総合メーカーの中でも富士通のようにIT・サービスに関わる企業は、ハードウェアの製造からソフトウェア制御まで研究開発領域が多岐にわたります。
そのため、具体的な研究開発の実態や求められる専門性が外部からは非常にイメージしづらいのが実情です。
また、その属する業界について調べてもDXやソリューションといった断片的な情報しか見えず、全体像を把握するのは困難です。
この問題に対し、特許情報を活用します。
特許情報は企業の開発の軌跡であり、客観的なエビデンスになり得る情報です。
本記事では、採用サイトとは別の視点で、富士通の研究・開発職ニーズと関連する専門性を特許情報から解読します。
結論(概要)は以下の通りです。
(1)データ処理関連:情報系、経営系の分野(情報科学、ソフトウェア工学、情報システム学、データサイエンス、情報工学、経営学など)
(2)ビジネスICT関連:情報系、経営系の分野(ソフトウェア工学、データサイエンス、情報科学、経営学など)
(3)電信通信関連:情報系、電気系の分野(情報セキュリティ、情報通信工学、ソフトウェア工学、データサイエンス、通信工学、電気電子工学など)
(4)無線通信関連:電気系、情報系の分野(電気電子工学、電気工学、情報科学、情報工学など)
(5)イメージデータ処理関連:情報系、数学系、電気系の分野(情報工学、情報科学、データサイエンス、応用数学、電子情報工学、電子工学など)
(6)データ処理関連:情報系、化学系、数学系の分野(情報科学、データサイエンス、化学、応用数学、数理科学など)
(7)半導体関連:電気系、材料系、化学系の分野(電子工学、電気電子工学、材料科学、材料工学、応用化学など)
(8)伝送関連:電気系、情報系の分野(電気電子工学、情報通信工学、情報工学など)
(9)画像通信関連:電気系、情報系の分野(電気電子工学、電子情報工学、情報科学、情報工学、認知科学、通信工学、制御工学など)
(10)電子回路基板関連:材料系、電気系、機械系の分野(材料科学、材料工学、電子工学、電気電子工学、機械工学など)
1 企業サーチの概要
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
企業サーチは、企業の特許情報から、その企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。
特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。
すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。
2 総合メーカー
2.1 総合メーカーとは
ここでは、いわゆる大企業で複数の分野の製品やシステムを自社で開発・製造する企業を意図します。
企業規模や分野の数など厳密なものではありません。
2.2 サーチ対象
以下を対象にしました。
2.3 使用プラットフォーム
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
3 サーチ結果
3.1 結果概要
開発イメージは下表のとおりです。
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モノの開発 |
サービスの開発 |
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個人向け |
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法人向け |
・文書修正支援プログラム |
・複数のデータリスト間で同一の文字列データが存在するかを判定する処理をコンピュータが実行する判定方法 |
3.2 出願件数の推移
下図は富士通の特許出願件数の推移です。

2016年頃から出願件数が減少しています。
ただし、毎年一定数(数百件レベル)の出願がなされており、そのような出願につながる開発がおこなわれていることが推測されます。
3.3 主な開発分野
特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。
出願上位10の技術分野を抽出して並べています。
各記号は発明の技術分類をあらわします。
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。


分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)
3.4 富士通の近年の開発トレンドと求められる専門の例
特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。
ここ10年のトレンドは以下のとおりです。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
(1)G06F|開発トレンドと専門性

