開発職サーチナビ

特許分析に基づく技術系のためのキャリア探索ナビ

【特許取得(第7827341号)】独自手法を活用
● 弁理士が約60業界・300社以上の開発情報(特許情報)を分析
● 各専攻(電気、機械、情報、材料、化学など)の開発職ニーズを可視化
● 自分の研究・専門が活きる現場(開発環境)を特定するための情報提供
特許情報に裏打ちされた志望動機の構築や研究・開発経験に合致する企業の特定に
▶当サイトの考え方

【特許分析】食品業界の開発職ニーズ(3):食品、薬学、化学、機械、材料、情報、生物、電気系の専攻を中心に外資系3社の出願動向から読み解く

 これまで食品業界について2回取りあげてきました。

 これらは国内企業でした。

 過去記事:食品業界(1)食品業界(2) 

 

 外資系メーカーの場合、開発に求められる専門性は異なってくるのか?

 これを特許情報からみていきます。

 特許情報は企業の開発情報だと言えます。

 実際にどのような開発がおこなわれたのか特許情報に記載されています。

 今回は、大手外資3社の特許情報からどのような開発がおこなれてきたのか、また、開発にどのような専門性が求められるのか読み解きました。

 

 結論(概要)は以下の通りです。

加工食品業界(外資)の開発に求められる専門性
食品系分野(食品工学、食品化学、食品科学など)
薬学系分野(臨床栄養学、薬理学、製剤学、生薬学など)
化学系分野(化学工学、高分子化学、界面化学、物理化学、有機化学など)
機械系分野(機械工学など)
材料系分野(材料工学、材料科学など)
情報分野(制御工学、データサイエンスなど)
生物系分野(微生物学、分子細胞学など)
電気系分野(電気電子工学など)
 ただし、上記専門は企業の一部の特許情報に基づくものであり、全てをあらわすものではありません。また、求められる専門は特許の解釈によって変わってきますので、個々の特許情報をご確認ください。

 

 

1 業界サーチの概要

 特許情報は企業の開発情報だと言えます。

 業界サーチは、業界における主要企業の特許情報から、その業界の企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。

 特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。

 すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。

 

2 食品業界

2.1 食品業界とは

 ここでは、先の記事同様に食品の生産、加工などに関わる業界を意図します。

 どのような商品群を開発、製造しているかについては、区別していません。

 

2.2 サーチ対象

 以下の大手外資加工食品メーカー3社を対象にしました。

(1)ネスレ
(2)ペプシコ
(3)マース 

 

 

2.3 使用プラットフォーム

 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat

 

3 サーチ結果

3.1 結果概要

開発イメージは下表のとおりです。 

 

 

モノの開発

サービスの開発

個人向け

スマートフォン等の外部デバイスから受信したパラメータに基づきミルクの泡立てや加熱を緻密に制御する多目的飲料調製マシン
特定組成の糖類を含む大麦麦芽加水分解物を可塑剤として活用したキブル(ソフトドライペットフード)
体重管理を目的とした高空隙率かつ低カロリー密度の動物用乾燥食品組成物
など

 

法人向け

可撓性材料で作られた平面状パックの底部を穿孔して飲料を抽出する飲料生成システム
芳香族アミノ酸とビタミンB6の相乗作用を利用したサルコペニアの予防・治療用組成物
乳児におけるアレルギー感作の発生を予防または低減するための乳児用フォーミュラ(粉乳組成物)
プロバイオティクス細菌の生存能を維持する鉄強化粉末組成物
バレリアン抽出物の貯蔵安定性と放出制御を両立させた経口医薬製剤
環境負荷低減を目的とした切り離し片を生じさせないフィンシール構造を有する軟質パウチ
飲料成分の吐出のための飲料吐出システム
・異なる複数の風味を混ざり合うことなく分注する飲料分注ノズル
非栄養甘味料を含む飲料における口当たり改善のための飲料組成物
砂糖に近いまろやかな甘味を実現する味質改善甘味料組成物
炭酸飲料の充填時における乱流や衝突を抑制して層流を形成することで二酸化炭素の離脱を防止する流体制御キャップおよび容器
搬送カップと送出エリアの物理的な接触を利用して電気的制御に頼らずに外部ドアを自動開閉させる自動販売機
愛玩動物用ペットフードの嗜好性を向上させるためのフレーバー組成物
イヌ、ネコ等の動物における経口投与型抗寄生虫組成物
など

コーヒー飲料を調製するために粉砕されたコーヒーを送出するための方法
高圧均質化処理による不溶性植物繊維の物理的改質とそれを用いた高濃度相安定性液体を調整する方法
白身肉およびグレイビーを含むペットフードを調製する方法
グルテンフリーかつ低植物性タンパク質な肉類似物(フェイクミート)の製造方法
など

 

 

3.2 出願件数の推移

 下図は大手外資3社の特許出願件数の推移です。

 

 出願企業、出願年によって大きく異なっています。

 直近では、3社とも毎年一定数以上の特許出願をおこなっています。

 そのような出願につながる開発がおこなわれていることが推測されます。

 

3.3 開発の活発度

 特許出願件数≒開発の活発度、だと考えるなら、

 ネスレ>マース≒ペプシコ

だと言えます。

 ただし、時期によって出願件数が大きく異なるため、一概には言えません。

 

3.4 主な開発分野

 各社ごとに特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。

 各社の出願上位3つの技術分野を抽出して並べています(特許出願されていても、その企業の出願件数上位に入っていない技術分野は除外されています)。

 各記号は発明の技術分類をあらわします。

 

 分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)

  

 A23Gカカオ製品などに関連する分類です。
 アイスクリームなどがこれに該当します。
 マースがこの分野から多く出願しています。

 

 A23K動物に特に適した飼料などに関連する分類です。
 飼料要素補足物質などがこれに該当します。
 マースがこの分野から多く出願しています。
 
 A23L特定の食品などに関連する分類です。
 穀類誘導製品などがこれに該当します。
 全3社がこの分野から多く出願しています。

 

 A47J台所用具などに関連する分類です。
 家庭用皮むきなどがこれに該当します。
 ネスレがこの分野から多く出願しています。
 
 A61Kは医療用製剤などに関連する分類です。
 有機活性成分を含有する医療用製剤などがこれに該当します。
 ネスレがこの分野から多く出願しています。

 

 B65Dは材料の貯蔵容器などに関連する分類です。
 容器部材などがこれに該当します。
 ペプシコがこの分野から多く出願しています。
 
 B67D特定の液体の分与などに関連する分類です。
 容器から飲料をつぎだす装置などがこれに該当します。
 ペプシコがこの分野から多く出願しています。

 

3.5 外資加工食品メーカー3社の近年の開発トレンドと求められる専門の例

 特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。

 ここ10年のトレンドは以下のとおりです。

 発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。

 出願件数が少ない技術分野は除外しています。

 発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。

 関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。

 

 個別の情報を詳しく確認したい場合は、それぞれのリンク先に飛んでください。

 特許は難解ですが、GeminiChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。

参考記事 【AI活用】難解な特許が小学生レベルの内容に!1分で特許を読み解く方法

 

(1)ネスレ|開発トレンドと専門性

 

 上手期間中、A47Jが最も多いです。次いでA23L、A61K、B65D、A23Kが多いです。

 A47Jは既述のとおり台所用具などに関連する分類です。
 具体例としてスマートフォン等の外部デバイスから受信したパラメータに基づきミルクの泡立てや加熱を緻密に制御して多様な飲料レシピを自動再現する多目的飲料調製マシンが挙げられます。
 従来の機器はデフォルト設定が固定されており、ユーザーの細かな好みや原材料の性質に合わせた最適な調理(泡の質感調整など)ができず、バリスタのような多様なレシピを簡便に再現することが困難でした。
 これに対し、飲料を収容するチャンバ、撹拌・泡立て用のモータ、および加熱手段を備えた飲料調整マシンであり、ネットワークインターフェースを介して外部デバイスから送信される飲料処理パラメータに基づき動作する制御ユニットを有し、処理手段には着脱可能な泡立て用インサートが含まれ、外部から送られるコーヒーと混合するミルクの量や泡立ての態様といった詳細なパラメータに従ってモータの回転プロファイル(速度、加速度、方向、時間)および加熱手段の温度プロファイルを多段階のフェーズで制御することにより、フラットホワイトやカプチーノなど飲料ごとに異なる緻密な食感や温度の個別化を複雑な操作なしに家庭で簡便に実現する多目的飲料調製マシンが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7401598/15/ja

