トイレや洗面台、キッチン、給湯器、シャッターやドアといった住宅設備ですが、近年では、IoTを活用した見守り機能や非接触で操作可能な衛生設備、エネルギー効率を最適化するスマートホーム連携など、技術領域が多岐にわたっています。
しかしながら、企業サイドの情報だけでは、どのような研究開発がおこなわれているのか、どのような専門性が求められるのか、その全体像を把握するのは困難です。
この問題に対し、特許情報を活用します。
特許情報は企業の開発の軌跡であり、客観的なエビデンスになり得る情報です。
本記事では、採用サイトとは別の視点で、LIXIL、TOTO、YKK AP、三和シャッター、アイカ工業、リンナイの研究・開発職ニーズと関連する専門性を特許情報から解読します。
結論(概要)は以下の通りです。
・機械系分野(機械工学、人間工学など)
・材料系分野(材料工学など)
・建築系分野(建築学など)
・電気系分野(電気工学、電子工学など)
・化学系分野(応用化学、化学工学、高分子化学、環境工学など)
・情報系分野(情報工学など)
・その他分野(デザイン学、微生物学など)
1 業界サーチの概要
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
業界サーチは、業界における主要企業の特許情報から、その業界の企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。
特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。
すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。
2 住宅設備業界
2.1 住宅設備業界とは
ここでは、住宅で使用されるさまざまな設備や機器を製造・販売・施工する業界を意図します。
本記事では、設備の種類(水回り、サッシ、シャッターなど)については区別していません。
2.2 サーチ対象
以下の設備メーカー6社を対象にしました。
(2)TOTO
(3)YKK AP
(4)三和シャッター
(5)アイカ工業
(6)リンナイ
2.3 使用プラットフォーム
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
3 サーチ結果
3.1 結果概要
開発イメージは下表のとおりです。
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モノの開発 |
サービスの開発 |
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個人向け |
・網戸 |
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法人向け |
・半導体製造用部材
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・屋根の施工方法 |
モノの開発としては、例えば、便器が挙げられます。
サービスの開発としては、例えば、屋根の施工方法などが挙げられます。
個人向けか、法人向けかの判断については正直、微妙なところがあります。
3.2 出願件数の推移
下図は住宅設備6社の特許出願件数の推移です。

出願件数は年によって大きく変動していますが、多い企業で年平均500件程度、少ない企業でも年平均50件程度出願しています。
すなわち、そのような出願につながる開発が日々おこなわれていることが推測されます。
3.3 開発の活発度
特許出願件数≒開発の活発度、だと考えるなら、
TOTO>LIXIL>リンナイ>YKK AP>アイカ工業>三和シャッター
だと言えます。
ただし、今回は住宅設備という大きな括りであり、開発品の技術分野が大きく異なる各社を並べて比較する意義はあまり大きくないかもしれません。
3.4 主な開発分野
各社ごとに特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。
各社の出願上位3つの技術分野を抽出して並べています(特許出願されていても、その企業の出願件数上位に入っていない技術分野は除外されています)。
各記号は発明の技術分類をあらわします。

分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)
便器などがこれに該当します。
LIXIL、TOTOがこの分野から多く出願しています。
ハニカム形状の積層体などがこれに該当します。
アイカ工業がこの分野から多く出願しています。
重合方法などがこれに該当します。
アイカ工業がこの分野から多く出願しています。
無機成分に基づく接着剤などがこれに該当します。
アイカ工業がこの分野から多く出願しています。
排水管の構造などがこれに該当します。
TOTOがこの分野から多く出願しています。
洗浄装置の特殊構造などがこれに該当します。
LIXIL、TOTOがこの分野から多く出願しています。
などがこれに該当します。
YKK APがこの分野から多く出願しています。
電気錠などがこれに該当します。
三和シャッターがこの分野から多く出願しています。
蝶番の構造などがこれに該当します。
YKK APがこの分野から多く出願しています。
ドアなどの自動開閉の駆動機構などがこれに該当します。
三和シャッターがこの分野から多く出願しています。
シャッターなどの構造などがこれに該当します。
LIXIL、YKK AP、三和シャッターがこの分野から多く出願しています。
ガスレンジのバーナー構造などがこれに該当します。
リンナイがこの分野から多く出願しています。
温水循環ポンプの制御などがこれに該当します。
リンナイがこの分野から多く出願しています。
空気加熱器などがこれに該当します。
リンナイがこの分野から多く出願しています。
3.5 住宅設備メーカー6社の近年の開発トレンドと求められる専門の例
特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。
ここ10年のトレンドは以下のとおりです。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
出願件数が少ない技術分野は除外しています。
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。
(1)LIXIL|開発トレンドと専門性

上図期間中、E06Bが最も多いです。次いでE03D、A47K、E03C、E04Bが多いです。
具体例として収納式網戸が挙げられます。
従来の収納式網戸では戸先框が縦枠よりも突出して視認され意匠性に課題がありました。
これに対し、戸先框の見込面と縦枠の見込面を同一平面に配置されることで意匠性を向上させた収納式網戸が開発されています(以下URL)。
戸先框と縦枠の見込面が同一平面配置された収納式網戸→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7641868/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(建具の構造設計、材料選定、意匠設、建具の性能評価)、材料工学(建具に使用する材料の選定、材料の加工方法の検討、材料の耐久性評価)
