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プラント業界(水処理系)の研究開発職|特許からわかる技術領域・専門分野

 生活に欠かせない水道や工業排水には、水質を浄化、調整するための設備、いわゆる「プラント」の存在が欠かせません。

 その設計、建設、運用支援に関わるのが水処理プラント企業です。

 しかし、水処理プラントに関わる企業において、どのような研究開発がおこなわれているのか、どのような専門性が求められるのか、その全体像を把握するのは容易ではありません。

 この問題に対し、特許情報を活用します。

 特許情報は企業の開発の軌跡であり、客観的なエビデンスになり得る情報です。

 本記事では、採用サイトとは別の視点で、栗田工業、メタウォーター、神鋼環境ソリューション、オルガノ、月島ホールディングス、水ingの研究・開発職ニーズと関連する専門性を特許情報から解読します。

 

 結論(概要)は以下の通りです。

プラント業界の開発に求められる専門性
環境、化学、材料系分野(環境工学、化学工学、応用化学、微生物学、材料工学など)
機械系、電気系分野(機械工学、電気電子工学など)
情報系分野(情報工学など)
 ただし、上記専門は企業の一部の特許情報に基づくものであり、全てをあらわすものではありません。また、求められる専門は特許の解釈によって変わってきますので、個々の特許情報をご確認ください。

 

 

1 業界サーチの概要

 特許情報は企業の開発情報だと言えます。

 業界サーチは、業界における主要企業の特許情報から、その業界の企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。

 特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。

 すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。

 

2 水処理プラント業界

2.1 水処理プラント業界とは

 ここでは、家庭や工場から排出される汚水を浄化し、河川や海に安全に放流したり、飲料水や工業用水として再利用するための水処理施設を設計、建設、運営、メンテナンスをおこなう業界を意図します。 

 地方自治体や官公庁向けの官需、電子部品、化学、食品などの工場向けの民需の区別はしていません。

 

2.2 サーチ対象

 以下の水処理プラントメーカー6社を対象にしました。

(1)栗田工業
(2)メタウォーター
(3)神鋼環境ソリューション(神鋼環境)
(4)オルガノ
(5)月島ホールディングス(月島)
(6)水ing

 上記括弧書きがあるものは、以下、括弧書き内の略称で記載します。

 

2.3 使用プラットフォーム

 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat

 

3 サーチ結果

3.1 結果概要

開発イメージは下表のとおりです。 

 

 

モノの開発

サービスの開発

個人向け

自律神経バランス改善剤
など

 

 

 

 

法人向け

水処理装置
水質測定装置
廃棄物焼却設備
バイオガス利用設備
濾過機
水の状態の監視装置
など

油分回収方法
災害時の応急給水(情報処理)
など

 

 モノの開発としては、例えば、水処理装置が挙げられます。

 サービスの開発としては、例えば、災害時の応急給水などが挙げられます。

 

3.2 出願件数の推移

 下図は水処理プラントメーカー各社の特許出願件数の推移です。

 

 出願件数が最も多い栗田工業で年間約200件前後です。

 化学業界などと比較すると件数は多くないです。

 ただし、各社ともに毎年一定件数出願していて、そのような出願につながる開発が日頃からおこなわれていることが推測されます。

 

3.3 開発の活発度

 特許出願件数≒開発の活発度、だと考えるなら、

 栗田工業>オルガノ>神鋼環境>メタウォーター>月島>水ing

だと言えます。

 ただし、直近では出願件数の差が小さくなっています。 

 

3.4 主な開発分野

 各社ごとに特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。

 各社の出願上位3つの技術分野を抽出して並べています(特許出願されていても、その企業の出願件数上位に入っていない技術分野は除外されています)。

 各記号は発明の技術分類をあらわします。

 

 分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)

 

 B01D分離に関連する分類です。
 蒸留、ろ過などの分離装置などがこれに該当します。
 全社がこの分野から多く出願しています。

 

 B01J化学的、物理的なプロセスや関連する装置に関連する分類です。
 イオン交換プロセスなどがこれに該当します。
 栗田工業、オルガノがこの分野から多く出願しています。

 

 B09B固体廃棄物の処理に関連する分類です。
 廃棄物の埋め立てなどがこれに該当します。
 メタウォーター、神鋼環境、月島、水ingがこの分野から多く出願しています。

 

 C02F水、廃水、下水、汚泥の処理に関連する分類です。
 活性汚泥法、生物膜法などの生物学的処理方法などがこれに該当します。
 全社がこの分野から多く出願しています。

 

3.5 水処理プラントメーカー6社の近年の開発トレンドと求められる専門の例

 特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。

 ここ10年のトレンドは以下のとおりです。

 発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。

 出願件数が少ない技術分野は除外しています。

 発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。

 関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。

 