  関連する専門分野の例:制御工学(外部デバイスからの通信プロトコルの確立、受信した飲料パラメータをモータの回転数やヒーターの出力制御へとリアルタイムに変換・フィードバック制御するシステムの構築、BluetoothやWi-Fiを介したパケットデータの受信処理およびエラー検知ロジックの実装、温度センサおよび回転速度センサからのフィードバック信号に基づき加熱温度やモータ回転速度を目標プロファイル通りに追従させるアルゴリズムの設計、複数の調理フェーズ(予熱、撹拌、泡立て、休止)をシームレスに移行させるシーケンス制御の実装)、化学工学(泡の生成メカニズムや成分の熱変性の解析、理想的な飲料の質感を安定的に再現するためのプロセス条件の設計、撹拌翼(泡立てインサート)の回転速度や形状が空気の巻き込み量(ガス分散)や気泡の微細化に与える影響の評価、ヒーターの熱流束を解析およびミルク中のタンパク質の熱変性を抑えつつ短時間で目標温度に到達させるための最適な伝熱条件の算出、多様な原材料(チョコレートやスパイス)の溶解・分散速度の解析、均質性を維持しながらダマを作らないための撹拌プロファイルの決定)

 

 別の例として可撓性材料で作られた平面状パックの底部を穿孔して飲料を抽出する飲料生成システムが挙げられます。
 従来、パックが柔軟なため、穿孔時の圧力や注水時の水圧でパックが変形・移動し、液漏れや汚れが生じる問題がありました。
 これに対して、飲料原材料を封入した平面状のパックとこれを垂直に保持するパックホルダおよびパック底部を穿孔して流体を導入・注出する流体処理デバイスを備えた飲料生成システムであり、パック底部の開放可能領域(穿孔部)の付近に穴または変形可能な領域からなる少なくとも2つの固定手段が設けられ、これに対応してホルダ側には可動式のロックデバイスが配置されており、飲料調製時に2つの位置決めピンがパック側の穴または変形領域に嵌合し、パックを物理的に拘束するこの構成により、柔軟なパック材料であっても流体導入時の高い圧力による上向きの移動や歪みを確実に抑制し、デバイスとパック間の液密性を維持して、漏れや汚れのない正確な飲料調製を可能にする飲料調整システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7766673/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(パックの着脱を妨げない拘束・解放サイクルを実現しつつ穿孔デバイスの貫入や高圧流体の噴射に耐えうる剛性を持った精密な位置決め・ロック機構の設計、作動デバイス(モータ)のトルクの最適化、位置決めピンをパックの穴へ円滑に挿入・嵌合させるリンク機構の設計、垂直に保持されたパックが自重や流体圧で傾かないようパックチャンバと可動ロックデバイス間の寸法公差の設計)、材料工学(穿孔デバイスが貫入した際にデバイス周囲に密着して液漏れを防ぐシール性とロックピンが嵌合した際に破断せずに位置を保持できる適度な剛性を併せ持つパック材料の選定と物性評価、開放可能領域(穿孔部)に使用される伸縮性材料(ポリエチレン等)の弾性率の測定、穿孔後のデバイス外周部への密着性の評価、密封された縁部(固定領域)が抽出時の熱と圧力によって分離しないよう多層ラミネートフィルムのヒートシール強度と耐熱性の最適化、補強材料片と可撓性シートを複合化した際の穿孔荷重に対する応力分布のシミュレーションと材料構成の選定)

 

 さらに別の例としてコーヒー飲料を調製するために粉砕されたコーヒーを送出するための方法が挙げられます。
 従来、粉砕機内に豆が常駐するため、物理的干渉により飲料ごとの粒度変更ができず、抽出品質が制限されていました。
 これに対して、まず、逆回転シリンダが停止し気密性が維持された状態で粉砕機を特定の粒度に応じた粉砕位置へ移動・設定し、次に、粉砕機が空である状態で投入デバイスのポンプ機能により特定量のコーヒー豆を粉砕機へ精密に送り出し、続いて、送り込まれた豆を粉砕し、粉砕機内に豆が完全に消失するまで粉砕・送出を継続するこれらの粉砕機の空設定から完全送出までを一つのサイクルとすることで、次回の動作時に異なる粉砕度へ即座に切り替えることが可能となり、豆の酸化を最小限に抑えつつリストレットからルンゴに至るまで各飲料に最適な抽出収率を制御できる方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7766625/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(気密性を保持しつつ豆を傷つけずに搬送・粉砕するための構造設計、部品に負荷がかかる際の力学的挙動解析、投入デバイスのシリンダに使用する弾性材料(エラストマー等)のヤング率の選定、豆を挟み込んだ際の反力と気密保持性能のトレードオフの解析、粉砕位置を移動させる際の送りねじ機構のバックラッシ(遊び)を最小化する設計、粉砕時のトルク反力に耐えうる支持構造の強度計算)、電気電子工学(粉砕機内に豆がなくなったという非定常な状態を電気的信号の変化から物理現象として高精度に検知・判定するシステムの構築、粉砕モータの駆動電流をサンプリングして豆の有無による負荷トルクの変動を電流波形として解析、豆がなくなる瞬間の微小な電流変化をノイズから分離して検知する信号処理アルゴリズムの構築、計量ユニットからの荷重信号(アナログ電圧)をデジタル変換して目標量との誤差を補正するフィードバック制御回路の実装

 

 A23Lは既述のとおり特定の食品などに関連する分類です。
 具体例として高圧均質化処理による不溶性植物繊維の物理的改質とそれを用いた高濃度相安定性液体を調整する方法が挙げられます。
 従来、不溶性繊維は液体中で沈降しやすく、高濃度では粘度上昇による加工難を招くため、相安定性の維持が困難でした。
 これに対して、特定の植物由来材料(カカオ、エンドウ豆、大麦醸造粕、おからのいずれか)を0.5~20重量%含むスラリーを調製する工程と当該スラリーを200~2000バールという極めて高い圧力下で均質化する工程で構成される方法であり、使用される植物材料は乾物基準で30重量%以上の繊維を含み、そのうち60重量%以上が不溶性繊維であるという難分散性の特徴を持ち、この高圧均質化プロセスにおいて、強い剪断力とキャビテーションを作用させることで粒子の微細化と同時に粒子構造のほつれと膨潤を誘発させ、流体内の体積分率を増加させるこの一連の工程により、添加剤(増粘剤や安定剤)に頼ることなく不溶性繊維を高濃度に含みながらも長期的な相分離を抑制したクリーミーな口当たりの相安定性液体を実現する方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7789759/15/ja

  関連する専門分野の例:食品工学(食品マトリックス内における多糖類およびタンパク質の物理化学的挙動の解析、製造プロセスのスケールアップと品質管理手法の確立、高圧均質化条件(圧力、パス回数)が繊維の微細構造や表面積に与える影響の定量化およびスラリーの流動特性の評価、パスチャライズ(低温殺菌)などの熱処理工程が最終製品の相安定性や保存性に及ぼす相互作用の検証、クリーンラベル(添加物不使用)に対応した最適な製造ラインの設計指針の策定)、化学工学(固液分散系における粒子の分散・凝集メカニズムの流体力学および界面化学の観点からの解析、マイクロ流動化プロセスにおける高剪断応力下での粒子の破壊挙動のシミュレーション、相分離を抑制するための臨界粒子径および分散相の体積分の算出、不溶性繊維表面のゼータ電位測定や親疎水性バランスの評価および安定剤なしで粒子が懸濁し続けるためのエネルギー障壁の解析)

