エネルギープラントから航空宇宙、船舶、橋梁まで社会を支える巨大インフラの構築を担う重機械業界は事業領域が極めて広大かつ多角的だと言え、近年は、水素エネルギーや脱炭素技術、AIを活用した自律制御ロボティクスなども進んで言えます。
その事業領域がエネルギー、搬送、防衛、宇宙と多岐にわたるため、外部からは、どのような研究開発がおこなわれ、どのような専門性が求められるのか、重機械としての全体像を捉えることが難しく、その実態を把握するのも容易ではありません。
企業サイトの断片的な情報だけでは全貌は見えにくいのが実情です。
この問題に対し、特許情報を活用します。
特許情報は企業の開発の軌跡であり、客観的なエビデンスになり得る情報です。
本記事では、採用サイトとは別の視点で、三菱重工、川崎重工、IHI、住友重機の研究・開発職ニーズと関連する専門性を特許情報から解読します。
結論(概要)は以下の通りです。
・機械系分野(機械工学、材料工学、原子力工学、精密工学など)
・電気系分野(電気電子工学、電気工学など)
・情報系分野(情報工学、制御工学、情報学など)
・物理系分野(応用物理学、物理工学など)
1 業界サーチの概要
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
業界サーチは、業界における主要企業の特許情報から、その業界の企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。
特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。
すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。
2 重機械業界
2.1 重機械業界とは
ここでは、社会や産業の基盤を支える大型の機械や設備など(エネルギー、プラント、鉄道、航空宇宙など)を製造する業界を意図します。
ただし、対象とする事業分野や製造物は厳密に区別していません。
2.2 サーチ対象
以下の重機械メーカー4社を対象にしました。
(2)川崎重工
(3)IHI
(4)住友重機
2.3 使用プラットフォーム
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
3 サーチ結果
3.1 結果概要
開発イメージは下表のとおりです。
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モノの開発 |
サービスの開発 |
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個人向け |
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法人向け |
・水回収システム |
・異常判定方法 |
モノの開発としては、例えば、水回収システムが挙げられます。
サービスの開発としては、例えば、異常判定方法などが挙げられます。
3.2 出願件数の推移
下図は重機械メーカー4社の特許出願件数の推移です。

三菱重工が出願年によって大きくばらついていますが、出願件数は各社とも毎年一定数以上あります。
これらの特許出願につながる開発が日々おこなわれていることが推測されます。
3.3 開発の活発度
特許出願件数≒開発の活発度、だと考えるなら、
三菱重工>IHI>住友重機≒川崎重工
だと言えます(2000~2022年における住友重機と川崎重工の出願件数は同程度です)。
ただし、直近5年(2018~2022年)で見ると、
三菱重工>住友重機≒川崎重工>IHI
です。
3.4 主な開発分野
各社ごとに特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。
各社の出願上位3つの技術分野を抽出して並べています(特許出願されていても、その企業の出願件数上位に入っていない技術分野は除外されています)。
各記号は発明の技術分類をあらわします。

分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)
蒸留などがこれに該当します。
三菱重工がこの分野から多く出願しています。
ガス溶接などがこれに該当します。
川崎重工、IHI、住友重機がこの分野から多く出願しています。
プログラム制御マニプレータなどがこれに該当します。
川崎重工がこの分野から多く出願しています。
硬化装置などがこれに該当します。
住友重機がこの分野から多く出願しています。
音響シグナル装置などがこれに該当します。
川崎重工がこの分野から多く出願しています。
蒸気タービンなどがこれに該当します。
三菱重工、IHIがこの分野から多く出願しています。
燃料‐空気の混合気の圧縮に特徴のある機関などがこれに該当します。
IHIがこの分野から多く出願しています。
回転運動伝達用歯車伝動装置などがこれに該当します。
住友重機がこの分野から多く出願しています。
サンプリングなどがこれに該当します。
三菱重工がこの分野から多く出願しています。
3.5 重機メーカー4社の近年の開発トレンドと求められる専門の例
特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。
ここ10年のトレンドは以下のとおりです。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
出願件数が少ない技術分野は除外しています。
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。
(1)三菱重工|開発トレンドと専門性

上手期間中F01Dが最も多いです。次いでG21Ⅽ、G01N、F04D、B29Ⅽ、G05Bが多いです。
具体例としてガスタービンコジェネレーションシステムにおける排ガスからの水回収システムが挙げられます。
従来、回収水の不純物濃度が高い場合に系外へ排出するため、回収水を有効に再利用できていませんでした。また、冷却された回収水をボイラ給水として再利用することでシステムの熱効率が低下する懸念がありました。
これに対し、水回収装置で排ガスから回収した水分を含む回収水を冷却する回収水冷却装置と、冷却された回収水を水回収装置へ戻す回収水供給ラインに加え、高温の回収水を補給水タンクへ導く高温給水ラインと、冷却された回収水を水処理装置を通して補給水タンクへ導く低温給水ラインが設けられたことで、燃料の種類に応じて回収水の不純物濃度が変化した場合でも高温の回収水を直接ボイラ給水として利用するか、低温で不純物を除去してからボイラ給水として利用するかを選択できるため、回収水を無駄なく再利用しつつ熱効率の向上を図ることができる水回収システムが開発されています(以下URL)。
回収水冷却装置、回収水供給ライン、低温給水ラインを備え熱効率を高めた水回収システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7471353/15/ja
関連する専門分野の例:化学工学(水回収装置における排ガスと冷媒水の熱交換プロセスおよび物質移動プロセス(水分の凝縮、不純物の溶解)の解析とモデル化、最適な運転条件や装置設計の検討)、環境工学(排ガス中に含まれる不純物の種類と性状の特定、不純物が水回収システムやボイラ給水に与える影響の評価、水処理装置における最適な不純物除去技術(イオン交換、凝集沈殿、膜分離など)の選定、処理後の水質がボイラ給水基準を満たすことの検証)
既存技術では、車室を側方から突出した部分(猫足)で支持する構造が一般的でしたが、高温運転時の熱変形により車室が反ると内部の内蔵物も上下動し、ロータとの相対的な変位が生じ、軸振動や性能低下を招く可能性がありました。
これに対して、車室が上半部と下半部に分割され、ロータの径方向内側に突出した車室下半部の内側支持部で内蔵物の径方向外側に突出した突部を支持し、さらに、車室の側部から外側に突出した突出部を支持部で支持し、車室上半部に設けられた突出部が支持部の高さを水平分割面に近づけて熱変形の影響を抑制することで、車室の変形による内蔵物の上下動を抑制し、ロータとの鉛直変位差を低減する車室支持構造が開発されています(以下URL)。
車室支持構造→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7665092/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(車室の熱変形がロータの軸振動や効率に与える影響の評価、内蔵物とロータの鉛直変位差を最小化するための構造設計)、材料工学(車室や内蔵物、支持部などに求められる強度、耐熱性、耐食性などを考慮した金属材料や複合材料の選定、選定した材料の機械的特性や熱的特性の評価)
従来のタービン静翼では、前縁側の冷却において、圧力面側と負圧面側の冷却孔が同じ内部空間から冷却空気を噴出するため、圧力差により負圧面側の冷却空気流量が過剰になり、ガスタービンの効率を低下させるという問題がありました。