 個別の情報を詳しく確認したい場合は、それぞれのリンク先に飛んでください。

 特許は難解ですが、GeminiChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。

参考記事 【AI活用】難解な特許が小学生レベルの内容に!1分で特許を読み解く方法

 

(1)栗田工業|開発トレンドと専門性

 

 上図期間中、C02Fが最も多いです。次いでB01D、G01N、G06Q、B01Jが多いです。

 C02Fは既述のとおり、水、廃水、下水、汚泥の処理に関連する分類です。
 具体例として水処理施設の前段工程における水処理装置の組み合わせ構成を選定するための構成選定支援装置が挙げられます。
 従来技術では出口水質などの後段側の条件に基づいて装置選定がおこなわれていましたが、これらの条件は変動しやすく顧客への迅速な提案や既設施設への対応が困難でした。
 これに対し、変動の少ない原水条件に基づくことで最適な装置の組み合わせを提案する構成選定支援装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7388463/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(原水条件に対する最適な水処理プロセスの選定基準の確立、各水処理装置の性能、特性、運転条件に関するデータの収集とデータベースの構築)、情報工学(水処理プロセスの選定アルゴリズム、ユーザーが原水条件から最適な装置構成を得られるようなインターフェースの設計)

 

 別の例として水処理装置が挙げられます。
 従来技術では被処理水中に存在するアンモニア性窒素などの成分が次亜塩素酸塩を消費し、尿素分解に必要な薬剤が不足することで処理水への尿素リークが発生する問題がありました。
 これに対し、残留塩素濃度と尿素濃度の測定値に基づいて次亜塩素酸塩の添加量が制御されることで、薬剤の過不足を解消し尿素を安定して除去する水処理装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7351362/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(被処理水の水質変動(アンモニア性窒素濃度、TOC濃度など)が尿素分解効率に与える影響を評価、さまざまな水質条件下で最適な薬剤添加量と反応条件(反応時間、温度など)の決定)、化学工学(反応速度を向上させるための触媒や添加剤の探索、反応槽内の混合効率や物質移動速度を最適化するための設計パラメータの決定)

 

 B01Dは既述のとおり、分離に関連する分類です。
 具体例として油分含有廃液からの油分回収方法に関する発明が挙げられます。
 従来技術では凝集処理、膜処理、生物処理などが用いられていましたが、処理条件の複雑さ、膜の閉塞、排水処理への悪影響などの問題がありました。
 これに対し、水性切削廃液、ターペンチン油含有排水、食品排水のような油分含有廃液に対し、ノルマルヘキサンを溶媒として用いることで、効率的に油分を回収する油分回収方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7464077/15/ja

  関連する専門分野の例:化学工学(油分含有廃液に対するノルマルヘキサンの抽出効率の評価、抽出条件(温度、pH、添加剤など)が油分回収率に与える影響の最適化)、環境工学(処理後の排水の環境基準(COD、BOD、油分濃度など)への適合性の評価)

 

 G01Nは材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析に関連する分類です。
 具体例として残留塩素を含む原水を自動で定量するための水質測定装置が挙げられます。
 従来技術では残留塩素濃度が測定可能範囲を超える場合、手分析に頼る必要があり作業負荷が大きいという問題がありました。
 これに対し、容器、液面検知部、原水注入部、希釈水注入部を備える希釈装置が原水を希釈し、必要に応じて試料水貯留部で試料水の量とタイミングを調整し、残留塩素濃度測定装置へ送り、残留塩素濃度測定装置が測定可能な濃度範囲に調整することで高濃度の残留塩素を自動で定量することを可能にした水質測定装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7331912/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(さまざまな水質における残留塩素濃度の測定精度の評価、希釈条件が測定結果に与える影響を最適化)、電気電子工学(高精度な液面検知センサの選定、希釈装置の制御システムへの組み込み、残留塩素濃度測定装置とのデータ通信システム構築)

 

 G06Qは管理、商用、金融、経営、監督目的で特に適合した情報通信技術に関連する分類です。
 具体例として水処理設備で使用される複数種類の薬品タンクの残量を予測し、発注計画を支援するシステムが挙げられます。
 従来技術では薬品の種類ごとに使用量や貯蔵量が異なり、発注業者も異なるため人手による煩雑な管理が必要でした。また、タンク容量を超える発注や配送の重複など非効率な運用も課題でした。
 これに対し、タンクの液位データから残量を予測し、発注業者、配送日時、配送量を含む発注計画を自動作成し、同一エリアでの配送重複を避けて効率的な配送計画を可能にする支援システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7484983/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(薬品タンクの配置、配管、配送車両の動線などを考慮した効率的な薬品補充システムの設計)、情報工学(タンクの液位データから残量を高精度に予測するアルゴリズムの設計)