従来の風止部材は外障子や内障子が通過しやすいように切れ目が設けられていましたが、この切れ目が漏気の原因となり気密性能を低下させる問題がありました。
これに対して、風止部材に、障子の初回開閉動作前に未切断の状態である切断可能ラインが形成され、障子が通過する際にその通過範囲に限り切断される構造により、障子が通過しない部分の風止部材は窓の利用開始後も未切断状態を維持し、隙間の発生を抑制することで気密性能を向上させる建具が開発されています(以下URL)。
風止部材→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7629824/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(風止部材の形状、材質、切断可能ラインの設計、障子の移動に伴う風止部材の変形や耐久性の評価)、材料工学(風止部材に使用する樹脂材料の選定、材料の成形方法の検討、材料の耐久性評価、切断可能ラインの形成方法の検討)
具体例として便器装置が挙げられます。
従来の便器では便鉢の上端縁付近に汚れが残りやすく十分な洗浄性能が得られないという問題がありました。
これに対して、複数の方向に洗浄水を吐出する吐出部を備え、便鉢の表面を複数の領域に分けて洗浄し、汚れやすい上端縁付近を含む領域に対しては洗浄水の表面流速を0.5m/s以上に設定され、吐出タイミングや吐出方向が制御されて洗浄水の衝突による流速低下が抑制されることで、洗浄性能を向上させた便器装置が開発されています(以下URL)。
便器装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7530944/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(吐出部のノズル形状、配置、吐出角度の設計、ポンプや弁の選定、洗浄水の流速・流量制御、洗浄性能評価)、建築学(便器の設置環境を考慮した設計、給排水システムの最適化、建築基準や衛生基準の検証)
従来の陶器製水洗大便器は便鉢部、トラップ部、外周壁部を一体成形することで美観に優れる一方、床下排水方式に特化しており床上排水方式への対応が困難でした。
これに対して、トラップ部下流端に接続管を通す開口が外周壁後部に形成され、トラップ部と外周壁部が支持壁部で連結されることで、強度を保ちつつ床上排水方式への対応を可能にした水洗大便器が開発されています(以下URL)。
水洗大便器→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7257489/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(陶器材料の選定、成形方法の検討、焼成条件の最適化、トラップ部や支持壁部の強度評価)、建築学(便器の設置環境を考慮した設計、給排水システムの最適化、建築基準や衛生基準の検証)
具体例として浴槽が挙げられます。
従来の浴槽では洗浄装置の配管が浴槽脚部を貫通するため脚部強度の低下や配管の急な屈曲による負担増加が問題でした。
これに対して、浴槽下面に設けられたリブに切り欠き部が設けられ、配管がリブに沿って配置されることで、脚部強度を維持しつつ配管の負担を軽減する浴槽が開発されています(以下URL)。
浴槽→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7656504/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(浴槽の強度シミュレーション、配管内の流体抵抗評価、配管の振動解析、最適な配管ルートの検討、浴槽洗浄装置の設計)、材料工学(浴槽材料の選定、成形方法の検討、浴槽の耐荷重・耐薬品性・耐熱性試験、長期使用における材料劣化の評価)
具体例として吐水装置が挙げられます。
従来の吐水装置では原水と改質水の吐水口を別々に設けると装置が大型化してしまうという問題がありました。
これに対して、原水と改質水の2種類の水を吐出可能な吐水装置において、改質水吐出部の周囲に原水吐出部(散水部材の軸方向移動により開閉する2つのストレート流路を備えてシャワー吐水とストレート吐水の切り替えできるもの)が同軸配置されることで、装置の小型化を図りつつ多様な吐水機能を実現する吐水装置が開発されています(以下URL)。
吐水装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7648561/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(吐水装置内の流路設計、吐水時の流量・圧力分布の解析、吐水形態切り替え機構の設計・最適化、操作性と耐久性を考慮した機構の選定)、材料工学(吐水装置に使用する材料の選定、各材料の耐水性・耐薬品性・耐久性評価、成形方法の検討、長期使用における材料劣化の評価)
具体例として屋根構造体の施工方法が挙げられます。
従来の屋根構造体では隙間塞ぎ材を固定する接続部材の凹凸やネジが露出し美観を損ねるという問題がありました。
これに対して、接続部材を屋根体の上部に配置することで下方からの視認性を低減して意匠性を高めています。具体的には、隙間塞ぎ材と接続部材をユニット化し、接続部材の係止部を屋根体の引っ掛け部に係止させた後、ネジ部材で固定することにより、接続部材が屋根体上部に隠れてネジ頭部が露出しないため美観を保つ施工方法が開発されています(以下URL)。
屋根構造体の施工方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7434514/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(屋根構造体の構造設計、隙間塞ぎ材の選定と配置、意匠性と機能性を両立させるためのデザイン検討、施工手順の最適化)、機械工学(接続部材の強度解析、ネジ部材の選定と固定方法の検討、ユニット化された隙間塞ぎ材の取り付け機構の設計、施工時の安全性と作業性を考慮した機構の最適化)
(2)TOTO|開発トレンドと専門性

E03Dが最も多いです。次いでA47K、E03C、H01L、H01Mが多いです。
具体例として水洗大便器が挙げられます。
従来の技術では、特に水勢の強い洗浄水を使用するタイプの便器において汚物受け面の後方部分の洗浄が不十分になるという課題がありました。
これに対して、便器内部を洗浄する洗浄水の吐き出し口が二つ設けられ、一つ目の吐き出し口から吐き出された洗浄水が汚物受け面を勢いよく旋回し、二つ目の吐き出し口から吐き出された洗浄水が一つ目の洗浄水の流れに合流させる構造(特に、二つ目の吐き出し口へ洗浄水を供給する導水路に屈曲部と傾斜部が設けられ、洗浄水の流れを下向きに変える構造)により、汚物受け面の後方部分も確実に洗浄されて洗浄性能が向上させた水洗大便器が開発されています(以下URL)。
水洗大便器→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643416/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(導水路の形状最適化、洗浄水の流れのシミュレーション、吐水口の設計、洗浄水の水勢と流量の制御)、環境工学(汚物除去効率の評価、洗浄水の水質と衛生性の評価、節水性能の向上、環境負荷低減のための材料選定)