 

 別の例として芳香族アミノ酸とビタミンB6の相乗作用を利用したサルコペニアの予防・治療用組成物が挙げられます。
 加齢による筋量・筋力低下に対し、運動療法は継続が難しく、従来の薬物療法も副作用等の問題がありました。
 これに対して、療有効量の1種以上の芳香族アミノ酸(AAA)とビタミンB6を組み合わせた単位剤形であり、遊離形態のトリプトファン(Trp)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)から選択される少なくとも1種を必須成分とし、これに機能的ビタミンB6(キヌレニン代謝経路の指標であるHK/XA比を改善する量)を含有し、経口栄養補助食品、医療用食品あるいはカプセル等の形態で提供され、AAAを1日あたり0.5~20.0g、ビタミンB6を1.0~25.0mg投与する設計となっており、これらの成分を特定の比率で併用することにより、単独摂取や単純な相加効果を超えた統計学的に有意な相乗効果が発揮され、骨格筋量、除脂肪量、筋力および歩行速度といった身体機能を改善・維持する単位剤形が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7789007/15/ja

  関連する専門分野の例:臨床栄養学(骨格筋の代謝回転(タンパク同化と異化のバランス)における特定の微量栄養素とアミノ酸の生理学的相互作用の解明、サルコペニア患者への臨床的有用性の検証、安定同位体(D3クレアチン等)を用いた筋タンパク質合成速度の定量評価、血清中の機能的ビタミンB6濃度と筋肉量・歩行速度の相関関係に関する大規模コホートデータの統計解析、高齢者の栄養状態に応じた、芳香族アミノ酸の最適投与量および摂取タイミングの策定)、薬理学(芳香族アミノ酸とビタミンB6が、分子レベルでどのように筋細胞の増殖や機能維持に寄与するのかそのシグナル伝達経路や酵素反応のメカニズムの特定、キヌレニンアミノトランスフェラーゼ等のB6依存性酵素の活性測定による代謝バイオマーカーの変動解析、mTOR経路等のタンパク合成シグナルに対する芳香族アミノ酸とB6の相乗的な賦活化作用の細胞内解析、遊離アミノ酸の生物学的利用能と単位剤形(カプセル・粉末等)の最適化)

 

 さらに別の例として乳児におけるアレルギー感作の発生を予防または低減するための乳児用フォーミュラ(粉乳組成物)が挙げられます。
 従来、特定のヒトミルクオリゴ糖(HMO)のアレルギー抑制効果は示唆されていましたが、最適な摂取用量や組み合わせについては不明確であり、介入研究も不十分でした。
 これに対して、ヒト母乳中に含まれるオリゴ糖(HMO)である2'-フコシルラクトース(2'FL)を0.8〜2.5g/L、およびラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)を0.05〜0.2g/Lの濃度範囲で含み、タンパク源として高度加水分解タンパク質(eHF)または遊離アミノ酸が配合されるとともに脂質成分における中鎖トリグリセリド(MCT)の含有量が30重量%以下に制限された乳児用フォーミュラであり、母乳コホートの分析およびマウスモデルによる皮膚感作試験に基づき、HMOの保護効果が最大化される至適な中用量の範囲を厳密に規定したものであり、各成分が単独または特定の比率(例えば2'FLとLNnTの2:1混合物)で組み合わされることにより、低用量や過剰用量では得られない特異的な免疫調節能を発揮し、乳児の適切な成長を支える栄養要件を充足させながらアレルゲン特異的なIgEやIgG1の産生および皮膚感作を効率的に抑制してアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症を未然に防ぐ乳児用フォーミュラ( が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7794739/15/ja

  関連する専門分野の例:臨床栄養学(疫学データに基づいた栄養素の至適濃度域の同定、対象乳児の臨床的特性に適合する栄養処方の策定、母親の母乳中HMO濃度と乳児の感作リスク(総IgE値等)の相関の解析および有効な濃度閾値の特定、エネルギー密度(60〜72kcal/100mL)や必須ビタミン・ミネラルの充足率を維持しつつアレルギー予防効果を最大化するフォーミュラの配合設計)、薬理学(多成分系の相乗作用および用量反応関係の薬理学的実証、皮膚感作マウスモデルを用いた2'FLとLNnTの混合投与時における抗体産生抑制効果の非線形な用量依存性の定量化および中用量においてのみ有効性が最大化される薬理機序の解明、高度加水分解ペプチドの分子量分布(1200Da未満が95%以上等)が腸管免疫系の感作抑制に与える影響の評価)

 

 A61Kは既述のとおり医療用製剤などに関連する分類です。
 具体例としてプロバイオティクス細菌の生存能を維持する鉄強化粉末組成物が挙げられます。
 従来、鉄強化剤(硫酸第一鉄等)は粉末を液体で再構成する際に生菌の生存能を著しく低下させる問題がありました。
 これに対して、カゼインを乳タンパク質とする鉄-乳タンパク質複合体を鉄源とし、これにビフィドバクテリウム・ロンガム、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・パラカゼイから選ばれる少なくとも1種の生きているプロバイオティクス細菌を乾燥重量1g当たり5E+06〜5E+10CFUの範囲で配合した粉末形態の組成物であり、鉄イオンをカゼインでキレート化して複合体とすることにより水等の液体による再構成プロセスにおいて遊離鉄が細菌細胞へ与える損傷を物理化学的に抑制し、鉄欠乏症対策に必要な高い生物学的利用能を維持しつつ高用量の鉄配合とプロバイオティクス細菌の高い生存率の両立を実現し、再構成後の摂取時においても十分な生菌数を確保できる組成物が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7639031/15/ja

  関連する専門分野の例:微生物学(プロバイオティクス細菌の生理状態解析および組成物内での生存機序の検討、異なる水分活性下における細菌の膜完全性と代謝活性の経時的評価、再構成プロセスにおける細胞の再水和速度と鉄イオンの拡散速度が生存率に与える影響の解析、特定の菌株(B. longum等)に対する鉄-カゼイン複合体の保護作用の定量的解析、粉末化工程(凍結乾燥・噴霧乾燥)における細菌の対数減衰率の最小化検討)、食品化学(鉄-乳タンパク質複合体の化学的安定性およびマトリックス中での相互作用の設計、カゼイン対鉄の至適なw/w比(19.5:1〜92:1)におけるキレート安定度の解析、粉末組成物中での外因性リンの添加による鉄結合容量の最適化設計、脂質成分(LC-PUFA等)やビタミン類(ビタミンC等)の酸化抑制効果の定量的解析、多様なpH条件下(生理的pH 6.6〜6.9等)における複合体の溶解度と不溶性沈殿生成の挙動解析)

 

 別の例としてバレリアン抽出物の貯蔵安定性と放出制御を両立させた経口医薬製剤が挙げられます。
 従来、バレリアン中の活性成分(バレレン酸等)は分解しやすく、市販品では表示量以下の含有量となる保存安定性の低さが問題でした。
 これに対して、バレリアン根抽出物を主成分とし、ヒドロゲル形成ポリマーおよびカルボン酸(クエン酸等)からなる酸性化されたポリマーマトリックスをソリッドコアとする製剤であり、マトリックスのpHを2~5の酸性に制御することで活性成分の脱カルボキシル化や酸化分解を抑制し、貯蔵安定性を向上させた製剤が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7577090/15/ja