 

 B01Jは既述のとおり、化学的、物理的なプロセスや関連する装置に関連する分類です。
 具体例として火力発電所や廃棄物焼却施設から排出される酸性ガスを除去するための吸着材の製造方法が挙げられます。
 従来技術では吸着材に求められる通気性、強度、耐水性、吸着性能をすべて満たすものがなく実用化が困難でした。
 これに対し、炭酸型Mg-Al系層状複水酸化物にメタケイ酸ナトリウム、発泡剤、水を加えて造粒し熱処理することで、発泡剤により開気孔率を向上させ、メタケイ酸ナトリウムにより強度と耐水性を高めるた吸着材の製造方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7529001/15/ja

  関連する専門分野の例:応用化学(最適な発泡剤、バインダーの選定と配合比の検討、造粒プロセス、熱処理条件の最適化)、材料工学(吸着材の強度、耐水性、通気性などの物理的特性の評価、吸着材の微細構造解析、表面改質による性能向上)

 

(2)メタウォーター|開発トレンドと専門性

 

 C02Fが最も多いです。次いでB01D、F23G、G06Qが多いです。

 C02Fは既述のとおり、水、廃水、下水、汚泥の処理に関連する分類です。
 具体例として余剰汚泥を嫌気性消化する消化システムが挙げられます。
 従来技術では汚泥加熱に用いる蒸気による配管損傷のリスクがありました。
 これに対し、汚泥配管内の汚泥状態を検知器により検知し、その結果に応じて蒸気と汚泥の混合状態を判定し、混合が不十分であれば蒸気供給量を増加させる制御により配管損傷を抑制する消化システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7619714/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(最適な汚泥加熱条件の検討、消化効率の評価、汚泥性状、蒸気供給条件と配管損傷リスクの関係性評価)、機械工学(最適な配管設計、検知器、制御装置の選定、システム全体の自動制御ロジックの設計)

 

 別の例として下水処理施設などで被処理水から有機物や懸濁物質を除去する散水・生物ろ過方法が挙げられます。
 従来技術では曝気によるエネルギーコストが課題でした。
 これに対し、ろ床下部が貯留部の水に浸漬し、散水ろ床と生物ろ過部が溶存酸素を利用した有機物分解と懸濁物質除去おこない、曝気洗浄時に生物ろ過部のろ材がろ床全体に分散して生物膜量を調整することで、処理性能を維持しつつエネルギーコストを削減する散水・生物ろ過方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7610807/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(ろ材の選定、ろ床構造の設計、生物膜形成の制御、被処理水の水質、ろ過条件と処理性能の関係性評価)、化学工学(微生物反応の解析、物質移動の最適化、ろ材洗浄プロセスの最適化、洗浄排水の処理方法の検討)

 

 B01Dは既述のとおり、分離に関連する分類です。
 具体例としてろ過体を用いた水処理システムが挙げられます。
 従来技術ではろ過初期の不純物を十分に除去できていない処理液を逆洗浄に使用すると、ろ過体に不純物が残存する可能性がありました。
 これに対し、ろ過開始から一定時間経過後の処理液が逆洗浄に用いられることで、具体的には、逆洗水槽への処理液の貯留開始タイミング、または逆洗開始タイミングがろ過時間よりも短く設定されることで、適切な逆洗浄を可能にした水処理システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7648459/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(ろ過材の選定、ろ過条件の最適化、逆洗浄プロセスの設計、被処理水の水質、ろ過条件と処理性能の関係性評価)、化学工学(逆洗浄プロセスの最適化、流体制御システムの設計、ろ過材の洗浄プロセスの最適化、洗浄排水の処理方法の検討)

 

 F23Gは廃棄物や低級燃料の焼却に関連する分類です。
 具体例として汚泥焼却炉が挙げられます。
 従来の焼却炉では流動床式焼却炉は動力消費が大きく、固定床式焼却炉は維持管理が困難、キルン式焼却炉は設備が大型化するという問題がありました。
 これに対し、乾燥室、熱分解室、燃焼室、後燃焼室が設けられ、複数の空気噴出管を設けられた熱分解室と燃焼室の間に堰部が設けられることで、空気の噴出量や方向が調整されて汚泥の移動と燃焼を制御する焼却炉が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7605570/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(汚泥の性状分析、焼却条件の最適化、排ガス処理システムの設計)、機械工学(焼却炉の構造設計、耐熱材料の選定、空気供給システムの設計)

 