これに対して、タービン静翼の翼形部内部空間が、最も前縁に近い位置に設けられた第1隔壁と、前縁側の翼壁から第1隔壁まで延びる第2隔壁によって、圧力面側前縁キャビティと負圧面側前縁キャビティに分割されることで、それぞれのキャビティに独立した貫通孔(冷却孔)が設けられ、圧力面側と負圧面側で冷却空気量を個別に調整できるようになったタービン静翼であって、特に、第1仮想直線(翼高さ方向から見た際に圧力面側の翼壁と負圧面側の翼壁との接続位置を結ぶ直線)と、負圧面側の接続位置における翼壁の延在方向との交差角度を特定範囲に設定することで、負圧面側の第1隔壁の接続位置を翼前縁に近づけて負圧面側前縁キャビティを小型化し、冷却孔の設置範囲を制限することで負圧面側からの過剰な冷却空気の噴出を抑制し、加えて、第2仮想直線(翼高さ方向から見た際に前縁側の翼壁と第2隔壁との接続位置と、第1隔壁と第2隔壁との接続位置を結ぶ直線)と、第3仮想直線(翼高さ方向から見た際に圧力面側の翼壁と第1隔壁との接続位置と、第1隔壁と第2隔壁との接続位置を結ぶ直線)との交差角度を特定範囲に設定することで第2隔壁の変形を抑制する構成により、冷却空気量を適切化し、ガスタービンの効率を向上させるタービン静翼が開発されています(以下URL)。
タービン静翼→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7297132/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(運転中に燃焼ガスから受ける変動圧力による翼の振動モードや共振周波数の解析、高サイクル疲労による破損を防ぐための設計、隔壁の追加が翼全体の剛性に与える影響の評価、冷却性能と構造強度を両立させるための最適な隔壁配置の検討)、材料工学(高温強度、耐酸化性、耐食性に優れたニッケル基超合金などの材料選定、それぞれの材料の特性に基づいた最適な鋳造、鍛造または積層造形などの製造プロセスの検討)
具体例として小型原子炉における緊急停止のための原子炉停止システムが挙げられます。
既存技術では、炉出力増大時に溶断するストッパーを用いた原子炉停止システムが知られていますが、小型原子炉への適用は困難な場合があります。これは、小型原子炉の構造や冷却方式が従来の大型原子炉と異なるためです。
これに対して、炉心燃料の上方に中性子吸収材を収容した収容容器が配置され、その底部に開口が設けられ、通常時は閾値温度以下の材料で形成された連通部が開口を塞ぎ、中性子吸収材を保持し、原子炉の異常により温度が閾値を超えると連通部が溶融または変質し、開口が開くことで、収容容器内の中性子吸収材が炉心燃料の間を通る遮へい通路に落下し、核反応を停止させるため、特別な制御機構を必要とせず、温度上昇に応じて受動的に作動するため、安全性と迅速性を有し、小型原子炉にも適用可能な原子炉停止システムが開発されています(以下URL)。
原子炉停止システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7629884/15/ja
関連する専門分野の例:原子力工学(炉心燃料の配置、中性子束分布、反応度などの解析、中性子吸収材の種類、量、配置が原子炉停止に与える影響の評価、異常時の温度上昇シナリオに基づく連通部の作動温度、中性子吸収材の落下速度などが原子炉停止時間や安全性に与える影響の分析)、材料工学(適切な融点または変質温度を持つ材料(例えば、特定の金属や合金)の選定、選定した材料の熱的特性(熱伝導率、比熱など)、機械的強度、耐放射線性の評価)
従来の模擬ペレットでは、高燃焼度化した実燃料ペレットの燃焼中に生じる亀裂の影響が十分に考慮されておらず、実燃料に近い模擬試験が困難でした
これに対して、燃料被覆管の内側に配置される核燃料ペレットを模擬し、柱状の径方向および軸方向に沿う面に平行な複数の割目を有し、径方向に少なくとも三分割、具体的には、径方向の両外側の各基部と、各基部の間に配置される少なくとも1つの中央部とで構成され、キャスク落下時の圧縮試験において、模擬ペレットの割目によって形成されたエッジ部が燃料被覆管に食い込み、実燃料ペレットの亀裂が燃料被覆管へ与える影響をよりリアルに評価することが可能な模擬ペレットが開発されています(以下URL)。
模擬ペレット→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7565897/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(模擬ペレットの基部と中央部に適したセラミックス、金属または複合材料の選定、それぞれの材料の圧縮強度、硬さ、ヤング率などの測定、割目の形状や配置が模擬ペレット全体の強度や変形挙動に与える影響の評価、最適な形状の決定)、機械工学(模擬ペレットの割目の数、角度、深さ、幅などの設計パラメータの決定、模擬ペレットの3次元モデルによる圧縮時の応力分布や変形挙動のシミュレーション、模擬ペレットの形状、寸法、分割方法の設計)
具体例として超音波探傷検査の欠陥解析装置が挙げられます。
既存の欠陥検出システムでは学習用画像を多数用意する際に時間や労力がかかるという問題がありました。
これに対して、既知の欠陥が仕込まれた標準試験片から得られた複数の標準超音波画像と欠陥の教師情報による学習済モデル(学習段階において各標準超音波画像に映る複数の欠陥のうち、検出すべき欠陥に優先順位が付けられたモデル)により、検査対象の超音波画像から重要な欠陥が優先的に強調された画像を得ることができ、効率的な欠陥解析が可能な欠陥解析装置が開発されています(以下URL)。
超音波探傷検査の欠陥解析装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7641936/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(超音波プローブの設計、駆動回路の設計、信号処理回路の設計、ノイズが少なく欠陥からの反射波を明瞭に捉えることができる超音波探傷システムの構築)、情報工学(機械学習ライブラリを活用した欠陥検出モデルの構築、大量の超音波画像データを効率的に管理・学習するためのデータパイプラインの構築、学習時間を短縮するための並列処理やGPU活用などの検討)
従来の3D造形品の欠陥検査は最終形状に対しておこなわれるため、内部欠陥が発見された場合、造形を最初からやり直す必要があり、大きな手戻りが発生するという問題がありました。また、X線CTなどの手法は大型の造形品には適用が困難でした。レーザ超音波法は浅い欠陥の検出が難しいという問題がありました。
これに対して、対象物にパルスレーザ光を照射して超音波を発生させ、その超音波に基づく対象物の振動の特定の周波数成分に基づいて内部欠陥の有無を検出する方法であって、特に、対象物のたわみ振動の領域にある周波数成分を利用することで、表面近傍の浅い欠陥であっても入射波による表面振動に埋もれることなく検出することが可能となり、パルスレーザを用いることで微小な領域に超音波を発生させることができ、点、線、面いずれの計測面でも対応可能となり、また、3D造形中に層ごとに検査をおこなうことで、早期に欠陥を発見し、修復を可能にする欠陥検出方法が開発されています(以下URL)。
3D造形物における内部の欠陥を検出するための方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7609702/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(レーザー照射時の振動や熱影響を考慮した光学系、機械的な支持機構および振動センサーの配置の設計、内部欠陥が存在する場合の振動モードや固有振動数の変化の解析)、応用物理学(パルスレーザーの照射条件(波長、強度、パルス幅など)が対象物表面での熱膨張やアブレーションによる超音波発生与える影響の評価、最適な照射条件の検討)
具体例として汲み上げポンプが挙げられます。
既存の同種のポンプでは汲み上げる液体(例えば原油)の粘度変化によりスラスト軸受の性能が不安定になるという問題がありました。
これに対して、ポンプロータのインペラで昇圧した液体をポンプシャフト内部に設けられた主流路から径方向外側に延びる複数の第一吐出流路を通してスラスト軸受の軸受面に供給する構成により、動圧に加えて、第一吐出流路から直接的に供給される液体による静圧を軸受面に作用させ、液体粘度の変化に影響されにくい、安定した支持性能を有する汲み上げポンプが開発されています(以下URL)。
汲み上げポンプ→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7550726/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(流路形状や配置が静圧に与える影響の評価、軸受の負荷能力を最大限に引き出すための設計パラメータの特定、軸受材料の選定や表面粗さの最適化)、材料工学(汲み上げる液体(原油など)の腐食性に対する耐性、軸受面における摩擦係数や耐摩耗性の評価、長期にわたる安定したポンプ運転を可能にする最適な材料の選定、軸受の負荷能力向上や摩擦損失低減のための表面改質技術(硬質膜コーティングなど)の適用の検討)
具体例として繊維と熱可塑性樹脂を含む積層シート材をコンソリデーション成形(積層材料を熱と圧力で一体化する成形)する装置が挙げられます。
従来のプレス成形では、含浸工程からコンソリデーション工程への移行時に金型温度を均一に遷移させる必要があり、サイクルタイムが長期化する問題がありました。また、金型による加熱と冷却、加圧が一体不可分であり、それぞれの程度を細かく調節できないという問題点もありました。