従来の技術では便蓋が開いた時のみ噴霧する方式では使用者の入室時に便蓋が閉じている場合、即時の噴霧ができず衛生面で課題がありました。
これに対して、便蓋の開閉状態と人体検知センサーの組み合わせによって便蓋が開いた際には人体検知、閉じた際には便蓋の開動作を検知して噴霧装置を起動することで使用者の入室から着座までの間に効率的にミストを噴霧して汚れの付着を抑制する衛生洗浄装置が開発されています(以下URL)。
衛生洗浄装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7656268/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(各種センサーの選定と配置、マイコンを用いた制御回路の設計、噴霧装置の駆動制御、省電力化のための回路設計)、機械工学(噴霧装置の機構設計、ミストの噴霧量と粒径の制御、便蓋の開閉機構の設計、ケーシングの構造設計)
従来の壁掛け式水洗大便器では壁面に取り付ける取付部の耐荷重性能が求められる一方、軽量化による施工性の向上が課題でした。
これに対して、取付部の複数の取付孔のうち、上方側の取付孔周囲の肉厚が厚くされ、下方側の取付孔周囲の肉厚が薄くされることで、モーメントによる負荷に対する強度を確保しつつ軽量化を図り、取付孔の配置や幕板の設置により、安定した取り付けと耐荷重性能を向上させた水洗大便器が開発されています(以下URL)。
壁掛け式の水洗大便器→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7622710/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(壁掛け式水洗大便器の構造設計、取付部の強度解析、施工方法の検討、壁面への取り付け荷重の評価)、材料工学(水洗大便器の材料選定、取付部の材料特性評価、軽量化と強度を両立する材料の検討、成形方法の最適化)
具体例として洗面化粧台が挙げられます。
従来の洗面化粧台では天吊り水栓を採用すると上部材(化粧鏡ユニット)が専用品となり汎用性が低下し製造コストが増加するとともにデザインの制約がありました。
これに対して、水栓ユニットと上部材が独立して、水栓ユニットの載置部に上部材を載せる構造となることで、汎用性を高めてデザインの自由度を向上させ、水栓ユニットの前面部が着脱可能なことで、メンテナンス性の向上やデザインの変更を容易にする洗面化粧台が開発されています(以下URL)。
洗面化粧台→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7462883/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(水栓ユニットの構造設計、水栓装置の性能評価、操作性・清掃性の向上、人間工学に基づいたデザインの検討)、デザイン学(洗面化粧台全体のデザインコンセプトの策定、水栓ユニットと上部材のデザイン、素材・色彩の選定)
具体例として水栓装置が挙げられます。
従来の水栓装置では複数の人体検知センサの配置が不適切で意図しない吐止水操作が起こりやすいという問題がありました。
これに対して、2つの物体検知センサがスパウトの左右と上下に分けて配置され、それぞれの検知領域が明確に区別されることで誤操作を防止する構成、具体的には、第1センサがスパウトの側面に、第2センサがスパウトの上方かつ側方に配置され、それぞれのセンサ窓の位置と信号の送信方向が適切に設定されることで、操作者の意図を正確に検知する水洗装置が開発されています(以下URL)。
水栓装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643262/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(非接触センサの選定と配置、信号処理回路の設計、制御プログラムの設計、誤検知防止のためのアルゴリズム設計)、機械工学(スパウトの形状設計、センサ窓の配置と形状の最適化、吐水モードの切り替え機構の設計、操作性・清掃性の評価)
具体例として半導体製造装置内で使用される部材が挙げられます。
従来の部材ではプラズマ腐食によりパーティクルが発生し半導体デバイスの品質を低下させるという問題がありました。
これに対して、部材に設けられた所定の形状の孔がプラズマ集中を緩和することでパーティクル発生を抑制、具体的には、孔の内周面に傾斜面と垂直面が設けられ、傾斜面上のセラミック層の厚さの調整によってプラズマによるダメージを軽減し、傾斜面と垂直面のなす所定角によりプラズマの侵入を抑制し、パーティクル発生を防ぐ部材が開発されています(以下URL)。
半導体製造装置用部材→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7197036/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(最適なセラミック材料の選定と成膜条件の確立、セラミック層の微細構造制御、部材の耐久性評価と改善)、応用物理学(部材表面におけるプラズマと材料の相互作用解明、薄膜成膜プロセスの最適化)
具体例として固体酸化物形燃料電池装置が挙げられます。
既存技術では燃料電池装置の小型化に伴い熱交換に必要な面積が不足し、発電効率が低下するという問題がありました。
これに対して、モジュールケース天板付近に熱交換部が設けられ、排気ガス誘導部材と改質器の形状が最適化されています。具体的には、排気ガス誘導部材に凸状段部が設けられて排気ガスを効率的に熱交換部へ誘導し、改質器に貫通孔が設けられて排気ガスの熱利用効率を向上させ、排気ガス誘導部材の凹部に混合ガス供給管が配置されて混合ガスを予熱するこれらの構成により、装置の小型化と発電効率の向上を両立する固体酸化物形燃料電池装置が開発されています(以下URL)。
固体酸化物形燃料電池装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6618047/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(熱交換器の形状設計、排気ガスと空気の流れのシミュレーション、熱伝達特性の評価)、化学工学(改質器の最適形状設計、改質触媒の選定と反応条件の最適化、混合ガスの組成と流量制御)
(3)YKK AP|開発トレンドと専門性

E06Bが最も多いです。次いでE04B、E05D、E04H、E05Bが多いです。
具体例として門扉やフェンスなどに使用される縦格子を縦材に取り付ける構造が挙げられます。
従来の縦格子取り付けでは横材を介して取り付けられるため、部材点数や奥行き寸法が増加するという問題がありました。また、直接取り付けの場合にはネジ穴が露出したり楔部材を打ち込む作業が必要となり外観や施工性に問題がありました。
これに対して、縦材に設けられた段付きビスと縦格子内部に配置された楔部材からなる構造、具体的には、縦格子側の孔部が段付きビスに挿入され、縦格子のスライドによって楔部材が段付きビスに係合し縦格子が固定されることで、横材が不要となり部材点数や奥行き寸法を削減でき、また、ネジ穴が露出せず打ち込み作業も不要となるため、外観と施工性を向上させる構造が開発されています(以下URL)。