 G06Qは既述のとおり、管理、商用、金融、経営、監督目的で特に適合した情報通信技術に関連する分類です。
 具体例として災害時などにおける応急給水活動において、複数の施設への給水順序を最適化する情報処理システムが挙げられます。
 従来の応急給水では経験則に基づいた人手による順序決定がおこわれており迅速かつ適切な判断が困難でした。。
 これに対し、初動給水と補充給水の2段階で、各施設の必要水量、給水車の積載量、距離、移動時間などの情報を基に給水順序が自動的に設定されることで、効率的な給水活動を支援し被災者の負担軽減に貢献する情報処理システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7352451/15/ja

  関連する専門分野の例:情報工学(給水順序を最適化するアルゴリズムの設計、施設情報、給水車情報、道路情報などを統合管理するデータベースの設計・構築)、都市工学(災害時の施設ごとの必要水量の予測モデルの構築、災害時における都市全体の物流システムにおける給水活動の優先順位付けの検討)

 

(3)神鋼環境|開発トレンドと専門性

 

 C02Fが最も多いです。次いでB09B、F23G、B01D、A23Lが多いです。

 C02Fは既述のとおり、水、廃水、下水、汚泥の処理に関連する分類です。
 具体例として下水処理システムが挙げられます。
 従来の下水処理システムでは沈殿池による汚泥分離が一般的でしたが、広い敷地面積が必要であり降雨時の流入量増加に対応しきれない問題がありました。
 これに対し、ベルトフィルタと予備池が組み合わされたシステム、具体的には、ベルトフィルタがろ過により汚泥を高濃度で分離し、予備池が流入量の変動を吸収してベルトフィルタへの流入量を安定化させ、制御手段が流入量や水位に応じて予備池とベルトフィルタ間の水流を制御し、効率的な汚泥回収と安定した下水処理を実現する下水処理システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7641825/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(下水の性状分析、汚泥の特性評価、ベルトフィルタのろ過性能評価、流入量変動に対する最適な運転制御パラメータの検討)、機械工学・電気電子工学(ベルトフィルタの構造設計、ろ過速度や圧力などの運転条件の最適化、予備池の流体制御システムの設計、ポンプやゲートの制御アルゴリズム設計、各種センサの選定・配置、計測データの解析、異常検知システムの構築)

 

 B09Bは既述のとおり、固体廃棄物の処理に関連する分類です。
 具体例としてバイオガス利用設備が挙げられます。
 従来技術ではバイオガスを発電と加熱処理の両方に使用するため発電量が低下する課題がありました。
 これに対し、加熱処理装置が処理をおこなわない時はガス発電機をオンオフ運転し、処理をおこなう時は負荷率を変動させて連続運転することで、発電量維持と連続加熱を両立するバイオガス利用設備が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7330351/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(有機性廃棄物の性状分析、バイオガス生成量の予測、メタン発酵槽の最適運転条件の検討)、機械工学・電気電子工学(ガス発電機の運転制御システムの設計、負荷率変動制御アルゴリズムの設計、熱交換器の最適設計、プラント全体の自動制御システムの設計、各種センサによる状態監視、異常検知システムの構築)

 

 F23Gは既述のとおり、廃棄物や低級燃料の焼却に関連する分類です。
 具体例として廃棄物焼却設備が挙げられます。
 従来技術では低温排ガスを利用する熱交換器で腐食が発生しやすい問題がありました。
 これに対し、熱交換器に洗浄装置が設けられ、洗浄廃液を洗煙装置へ導き、腐食を抑制しつつ廃液処理を効率化することで、低温排ガスの熱回収率を向上させ廃棄物処理設備の安定運転と効率化を図る廃棄物焼却設備が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7653397/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(廃棄物焼却設備の排ガス特性の評価、洗浄廃液の処理方法の検討)、化学工学(洗浄装置の設計と最適化、廃棄物処理設備のプロセス設計)

 

 B01Dは既述のとおり、分離に関連する分類です。
 具体例として固形物と液状物を含む被処理液を濾過する濾過機が挙げられます。
 従来技術では堆積物の状態に関わらず一定時間経過後に展延工程を開始するため、脱液が不十分であったり回転翼が堆積物に過度に進入し装置に負荷がかかる可能性がありました。
 これに対し、堆積物表面の位置情報と気圧情報に基づいて展延工程を制御する濾過機、具体的には、レーザー式検出器で堆積物表面の位置を非接触で検出し、圧力計で気圧を測定し、これらの情報に基づき回転翼の昇降と回転を制御することで、堆積物の状態に合わせた展延を可能にする濾過機が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7551686/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(濾過機の設計、回転翼の形状と制御方法の検討、圧力装置の選定、非接触式センサーと制御システムの統合)、化学工学(被処理液の性状分析と濾過特性の評価、濾過条件の最適化、堆積物の性状変化の解析、濾過材の選定)