  関連する専門分野の例:製剤学(有効成分の薬物動態を最適化するための迅速放出部と徐放性部のバイレイヤー(二層)構造や多粒子の設計、胃腸管のpH変化に依存しない安定した放出プロファイルの構築、ヒプロメロースの粘度グレード選定による膨潤速度と拡散制御の最適化、0.1N HClおよびpH 6.8緩衝液を用いた溶出試験による放出挙動の定量的評価)、生薬学(バレリアン根抽出物に含まれるバレレン酸やバレポトリアート等の複雑な化合物群について酸性条件下における分解抑制経路を化学構造の観点から解析、HPLCによるバレレン酸およびその分解物(ヒドロキシバレレン酸等)の分画・定量、酸性化剤(クエン酸等)によるプロトン化がカルボン酸部位の脱炭酸反応に与える影響の解析、メラトニンやサリシン等の他成分との相互作用による安定性や溶解度への寄与の検証)

 

 B65Dは既述のとおり材料の貯蔵容器などに関連する分類です。
 具体例として環境負荷低減を目的とした切り離し片を生じさせないフィンシール構造を有する軟質パウチが挙げられます。
 従来のスティックパックは開封時に小片が分離しやすく、リサイクル困難なポイ捨てごみとなる環境問題がありました。
 これに対して、単一の包装材料を背部のフィンシール、上部および底部のシールで封止した軟質パウチであり、フィンシールの位置(0°)に対し、引き裂き開始点を円形断面の120°~175°または185°~240°という本質的に反対側に配置し、かつフィンシールを引き裂き方向とは反対側へ向ける構造を有し、さらに、フィンシールには追加の耐裂性包装層による増強要素が導入されたこれらの構成により、引き裂きがパウチの幅全体を横断しても、補強されたフィンシールが強力なストッパーとして機能し、開封部が本体から分離することを物理的に阻止し、その結果、開封口を十分に確保しながら包装材の小片化による環境散逸を防止し、単一の部材として確実に回収・リサイクルすることを可能にする軟質パウチが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7630521/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(開封という破壊現象を意図した位置で確実に停止させるための設計、フィンシールが0°に対し開始点が反対側にあるという幾何学的配置が手作業による複雑な応力環境下でいかに安定して機能するかの力学的立証、引き裂き時に発生する応力集中の軌跡予測、増強要素(追加の耐裂層)によるエネルギー吸収効率の幾何学的計算)、高分子化学(包装材(ポリエチレン、PET、金属箔など)の分子配向や結晶化度が引き裂き抵抗に与える影響の解析、フィンシールに導入する追加の耐裂性包装層と本体層との化学的な親和性や熱封止(ヒートシール)時の高分子鎖の融着状態の最適化、高分子フィルムの配向角(異方性)を利用した引き裂き誘導線の分子設計、ヒートシール界面における共重合体の拡散速度と接合強度の相関評価、耐裂性層(ナイロンや延伸フィルム等)の破断伸び特性と厚みの最適化)

 

 A23Kは既述のとおり動物に特に適した飼料などに関連する分類です。
 具体例として特定組成の糖類を含む大麦麦芽加水分解物を可塑剤として活用したキブル(ソフトドライペットフード)が挙げられます。
 従来のドライフードは硬く口当たりが悪い一方、柔軟性を出すためのグリセリン等は消費者(飼い主)から敬遠される傾向にありました。
 これに対して、タンパク質、炭水化物、脂肪および可塑剤を含有するコンパニオンアニマル用飼料組成物であり、可塑剤が特定の糖類プロファイルとして20重量%以上のグルコースおよび10重量%未満のマルトースを含有する大麦麦芽加水分解物で構成されており、水分含有量が5~15重量%の乾燥状態において高分子マトリックス内での高い分子運動性(物性値として10,000~15,000gfの最大圧縮荷重および1~2の圧縮傾斜値)を維持し、合成添加物を用いずとも、保存安定性と動物の咀嚼に適した肉様の柔軟な食感および嗜好性を同時に実現するキブルが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7741878/15/ja

  関連する専門分野の例:食品工学(酵素反応と押出成形プロセスの最適化によるテクスチャー制御、異なる温度・時間条件下での酵素(α-アミラーゼ、アミログルコシダーゼ等)によるデンプン分解率の反応速度論的解析、押出成形時のスクリュー回転数、加熱温度、水分注入量がキブルの膨張率や空隙率に与える影響の評価、乾燥工程におけるガラス転移温度(Tg)の測定と、貯蔵安定性を維持するための最適水分活性(Aw)の設計)、食品化学(糖組成プロファイルの精密制御と嗜好性物質の化学的同定、高速液体クロマトグラフィーを用いたグルコース・マルトース含有量の精密プロファイル分析、加熱調理(押出・乾燥)過程で生じるメイラード反応生成物と香気特性の関連性調査、異なる原料ロットにおける大麦麦芽の成分変動を吸収するための標準化プロセスの設計)

 

(2)ペプシコ|開発トレンドと専門性
 
 B67Dが最も多いです。次いでA23L、B65D、G07Fが多いです。
 B67Dは既述のとおり特定の液体の分与などに関連する分類です。
 具体例として飲料成分の吐出のための飲料吐出システムが挙げられます。
 従来のバーガン(ファミレスのドリンクバーの機械を片手で持てる銃(ガン)のような形にしたもの)は物理ボタンの数しか飲み物を選べず、シロップを自由に混ぜて自分好みの味を作る機能もありませんでした。
 これに対して、飲食店等で使われる手持ち式の飲料供給デバイス(バーガン)に従来の物理ボタンではなく、飲料や風味を自由に選べるタッチパネル式のディスプレイスクリーンを搭載した飲料吐出システムであり、デバイス本体、離れた場所に設置された複数のシロップや炭酸水の供給源およびそれらを繋ぐ特殊な配管で構成され、配管は各成分が混ざらずに独立して流れるよう複数のラインを束ねた主束構造をとっており、利用者が画面上でベースの飲料と追加したい風味(チェリーやバニラ等)を選択して吐出ボタンを押すと、制御ユニットが遠隔のポンプと弁を連動させ、選択された成分を配管経由で同時に送り出し、これらは吐出ヘッド部分で初めて混合され、一杯ごとに異なるカスタマイズ飲料が即座に生成されることにより、装置を大型化することなく提供できる飲料のバリエーションを増やすことができる飲料吐出システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7423667/15/ja

  関連する専門分野の例:制御工学(ユーザが画面で選択した味のレシピを電気信号を介して遠隔の機械装置の物理的な動きへと変換して正確な調合を実現するシステムの構築、画面のタッチ操作(入力)に対して遠隔にある複数のソレノイド弁やポンプをミリ秒単位で同期させて動かす制御アルゴリズムの設計、成分ごとの流量のバラつきを補正するフィードバック制御の実装、通信ネットワーク(LAN/インターネット)を介した在庫管理やレシピ更新機能の設計)、機械工学(複雑な多系統の液体ラインを手のひらサイズに収めて過酷な使用環境(水濡れや衝撃)に耐えつつ正確な混合を可能にする物理構造の設計、20本近い細い配管を束ねても柔軟に動かせるホース束の構造設計、内部で液体が漏れたり混ざったりしないための高精度なバルブ配置、人間工学に基づいた手持ち部分の筐体設計と強度解析、吐出直後にノズル内に残った糖分を自動で洗い流す洗浄用流路の機械的配置の最適化)

 