縦格子を縦材に取り付ける構造→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7601752/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(縦格子のデザイン、縦材との接合部の構造設計、施工手順の検討、外観意匠の検討)、機械工学(段付きビスと楔部材の形状設計、部材の強度計算、組立・分解シミュレーション)
従来技術では枠部材に配線を通すための挿通部を設けると強度が低下する問題がありました。
これに対して、挿通部の周囲が補強部材で補強される構造、具体的には、枠部材の中空部に配線が通され、挿通部には補強部材の装着部が取り付けられ、補強部材は挿通部を覆う重ね挿通部や中空部内で配線をガイドするガイド部、強度を高める内壁部などを備える構造により、配線作業が容易になり火災時の変形や隙間発生も抑制できる建物付設物が開発されています(以下URL)。
建物付設物→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7628486/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(建物への取付方法の検討、火災時の安全性評価、施工手順の最適化、建築基準法への適合性評価)、機械工学(補強部材の構造設計、強度解析、組立・分解シミュレーション、配線ガイドの設計)
具体例としてカーテンウォールユニットの縦枠における結露防止技術が挙げられます。
従来のカーテンウォールユニットでは縦枠の室外側が外気の影響を受けやすく、室内との温度差で結露が発生しやすいという問題がありました。
これに対して、縦枠が室内側の第1枠部と室外側の第2枠部に分けられ、間に断熱性の絶縁材が設けられて熱伝導を抑制し結露を防ぐカーテンウォールが開発されています(以下URL)。
カーテンウォールユニット→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7358578/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(カーテンウォール全体の断熱性能、気密性能、防水性能の評価、実際の建物への適用可能性、施工方法の検討、結露による建物への影響、長期的な耐久性の評価)、材料工学(絶縁材の最適な材料選定、熱伝導率、耐久性の評価、異なる環境条件下での材料の変形、劣化の評価、結露による材料への影響、防食処理の検討)
具体例として引戸障子がレールから外れるのを防ぐ規制ユニットが挙げられます。
従来の引戸障子は急な操作でレールから浮き上がり外れてしまう可能性がありました。これを防ぐため従来は引戸障子の上部に外止片を取り付ける方法が取られていましたが位置調整が煩雑でした。
これに対して、規制部材と保持部材という2つの主要部品から構成される規制ユニット、具体的には、保持部材に設けられたガイド部が規制部材を適切な高さに案内し、ねじが締められ、その位置に固定されることで、引戸障子の取り付け作業を容易にし、安全性も向上させる規制ユニットが開発されています(以下URL)。
引戸障子の規制ユニット→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7370906/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(建具全体の構造設計、異なる建築様式や素材への適用可能性の検討)、機械工学(規制ユニットの動作機構の解析、最適化、部品の強度、耐久性、耐摩耗性に関する検討)
具体例としてフェンスなどの仕切りユニットにおいてパネル体と地面の隙間を隠す隙間隠し部材の取り付け構造が挙げられます。
従来の仕切りユニットでは隙間隠し部材の取り付けに際し作業者がパネル体の前後を行き来する必要があり作業効率が低下していました。また、取付具がパネル体前面に露出するため意匠性も損なわれていました。
これに対して、取付具がパネル体と隙間隠し部材の双方に裏面側からねじ止めされる構造により、作業者はパネル体裏面からのみ作業可能となり作業効率が向上し、また、取付具がパネル体前面に露出しないため、意匠性も向上した仕切りユニットが開発されています(以下URL)。
フェンスなどの仕切りユニット→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7527998/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(仕切りユニット全体の構造設計、異なる建築様式や素材への適用可能性の検討、長期使用における耐久性、メンテナンス性の評価)、材料工学(隙間隠し部材や取付具の最適な材料選定、強度、耐久性の評価、異なる環境条件下での材料の変形、劣化の評価)
具体例として工具なしでドアハンドルに着脱可能なハンドルカバーが挙げられます。
従来のねじ止め式ハンドルカバーは取り付け・取り外しに工具が必要でメンテナンスが煩雑でした。特に、衛生面を考慮した前腕部で操作するタイプのハンドルカバーは着脱の容易さに課題がありました。
これに対して、弾性変形可能な第1係止部と第2係止部と当接体とを備えるハンドルカバー、具体的には、ドアハンドルの操作部の周面に対向するベース体、ベース体から操作部と取付部の周面の一部を覆う第1係止部と第2係止部、第1係止部と第2係止部に対応する当接体、ドアパネルの表面に対向する方向に延びた係合面を有する操作係合部を有し、第1係止部と第2係止部は弾性変形により当接体との隙間を広げることができてドアハンドルを配置・取り外し可能にする構造により、ハンドルカバーの取り付け・取り外しが容易になり、メンテナンス性が向上し、また、前腕部で操作可能な操作係合部により衛生面にも配慮されたハンドルカバーが開発されています(以下URL)。
ハンドルカバー→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7431140/15/ja
関連する専門分野の例:人間工学(ハンドルカバーの操作性、安全性、快適性に関する検討、疲労軽減や誤操作防止のための形状、素材、機構の最適化)、機械工学(ハンドルカバーの着脱機構の解析、最適化、部品の強度、耐久性、耐摩耗性の評価)
(4)三和シャッター|開発トレンドと専門性

E06Bが最も多いです。次いでE04B、E05F、E05Bが多いです。
具体例としてオーバーヘッドドアが挙げられます。
従来のオーバーヘッドドアでは内圧に対する耐風圧性能が十分でない場合があり、補強部材の追加による重量増加や取り付け作業の煩雑さが問題でした。
これに対して、下框の室内側面に中空状の補強部を設けられた構造、具体的には、補強部が室内側に向かって斜め上方に延びる傾斜面を持つ形状で、高さ寸法が漸次大きくなることで質量対強度比が高められ、また、下框に立ち上がり片が設けられ、中框の連結位置が最適化されることで、取り付け作業の効率化が図られたオーバーヘッドドアが開発されています(以下URL)。
オーバーヘッドドア→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-042696/11/ja