 

 A23Lは特定の食品、食料品、非アルコール飲料、その調製または処理に関連する分類です。
 具体例としてユーグレナを有効成分とする自律神経バランス改善剤が挙げられます。
 従来技術では自律神経バランスの乱れによる様々な体調不良や疾患に対する有効な改善剤が十分に存在しませんでした。
 これに対し、分泌型免疫グロブリンA(s-IgA)の分泌を促進する作用を有するユーグレナ又はパラミロンを有効成分とすることで免疫力向上につながる分泌型免疫グロブリンA分泌促進剤が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7293307/15/ja

  関連する専門分野の例:農学(ユーグレナの最適な培養条件の確立、ユーグレナの成分分析と有効成分の特定)、医学(ユーグレナの自律神経バランス改善作用のメカニズム解明、ユーグレナの免疫力向上作用の臨床試験、ユーグレナの睡眠改善作用の臨床試験、ユーグレナの安全性評価)

 

(4)オルガノ|開発トレンドと専門性

 

 C02Fが最も多いです。次いでG01N、B01D、B01Jが多いです。

 C02Fは既述のとおり、水、廃水、下水、汚泥の処理に関連する分類です。
 具体例として膜ろ過システムが挙げられます。
 従来の膜ろ過システムでは被処理水の性状変動による膜ファウリングが問題であり、濁度などの一部の水質指標に基づく制御では不十分でした。
 これに対し、メインろ過膜とは別にサブろ過膜が設けられ、そのろ過抵抗値の監視によりメインろ過膜のファウリングを早期に検知し、凝集剤添加量を制御することで、水質変動にも対応可能な膜ろ過処理を実現する膜ろ過システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-019258/11/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(最適な膜材質・形状の選定、膜ろ過システムの設計、運転条件の最適化)、化学工学(凝集剤の種類・添加量と膜ファウリングの関係性の解析、サブろ過抵抗値に基づく凝集剤添加制御アルゴリズムの設計、プロセス制御システムの設計・構築)

 

 別の例として有機性排水の生物処理による排水処理方法が挙げられます。
 従来の技術ではオンラインTOC濃度計を用いて原水の有機物濃度を測定し栄養物質の添加量を制御していましたが、測定装置の配管の目詰まりによる測定値の不安定さが問題でした。
 これに対し、反応槽内の水から放出される二酸化炭素の濃度と、反応槽に供給または放出される気体の流量を測定し、これらの測定値から原水の有機物濃度を算出し、算出された有機物濃度に基づいて原水への栄養物質の添加量を制御することで、安定した排水処理を可能にする排水処理方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7653309/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(さまざまな有機性排水に対する生物処理の最適化、二酸化炭素濃度や気体流量の測定に基づく有機物濃度算出モデルの構築)、化学工学(生物反応の解析、反応槽内の物質移動解析、プロセスシミュレーションによる運転条件の最適化、プロセス制御システムの設計・構築)

 

 G01Nは既述のとおり、材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析に関連する分類です。
 具体例として超純水などの検査対象液中の不純物を効率的に取得し、水質検査を迅速化する不純物取得システムが挙げられます。
 来の技術ではイオン交換体を取り外して不純物を回収する必要があり、手間がかかり効率的な検査が困難でした。
 これに対し、吸着体に通液する工程と溶離液で不純物を回収する工程を自動で切り替える制御装置により吸着体をシステムから取り外すことなく不純物を取得し、流量計により通液量を監視し洗浄工程や再生工程を自動化することで更なる効率化を実現することで、オンラインでの水質管理を可能にしてリアルタイムでの品質管理をおこなう不純物取得システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7635009/15/ja

  関連する専門分野の例:応用化学(吸着材の選定、不純物を効率的に溶離・回収できる溶離液の組成や条件の最適化)、機械工学(吸着、溶離、洗浄、再生の各工程を効率的におこなうための流路設計、弁機構や配管の設計)

 

 B01Dは既述のとおり、分離に関連する分類です。
 具体例として直列に接続された複数のろ過膜を用いた膜ろ過装置が挙げられます。
 従来の膜ろ過装置では運転停止中に膜内に滞留した不純物濃度の高い水が運転再開後の処理水質を悪化させ安定化に時間がかかるという問題がありました。
 これに対し、運転再開時に下流側のろ過膜からの濃縮水の割合を一時的に高めて滞留水を迅速に排出し、その後、通常の運転条件に戻す、具体的には、制御部が運転再開時に濃縮水割合の目標値を一時的に高く設定し、所定時間後に通常運転時の目標値に戻すように制御することで処理水質の早期安定化を実現する膜ろ過装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7534177/15/ja