これに対して、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱可能な第1・第2金型と、それらより大きな熱容量を持ち融点より低い温度に加熱可能な第1・第2熱容量体が独立して設けられ、加圧機構によって積層材料を加圧する金型と、移動機構によって独立して駆動され、材料加圧に影響を与えない接圧で金型と接触して冷却をおこなう熱容量体を分離することで、構造を簡易化しつつ加圧の程度と冷却の程度をそれぞれ精密に調節することを可能とし、サイクルタイムの短縮と内部欠陥を抑制した高品質な成形品の製造に貢献する成形装置が開発されています(以下URL)。
繊維と熱可塑性樹脂を含む積層シート材をコンソリデーション成形する装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7566823/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(金型および熱容量体の熱伝導シミュレーション、効率的な温度制御のための構造設計や冷却流路の配置の検討、成形時の材料の変形シミュレーション、最適な加圧条件や金型形状の設計)、制御工学(温度センサーや圧力センサーからの情報を基に金型加熱部、熱容量体加熱部、加圧機構、移動機構をリアルタイムで制御するシステムの構築)
具体例として機械設備や作業の異常を判定する際に、異常の原因となった変数を特定し、正常な状態に戻すための調整方向を提示する異常判定方法が挙げられます。
従来の異常判定では、異常の有無は判別できても具体的な改善策が不明でした。
これに対して、複数の変数を含む評価対象データの異常を判定する際に、正常データを学習した判定モデルとの比較に基づき変数ごとに算出された距離を用いて異常度を特定する異常判定方法であって、異常と判定された場合、異常度の低減に寄与する距離の大きい変数から順にその距離を減少させるための調整方向を算出し、特定された変数とその調整方向を出力することで、異常発生時において評価対象データを正常な状態に復帰させるための具体的な対応を支援する異常判定方法が開発されています(以下URL)。
機械設備や作業の異常判定方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7584376/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(さまざまし正常データの特性を捉え異常を高精度に検出できるモデルの構築、算出された距離に基づいて異常度を定量的に評価する手法や異常と判定するための適切な閾値を設定する方法の検討)、電気電子工学(温度、圧力、振動、電流、電圧などの物理量を計測する最適なセンサーの選定・設計、センサー出力信号の特性の評価、取得した時系列データに対するフィルタリング、周波数解析、統計的処理などの信号処理アルゴリズムの検討)
(2)川崎重工|開発トレンドと専門性

B25Jが最も多いです。次いでF15B、H01L、A61B、F17Ⅽ、B63Bが多いです。
具体例としてワーク保持装置、搬送ロボット、作業ロボットを備えたロボットシステムが挙げられます。
従来のロボットシステムでは、ワーク保持装置がワークを配置できる位置が限定されていたため、作業ロボットなどの配置レイアウトが制約されるという問題がありました。
これに対して、ワーク受渡位置とワーク搭載位置に複数のアーム部を有する旋回式のワーク保持装置と、ワーク受渡位置のアーム部からワークを保持する搬送ロボットと、搬送ロボットに保持されたワークに対して作業を行う作業ロボットとを備える構成により、搬送ロボットがワークを作業ロボットの正面以外の任意の位置に移動させることが可能となり、作業ロボットは任意の位置のワークに対して作業できるため、システム全体のレイアウト自由度を向上させることができるロボットシステムが開発されています(以下URL)。
ロボットシステム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7583960/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ワークの搬送経路、各ロボットの動作範囲と干渉チェック、サイクルタイムの最適化、ワーク保持装置の旋回機構、搬送ロボットと作業ロボットの連携動作、安全機構などの設計)、電気電子工学(システム全体の制御ロジックの構築、作業ロボットと搬送ロボットの協調動作を実現するための通信プロトコルや制御アルゴリズムの設計)
従来のロボットによる装着作業では、人手による教示の精度に依存したり、力覚センサによるコスト増と傷つきのリスクがありました。
これに対して、ロボットに保持させたセンシング機器でターゲット周面の複数点を検出し、その点群から異なる組み合わせで複数の選択点群を作成し、各々の円弧中心座標を算出し、これらの暫定中心座標に基づいて最終的な中心座標を算出することでターゲットの中心を高精度に特定し、オブジェクトをその中心に正確に位置合わせして装着させることにより、高コストなセンサを用いることなく、傷の発生を抑えつつ精度の高い装着作業を自動でおこなうことが可能になる動作制御装置が開発されています(以下URL)。
動作制御装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7629542/15/ja
関連する専門分野の例:精密工学(タッチプローブの接触位置と姿勢の制御の検討、検出点の最適な配置方法の検討、ノイズの影響を低減する信号処理技術の検討、円弧中心と最終中心座標の算出アルゴリズムの設計)、制御工学(算出されたターゲット中心座標と姿勢に基づいてオブジェクトを保持するロボットアームの精密な動作制御を実現するためのアルゴリズム設計、システムの構築)
従来の廃棄物処理ロボットハンドでは、ワークの形状や高さが異なると複数同時吸着が困難であり、仕分け作業に時間がかかるという問題がありました。
これに対して、中央に配置された第1吸着部と、その周りに配置された複数の第2吸着部を有するロボット用吸着ハンドにより、撮像情報に基づいて複数の廃棄物の吸着点が近接している場合に第1吸着部の中心をそれらの中間位置に下降させて同時吸着を可能にし、廃棄物の種類に応じて第1・第2吸着部の負圧制御を独立しておこなうことで異なる種類の廃棄物の同時吸着を抑制し、同種廃棄物の安定した同時吸着を実現することで、ロボットアーム1回の動作で複数の廃棄物を処理できて仕分け作業を効率化する廃棄物処理システムが開発されています(以下URL)。
廃棄物処理システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7619884/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ロボットアームや吸着ハンドの機構設計、搬送ラインとロボットの連携による効率的な廃棄物ハンドリングの検討、システム全体の性能評価)、情報工学(深層学習を用いた廃棄物の自動識別、画像解析による正確な吸着点の検出、複数の廃棄物の位置関係を解析し同時吸着の可否を判断するアルゴリズム設計)
具体例として建設機械などに搭載される油圧システムが挙げられます。
従来の油圧システムでは、回生エネルギーの回収が十分でなく、エネルギー効率の向上が課題でした。
これに対して、油圧ポンプと可変容量型油圧モータに加え、給排ラインの作動油を蓄積する第1アキュムレータと制御装置を備え、特に、第1アキュムレータの圧力に応じて油圧モータの容量を制御する点を特徴とし、油圧モータの加速時にはポンプからの余剰な作動油を第1アキュムレータに蓄積し、その際の蓄積圧力が上昇するとモータ容量を減少させることで安定した加速制御とエネルギー回収を両立する油圧システムが開発されています(以下URL)。
建設機械などに搭載される油圧システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7591945/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(油圧モータの容量可変機構の設計、油圧回路の最適化、作動油の流れと圧力の解析、アキュムレータの容量選定、システム全体の動特性シミュレーション、第1アキュムレータの圧力に応じた油圧モータの容量制御アルゴリズムの設計)、電気電子工学(制御装置のハードウェアおよびソフトウェア設計、各種センサからの信号処理、油圧モータの容量制御や切換弁の駆動制御、エネルギー回生量の最大化とシステム全体の安定性を両立させる制御ロジックの設計)
従来のマルチ制御弁では、ブーム(アーム)再生用とブーム回生用で弁自体が異なり、回路変更の際には制御弁の交換が必要でした。
これに対して、アーム駆動用スプール、ブーム駆動用スプールに加え、ブームサブスプールを摺動可能に保持するハウジングを備え、ハウジング内部にブーム再生用とブーム回生用の油路が予め形成され、ブームサブスプールの種類(ブーム再生用スプールまたはブーム回生用スプール)を交換するだけで、ブーム再生回路とブーム回生回路のいずれにも対応できるマルチ制御弁が開発されています(以下URL)。