 別の例として異なる複数の風味を混ざり合うことなく分注する飲料分注ノズルが挙げられます。
 従来の事後混合型ノズルは、前回の香味剤が内部に残りやすく、次の飲料と混ざる風味汚染が発生していました。
 これに対して、ベース液体入口と複数の香味剤入口を有するノズルヘッド、周辺開口部を備えた環状のディフューザアセンブリおよび内壁に沿って液体を導く受容部で構成された飲料分注ノズルであり、ベース液体はディフューザ板を通過して受容部の内壁に沿った薄い層流として供給される一方、香味剤はノズル中央から長手方向に独立して分注され、受容部内には香味剤出口周辺に液体が接触しない乾燥ゾーンが形成されるよう設計されており、香味剤出口の下流には内部圧力を外気と等しくするための通気開口が配置された構成により、各成分がノズル内部で互いに接触・滞留することを物理的に遮断し、分注終了時には迅速な排水を促し、その結果、前回の風味が次に混ざる風味の持ち越しを防止しつつ飛沫を抑えた透明度の高い滑らかな層流パターンでの分注を可能にする飲料分注ノズルが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7665641/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(流体シミュレーションに基づいたノズル内部の三次元CAD設計および試作機の性能評価試験、翼部の枚数や厚みが層流の安定性に与える影響の計算と最適な流路形状の特定、通気孔の口径と空気流入量の相関関係の導出、射出成形時の金型収縮率を考慮したディフューザ板の周辺開口部の寸法許容差の設定、量産時の個体差による流量バラつきを最小限に抑える設計)、界面化学(シロップの粘弾性や表面張力がノズル内壁の濡れ性に与える影響の測定、風味の持ち越しをゼロにするための材料選定や表面改質、糖濃度の高いシロップが乾燥ゾーン付近で固着しないよう受の特定、ベース液体と香味剤が接触する界面での拡散速度の算出、吐出から飲料容器に到達するまでの飛行中に適切な混合が開始されるよう各液体の表面張力のバランスを調整する添加剤の検討や壁面摩擦抵抗を低減する材料選定)

 

 A23Lは既述のとおり特定の食品などに関連する分類です。
 具体例として非栄養甘味料を含む飲料における口当たり改善のための飲料組成物が挙げられます。
 従来、砂糖を非栄養甘味料に置き換えると、飲料特有のコクや厚みといった豊かな口当たりが損なわれる問題がありました。
 これに対して、特定の物理化学的特性を持つ高分子多糖類を組み合わせることで構成された飲料組成物であり、具体的には、平均分子量が約50,000Da〜約400,000Daの範囲にあるペクチンと約3,000,000Da〜約40,000,000Daという高い平均分子量を有する第1のキサンタンガムが主要な増粘・改質成分として配合され、これに非栄養甘味料と水が加えられた系において、組成物全体の粘度約1.0cP〜約1.5cP、摩擦係数を約0.9〜約1.4に制御されることにより、従来の人工甘味料使用時に特有の水っぽさや薄さを解消し、砂糖使用時に近い滑らかで厚みのある優れた口当たりを実現する飲料組成物が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7753288/15/ja

  関連する専門分野の例:食品化学(原料多糖類の分子構造解析と甘味料との相乗効果の検証、ペクチンのエステル化度が非栄養甘味料の苦味マスキングに与える影響の評価、キサンタンガムの分子量分布が飲料の経時的な安定性や風味リリースにどう関与するかの分析、最適な口当たりを実現する成分比率の特定)、界面化学(飲料の摩擦特性の制御と動的粘弾性の解析、舌と口腔内を模した接触面における飲料の摩擦係数の測定、ペクチンとキサンタンガムの複合体が形成する吸着層の滑りやすさを分子レベルで調整、官能評価上の滑らかさの数値化・最適化)

 

 別の例として砂糖に近いまろやかな甘味を実現する味質改善甘味料組成物が挙げられます。
 従来、非栄養甘味料は苦味や後味の悪さが課題であり、既存のポリフェノール系添加物では十分な改善が困難でした。
 これに対して、レバウディオサイドAやMなどのステビオール配糖体を主成分とし、これにフルフラール、4-ヘキセン-1-オール、5-メチル-フルフラール、酢酸ブチル、3-メチルブタノールなど特定の12種類以上の群から選択される2つ以上の化合物が極微量(ppb〜ppmオーダー)添加され、オーク樽や木材チップとの接触によっても水溶液中に溶出させることが可能であり、分子量500ダルトンを超える高分子ポリフェノールを実質的に含まない状態で機能するこれらの構成により、非栄養甘味料特有の苦味、渋味および金属味を低減し、砂糖に類似した甘味とまろやかさを付与する甘味料組成物が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7467540/15/ja

  関連する専門分野の例:食品化学(非栄養甘味料の分子構造と味覚受容体の相互作用に基づく味質制御、微量芳香成分による異味のマスキング処方の最適化、官能評価試験による各ステビオール配糖体(RA、RD、RM等)に最適な微量化合物の配合比率の決定、保存期間中における揮発性化合物(エステル類、アルデヒド類)の化学的安定性の評価、飲料製造プロセス(加熱殺菌等)がフレーバープロファイルに与える影響の定量的解析)、物理化学(口腔内における甘味料分子および微量成分の吸着・脱離挙動の解析、後味の持続性や口当たりについて物理化学的な視点からの検討、ステビオール配糖体と添加化合物が口腔粘膜のムチン層へ及ぼす界面張力や吸着エネルギーの測定、疎水性微量成分の分散安定性を高めるための評価、まろやかさを数値化するための液膜のレオロジー特性と官能スコアの相関解析)

 

 B65Dは既述のとおり材料の貯蔵容器などに関連する分類です。
 具体例として炭酸飲料の充填時における乱流や衝突を抑制して層流を形成することで二酸化炭素の離脱を防止する流体制御キャップおよび容器(装置)が挙げられます。
 従来の容器では、注ぐ際の跳ねや乱流により炭酸が急激に失われ、飲料の品質が著しく低下するという問題がありました。
 これに対して、容器リップを封止するリングシールを備えたキャップと、その内側に配置された分散ディスクで構成された装置であり、装置上部には流入時の飛散を防ぐスプラッシュガードを備え、その内側に配置された分散ディスクはガードから2mm~5mmの距離で離間しており、上部から流入した流体はディスク表面(好ましくは成形突出部)により放射状に分散され、スプラッシュガードおよび円錐状の移行部を伝って層流を維持したまま下向きに流れ、キャップ下部の底部リップは流体を容器側壁へと導き、垂直に対し5度未満で傾斜した側壁に沿って滑らかに流下させることにより、衝突によるエネルギー損失と乱流の発生を物理的に抑制し、高流量であっても二酸化炭素の放出を最小限に留める効果を奏する装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7119244/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(流体の挙動を物理的な形状で制御する機構設計、量産可能な寸法精度と性能を両立させた装置の仕様の決定、分散ディスクをスプラッシュガード内に正確に保持するための支持体(L字形脚部)の強度設計、層流を発生させるための各部寸法(2mm〜5mmの間隙や5度未満の傾斜)の最適化、容器とキャップを密閉するためのリングシールの嵌合トルクの算出および繰り返し使用に耐えるエラストマ素材の選定と金型設計)、物理化学(溶液中の二酸化炭素の過飽和状態における界面エネルギーおよび物質移動係数に基づいた脱気プロセスの定量的な解析、流体の衝突圧力がヘンリーの法則に基づく気液平衡に与える影響の評価、容器壁面における気泡発生を抑制するための表面自由エネルギーの検討、炭酸消失率と流路内のせん断応力との相関関係のモデル化および温度変化が二酸化炭素の拡散速度に与える影響のシミュレーション)

 

 G07Fはコイン解放装置などに関連する分類です。
 具体例として搬送カップと送出エリアの物理的な接触を利用して電気的制御に頼らずに外部ドアを自動開閉させる自動販売機が挙げられます。
 従来の製品を落下させる方式は衝撃による品質低下を招き、落下させない既存方式は機構が複雑で維持管理が困難でした。
 これに対して、棚から製品を搬送する送出カップと外部ドアを備えた送出エリアで構成された自動販売機であり、送出カップは水平・垂直送りねじ機構(X-Y機構)により任意の位置へ移動し、ソレノイド駆動のプランジャで棚のゲートを開き製品を直立状態で受容し、製品を保持した送出カップが送出エリアに進入する際、カップ側の押出面やピニオンギヤがエリア側の突起やラックと物理的に噛み合う機械的相互作用を生じさせることで、追加の駆動源を必要とせずに外側ドアの開放とカップ自身の回転(消費者への提示)を同時に実現し、最後に、製品受領後のカップ後退に伴い、ばねの復元力等でドアが閉鎖・係止されることで、簡素な機構で高い信頼性と使い勝手を両立させた自動販売機が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7530941/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(各構成要素の幾何学的な配置と力学的相互作用の設計、摩耗や公差を考慮した確実な動力伝達機構の構築、送出カップのピニオンギヤと送出エリアのラックが衝突せずに円滑に噛み合うためのインボリュート歯形の設計および外側ドアを付勢するばねの荷重計算、長期間の稼働に耐えうるガイドレールの材質選定、ラック・ピニオン部の潤滑設計によるメンテナンス周期の最適化)、制御工学(センサ情報に基づきX-Y駆動モータやソレノイドの統合的制御による製品の取り出しから提示までの一連のシーケンスの最適化、超音波センサによる製品検知および手存在センサ(レーザ光)の遮断信号に基づくモータの非常停止ロジックの構築、送りねじの回転角とカップ位置の相関を補正するフィードバック制御の実装、周辺機器(決済・ユーザインターフェース)との通信プロトコルの設計)