  関連する専門分野の例:化学工学(さまざな被処理水に対応できる膜の選定、運転条件が処理水質に与える影響の評価と最適化、膜のファウリング抑制、寿命延長のための洗浄・再生方法の検討)、環境工学(処理対象水の水質分析、必要な処理レベルの決定)

 

 B01Jは既述のとおり、化学的、物理的なプロセスや関連する装置に関連する分類です。
 具体例として半導体製造に用いられる加水分解性有機溶媒の精製方法が挙げられます。
 従来技術ではキレート樹脂のみでは特定の金属(Feなど)の除去が不十分であり、他の方法では酸生成を抑制できないという課題がありました。
 これに対し、陽イオン交換樹脂とキレート樹脂を特定の割合で混合使用する方法、具体的には、陽イオン交換樹脂の体積割合を10~50%に調整し、加水分解性有機溶媒をこれらの樹脂に接触させることで、金属不純物を効果的に除去しつつ、加水分解による酸生成を抑制する精製方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7633380/15/ja

  関連する専門分野の例:応用化学(さまざまな金属不純物や有機溶媒に対応できる最適な樹脂の選定と混合割合の決定、精製条件の最適化)、材料工学(精製に適した高性能なイオン交換樹脂やキレート樹脂の材料の検討、精製装置の材料選定)

 

(5)月島|開発トレンドと専門性

 

 C02Fが最も多いです。次いでB01D、F26Bが多いです。

 C02Fは既述のとおり、水、廃水、下水、汚泥の処理に関連する分類です。
 具体例として有機性汚泥処理設備が挙げられます。
 従来技術では温水洗浄による脱水効率向上に温度制限があり、汚泥の流動性低下と加熱効率悪化が問題でした。
 これに対し、濃縮手段内で汚泥が6~12wt%に濃縮された後、50℃以上の温水が混合、加熱・希釈され、再度同濃度範囲に再濃縮されることで、汚泥の流動性を維持しつつ加熱効率を高めて脱水効率を向上させた有機性汚泥処理設備が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7003192/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(さまざまな有機性汚泥の特性に応じた最適な濃縮・脱水プロセスの設計)、化学工学(汚泥の流動性、伝熱特性を考慮した濃縮・脱水装置の設計、温水混合・加熱効率を高めるための装置構造の検討)

 

 別の例として加熱脱水システムが挙げられます。
 従来技術では汚泥の含水率調整のパラメータが限られており目標値への調整が困難でした。
 これに対し、含水率に応じてスクリュー回転数による圧入圧力、排出口の開口度合い、加熱度合いの調整のための熱媒の供給量、凝集剤供給量が制御され、含水率を目標範囲内に維持する加熱脱水システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6696020/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(さまざまな汚泥性状に対応した脱水条件の検討、焼却設備と連携した総合的な汚泥処理システムの構築)、機械工学(脱水効率を高めるための脱水機の構造・形状の設計)

 

 B01Dは既述のとおり、分離に関連する分類です。
 具体例として間接冷却式晶析装置における冷媒循環システムが挙げられます。
 従来技術では晶析装置と冷凍機を直接接続する長距離配管が必要で設備費や運転コストが課題でした。
 これに対し、晶析装置近傍に局所的な第1循環系と、冷凍機を含む第2循環系が接続して設けられ、第1循環系は高流速で冷媒を循環させ、第2循環系は温度変動分の冷媒を少量供給することで、配管径や長さを削減し設備費と運転コストを低減する冷媒循環システムが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7044919/15/ja

  関連する専門分野の例:化学工学(晶析条件に応じた最適な冷媒循環システムの設計)、機械工学(高効率な冷凍機・熱交換器・ポンプの選定・設計)

 

 F26Bは固体材料または固形物から液体を除去することによる乾燥に関連する分類です。
 具体例として横型回転式乾燥機における乾燥方法が挙げられます。
 従来技術では不活性キャリアガスを使用する乾燥においてガス循環量が多く設備費や運転コストが増大し結露防止とガス量低減の両立が困難でした。
 これに対し、回転筒内で不活性キャリアガスを並流方式で流通させ、排出口側でキャリアガスを加熱することで、ガス露点を高めつつ結露を防止し、キャリアガス量を低減する横型回転式乾燥機における乾燥方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-5946076/15/ja

  関連する専門分野の例:化学工学(被処理物の種類・性状に応じた最適な乾燥条件の検討、回転筒内の温度分布・流動解析、結露防止の検討)、機械工学(高効率な加熱装置・送風機の選定・設計)

 

(6)水ing|開発トレンドと専門性

 