関連する専門分野の例:建築学(オーバーヘッドドアの構造設計、安全性、施工性の検討、異なる建築様式や環境条件への適用可能性の検討)、材料工学(オーバーヘッドドアの材料選定、強度、耐久性の評価、異なる環境条件下での材料の変形、劣化の評価)
従来技術ではスラットの成形時に生じる余肉を処理するために複雑な形状の逃がし部が必要であり金型の複雑化や材料コストの増加が問題でした。
これに対して、スラットの下側連結片に余肉部が設けられ、凹部が平板状にされて金型構造を簡素化してプレス荷重を低減することで、スラットの製造コストを削減しつつシャッターカーテンの安定性を維持する建築用シャッター装置が開発されています(以下URL)。
建築用シャッター装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7642491/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(スラットの変形挙動や強度解析による最適な形状や材料の決定、シャッター装置全体の動作解析による耐久性や安全性の評価)、材料工学(スラットの材料選定や表面処理による耐久性や耐食性の向上、プレス成形における材料の流動解析による最適な材料特性や成形条件の決定)
具体例として間仕切りにおける縦支柱構造が挙げられます。
従来の縦支柱構造では壁面の形状が多様である場合に現場ごとに異なる取り付け金具を用意する必要があり作業効率の低下やコスト増加が問題でした。
これに対して、縦支柱に複数の取り付け片部が任意の位置に配設され、支持部材の円筒部が縦支柱の筒孔に回動自在に内嵌支持する構造により、現場での微調整が可能となり多様な壁面形状に対応できる汎用性の高い縦支柱構造が開発されています(以下URL)。
縦支柱構造→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7597640/15/ja
関連する専門分野の例:建築学(間仕切りの設計・施工の検討、縦支柱構造の最適化、建築基準や関連法規に基づいた間仕切りの性能評価)、機械工学(支持部材の回動機構の最適設計、コスト効率の高い製造方法の検討、縦支柱の施工性向上に資する機構設計)
具体例として自動ドアの駆動システムが挙げられます。
従来の自動ドア駆動システムではプーリ間の距離が移動ストロークより長く点検口を小さくするとメンテナンスが困難になる問題や開口部の引き残しが大きくなり通行性が低下する問題がありました。
これに対して、プーリ配置と牽引手段の構成の工夫、具体的には、プーリ間距離より移動ストロークが長く設定され、プーリと接続部が特定の配置にされることで点検口を小さくしつつメンテナンス性を確保し、開口部の引き残しを減らして通行性を向上さて既存の部材を使用しながら、より効率的でコストパフォーマンスの高い自動ドア駆動システムが開発されています(以下URL)。
自動ドアの駆動システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7650693/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(駆動システムの効率的な設計と最適化、システムの耐久性と信頼性を向上させるための材料選定と強度解析、駆動部の制御システムのの構築)、建築学(建物の構造や利用者の動線を考慮したシステム設計、自動ドアを含めた建物の出入り口の設計)
具体例として建物の開口部に取り付けられた電気錠システムの制御システムが挙げられます。
従来の電気錠システムは浸水時に漏電する危険性がありました。
これに対して、水位センサーと電力遮断装置を組み合わせ、具体的には、水位センサーが電気錠周辺の水位を検出し、基準水位を超えると遮断装置が電気錠への電力供給を遮断することで浸水時でも開口部周辺の安全を確保する制御システムが開発されています(以下URL)。
電気錠システムの制御システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7657680/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(水位センサーと電気錠を組み合わせた回路設計、漏電を最小限に抑えるための絶縁対策)、情報工学(水位上昇の速度やパターンを予測するアルゴリズムの設計、電気錠システムの遠隔監視と制御を可能にするためのネットワークシステムの構築)
(5)アイカ工業|開発トレンドと専門性

C09Jが最も多いです。次いでC08L、C08F、C09D、C04B、B32Bが多いです。
具体例としてスプレー塗布のためのクロロプレンラテックス接着剤が挙げられます。
従来のクロロプレンラテックス接着剤はスプレー塗布時に飛散した接着剤が作業者の手などに付着した場合、乾燥すると除去が困難になるという問題がありました。
これに対して、トルエン溶解透視度が異なる2種類のクロロプレンラテックスが特定の割合で混合され、安息香酸系可塑剤とpH調整剤が添加されることで、乾燥後でも容易に除去でき、作業者は接着剤の飛散を気にすることなく効率的に作業をおこなうことができるクロロプレンラテックス接着剤が開発されています(以下URL)。
クロロプレンラテックス接着剤→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7611747/15/ja
関連する専門分野の例:応用化学(クロロプレンラテックスの溶解度と接着性に影響を与える要因の解析、最適な混合比と添加剤の選定)、材料工学(接着剤のレオロジー特性(粘度、チキソトロピー性など)の制御、接着剤の機械的特性(引張強度、せん断強度など)の評価)
具体例として木質板用エマルジョン組成物とそれを用いた水性ビニルウレタン組成物が挙げられます。
従来の木質板用接着剤は低温環境下では硬化が遅く十分な接着強度が得られないという問題がありました。
これに対して、特定の割合のEVAエマルジョン、SBRエマルジョン、アクリル系エマルジョンの混合、保湿剤としてPVAの添加により、低温環境下でも安定した硬化と高い接着強度の水性ビニルウレタン組成物が開発されています(以下URL)。
水性ビニルウレタン組成物→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7562356/15/ja
関連する専門分野の例:応用化学(各種エマルジョンの配合比率と低温環境下での硬化メカニズムの関係性の解析、最適な組成を決定、PVAの保湿効果と硬化反応への影響の分析)、材料工学(最適な接着条件の確立、接着剤の材料コストと性能のバランスを考慮した材料選定と製造プロセスの確立)
具体例として紫外線硬化型樹脂組成物が挙げられます。
既存の紫外線硬化樹脂はLED光源の低出力と長波長により硬化不良となる問題がありました。
これに対して、共役ジエン骨格の(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)、固形パラフィン(C)、α-アミノアセトフェノン系光重合開始剤(D)の特定の割合の組み合わせにより、低出力LED光源でも硬化しやすくタックフリーな硬化面を実現する紫外線硬化型樹脂組成物が開発されています(以下URL)。