油圧ショベルに用いられるマルチ制御弁→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7530312/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(マルチ制御弁内部の油路設計、ブーム再生およびブーム回生それぞれの動作を最適化するスプールの形状設計)、制御工学(目標の操作量に対するアクチュエータの応答性を最適化するサーボ制御アルゴリズムの設計、油圧システムの非線形性や外乱を考慮したロバストな制御系の設計、ブーム再生時とブーム回生時における油圧特性の変化に対応した制御パラメータの調整)
具体例として基板搬送ロボットなどに用いられる基板保持ハンドが挙げられます。
従来の基板保持ハンドでは、押圧部材が固定されていたため、実際の基板の位置ずれに対応できず適切な押圧が困難でした。
これに対して、基板を支持するブレードと、基板を押圧する可動押圧ユニットに加え、押圧部材の傾きを調整し固定できる傾き調整機構を備えることにより、実際の基板の位置に合わせて押圧部材の傾きを調整できるため、基板を安定して保持することができる基板保持ハンドが開発されています(以下URL)。
基板搬送ロボットなどの基板保持ハンド→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7420954/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(押圧部材の進退機構、傾き調整のための回転機構や固定機構の設計、アクチュエータ(エアシリンダ等)の選定と配置、各部品の強度解析や耐久性評価、組立性やメンテナンス性を考慮した設計)、制御工学(アクチュエータの制御アルゴリズム設計、センサ(位置、力等)の選定と配置、ロボットアームとの連携制御、基板の種類や搬送状況に応じた最適な押圧力や押圧タイミングの制御)
従来の基板位置合わせ装置は基板の位置ずれ量を算出するために、基板を搬送方向に向けて一直線に大きく動かす必要がありました。この動作のために装置全体が大型化しやすいという課題がありました。
これに対して、ロボットアームでハンドを移動させ基板を搬送する基板搬送装置において、移動経路上の所定の確認位置に配置されたカメラでハンドに保持された基板とゲートの開口周縁を撮影し、その画像から基板と開口周縁との距離を算出し、この距離に基づいて基板の径方向への位置ずれ量を算出するため、装置を大型化せずに、かつ、その測定結果に基づいて移動経路や目標位置を補正することで基板をより正確に搬送することが可能になる基板搬送装置が開発されています(以下URL)。
基板搬送装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7522178/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ロボットアームの動作解析、ハンドの機械的な構造設計(基板保持機構など)、カメラの取り付け機構の設計、装置全体の強度解析や振動解析、生産性を考慮した部品の選定や組立方法の検討)、電気電子工学(カメラインターフェースの設計、画像処理アルゴリズム(エッジ検出、パターンマッチングなど)の実装、マイクロコントローラや FPGA を用いた制御回路の設計、サーボモータの制御)
具体例として医療支援ロボットが挙げられます。
従来の医療現場では感染症発生時などに医療従事者が感染リスクに晒される問題がありました。
これに対して、医療デバイスを収容し、ロボットアームで扱う医療支援ロボットが走行装置で医療ロボットまで移動し、医療行為を間接的に支援することで医療従事者の感染リスクを低減する医療支援ロボットが開発されています(以下URL)。
医療支援ロボット→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7412259/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ロボットアームの解析、サーボモータやアクチュエータの選定と制御、センサー(位置、力など)の選定と統合、装置全体の強度設計、動作の最適化)、情報工学(医療支援ロボットの自律移動、物体認識、ユーザーインターフェースなどのソフトウェア設計)
具体例として水素ガスを移送するシステムが挙げられます。
従来の水素ガス移送システムでは、液化水素の気化ガスのような低温の水素ガスがガス圧縮機のシールガスを冷却し液化させることでシール機能を損なう可能性がありました。
これに対して、ガス圧縮機へ水素ガスを供給するガス供給路に加熱器が設けられ、水素ガスをシールガスの沸点以上の温度に昇温することによりシールガスの液化を防ぎ、ガス圧縮機の安定運転をおこなう水素ガス移送システムが開発されています(以下URL)。
水素ガスを移送するシステム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7660208/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(水素ガスの状態方程式に基づいた物性評価、最適な加熱媒体と加熱方式の選定、熱交換器の伝熱設計と性能評価、システム内の熱損失の低減策検討、温度センサーや流量計の選定と配置計画、安全性に配慮したシステム設計)、化学工学(水素の製造、貯蔵、輸送、利用までのプロセスフローの設計、各機器の選定と配置、プラント全体の物質収支・エネルギー収支の計算、水素ガス漏洩時のリスクアセスメントと安全対策の検討)
具体例として液化ガスを輸送する船舶が挙げられます。
従来の船舶では、バルブからの作動油漏洩が海洋汚染の原因となる可能性がありました。
これに対して、油圧駆動式バルブの下方に、漏れた作動油を受けるためのトレイが船体上方に配置されることで、作動油が直接船体を伝って海洋へ流れ込むのを防ぎ、船上配管が他設備配管から緊急離脱した際に流出する液化ガスを受ける液受けと、それを受けられた液化ガスを海洋に安全に投棄する海洋投棄管を備えることで、液化ガス漏洩時の安全性も向上させた船舶が開発されています(以下URL)。
液化ガスを輸送する船舶→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7574077/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(油圧駆動式バルブのシール機構における作動油漏洩の原因の特定、信頼性の高いシール構造の設計、材料の選定)、環境工学(漏洩した作動油の拡散シミュレーション、トレイの容量や配置の最適化、環境に配慮した代替作動油の選定、漏洩検知システムの設計、回収した作動油の適切な処理方法の検討)
(3)IHI|開発トレンドと専門性

F02Bが最も多いです。次いでG01N、F04D、B23K、H02J、F16Ⅽ、B01Jが多いです。
具体例として過給機が挙げられます。
従来の過給機では、複雑な形状のハウジングに対して断熱カバーを取り付ける際にカバーが分割され、その接合部に溶接などの煩雑な作業が必要であり、取付が困難な場合がありました。
これに対して、ハウジングの形状に合わせて複数のカバーが円周方向に配置され、隣接するカバー間に隙間が生じる場合に、その隙間を連結ピースで橋渡しして連結する構造により、複数のカバーと連結ピースによってハウジングの周りに閉ループが形成され、カバーの固定が強化され、複雑な形状のハウジングに対しても容易かつ強固なカバーの取り付けが可能な過給機が開発されています(以下URL)。
過給機→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7505650/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(候補となる金属材料の耐熱性、強度、熱膨張率などの評価、使用環境に最適な材料の選定、カバーと連結ピースあるいはカバー同士を接合する際の最適な溶接方法や締結方法の検討)、機械工学(過給機全体のシステムとしての最適化、断熱カバーの設計が過給機の性能や信頼性に与える影響の評価、総合的な設計)
従来の電動過給機では、モータの高出力化に伴う発熱が問題となり磁石の減磁による出力低下を招く可能性がありました。
これに対して、ステータの両端面に熱的に接続されたステータケースとディフューザプレートにそれぞれ流路が形成され、さらにステータケースに接するモータケーシングとの協働により、ステータの両端面から効率的に熱を奪う冷却構造を有する電動過給機が開発されています(以下URL)。
電動過給機→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7452711/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(モータに投入される電気エネルギーがどのように熱エネルギーに変換されるかの効率評価、冷却媒体(例えば冷却水)がステータから熱を奪いそれを外部へ輸送する際の熱力学的な効率の解析、冷却流路内の流体の流れの最適化、熱伝達を促進するための流路形状や流速の検討)、電気電子工学(最適なモータのトルク特性、回転数および許容発熱量の決定、モータの損失(銅損、鉄損など)を低減する設計、発熱分布の把握と冷却流路の配置や冷却能力の最適化)
具体例として人に付着した物質の検査装置が挙げられます。
従来の検査装置では、検査対象に直接気体を噴射する方式が一般的でしたが、揮発性物質が拡散するなどの問題がありました。