 C02Fが最も多いです。次いでB01D、B30B、G01Nが多いです。

 C02Fは既述のとおり、水、廃水、下水、汚泥の処理に関連する分類です。
 具体例として嫌気性処理装置が挙げられます。
 従来技術では高濃度の乳酸排水を嫌気性処理する際に酢酸やプロピオン酸が残留しやすく、処理効率が低下する問題がありました。
 これに対し、乳酸分解槽とメタン発酵槽の組み合わせと、副基質添加手段と返送手段の設置、具体的には、乳酸分解槽で乳酸を酢酸とプロピオン酸に分解し、メタン発酵槽でメタン発酵処理し、メタン発酵槽からの処理液を乳酸分解槽に返送することで、乳酸分解を促進し処理効率を高めた嫌気性処理装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7546623/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(排水の性状に応じた処理プロセスの設計と運転条件の検討、乳酸分解槽とメタン発酵槽の連携による処理効率の最大化)、微生物学(微生物群集の解析と、処理効率を高める微生物群集の構築)

 

 別の例として散水ろ床装置が挙げられます。
 従来の散水ろ床装置では受水槽の小型化に伴い撹拌機や曝気装置の設置が困難となり、汚泥堆積やスカム発生が問題でした。
 これに対し、ろ床槽からの戻り管の出口が受水槽の流出口側壁に向けられることで、戻り廃水の勢いを利用して受水槽内の廃水を効率的に撹拌し、複数のろ床槽の背設置においては上流側の戻り管出口が流入水流方向へ向けられ、下流側の戻り管出口が流出口側壁へ向けられることで撹拌効率向上を図った散水ろ床装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7411006/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(撹拌効率の評価、汚泥の堆積予測、スカム発生抑制策の検討)、機械工学(戻り管の形状・配置最適化、ポンプ選定、配管抵抗評価、洗浄ノズル設計)

 

 B01Dは既述のとおり、分離に関連する分類です。
 具体例としてスラリ循環型高速凝集沈殿装置が挙げられます。
 従来技術ではフロックの強度・沈降性向上のために高分子凝集剤を使用する場合、既存装置への注入点の不足や無機凝集剤との同時注入による処理効率低下が問題でした。
 これに対し、スラリ濃縮をおこなうコンセントレータ内に高分子凝集剤注入部が設けられ濃縮スラリと高分子凝集剤を効率的に接触させることでフロックの強度・沈降性を高めて固液分離効率を向上させ、分散機構、整流板が設けられることで高分子凝集剤の分散性向上とスラリの逆流防止を図るスラリ循環型高速凝集沈殿装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7520779/15/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(凝集メカニズム解析、フロック性状評価、沈降速度測定、運転条件最適化)、化学工学(高分子凝集剤の選定、注入方法の検討、撹拌・混合条件の最適化、装置内の流動解析)

 

 B30Bはプレスに関連する分類です。
 具体例として汚泥などの液体含有物から液体を分離するスクリュープレスが挙げられます。
 従来の二軸型スクリュープレスは二つのスクリューを回転させるために二つの駆動装置が必要であり装置全体が大型化するという問題がありました。
 これに対し、第2スクリューを回転可能に支持する旋回軸受と、旋回軸受を介して第2スクリューを回転させる駆動機構により、駆動装置の設置スペースを削減し、小型化したスクリュープレスが開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7373416/15/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(スクリューの形状最適化、駆動機構の設計、装置の強度解析)、環境工学(水質分析、汚泥の性状評価、脱水効率の評価、装置の運転条件最適化)

 

 G01Nは既述のとおり、材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析に関連する分類です。
 具体例として汚水の凝集状態を監視する装置が挙げられます。
 従来の監視装置では光学的測定装置の光透過部が汚水中の異物で汚れやすく定期的な清掃が必要でした。
 これに対し、汚水をノズルから大気中に流下させて流下した汚水に光学センサの光学的測定値により、異物による光透過部の汚れを防ぎ長期間安定した測定を可能にする監視装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-142677/11/ja

  関連する専門分野の例:環境工学(汚水の性状評価、装置の運転条件の最適化)、応用物理学(光学センサの選定、測定系の構築、データ解析アルゴリズムの設計)

 

(7)まとめ

 排水処理に関わる方法や装置、各装置が連携したシステムが出願の中心になっています。

 一部、食品に関わる技術分野の出願もありますが、排水処理に関わる技術分野が中心になっていて開発内容は各社近しいことが推測されます。 

 

3.6 共同出願人との開発例

 共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。

 技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。

 各社の共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。

 共同出願人が筆頭出願人(願書の【出願人】の欄の一番上に記載された出願人)になっているものをカウントしました。

 また、グループ企業や現存しない企業については、共同出願人としてのカウントから除外している場合があります。

 

(1)栗田工業

 