 

(3)マース|開発トレンドと専門性

 

 A23Kが最も多いです。次いでA23L、A61K、G01Nが多いです。 

 A23Kは既述のとおり動物に特に適した飼料などに関連する分類です。
 具体例として白身肉およびグレイビーを含むペットフードを調製する方法が挙げられます。
 従来、栄養補給目的で添加される硫酸銅が高温殺菌時に肉と反応し灰色へ変色させて製品価値を著しく損なう問題がありました。
 これに対して、鶏肉や魚肉などの白身肉と水、増粘剤、栄養成分を含むグレイビーを50:50~98:2の質量比で用い、混合段階でキレート剤であるトリポリリン酸ナトリウム(STPP)を添加し、成分を均一に分散させ、この混合物を容器に充填・密封した後、加熱殺菌処理を施すことで、STPPのキレート作用により殺菌時の化学反応に伴う肉表面の灰色化が抑制され、その結果、ペットに必要な必須ミネラルを保持しながら白身肉本来の自然な色調を維持するペットフードの調整方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7784145/15/ja

  関連する専門分野の例:食品化学(加熱殺菌時における肉成分(ミオグロビン等)と添加ミネラル間の化学反応の制御による変色防止に最適な化学的処方の確立、異なるpH条件下におけるSTPPのキレート安定度定数の測定および銅イオン封鎖能の定量化、加熱温度・時間と肉の褐変・灰色化の関係の数値化および変色抑制メカニズムのモデル化、キレート剤の添加が製品の風味やペットの嗜好性に与える影響の官能評価試験)、食品工学(ミキサ内における固液相の均一分散状態の評価およびラボスケールの処方の工業的な大量生産ラインへのスケールアップ、混合時間と変動係数の相関解析による目標変動係数5%以下を達成する攪拌条件の最適化、容器充填時の粘性変化に伴う液垂れ防止やワンショット充填精度を担保する流動特性の解析、殺菌釜内部の温度分布を考慮した熱伝導効率の評価とプロセス設計)

 

 別の例としてグルテンフリーかつ低植物性タンパク質な肉類似物(フェイクミート)の製造方法が挙げられます。
 従来の肉類似物は加熱時の離水を防ぎ構造を維持するために小麦グルテン等の植物性タンパク質を多量に必要とし、肉本来の含有率低下や特定成分への忌避感が問題でした。
 これに対して、卵粉以外の動物性タンパク質(肉・肉副産物)、植物繊維またはデンプンおよび卵粉を主原料とするミートバッターを調整し、これを加熱・冷却・裁断の3工程で処理する方法であり、具体的には、水分を除いた総重量に対し、動物性タンパク質を75〜85質量%、植物繊維・デンプンを7質量%以上、卵粉を8質量%以上含み、かつグルテンを含む植物性タンパク質を40質量%以下に抑制した配合を用い、このバッターを加熱ユニットでタンパク質の融点(約140〜170℃)以上に加圧加熱して流動化させた後、冷却ユニットで100℃未満まで段階的に冷却することでタンパク質を層状に固化させ、最後にこれを小片に分割することにより、多量の植物性タンパク質に頼ることなく、肉本来の組成に近い高い栄養価と本物の肉のような繊維状の食感を両立した肉類似物を製造できる方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7441324/15/ja

  関連する専門分野の例:材料科学(加熱・冷却過程におけるミートバッターの粘弾性および相転移挙動の解析、肉特有の繊維状構造を形成するための最適なプロセス条件の導出、原料が溶ける温度と固まる温度の測定、冷却ユニット内で液体状のタンパク質がどの程度の力で流されると肉らしい繊維になるか解析、工場の機械設定(圧力や回転数)の理論的根拠の構築)、食品科学(原材料の組み合わせ(成分配合)が最終製品の「食感」「品質の安定性」「栄養価」にどのような化学的変化をもたらすかの解明・制御、卵粉や植物繊維が加熱中に放出される水分をどう吸着するか(保水性)の確認、グルテンを使わなくてもバラバラにならないつなぎの最適配合を割り出し、保存中に油が酸化したり成分が分離したりしないかの評価、製品としての賞味期限や品質基準の策定)

 

 さらに別の例として体重管理を目的とした高空隙率かつ低カロリー密度の動物用乾燥食品組成物が挙げられます。
 従来の低カロリー食は繊維質を増やすと嗜好性が低下し、空気を混入させて体積を増やす手法では健康維持に必要なタンパク質や繊維を十分に配合しつつ高い膨張率を維持することが困難でした。
 これに対して、総質量に対してタンパク質が20質量%〜36質量%、総食物繊維を15質量%〜30質量%、デンプンを15質量%〜32質量%で配合され、物理的構造としては内部に微細な気泡を含む多孔質マトリックスに加えキブル(粒)の中央に少なくとも1つの空のキャビティを備えることで全体として40%〜70%の空隙率であり、製造時には押出機のオリフィスをピン等の閉塞部で部分的に遮蔽して生地を押し出すことで高タンパク・高繊維処方でありながら500kCal/L〜900kCal/Lという低いカロリー密度とハンドリングに耐えうる破断抵抗性を両立させることにより、通常の食事と同等の満足感を得ながら摂取カロリーを制限できて体重管理が可能な動物用乾燥食品組成物が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7432741/15/ja

  関連する専門分野の例:食品科学(主要栄養素の相互作用による飽食感の創出と栄養学的妥当性の設計、高繊維・高タンパクの成分系におけるデンプンの糊化特性やタンパク質の熱変性挙動を化学的に制御して嗜好性を維持しつつも低エネルギー密度を実現する最適な配合比率の導出、異なる植物性タンパク源と繊維源の組み合わせが押出成形時の生地の粘弾性に与える影響をの分析、加水分解タンパク質を用いた際のアレルゲン性低下と消化吸収率の相関評価)、材料科学(多相系食品マトリックスにおけるレオロジー制御および中空構造の成形解析、押出機内における高温高圧状態から大気圧へのフラッシュ蒸発過程の解析、微細な気泡と大きな中央キャビティを同時に安定保持するためのプロセス条件の検討、ダイオリフィス内の閉塞部の面積比と押出物にかかる剪断応力の関係性の解析、140℃〜155℃の加熱温度域における生地の水分蒸発速度と多孔質構造の固定化メカニズムの解明)

 

 A23Lは既述のとおり特定の食品などに関連する分類です。
 具体例として愛玩動物用ペットフードの嗜好性を向上させるためのフレーバー組成物が挙げられます。
 既存のペットフードは栄養面が優れていても個体の偏食や経時的な飽きにより嗜好性が低下し、必要な栄養摂取を維持できないという問題がありました。
 これに対して、特定の構造を有するアミン誘導体(例:N-(1-(4-クロロフェニル)エチル)-3-(4-メトキシフェニル)-6-メチルヘプタン-1-アミン等)群から選択される化合物(味蕾の受容体細胞、特に細胞外カルシウム濃度を感知するG-タンパク質共役受容体であるカルシウム感知受容体(CaSR)の活性を調節する分子として設計)が主要な構成要素であり、受容体のヴィーナス・フライトラップ(VFT)ドメインや7回膜貫通(7TM)ドメインの特定の活性部位(Asn64、Phe684等)と相互作用することで受容体の感受性を高めるポジティブアロステリックモジュレーター等として機能し、甘味、塩味、旨味を増強して味覚の厚みや広がりを付与するコク味の調節が可能なフレーバー組成物が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7170540/15/ja