これに対して、検査空間の入口面に沿って層状のジェットが噴射されると共に、対向する壁面によって設けられた凹部によってジェットが偏向して検査空間内に循環流が形成されることにより、分離された付着物質が空間内に滞留しやすくなり、拡散を抑制することで検出感度を高めた付着物質検査装置が開発されています(以下URL)。
人に付着した物質の検査装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7632139/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(検査空間内における意図した循環流を生成するための壁面形状の設計、ノズル形状、噴射角度、噴射速度などの最適化)、応用物理学(設計変更や運転条件の変動が循環流の形成や安定性に与える影響の評価、最適な循環流形成の条件の特定)
従来、複雑形状の繊維強化材内部の繊維層識別は手作業でおこなわれ、時間とコストがかかっていました。
これに対して、まず繊維強化材内部の物理量分布を成形前の初期形状に対応付けた第1データを生成し、次にこの第1データを二値化処理し、繊維層の識別ラベルを初期形状にマッピングした第2データを生成し、最後に初期形状と所定形状の変形データに基づき第2データのラベルを所定形状に再マッピングすることで最終的な識別結果を得ることにより、複雑な形状でも自動で繊維層を識別でき、検査の時間とコストを削減する識別装置が開発されています(以下URL)。
変形した繊維強化材内部の繊維層を自動識別する装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7464150/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(繊維強化材内部の物理量分布から繊維層を正確に識別するための画像処理アルゴリズム設計、各繊維層に対応する領域を自動的にラベリングする学習モデルの構築)、機械工学(繊維強化材の成形プロセスにおける変形挙動の解析、初期形状と所定形状を高精度に対応付ける変形データを生成する手法の検討)
具体例として遠心圧縮機が挙げられます。
従来の多段圧縮機では、各インペラ(羽根車)にスクロール流路(渦巻管)を設けて外部配管で接続していたため、流体損失が大きくなっていました。
これに対して、軸方向に配置された第1インペラと第2インペラに対し、単一の吐出口と最終段である第2インペラに接続するスクロール流路のみを備えることで構造を簡素化して流体抵抗を低減し、第1インペラで圧縮された流体をスクロール流路よりも径方向外側に設けられた円弧状の貫通孔を有する内部連通路を介して効率的に第2インペラへ導くことにより、従来の多段圧縮機で必要とされたインペラ間の外部配管や第1インペラ用のスクロール流路を不要とし、流体損失を低減させた遠心圧縮機が開発されています(以下URL)。
遠心圧縮機→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7669869/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(遠心圧縮機内部の複雑な流体の解析、連通路における圧力損失の最小化と第2インペラへの効率的な流体供給を実現する流路形状の設計)、応用物理学(連通路内部やインペラ周辺の複雑な3次元流れの速度分布や乱流構造の計測、圧力センサーや温度センサーの配置の検討、圧縮機内部の圧力分布や温度分布の把握)
従来の回転機械では、コンプレッサインペラの背面側に設けられる背面壁部がインペラ設置領域とディフューザ流路形成領域と一体でセンターセクションに固定されていたため、取り付け構造が複雑化し、設計の自由度が低いという課題がありました。
これに対して、ディフューザ部がインペラ設置部から分割してコンプレッサハウジングに固定されると共に、インペラ設置部がモータのステータに固定された樹脂モールド構造の一部となって、台座部よりも小径で軸方向に突出した形状であるため、コンプレッサインペラの装着が容易になりセンターセクション側の構造が簡略化して設計の自由度を高めた回転機械が開発されています(以下URL)。
回転機械→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7616248/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(最適なモータのトルク特性、回転数特性の設計、樹脂モールド構造によるステータの冷却効果の評価、インバータの小型化、高効率化のための回路設計、部品選定)、機械工学(最適な軸受の種類、サイズ、潤滑方法の選定、インペラ設置部とディフューザ部の嵌合精度、接合方法の検討、振動や熱膨張による影響を最小限に抑える設計)
具体例としてレーザ粗面化された金属表面の微細な凹凸である表面粗さ評価方法が挙げられます。
従来の評価方法では、線粗さの最大高さRzのみを基準としていたため塗装耐久性に影響を与える微細な凹凸の有無を捉えきれないという問題がありました。
これに対して、線粗さRzが所定範囲内である場合に、面粗さパラメータである展開面積比Sdrが一定値以上であることを基準に評価することで、より適切な表面粗さ評価を可能にし、塗装の耐久性向上に貢献する表面粗さ評価方法が開発されています(以下URL)。
レーザ粗面化された金属表面の微細な凹凸である表面粗さ評価方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7588539/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(さまざまなレーザ照射条件(出力、パルス幅、繰り返し周波数など)が金属表面の形態(凹凸の形状、サイズ、分布)に与える影響の分析、作製した粗面化金属表面に対してさまざまな種類の塗料を用いた展開面積比Sdrなどの表面粗さパラメータとの相関性の評価)、精密工学(表面粗さ評価方法を工業的に適用するための計測・評価システムの構築、所定の展開面積比Sdrを効率的かつ高精度に測定するための三次元表面粗さ計の選定、測定条件の最適化)
具体例として電力市場との電力授受が可能な電力制御装置が挙げられます。
従来技術では、電力価格変動を考慮せず固定的な計画で電力授受がおこなわれるため、市場価格が高騰した場合に経済的な損失が生じる可能性がありました。
これに対して、過去の電力市場単価の平均値に基づいて時間帯ごとに設定された単価設定値と現在の市場単価とを比較し、その結果に応じて授受電力量を調整することで、電力価格の変動リスクを低減し、経済的な電力運用を実現する電力制御装置が開発されています(以下URL)。
電力市場との電力授受が可能な電力制御装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7582279/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(電力市場の価格メカニズムの分析、過去の価格データに基づいた最適な単価設定値を時間帯ごとに設計)、情報科学(電力市場単価と電力機器の動作状況に基づく最適な授受電力量と機器の制御指令をリアルタイムに決定するアルゴリズムの設計)
具体例として回転軸のスラスト方向の動きを支持するスラスト空気軸受が挙げられます。
従来のスラスト空気軸受では、バンプフォイル(波状の弾性支持部材)とトップフォイル(スラストカラー(回転軸の軸方向の力を受ける円盤)と対向する摺動面)を個別に位置決めして固定する必要があり、作業が煩雑で歩留まりが低いという課題がありました。
これに対して、径方向に張り出すスラストカラーを備えた回転軸を支持するために、一体化されたフォイルユニットがスラストカラーに対面するように配置され、隣接するユニットのバンプフォイル部上にトップフォイル部が重なるように配置されたことで、位置決めと固定を簡略化し、効率的な製造を可能にするスラスト空気軸受が開発されています(以下URL)。
スラスト空気軸受→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7476983/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(運転時の荷重や回転速度条件下でのトップフォイルとバンプフォイルの変形シミュレーション、最適なフォイル形状や板厚、バンプ形状の設計)、材料工学(運転時の繰り返し応力や摩擦による摩耗に耐えうる最適なフォイル材料(金属、合金、複合材など)の選定、その機械的特性や疲労強度の評価)
具体例として触媒反応体が挙げられます。
従来の触媒反応器では、触媒構造体の挿入や取り出しを容易にするために設けられたクリアランスが反応流体のバイパス流路となり、触媒との接触効率を低下させるという問題がありました。
これに対して、隣接する第1及び第2の触媒構造体の対向面に、配列方向に対して同方向に傾斜する第1及び第2の傾斜面が設けられ、これらが接触した状態で配列方向に押し込まれることで、各触媒構造体は同一方向に傾斜し、触媒構造体が傾斜していない場合に比べて、触媒構造体と反応側流路内面との間のクリアランスが減少し、これにより、触媒構造体の挿入性・取り出し性を確保しつつ、反応流体が触媒に接触せずに流れるバイパスを抑制し、単位体積当たりの触媒との接触面積を増大させ、触媒反応器の反応性能を向上させた触媒反応体が開発されています(以下URL)。