紫外線硬化型樹脂組成物→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7448390/15/ja
関連する専門分野の例:応用化学(オリゴマー、モノマー、光重合開始剤、添加剤の選定、配合、反応条件の最適化)、材料工学(硬化後の皮膜の物性(硬度、柔軟性、接着性、透湿度など)の評価、用途に応じた最適な材料設計)
具体例としてタッチパネル用ハードコートフィルムが挙げられます。
従来のハードコートフィルムは耐摩耗性が不十分で特にタッチペン使用時に表面が劣化し防汚性が低下する問題がありました。
これに対して、特定のポリチオフェン系化合物を含むバインダー(A)、反応性官能基を有するフッ素系シリコーン化合物(B)、光重合開始剤(C)の組み合わせにより、耐摩耗性と防汚性を両立し光学特性を有するハードコートフィルムが開発されています(以下URL)。
タッチパネル用ハードコートフィルム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7630263/15/ja
関連する専門分野の例:応用化学(ポリチオフェン系化合物、フッ素系シリコーン化合物、光重合開始剤の選定、配合、反応条件の最適化)、材料工学(硬化物の機械特性、耐摩耗性、防汚性、光学特性の評価、用途に応じた最適な樹脂組成物の検討)
具体例として導電塗り床構造体が挙げられます。
従来の導電塗り床材は塗膜の剥離やクラック発生、紫外線による変色、帯電防止性の不足といった問題がありました。
これに対して、特定のアニオン性脂肪族水分散ポリオール、脂肪族イソシアヌレート、炭素繊維、水硬性セメント、骨材の特定割合の混合からなる導電塗り床構造体で、前記水分散ポリオールが特定の数平均分子量と水酸基価を有し、前記炭素繊維が特定の平均繊維長と平均繊維径を有し、前記水硬性セメントが特定の平均粒径を有することで、塗膜の剥離やクラック発生、紫外線による変色、帯電防止性の不足を解消する導電塗り床構造体が開発されています(以下URL)。
導電塗り床構造体→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7377825/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(コンクリート下地との接着性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐クラック性などの塗り床材の物理的・機械的特性の評価)、応用化学(さまざまな種類のポリオール、イソシアネート、炭素繊維、添加剤の組み合わせ、配合比率、反応条件の検討、硬化特性、帯電防止性、耐候性の評価)
具体例として粘着剤付き化粧シートが挙げられます。
従来の化粧シートは消臭性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性などの機能性が十分でなかったり耐久性に課題がありました。
これに対して、特定のケイ素アルコキシド加水分解縮合物、オルガノシリカゾル、ポリアミン構造を有するアクリルコポリマーを主成分とする機能性組成物が表層に適用され、さらに特定の機能発現物質の配合により、機能性と耐久性を両立する粘着剤付き化粧シートが開発されています(以下URL)。
粘着剤付き化粧シート→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7299277/15/ja
関連する専門分野の例:高分子化学(高分子材料の最適な組み合わせと配合比率の決定、均一な分散性を実現できる高分子材料の選定)、界面化学(機能性物質の分散性を向上させるための表面処理の検討、粘着剤層と機能性組成物層の界面接着力の制御による耐久性向上の検討)
(6)リンナイ|開発トレンドと専門性

F24Hが最も多いです。次いでF24C、F23D、F23N、A47L、A47Jが多いです。
具体例として貯湯タンク内の湯水をヒートポンプで加熱する給湯システムが挙げられます。
従来の給湯システムでは滅菌運転時に湯温が不均一になり殺菌効果が不十分になる問題がありました。
これに対して、滅菌運転が予備加熱とメイン加熱の二段階に分けられ、メイン加熱時の昇温幅が予備加熱時より小さいことで、温度成層を抑制し、効率的な滅菌を可能にし、また、メイン加熱中にヒートポンプへの流入湯温が閾値を超えると加熱を停止することでヒートポンプへの負荷を軽減し、予備加熱後に貯湯タンク内の湯温を均一化する処理、外気温度に応じてヒートポンプの加熱能力を調整する機能により安定した滅菌運転をおこなう給湯システムが開発されています(以下URL)。
給湯システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7621306/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(貯湯タンク内の温度成層の解析、均一化処理の効果検証、給湯システムの流路設計、ポンプ制御)、電気電子工学(コントローラの制御アルゴリズムの設計、各種センサの選定、配置、信号処理、ヒートポンプの電気回路設計、電力制御)
具体例として加熱調理器が挙げられます。
従来の加熱調理器では使用者が加熱停止を失念する可能性があり安全面に問題がありました。
これに対して、調理開始時に初期設定調理時間を表示し、時間経過で自動停止する機能が搭載され、調理継続には延長指示が必要であり、指示がない場合は使用者や第三者に通知することで、安全性を高め、認知機能低下の早期発見を支援する加熱料理機が開発されています(以下URL)。
加熱調理器→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7561678/15/ja
関連する専門分野の例:人間工学(高齢者や認知機能低下者の認知特性、操作特性を考慮した操作パネル、表示画面の設計、安全かつ効果的な認知トレーニングとなる調理手順の提案)、情報工学(加熱調理器のセンサ情報や操作ログなどの収集と分析、認知機能低下の兆候を検出するアルゴリズム設計)
具体例としてセラミック製の燃焼プレートが挙げられます。
従来の燃焼プレートは平坦な凸部表面に炎孔を配置していたため輻射熱が十分に高くできないという問題がありました。
これに対して、凸部表面が角錐形であることで表面積を増やし、凹溝と稜線に炎孔が配置され、効率的な加熱を実現し、凹溝交差部に炎孔を設けないことで火炎が凸部斜面を効果的に加熱し、輻射熱を高めることができる燃焼プレートが開発されています(以下URL)。
セラミック製の燃焼プレート→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7612511/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(燃焼プレートの材料選定、配合、成形加工条件の最適化)、機械工学(燃焼プレートの加熱効率、輻射強度、温度分布の評価、最適な燃焼条件、バーナ構造の設計)
具体例として給湯器などの燃焼熱源機が挙げられます。
従来の燃焼熱源機では排気温度によって送風機周辺の空気密度が変動しバーナへの空気供給量が不安定になる問題がありました。