  関連する専門分野の例:有機化学(標的受容体(CaSR)の立体構造に基づくリガンド分子の受容体相互作用部位の設計および合成、CaSRの7TMドメイン内の疎水性ポケットに適合するよう芳香環の置換基(クロロ基やメトキシ基)の位置を最適化した化合物の設計、アミノ酸残基(Phe688等)とのπ-π相互作用や水素結合形成の予測および受容体結合親和性を最大化する新規誘導体の合成ルートの確立)、分子細胞学(合成された化合物群が細胞レベルおよび受容体レベルで示す機能調節活性の定量的評価、ネコCaSRを強制発現させたHEK293細胞等の培養系を用いた化合物添加時の細胞内カルシウムイオン濃度の変化の計測、得られた用量反応曲線から最大活性や半数有効濃度の算出および構造活性相関の解析による嗜好性向上に直結する分子標的への作用機序の検証)

 

 A61Kは既述のとおり医療用製剤などに関連する分類です。
 具体例としてイヌ、ネコ等の動物における経口投与型抗寄生虫組成物が挙げられます。
 従来のスポットオン製剤(外用薬)は皮膚刺激や損傷のリスクがあり簡便かつ安全な代替療法が求められていました。
 これに対して、ネオスポラ・カニナムまたはトキソプラズマ・ゴンディに対し、シナモマム属、ユーゲニア属、キダチハッカ属、ユーカリ属由来の精油あるいはチモール、カルバクロール、テルピネオールを単一または複数含み、かつ特定成分においてガンマ-テルピネンを含有する経口投与用の抗寄生虫組成物によって構成され、精油成分間の相互作用、特にオレガノとクローブ等の組み合わせにより寄生虫の増殖を阻害する相乗効果により、動物の皮膚への物理的負担を排除しつつ内部寄生虫感染に伴う諸症状の改善および人獣共通感染症のリスク低減を安全に達成することができる経口投与型抗寄生虫組成物が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6666941/15/ja

  関連する専門分野の例:生薬学(植物二次代謝産物としての精油成分の定性・定量分析、有効成分の化学的特性に基づく最適配合比の設計、ガスクロマトグラフィー(GC-MS)等を用いての抽出ロットごとのチモールやカルバクロールの含有量の規格化、ガンマ-テルピネンが他のテルペノイドの化学的安定性や生物活性に寄与するメカニズムの解明、抗寄生虫活性を最大化するための精油プロファイル設計)、薬理学(生体または細胞に対する薬物の作用機序の解明、薬物間の相互作用による治療効果の定量的評価、精油成分が寄生虫の細胞膜透過性やエネルギー代謝に与える影響の評価、単独では効果が限定的な濃度でも成分Aと成分Bを組み合わせることで活性が向上する相乗効果の理論的根拠の立証および最小有効濃度の決定)

 

 G01Nは材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析に関連する分類です。
 具体例としてイヌの慢性腎臓病の発症に対する感受性を特定するコンピュータシステムが挙げられます。
 従来の診断法は発症後の検出が主であり、進行性の高いイヌのCKDを未病段階で早期発見する手法が不足していました。
 これに対して、イヌの尿比重、クレアチニン、尿タンパク質、血中尿素窒素といった複数のバイオマーカー情報と、年齢、体重、サイズを含む人口統計情報を入力データとして受信し、これらのデータはトップダウンまたはボトムアップラッパー法によって最適に選択され、回帰型ニューラルネットワークを用いた予測モデルによって処理され、特に長・短期記憶を備えたモデルにより過去の通院履歴を含む時系列データが解析され、個体ごとの発症確率リスクスコアが決定されることにより、獣医師や飼い主は発症前にカスタマイズされた食事療法や治療介入を行うことが可能となり、イヌの生存期間の延長とQOL向上を実現するコンピュータシステムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7758266/15/ja

  関連する専門分野の例:生理学(生体における腎機能の恒常性維持メカニズムを基盤とし加齢や個体差(体重・サイズ)がバイオマーカーの数値変動に与える生理学的影響のモデル化、予測スコアの医学的妥当性の検証、イヌの腎臓における濾過機能の経年変化の解析、大型犬と小型犬での代謝率の違いがバイオマーカーの基準値にどう影響するか定義、コンピュータシステムが算出するリスクスコアが実際の生体内で起きている腎不全の進行度と整合しているかを評価する試験の設計)、データサイエンス(不完全な臨床データセットに対する適切な前処理の設計、時系列データの依存関係を学習可能なニューラルネットワーク構造の最適化および学習アルゴリズムの実装、欠測値を含む電子健康記録に対する代入アルゴリズムの適用によるデータの整合性確保、LSTM(長・短期記憶)を用いた回帰型ニューラルネットワークの階層構造の最適化、過学習を抑えつつ予測精度(F1スコア)を最大化する計算モデルの構築)

 

(4)まとめ

 甘味料などの食品組成物や自動販売機などの飲料なの各種システム(装置)までさまざまな出願が確認され、そのような出願につながる開発がおこなわれていることが推測されます。

 ただし、企業によって開発のジャンルが大きく異なる場合があります(例えば、マースはペット用が多い、など)。

 これらの開発には、食品系、薬学系、化学系、材料系、機械系、情報系などが求められることが多いです。 

 

3.6 共同出願人との開発例

 共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。

 技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。

 各社の共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。

(1)ネスレ

 

 詳細の説明は省略します。

 

(2)ペプシコ

 

 詳細の説明は省略します。

 

(3)マース

 

 詳細の説明は省略します。

 

(4)上記(1)~(3)(共同出願人)のまとめ

 共同出願は多くはないです。

 

4 開発に求められる専門性

 上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。

 上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。

 

食品系分野(食品工学、食品化学、食品科学など)

 高繊維の相安定性液体を調製する方法、プロバイオティクス細菌の生存能を維持する鉄強化粉末組成物、ソフトドライペットフード、飲料組成物、甘味料組成物、白身肉およびグレイビーを含むペットフードを調製する方法、肉類似物の製造方法、動物用乾燥食品組成物などに関する出願が関係します。
 多成分系食品マトリックスにおける成分間相互作用の解析、加工工程(熱・圧力)が複雑な食品組織の物理特性に及ぼす影響の評価、官能特性(食感・喉越し)と物理学的指標の相関に基づいた最適配合の検討、押出成形時の熱機械的エネルギーによるマトリックス構造の設計、水分活性とガラス転移温度の相関に基づく製品の物理的安定性の検討、乾燥プロセスにおける糖類の再結晶化抑制と柔軟性保持メカニズムの解析、多段階酵素反応による特定糖組成プロファイルの精密制御設計、メイラード反応が製品の嗜好性および色調に与える影響の検討、高分子(タンパク質・デンプン)と可塑剤間の分子間相互作用の解析、官能特性を左右する高分子多糖類の配合比率の最適化設計、非栄養甘味料に起因する異味・異臭を抑制するマスキング処方の検討、官能特性を左右する甘味成分と微量芳香化合物の最適配合設計、熱履歴に伴う官能特性の劣化を抑制するための添加成分による分子間相互作用の設計、異相混合系における物質移動速度を最大化して成分の偏在を解消するための製造プロセスの設計、マトリクス内における自由水の吸着・保持機構の化学的設計、タンパク質種間の熱架橋反応によるテクスチャ制御の検討、主要栄養素の相互作用による機能的マトリックスの設計などが求められます。

 

薬学系分野(臨床栄養学、薬理学、製剤学、生薬学など)