触媒反応体→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6939022/15/ja
関連する専門分野の例:化学工学(触媒反応器における反応流体の流れ、物質移動、反応速度の解析、触媒構造体の傾斜による反応性能への影響の評価)、機械工学(触媒構造体の挿入・取り出しの容易性を維持しつつ反応流路内での触媒構造体の安定的な傾斜を実現するための機械設計、触媒構造体と反応流路内面との摩擦特性の評価)
(4)住友重機|開発トレンドと専門性

B29Ⅽが最も多いです。次いでE02F、F16H、F25B、A61N、H02Kが多いです。
具体例として射出成形機の制御装置が挙げられます。
既存の射出成形機ではノズル詰まりや成形品取り出し不良などが発生した場合、保圧工程で過大な充填圧力が生じ、射出部材が後退限まで高速で後退することで機械要素に衝撃を与え寿命を短くする可能性がありました。
これに対して、成形材料を金型に充填する射出部材と、それを駆動する射出駆動源を備え、金型内の圧力を保持する保圧工程において、射出部材が何らかの原因で後退する際にその速度を制限する制限部が、保圧工程中に射出部材の位置を監視し、後退中にその位置が予め設定された減速開始位置に達した場合、射出部材の後退速度を通常設けられている制限値よりもさらに小さい速度に制御することで、射出部材が可動範囲の限界である後退限位置に高速で衝突することを防ぎ、射出成形機を構成する機械要素への衝撃を低減する射出成形機の制御装置が開発されています(以下URL)。
射出成形機の制御装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7658933/15/ja
関連する専門分野の例:精密工学(射出部材の位置を高精度に検出するためのセンサ選定と配置の検討、目標とする速度プロファイルを実現するためのサーボモータの制御アルゴリズム設計、減速開始位置や減速率などのパラメータ最適化)、材料工学(さまざまな成形条件における材料の粘度変化、流動性、熱伝導率などの測定・解析、ノズル詰まりの原因となる材料の固化挙動や保圧時の金型内での材料の挙動のシミュレーション)
既存技術では、射出成形機から出力される各種データを収集する際に制御装置の処理負荷が考慮されず、過負荷により制御性能に影響を与える可能性がありました。また、必要なデータ種別をユーザが手動で設定する必要があり、利便性に課題がありました。
これに対して、射出成形機内部で出力されるデータを取得し記憶する取得部と、制御装置の処理負荷状態に合わせて取得するデータの種類数を自動で調整する調整部とを備えた制御装置により、制御装置の処理能力を超えない範囲でより多くの種類のデータを効率的に収集することが可能となり、ユーザの利便性を向上させた射出成形機が開発されています(以下URL)。
射出成形機→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7600053/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(さまざまな種類のデータを統合的に扱うためのデータベース設計、データ収集を行うためのミドルウェア設計、収集したデータを可視化するためのユーザーインターフェース設計、制御装置の処理負荷を考慮したデータ収集スケジューリング機能の実装)、電気電子工学(各種センサーからのアナログ・デジタル信号を処理するためのインターフェース回路設計、マイクロコンピュータ上でのデータ取得プログラム設計、リアルタイム処理を実現するためのファームウェア設計)
既存技術では、射出成形機への供給前に成形材料を加熱する一般的な乾燥機が存在しましたが、短時間での十分な昇温が困難であるという問題がありました。
これに対して、熱風を利用して成形材料を流動層化させて加熱する流動層加熱器を複数個備え、それら二個の流動層加熱器が直列連結通路で相互に連結されていることにより、複数の流動層加熱器で成形材料を段階的に加熱することが可能となり、単一の加熱器では困難であった短時間で有効な予熱を実現する材料予熱装置が開発されています(以下URL)。
材料予熱装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7564745/15/ja
関連する専門分野の例:化学工学(流動層加熱器内部での成形材料の流動状態と熱伝達効率を最適化するための設計・解析、熱風の流速、供給方法、流動層の高さなどが成形材料の昇温速度や均一性に与える影響の評価)、機械工学(熱風発生機の選定、熱風の供給経路、排気経路の最適化設計、動層加熱器の構造(形状、材質など)が熱伝達に与える影響の評価)
具体例としてショベルが挙げられます。
既存技術では、機体の傾斜を検知して安定性を評価していましたが、実際に機体が傾斜した後でなければ不安定状態を評価できず、事後的な対応となっていました。
これに対して、部走行体と上部旋回体、作業アタッチメント、制御装置を備え、制御装置はバケットが持ち上げる土砂の体積を推定し、その推定体積に基づいて機体の姿勢の安定性(転倒のしにくさ)を評価することにより、機体の実際の傾斜を待つことなく、土砂の持ち上げ量という作業負荷に基づいて安定性を事前に評価することが可能なショベルが開発されています(以下URL)。
ショベル→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7666865/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(アタッチメントの動作範囲や油圧システムの設計、各種センサ(角度、荷重など)を用いたリアルタイムな機体姿勢の計測システムの構築、シミュレーションによる転倒リスクの解析と安全マージンの設定)、情報工学(土砂の体積推定アルゴリズム設計、機体姿勢の安定性評価ロジックの構築、制御装置のソフトウェア設計)
既存技術では、ショベルの異常判定は規定された時期におこなわれていましたが、使用環境によってショベルの状態変化は異なるため、異常の予知には不十分な場合がありました。
これに対して、ショベルが予め定められた動作(規定動作)をおこなう際の動作情報を取得する情報取得部と、その動作情報から算出された異常度に応じて次回の規定動作を行わせるタイミングを通常よりも短く変更する変更部と、タイミングが変更されたことを通知する出力部とを備えることにより、ショベルの状態が悪化する兆候が見られた場合に早期に次の診断を行うことが可能となり、適切な時期にメンテナンスを実施することを支援するショベルの管理装置が開発されています(以下URL)。
ショベルの管理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7636075/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ショベルの各種センサから取得される動作情報(油圧、角度、速度など)の解析、機械的な異常の兆候を捉えるための物理モデルや信号処理技術の探索)、情報工学(動作データを効率的に処理し異常度をリアルタイムに算出するためのアルゴリズム設計、過去の異常発生パターンやメンテナンス履歴などのビッグデータの分析、異常度と故障リスクの関係性を学習する機械学習モデルの構築)
具体例として複数のクランク軸を有する偏心揺動型歯車装置が挙げられます。
既存の偏心揺動型歯車装置では、複数のクランク軸の回転を個別に検出する具体的な構成が提案されておらず、装置の精密な制御や状態監視の実現が困難でした。
これに対して、揺動歯車の中心からオフセットした複数のクランク軸と、少なくとも一つのクランク軸に設けられたクランク軸歯車と、その歯部の回転を検出する回転検出器を備え、回転検出器は、複数のクランク軸のうち第1クランク軸の歯部に対向する第1検出処理部と、第2クランク軸の歯部に対向する第2検出処理部を基板の両面に設けた構成を有することにより、複数のクランク軸の回転状態を効率的に検出し、装置の動作制御や異常検知に役立てることが可能な偏心揺動型歯車装置が開発されています(以下URL)。
偏心揺動型歯車装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7654522/15/ja
関連する専門分野の例:精密工学(回転検出器の取り付け位置や基板の形状が装置の振動特性や剛性に与える影響の評価、さまざまな配置における回転検出精度の検証と最適な設計パラメータの特定、検出された回転情報を用いた高精度な運動制御アルゴリズムの設計)、応用物理学(歯車の歯部形状やバイアス磁石の磁力分布が磁界の変化にどのように影響するかの解析、温度変化や外部磁場の影響の評価、安定した検出性能を実現するためのシールド方法や温度補償回路の検討)
既存のフラット型撓み噛合い式歯車装置では、歯の過度な摩耗抑制効果はあるもののねじり剛性の点で改善の余地がありました。
これに対して、起振体により撓み変形される外歯歯車と、軸方向に並んで配置され当該外歯歯車と噛み合う第1および第2内歯歯車を備え、前記外歯歯車が有する第1内歯歯車と噛み合う第1外歯部は歯厚が最大となる部分から軸方向内側に向かって歯厚が減少する内側歯厚減少部を有し、この内側歯厚減少部は歯厚の減少割合が異なる外側領域と内側領域で構成され、境界では減少割合の変化率が不連続で、外側領域の軸方向長さは内側領域よりも長く設定されている構成により、歯の片当たり荷重を低減し摩耗を抑制するとともに、歯幅中央部の歯厚減少を抑え剛性を向上させ、かつ、噛合い内側領域の歯面圧上昇を抑制し歯の寿命低下を防ぐ撓み噛合い式歯車装置が開発されています(以下URL)。
