:
加工食品業界、食材業界、酒類業界、飲料・乳業業界の研究開発職の共通点・相違点
<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年、2026年版 東洋経済新報社
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