 出願件数トップの共同出願人は栗田エンジニアリングですが、吸収合併により現在存在しません。

 また、小松製作所との共同出願について確認されたのは、2004年出願が最後です。

 

(2)メタウォーター

 

 出願件数が少ないので説明は省略します。

 

(3)神鋼環境

 

 出願件数トップの共同出願人は神戸製鋼所です。
 共同出願の例として3次元点群データ処理装置が挙げられます。
 既存技術では3次元点群データ生成時に死角やノイズによるデータ欠損や外れ値が発生し対象物体を適切に認識できないという問題がありました。
 これに対し、取得した3次元点群データに対して欠損判定補間処理と外れ値判定除去処理を繰り返しおこなうことでデータ欠損の補間と外れ値の除去を同時におこない、3次元点群データを適正化することで対象物体をより正確に認識する3次元点群データ処理装置が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-059688/11/ja
  関連する専門分野の例:情報工学(点群データ処理アルゴリズムの開発、ソフトウェア実装)、機械工学(アクチュエータ制御、システム設計、センサとアクチュエータの統合)

 

(4)オルガノ

 

 出願件数が少ないので説明は省略します。

 

(5)月島

 

 出願件数トップの共同出願人は月島テクノメンテサービス(現月島ジェイテクノメンテサービス)です。
 共同出願の例として流動層焼却炉における下水汚泥の焼却処理方法が挙げられます。
 従来技術では焼却灰の焼結による炉のトラブルが問題となっていました。
 これに対して、流動層の圧力を計測し、その経時変化に応じて焼結抑制剤の投入量を制御することで焼結を抑制し、安定した焼却処理を実現する下水汚泥の焼却処理方法が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6929406/15/ja
  関連する専門分野の例:環境工学(下水汚泥の含水率、有機物含有量、灰分組成などの基礎データの収集、焼却炉から排出される排ガス、焼却灰の環境影響の評価)、化学工学(流動層内での燃焼反応や焼結反応のメカニズムから最適な焼却条件を探索、投入量制御システムの設計)
 
 土木研究所との共同出願では加圧流動焼却設備におけるタービン駆動軸の潤滑油循環機構が挙げられます。
 既存技術ではタービン排ガスの高圧により潤滑油循環が滞り潤滑油がタービン出口側へ流出する問題がありました。
 これに対し、下流経路の内圧を上流経路より低くする構成、具体的には、潤滑油タンクとタービン下流排ガス経路を連通させ、タンク内圧を下げることで下流経路の内圧を下げる加圧流動焼却設備が開発されています(以下URL)。
 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2009-121779/11/ja

  関連する専門分野の例:機械工学(タービン駆動軸の潤滑油循環機構の設計、潤滑油の流量、圧力、温度などの制御システムの設計)、環境工学(焼却設備の排ガス処理システムの最適化、潤滑油流出による環境負荷の評価)

 

(6)水ing

 

 出願件数が少ないので説明は省略します。

 

(7)まとめ

 グループ企業とは共同出願されることが多い場合があり、それ以外のほとんどは年間1件も出願されていません。

 

4 開発に求められる専門性

 上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。

 上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。

 特許出願件数が多いものに関連するものから挙げていきます。

 

環境、化学、材料系分野(環境工学、化学工学、応用化学、微生物学、材料工学など)

 排水の浄化処理に関する出願が関係します。
 対象成分の分析、評価、処理方法の検討、素材の選定、各種条件の最適化などが求められます。

 

機械系、電気系分野(機械工学、電気電子工学など)

 排水の浄化処理などを実現するための装置に関する出願が関係します。
 処理のための構造や各装置の連携、これらに関わるさまざまな設計、システムの構築などが求められます。

 

情報系分野(情報工学など)

 排水処理や各種目的に応じて情報を扱うシステムに関する出願が関係します。
 各種の情報処理、目的に応じて問題を解決するためのアルゴリズム設計などが求められます。

 

 ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。

 

5 まとめ

 水処理が大前提の業界であるため、化学的、生物的、機械的な処理によって排水などを浄化処理する技術に関する出願が多く確認され、技術開発も当該分野に関わるものが多いことが推測されます。

 これらを大学の専攻と関連づけるとしたら、環境、化学、材料、機械、電気、情報に関わる研究が該当する可能性があります。ただし、その境界はかなりあいまいです。  

 

 本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。

 参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4

 以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

6 次に何をすべきか迷っている方へ

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化学系で就職・転職できる業界を網羅的に知りたい方へ

 化学系の研究開発職の業界・企業一覧|需要特大(第1部)

 化学系の研究開発職の業界・企業一覧|需要大(第2部)

 化学系の研究開発職の業界・企業一覧|需要有(第3部)

 

<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社

<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
・本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
・特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
・詳細な確認や重要な判断が必要な場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。