 サルコペニアの予防・治療用組成物、乳児用フォーミュラ、経口医薬製剤、経口投与型抗寄生虫組成物などに関する出願が関係します。
 生体指標と身体機能の相関解析、代謝表現型(メタボタイプ)に応じた個別化栄養処方の策定、栄養素間の相乗作用を最大化する摂取プロトコルの検討、標的組織における分子間相互作用とシグナル伝達の解明、成分組み合わせによる薬理学的相乗効果の定量的評価、生体内動態に基づく至適投与量の設計、母乳成分の生理学的分布と臨床的アウトカムの相関解析、個体の代謝特性および発育段階に適合する栄養素密度の最適化、多成分併用系における非線形な用量反応関係(U字型・釣鐘型応答)の解明、標的組織におけるリガンド・受容体相互作用を介したシグナル伝達の解析、生体内動態に基づく有効成分の至適配合比の設計、微細環境pH制御による薬物安定化マトリックスの設計、多相放出制御システムにおける溶出プロファイルの最適化検討、天然由来多成分系における特定標的化合物の化学的安定性解析、抽出物マトリックス内の共存成分による相乗的安定化効果の検討、生物活性を指標とした有効成分の分画・単離プロセスの設計、異なる作用機序を持つ多成分による相乗的阻害効果の設計、生体恒常性の逸脱を検知するためのバイオマーカーの選定と階層化の設計などが求められます。

 

化学系分野(化学工学、高分子化学、界面化学、物理化学、有機化学など)

 多目的飲料調製マシン、高繊維の相安定性液体を調製する方法、軟質パウチ、飲料分注ノズル、飲料組成物、甘味料組成物、流体制御キャップおよび容器(装置)、愛玩動物用のフレーバー組成物などに関する出願が関係します。
 多相流における気液分散・混合プロセスのモデル化、物質の熱変性速度に基づいた伝熱スケジュールの設計、流体物性の変化に対応した撹拌動力の定量的評価、物理化学的相互作用を考慮した均質化プロセスの検討、固液分散系における粒子間ポテンシャルを考慮した分散安定化メカニズムの解析、極限環境(高圧・高剪断)における流体挙動とエネルギー収支のモデル化、多層界面における分子鎖の絡み合いと接着強度の最適化設計、高分子配向制御による異方性引き裂き特性の解析、高分子の吸着挙動による潤滑性付与とバルク粘度の独立制御に関する検討、粘弾性と摩擦を統合した食感の数値化解析、味覚受容体との相互作用における熱力学的親和性および反応速度論的設計、外圧および液膜の厚みが溶存ガスの化学ポテンシャルに与える影響の評価、標的受容体のキャビティ構造に適合する低分子リガンドの設計、官能基の電子的・立体的性質が結合親和性に与える影響の検討などが求められます。

 

機械系分野(機械工学など)

 飲料生成システム、粉砕されたコーヒーを送出するための方法、軟質パウチ、飲料吐出システム、飲料分注ノズル、流体制御キャップおよび容器(装置)、自動販売機などに関する出願が関係します。
 空間的制約下における高精度な多自由度機構の設計、外力および内圧に対する構造部材の剛性・強度の検討、動力伝達効率と反復精度を両立するアクチュエータの制御解析、異種材料の接触界面におけるシール構造の設計、多自由度リンク機構におけるバックラッシおよび位置決め精度の検討、幾何学的制約下における応力集中経路の制御設計、非線形な引き裂きエネルギーに対する動的停止機構の設計、多系統の流路を高密度に集積させるパッケージング技術と筐体の構造設計、流体の運動エネルギーを散逸させ、安定した界面を形成するための流路構造の設計、部材間の物理的な接触を動力源として、一連の動作へ変換するリンク機構の設計などが求められます。

 

材料系分野(材料工学、材料科学など)

 飲料生成システム、肉類似物の製造方法、動物用乾燥食品組成物などに関する出願が関係します。
 プロセス条件(熱・応力)に追従する材料の力学的挙動の解析、異種材料間の接合・界面接着におけるバリア性と強度の検討、機能性材料の粘弾性特性に基づいたシール・密閉機能の設計、非平衡状態における熱可塑性タンパク質のレオロジー設計、多相系混合物における相転移温度と圧力局所変動の相関解析、高温高圧流体のフラッシュ蒸発による多孔質微細構造の設計などが求められます。

 

情報分野(制御工学、データサイエンスなど)

 多目的飲料調製マシン、飲料吐出システム、自動販売機、イヌの慢性腎臓病の発症に対する感受性を特定するコンピュータシステムなどに関する出願が関係します。
 多変数フィードバック制御システムの設計、通信プロトコルと動作シーケンスの整合性検証、センサフュージョンによる動的プロセス追従の最適化、入出力の動特性に基づいたマルチアクチュエータの同期制御系の設計、レシピ選択から物理吐出までの応答性能の最適化と遅延補償の検討、流体供給源から末端ノズルまでの統合的なプロセス制御ロジックの構築、複数のアクチュエータとセンサを連携させて事象ベースで動作を完結させる論理回路の設計、不均一で欠損を含む時系列マルチモーダルデータに対する前処理手法の設計などが求められます。

 

生物系分野(微生物学、分子細胞学など)

 プロバイオティクス細菌の生存能を維持する鉄強化粉末組成物、愛玩動物用のフレーバー組成物などに関する出願が関係します。
 環境ストレス応答に基づく菌体保護プロセスの設計、再水和過程における細胞膜完全性の維持手法の検討、粉末マトリックス内における生菌の休眠状態と長期安定性の解析、異種細胞発現系を用いた受容体活性化プロセスの設計、シグナル伝達効率におけるアロステリック調節効果の検討などが求められます。

 

電気系分野(電気電子工学など)

 粉砕されたコーヒーを送出するための方法などに関する出願が関係します。
 モータの駆動電流波形による負荷状態の推定と非接触検知アルゴリズムの設計、アナログセンサ信号の高精度サンプリングおよび信号処理による微差検出の検討、物理量の時間変化に基づいた工程完了判定プロセスの動的解析、などが求められます。

 

 ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。

 

5 まとめ

 食品類そのものに関わる組成物や食品類の提供に関わる装置などに関する出願が確認され、これらの出願につながる開発がおこなわれている可能性があります。

 ただし、企業によって出願に係る技術内容が異なる可能性があります。

 関連する大学の専攻として、食品、薬学、化学、機械、材料、情報における研究分野が該当する可能性があります。

 その他には、生物、電気が関係する場合もあります。

 

 本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。

 参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4

 以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

 関連記事:

 【特許分析】酒類業界の開発職ニーズ:生物、食品、化学、農学、薬学系の専攻を中心に大手ビールメーカー4社の出願動向から読み解く

 【特許分析】飲料・乳業業界の開発職ニーズ:食品、化学、生物、機械、電気、材料、情報系の専攻を中心に飲料メーカー8社の出願動向から読み解く

 【特許分析】食材業界の開発職ニーズ:化学、材料、食品、生物、情報、機械系の専攻を中心に大手6社の出願動向から読み解く

 

 類似業界比較記事:

 加工食品業界、食材業界、酒類業界、飲料・乳業業界の研究開発職の共通点・相違点

 

 業界横断記事:

 研究開発職のキャリアマップ|60業界の開発環境を特許データから分析

 研究開発職の技術分野と需要のマトリクス(一覧表)|60業界335社の企業ニーズを特許データから分析

 

 総合メーカー横断記事

 総合メーカーの研究開発職の環境の相違|主要10社の開発環境を特許データから分析

 総合メーカーの研究開発職の需要マトリクス(一覧表)|主要10社の技術領域と開発職ニーズを特許データから分析

 

 化学系横断記事:

 化学系の研究開発職の業界・企業ニーズ(第1部/全3部)

 化学系の研究開発職の業界・企業ニーズ(第2部/全3部)

 化学系の研究開発職の業界・企業ニーズ(第3部/全3部)

 

<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社

<留意事項>
 本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
 特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
 詳細な確認や重要な判断が必要な場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。