撓み噛合い式歯車装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7561722/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(さまざまな歯形修正量を適用した歯車モデルの設計および動力伝達シミュレーション、歯面の接触状態、滑り速度および摩擦損失の評価)、応用物理学(外歯歯車が最大撓み状態にあるときの応力分布の解析、歯元や歯先などの応力集中箇所の特定、適切な材料選定や熱処理方法の検討)
具体例として極低温装置が挙げられます。
従来の極低温装置では、コールドヘッド(極低温を作り出す冷却部)の移動をガイドする構造において偏荷重が作用すると冷却ステージと伝熱ステージ間の接触不良が生じ、十分な冷却性能が得られないという問題がありました。また、隙間が大きすぎるとコールドヘッドが不安定になる可能性がありました。
これに対して、コールドヘッド収容スリーブと、コールドヘッドと、スリーブ側フランジとコールドヘッド側フランジの移動をガイドするガイド構造を備え、コールドヘッドは一段冷却ステージと二段冷却ステージを有し、フランジの移動により伝熱ステージと接触・離間し、スリーブ側フランジのガイド部とコールドヘッド側フランジの被ガイド部との間には移動方向と垂直な横方向のクリアランスがあり、さらに、コールドヘッド内部の二段シリンダと二段ディスプレーサの横方向の隙間が二段冷却ステージが二段伝熱ステージに押し付けられた際の偏荷重下で許容上限を超えないようにガイド構造のクリアランスが定められていることにより、偏荷重による接触不良を防ぎつつ、コールドヘッドの安定性を確保した極低温装置が開発されています(以下URL)。
極低温装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7654508/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(極低温装置全体の機構設計、コールドヘッドの効率的な駆動方法(例えば、リニアモーターやクランク機構)の検討、ガイド機構の摩擦抵抗を低減しスムーズな移動を実現するための構造の検討)、物理工学(冷却ステージと伝熱ステージ間の熱抵抗を低減するための材料選定や表面処理技術の検討、多層断熱材や真空断熱構造の設計、最適な冷却サイクルや作動流体の検討)
具体例として中性子線を患者へ照射する中性子捕捉療法システムが挙げられます。
既存技術では、レーザーセンサなどで患者の位置合わせがおこなわれていましたが、位置精度を定量化することが困難であり、より高精度な位置合わせと治療中の位置ずれの監視が求められていました。
これに対して、患者が載置される載置台と、中性子線を照射する照射口を有する中性子線照射部と、モーションキャプチャシステムで構成される位置検出部を備え、位置検出部は載置台へ向けて電磁波を放出し、患者に取り付けられた反射部材(第1のマーカー部)で反射された反射波を検知する検知部を有し、検知部は照射口を覗き込む位置に配置されていることにより、治療中に患者の位置を三次元的に定量的に検出し、中性子線照射部とのずれを正確に把握することが可能となり、演算部は検出された患者の位置と、予め設定された基準位置とを比較し、ずれがある場合は報知処理をおこなうことにより、最適な照射位置を維持し、治療効果の向上を図る中性子捕捉療法システムが開発されています(以下URL)。
中性子捕捉療法システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7387854/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(モーションキャプチャカメラの最適な配置や角度の検討、患者が治療中に動かないようにするための固定具の設計、中性子線照射部と患者の位置関係を精密に調整するための制御機構の設計)、情報工学(ノイズ除去やデータ平滑化のアルゴリズムの実装、患者の位置ずれを視覚的に分かりやすく表示するユーザーインターフェースの設計)
具体例としてギヤモータが挙げられます。
従来のギヤモータでは、特に樹脂系素材を主要構成材に用いた場合、熱伝導による放熱が難しく、効果的な抜熱機構が求められていました。
これに対して、モータ軸または減速機の入力軸の少なくとも一方からなる回転軸を有し、その回転軸は軸方向に貫通するホロー部と、樹脂系素材の樹脂部分と、金属系素材の金属部分とを備え、ホロー部を構成する樹脂部分の内周に回転軸の回転によってホロー部内に気流を発生させる気流発生部が設けられ、この気流発生部が軸方向に延びるフィンなどの形状を有し、回転することでホロー部内の空気を攪拌し、強制的な対流を促すことにより、回転軸からホロー部内の空気に伝わった熱を回転軸の開口部を通して外部に効率的に排出させて抜熱特性を向上させたギヤモータが開発されています(以下URL)。
ギヤモータ→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7617813/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ギヤモータ全体の設計、回転軸の構造設計および強度解析、冷却機構の実現方法の検討)、電気電子工学(モータの損失を低減するための磁気回路設計、巻線方法の検討、回転軸の回転速度や負荷に応じた最適なモータ制御アルゴリズムの設計)
(5)まとめ
廃棄物処理、船舶から歯車や制御弁まで規模はさまざまであり、また、原子炉から医療関係のシステムまで技術分野においてもさまざまな出願が確認されます。
規模的にも分野的にもさまざまな開発がおこなわれていることが推測されます。
3.6 共同出願人との開発例
共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。
技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。
各社の共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。
(1)三菱重工

共同出願の例として蒸気タービンプラントが挙げられます。
従来のコンバインドサイクルプラントでは、蒸気タービンの起動前に十分な暖機運転が必要であり、プラント全体の起動に時間がかかり再生可能エネルギーとの併用時に発電量の確保が課題となっていました。
これに対し、主蒸気供給ラインの制御弁よりも下流側から補助蒸気をタービンに供給する第1補助蒸気供給ラインを備えることで、主蒸気発生源の駆動前にタービンをプレ暖機することを可能にして起動時間を短縮し、早期に必要な発電量を確保、特に、ドレン排出ラインが第1補助蒸気供給ラインに接続され、接続部の上流側と下流側にドレン弁が設けられることで、プレ暖機時のドレン排出を容易にし、効率的な暖機運転をおこなう蒸気タービンプラントが開発されています(以下URL)。
蒸気タービンプラント→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7278141/15/ja
従来の圧縮機システムでは、一つの圧縮機トレンが停止した場合、運転中の他のトレンに負荷が集中し、回転数低下や緊急停止を招く可能性がありプラントの安定運転が損なわれるという問題がありました。
これに対し、多軸式ガスタービンで駆動される複数の圧縮機トレンを備え、制御部は、いずれかのトレンが停止した場合、停止していない他のトレンに対して圧縮機で圧縮された流体を吸込口に戻す量を増加させる制御をおこなうことにより、運転中のトレンの圧縮機負荷の急増を抑制し、回転数の低下を防ぎ、プラント全体の安定運転を維持できる圧縮機システムが開発されています(以下URL)。
圧縮機システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7362467/15/ja
従来の排ガス分析装置では、レーザ吸収法を用いるものの排ガスの温度変動により成分濃度の測定誤差が生じるという問題がありました。特に、低温条件下では、排ガス中の水蒸気濃度が低く、水蒸気の吸収スペクトルから正確な温度を算出することが困難であり、測定精度が低下していました。また、温度センサを用いた場合、温度変化が急激な条件下で応答遅れが生じ、高精度な測定が難しいという問題がありました。
これに対し、排気経路中の排ガスにレーザ光を照射し、透過光を受光して成分濃度を測定する排ガス分析装置であって、排ガスの実測温度を測定する温度センサが測定部の上流に配置されるとともに、受光したレーザ光から排ガスの理論温度を算出する手段を備え、排ガス中の所定成分(例えば水蒸気)の濃度が低い場合には実測温度から成分濃度を算出し、濃度が高い場合には理論温度を用いて成分濃度を算出することにより、低温条件下や温度が急激に変化する条件下でも高精度な排ガス成分濃度の測定が可能な排ガス分析装置が開発されています(以下URL)。
排ガス分析装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2013-061358/11/ja