これに対して、流体の温度が設定温度となるようにバーナの必要な熱量に応じて燃焼用空気量および燃料供給量を設定する際、燃料供給量が同一とみなせる条件において、温度設定器で設定される設定温度または流出温度検出器で検出される流出温度が高くなるほど送風機の回転数を増加させるように補正、または、低くなるほど送風機の回転数を減少させるように補正する構成を備えることで、排気温度の影響を抑制してバーナの燃焼状態を安定させ燃焼効率を向上させる燃焼熱源機が開発されています(以下URL)。
燃焼熱源機→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7554707/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(排気温度、給水温度、出湯温度が燃焼状態に与える影響の分析、バーナ設計、燃焼制御システムの最適化)、電気電子工学(温度センサ、流量センサなどの選定、信号処理回路の設計、給水温度、出湯温度に基づいて送風機の回転数を制御するアルゴリズムの設計)
具体例として食器洗浄機が挙げられます。
従来の食器洗浄機では誤った種類の洗剤が投入された場合に使用者が気付きにくく除去も困難でした。
これに対して、前方が開放された筐体と前後方向に移動可能な移動体とを備えた構成、具体的には、移動体には洗浄空間を有する洗浄槽、液体洗剤を貯蔵する貯蔵タンク、液体洗剤を洗浄空間に供給する供給装置が設けられ、貯蔵タンクには洗剤の補給口、補給口よりも下流に位置する貯蔵室、補給口と貯蔵室との間に位置する蛇行状の案内部が設けられた構成により、固体洗剤が貯蔵室に到達するのを困難にし、誤投入時の異変に気付きやすく、除去も容易になり、貯蔵タンクや供給装置の故障を防ぐ食器洗浄機が開発されています(以下URL)。
食器洗浄機→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7653891/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(最適な案内部の形状、配置、材質の選定、液体洗剤の流れを阻害せず固体洗剤のみを捕捉するフィルタの構造、材質、配置の設計)、材料工学(洗剤の化学的性質(腐食性、溶解性など)を考慮したタンクやフィルタの材料選定)
具体例として焼物調理器が挙げられます。
従来の焼物調理器では焼網の昇降機構が複雑で清掃が困難かつ高価であるという問題がありました。
これに対して、網受けと固定部材による構成、具体的には、網受けに設けられた複数のガイド穴に固定部材の差込部が挿入され、固定部材が側板に当接して網受けの位置を固定することで、焼網の高さを容易に調整・固定可能にし、清掃性とコストに優れた焼物調理器が開発されています(以下URL)。
焼物調理器→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7641847/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(焼網の安定性を確保しつつ容易な高さ調整を可能にする固定部材の形状、材質、配置の設計)、材料工学(焼網や固定部材の強度、耐熱性、耐久性を考慮した材料の選定、材料の加工性、コストに関する評価)
(7)まとめ
建物に直接関係し得る出願(網戸、シャッター、ドアなど)、建物に間接的に関係する出願(便器、洗面台、組成物(接着剤など)、給湯システムなど)が多いです。
これらの出願に関係する開発が主におこなわれていることが推測されます。
3.6 共同出願人との開発例
共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。
技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。
各社の共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。
(1)LIXIL

共同出願の例として便座装置が挙げられます。
従来の便座装置では光学センサを露出させるために便座形状が制限されデザインの自由度が低いという問題がありました。
これに対し、便座後方の延在部に反射型光学センサが設けられ、ヒンジ部の中空軸を通して配線を引き回す構成により、便座が本体を覆う形状でも光学センサによる検知が可能となり、便座のデザイン自由度を向上させる便座装置が開発されています(以下URL)。
便座装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7028655/15/ja
従来の網戸用戸車装置で、戸車と外れ止め部材のぶれやがたつき、外れ止め操作の煩雑さが問題でした。
これに対し、スライドバーが作動部として戸車と外れ止め部材の側面に常に接触することでこれらの部材の不要な動き(ぶれ)を抑制し、スライドバーの戸当り部が網戸のサッシ枠に取り付けの際に竪枠に当接してスライドバーを自動的に押し込む機構により部品の安定動作と操作性の向上を両立させる網戸用戸車装置が開発されています(以下URL)。
網戸の戸車装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-5286073/15/ja
従来の伸縮式門扉では扉体全体の剛性不足から一部伸縮時の安定性に課題がありました。
これに対し、パンタグラフ機構を構成する傾斜リンクが区分縦枠部分で分割され、独立した可動枢軸で支持する機構、具体的には、左右方向に略等間隔で配置された複数の縦枠と、各縦枠に少なくとも上下方向の3箇所で交差する傾斜リンクが組み合わされたパンタグラフ機構で、中間部の縦枠を区分縦枠とし、この区分縦枠において傾斜リンクが中間交差部で上部リンクと下部リンクに分割され、他の交差部では可動枢軸により上下動可能に支持する機構により、区分縦枠を固定した状態で扉体の移動端側を独立して伸縮させることが可能となり必要な開口幅だけを確保できて利便性を向上させた伸縮式門扉が開発されています(以下URL)。
伸縮式門扉→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-5717287/15/ja
(2)TOTO

共同出願の例として粉末床溶融結合法で使用される造形用粉末が挙げられます。
従来の粉末床溶融結合法ではセラミックスや金属粉末を原料とする場合、造形時の急激な温度変化による反りやクラックが生じやすく、これを防ぐための予熱工程が生産性低下やコスト増を招いていました。
これに対し、特定の融点またはガラス転移点を持つ熱可塑性バインダーを含む原料粉末、具体的には、セラミックスおよび/または金属と、石油ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ポリビニルアセタールから選ばれる熱可塑性バインダーを含み、熱可塑性バインダーが融点またはガラス転移点が20℃以上130℃以下の範囲に設定されることでレーザー照射時の温度変化を抑制し、造形物の品質を向上させ、原料粉末のHausner比が特定の範囲に調整されることで粉末層の形成精度を高め、造形物の均一性が確保される造形用粉末が開発されています(以下URL)。
造形用粉末→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6699824/15/ja
従来の瞬間加熱式人体洗浄装置ではヒータ表面で発生した気泡が洗浄水温の検知を妨げ、温度制御の不安定さを引き起こす問題がありました。
これに対し、ヒータ下流かつ湯温検知手段上流に設けられた気泡破砕手段で洗浄水中の気泡を微細化し、湯温検知手段での温度検知精度を向上さる装置、具体的には、給水路から供給された洗浄水を熱交換流路内のヒータで瞬間的に加熱し、湯温検知手段で温度を検知、制御部でヒータを制御し、洗浄ノズルから噴出する構成においてヒータと湯温検知手段の間に気泡破砕手段(メッシュ等)が配置されることで、ヒータ表面で発生した気泡が湯温検知手段に到達する前に破砕され、安定した温度検知と洗浄水温制御が実現される人体洗浄装置が開発されています(以下URL)。
人体洗浄装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-4931259/15/ja
従来の厨芥粉砕処理装置では安全性を考慮し排水口の蓋が閉まっているときのみ駆動手段が作動する構造が一般的でした。しかし、蓋の開閉を検出する検出手段が故障した場合、蓋が開いた状態でも駆動手段が作動してしまう危険性がありました。
これに対し、蓋の開閉を検出する検出手段、検出手段の信号に基づいて駆動・停止指令を出す制御手段、制御手段の指令に基づいて駆動手段への通電を制御する通電制御手段を備え、制御手段が駆動手段の停止中に検出手段がON状態からOFF状態を経て再びON状態になるまでの間、通電制御手段に停止指令を出力するプログラムを備え、検出手段がON状態で故障した場合でも蓋が開いた状態での駆動手段の作動を防止し、安全性を確保する厨芥粉砕処理装置が開発されています(以下URL)。
厨芥粉砕処理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2004-066089/11/ja
ただし、当該企業との共同出願で確認されたのは2008年までです。
(3)YKK AP

(4)三和シャッター

共同出願の例として火災時に防火シャッターを自動閉鎖する装置が挙げられます。
既存技術では自動閉鎖機構とブレーキ解放機構をワイヤーで接続しており、ワイヤーの抵抗や張力調整のばらつきによりブレーキ解放動作に誤差が生じる可能性がありました。
これに対し、第1可動体、第2可動体、第3可動体が連動手段で連結し、第1ユニット(自動閉鎖機構)と第2ユニット(ブレーキ解放機構)が重ねて配置され、第1可動体の動きを第2可動体、第3可動体に直接伝達することで、ワイヤーを使用せずに安定したブレーキ解放動作を実現する防火シャッターの閉鎖装置が開発されています(以下URL)。
防火シャッター自動閉鎖装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-111892/11/ja
(5)アイカ工業

(6)リンナイ

共同出願の例として加熱調理器が挙げられます。
従来のグリル装置では容器の深さに合わせて容器支持体を交換する必要があり収納スペースの圧迫や選択ミスによる利便性の低下が問題でした。
これに対し、容器支持体に高さの異なる支持部が設けられ、浅型容器が深型容器より高く配置されることで加熱効率と調理品質を向上させ、容器支持体と受け部材との係合構造によって出し入れ時の安定性と安全性が確保され、収納スペースの削減にも貢献する加熱調理機が開発されています(以下URL)。
加熱調理器→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2016-179186/11/ja
従来の浴室装置では一律の運転時間設定や湿度など複数条件の組み合わせによる制御がおこなわれており、設定の煩雑さやエネルギー浪費が問題でした。
これに対し、浴室温度が高温であるほど繁殖抑制効果が得られる関係性に基づく温度に応じた時間係数による制御、具体的には、単位時間毎の浴室温度から時間係数を参照し、みなし運転時間を積算し、積算した時間が設定閾値に達すると運転を完了することで、温度に応じた最適な運転時間を自動で設定でき、設定の簡略化と省エネを両立する浴室装置が開発されています(以下URL)。
浴室装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2021-074099/11/ja
(7)上記(1)~(6)(共同出願人)のまとめ
電気的装置(便座装置)、化学的素材(造形用粉末)などの出願が確認されました。
共同出願件数は多くても年間数件で単独出願に比べると少ないと言えます。
4 開発に求められる専門性
上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。
上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。
・機械系分野(機械工学、人間工学など)
安全性や耐久性、小型化その他目的とする機能を達成するための構造、形状の設計や機構の検討などが求められます。
・材料系分野(材料工学など)
高強度、軽量、耐久性など要求を満たす材料の検討や評価などが求められます。
・建築系分野(建築学など)
断熱性、気密性、防水性、耐久性、安全性などの要求を満たす構造設計などが求められます。
・電気系分野(電気工学、電子工学など)
目的とする機能の実現のための電気回路の設計、制御アルゴリズム設計、センサの選択などが求められます。
・化学系分野(応用化学、化学工学、高分子化学、環境工学など)
性能を改善するための分析、目的とする性能を達成するための化学物質の選択、配合などの決定、評価などが求められます。
・情報系分野(情報工学など)
情報の収集、分析、目的とする機能を実現するためのアルゴリズム設計などが求められます。
・その他分野(デザイン学、微生物学など)
ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。
5 まとめ
今回は住宅設備という括りであったため、製品や求められる専門性がさまざまでした。
大学の専攻と関連づけるとしたら、特に多いものとして、機械、材料、建築、電気、化学、情報などの研究が該当する可能性があります。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
興味を持った企業がある場合は、その企業に絞って調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
6 次に何をすべきか迷っている方へ
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<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社
<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
・本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
・特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
・詳細な確認や重要な判断が必要な場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。