(2)川崎重機

共同出願の例として手術支援ロボットが挙げられます。
従来の手術支援ロボットでは、アームから離れた位置にジョイスティックが配置されていたため、手術準備段階などでアームを患者近傍に移動させる操作が煩雑になる場合がありました。
これに対し、複数の関節とモータを持つアーム部と、医療器具を取り付けた先端側リンク部を並進移動させる機構部を備えたアームを有し、先端側リンク部に操作部が設けられ、操作者がその外周面を把持した片手の指で操作可能であり、操作部にはアーム移動の許可をおこなうイネーブルスイッチと、アームを移動させて医療器具を操作するジョイスティックが含まれ、これらは片手の指で操作可能な範囲に配置されていることにより、術者はアーム近傍で操作でき、容易な操作とアーム高速移動時の振動抑制が可能な手術支援ロボットが開発されています(以下URL)。
手術支援ロボット→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7498444/15/ja
従来のカッタービット交換では、チャンバー内に作業通路用のアクセス部材が張り出し、土砂の流れを阻害し、チャンバー内空間を狭めるという問題がありました。
これに対し、回転するカッターヘッド後方のチャンバーと、隔壁構造、回転自在な環状カッタードラムを備え、カッタードラムは連結部材を介してカッタースポークに連結され、ドラム内には連結部材内空間に連通する区画通路が形成され、カッタードラム内周壁には機内空間に臨む隔壁側開口部に対応するドラム側開口部が設けられ、これらを介して機内からカッタースポーク内空間へ作業者が侵入可能な作業通路を構成し、隔壁構造は同心状のドラム状壁部を有し、カッタードラムが外嵌されているいとにより、チャンバー内に突出物をなくし、土砂流動性を向上させつつ機内からのビット交換作業性を確保したトンネル掘削機が開発されています(以下URL)。
トンネル掘進機→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6725439/15/ja
(3)IHI

共同出願の例として車内生体検出装置が挙げられます。
従来の車内生体検出技術では、呼吸などの微弱な生体信号が車両や扉の揺れによる大きな信号に埋もれてしまい、正確な検出が困難でした。また、眠っている人や体動の少ない生体を検出しにくいという課題もありました。
これに対し、車内用ミリ波センサ、車体用ミリ波センサ、背面用ミリ波センサ、中間周波数増幅器および判別装置を備え、車内用ミリ波センサは前面ガラスを通して車内にミリ波を照射し反射波を受信し、車体用と背面用ミリ波センサはそれぞれ車両の揺れと乗降領域後方の揺れを検出し、これらの反射波データが中間周波数増幅器で車内用ミリ波センサの反射波データから除去され、除去後、呼吸、脈拍、体動の周波数成分は異なる増幅率で増幅され、判別装置が生体の有無を判別することにより、車両や扉の揺れの影響を低減し、微弱な生体信号を検出しやすくした車内生体検出装置 が開発されています(以下URL)。
車内生体検出装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7606838/15/ja
従来のトンネル掘削機では、摩耗したビットの交換はチャンバー内での手作業やカッタヘッドを機内に取り込む大掛かりな作業が必要であり、作業環境や工期、コスト面で課題がありました。また、交換できるビットの種類にも制約がありました。
これに対し、複数のビットが歯車状に配置された歯車状回転ビット体がカッタヘッド内部に回動自在に収納され、使用ビットを表面に露出させ、摩耗時にはカッタヘッド内部に設けられたビット交換装置が歯車状回転ビット体を所要角度回転させ、新しいビットを表面に出現させ、特に、ビットがカッタヘッドの土砂取込部に沿って配置され、摩耗したビットが土砂取込部内へ退避されるような構成により交換後のビットを保護し、ティースビット、先行ビット、シェルビットなど多様なビットに適用可能なビット交換機が開発されています(以下URL)。
トンネル掘削機のビット交換機構→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-4511984/15/ja
従来の超音波探傷検査では、検査員が探傷画像を目視で確認するため見落としや検査時間の長期化が課題でした。特に、接触板の厚み変化などによる探傷画像のばらつきが欠陥検出の精度を低下させる要因となっていました。
これに対し、接触領域の探傷画像を生成する画像生成部と、部材の配列を規則的に並べ直した正規化画像に変換する画像変換部と、元の探傷画像と正規化画像を比較して欠陥を判定する欠陥判定部を備え、画像変換部は欠陥がないとみなされる複数の基準画像を用いて機械学習されており、接触板の厚みなどの影響を補正した正規化画像を生成し、欠陥判定部では元の探傷画像と正規化画像の差分を解析し、部材の形状や配置のずれ、欠落などを欠陥として検出することにより、熟練した検査員による目視検査に頼ることなく、安定した品質で効率的な欠陥検査が可能に検査装置が開発されています(以下URL)。
検査装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7317747/15/ja
(4)住友重機

共同出願の例としてディスク成形用金型が挙げられます。
従来のディスク成形用金型では、スタンパを機械的な押え代で保持するためスタンパと押え代の間に段差が生じ、成形されるディスク基板の外観不良や樹脂の流れの乱れによる品質低下が問題でした。また、スタンパとインナホルダ間にクリアランスがあるとバリが発生する可能性がありました。
これに対し、鏡面盤に取り付けられるスタンパと、その穴に圧入されるインナホルダを有し、インナホルダ前端には径方向外方に突出した張出部が一体形成され、圧入時、スタンパまたはインナホルダの少なくとも一方に設けられた圧入変形部分が塑性変形し、スタンパが保持され、張出部はスタンパの穴内周面と周縁部を覆うように突出し、圧入変形は張出部の内側で起こり、変形部を張出部が覆うことにより、スタンパと張出部間の段差を抑えつつスタンパを安定保持し、バリの発生を防ぎ、樹脂の流れを改善しディスク基板の外観と品質を向上させたディスク成形用金型が開発されています(以下URL)。
ディスク成形用金型→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-5600401/15/ja
従来の周辺監視装置では、レーザレーダなどが用いられていましたが、点群データであるため物体の形状認識が困難であり運転者への情報伝達が不十分でした。
これに対し、作業機械に取り付けられたステレオカメラの入力距離画像に基づいて入力距離画像平面の座標と仮想ステレオカメラの出力距離画像平面の座標を対応付けることで、俯瞰視点を含む任意の視点からの周辺の距離情報を表現した出力距離画像を生成し、作業機械の操作者が周囲の物体の距離感を任意の視点から把握できるようにする作業機械用周辺監視装置が開発されています(以下URL)。
作業機械用周辺監視装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6324665/15/ja
(5)上記(1)~(5)(共同出願人)のまとめ
重機などの購入・使用者(例えば、ショベルであれば建設企業)との共同出願が確認されます。
4 開発に求められる専門性
上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。
上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。
・機械系分野(機械工学、材料工学、原子力工学、精密工学など)
要求性能を満たす構造設計、材料選定、評価などが求められます。
・電気系分野(電気電子工学、電気工学など)
目的とする回路設計や信号処理アルゴリズムの設計などが求められます。
・情報系分野(情報工学、制御工学、情報学など)
情報の分析、所定の性能を有する学習済みモデルの構築、アルゴリズム設計、制御システムの構築などが求められます。
・物理系分野(応用物理学、物理工学など)
圧縮機の乱流構造や流速分布、歯車の応力解析などの物性の評価などが求められます。
・化学系分野(化学工学、環境工学など)
対象物質の分析、化学的処理プロセスの検討、評価などが求められます。
ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。
5 まとめ
さまざまな分野の製品などに関わる出願が多く確認され、広範囲に開発がおこなわれていることが示唆されました。
大学の専攻と関連づけるとしたら、特に多いものとして、機械、電気、情報、物理、化学などの研究が該当する可能性があります。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社
<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
・本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
・特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
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