G06Fはデータ処理に関する分類です。
従来、複数の同種文書間で不整合がある場合、どの文書を修正すべきか特定が困難でした。
これに対し、各文書の修正履歴を含む学習用データと、予め定義された復元演算(特定の文書の値と別の特定文書の値から演算した値との差分を含み、文書間の関係性を特徴量として捉えるもので、例えば、複数の給与支払報告書がある場合に、それらの金額の最大値や合計値と各報告書の金額との差分を算出するなどが該当)に基づいて生成される説明変数を用いて訓練した機械学習モデルが、入力された説明変数(判定対象文書間の関係性を示す特徴量)に基づいてどの文書に修正が必要かを自動で判定し出力することにより、人手では困難だった修正対象文書の自動特定を可能にする文書修正支援プログラムが開発されています(以下URL)。
各文書の修正履歴を含む学習用データに基づく学習モデルが修正判定出力する文書修正支援プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7704045/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(多様な文書形式から必要な項目を抽出して数値化・構造化するデータ前処理パイプラインの設計、定義された復元演算(最大値、合計値、差分など)を効率的に計算して説明変数として生成する特徴量エンジニアリングモジュールの実装、説明変数と過去の修正履歴(目的変数)を用いて高精度な文書修正判定をおこなう機械学習モデルの選定、訓練、評価)、経営学(市役所や企業の文書処理フローの分析、本システムがどの段階で最大の効果を発揮するかを特定する業務プロセス分析と改善提案、システムの導入にかかる初期投資とそれによって得られる人件費削減やエラー率低下などの経済的効果を定量的に評価する費用対効果分析)
従来、秘密情報を含む文字列データの単純比較は情報漏洩や推定のリスクがありました。
これに対し、比較対象となる2つのデータリストに含まれる文字列データ(例えば、個人情報のハッシュ値)をその内容を直接開示せずに比較する方法であり、まず第1のデータリストの各文字列データに含まれる文字が第2のデータリストの文字列データに含まれる文字と同一か否かを判定し、同一の文字が見つかった場合、その文字が第2のデータリスト全体で何番目にあたるかを示す序数を特定し、この際、第1のデータリストの文字はランダムな順序で問い合わせられ、第2のデータリストも直接読み出されないため、個々の文字から元の情報が推測されるリスクを低減し、最終的に第1のデータリストにおける文字列の元の順序と、対応する第2のデータリストの文字の順序を示す序数との整合性に基づいて両データリスト間に同一の文字列データが存在するかを判定することにより、秘密情報を含む文字列データを秘匿したまま安全かつ高精度に同一性を判定できる判定方法が開発されています(以下URL)。
複数のデータリスト間で同一の文字列データが存在するかを判定する処理をコンピュータが実行する判定方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7656234/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(密情報を効率的かつ安全に扱うためのデータ構造や比較判定のアルゴリズムの設計、複数のコンピュータ(データリストを保持するサーバ間など)にまたがる環境で本判定方法が効率的に動作するための分散処理アーキテクチャの構築)、経営システム情報学(データ比較技術が企業のどのような業務プロセス(例: 顧客情報の重複確認、サプライヤー管理における不正検知、内部監査でのデータ整合性チェック)に適用可能か特定、導入によって得られる業務効率化、コスト削減、リスク軽減といった具体的なビジネス上の価値の評価、誤判定やデータ連携の不具合、不正利用といった潜在的なリスクの評価)
従来のコンテナデータベースでは、スケールアウト(システムを構成するサーバーやコンテナの数を増やして処理能力を高めること)時にスキーマ情報の読み込みが遅延要因でした。
これに対し、データベースのスキーマ情報が更新されると、更新されたスキーマ情報とデータベース管理システム(DBMS)とを含む新たなコンテナイメージを生成する方法であり、コンテナのスケールアウトが必要になったタイミングで、この事前に生成されたコンテナイメージを用いて更新後のスキーマ情報とDBMSがすでに組み込まれた状態の新しいコンテナを生成することにより、従来の共有ディスクからスキーマ情報を別途読み込む必要がなくなり、ディスクI/O(入出力)の負荷を抑制でき、新しいコンテナの起動時間、ひいてはDBMSの起動時間を短縮し、コンテナ化されたデータベースの高速なスケールアウトを実現するコンテナ生成方法が開発されています(以下URL)。
コンテナ化されたデータベースのスキーマ更新とスケールアウトを高速化する技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643591/15/ja
関連する専門分野の例:ソフトウェア工学(DBMSや関連アプリケーションがコンテナ環境で最大限のパフォーマンスを発揮できるようコンテナイメージの設計、レイヤー構造の最適化、コンテナ間の連携方法の検討、スキーマ情報の更新をトリガーとして新しいコンテナイメージの自動生成、テスト、デプロイメントまでを一貫しておこなう継続的インテグレーション・継続的デリバリーパイプラインの設計)、情報システム学(クラウドプロバイダーのマネージドサービスとの連携、コンテナクラスターの最適なサイジング、リソース割り当ての最適化、モニタリングおよびロギングシステムの導入、目標復旧時間や目標復旧時点に基づいたデータバックアップ・リカバリー戦略の策定、トラフィック増加時のスケールアウト要件の数値化、システムの運用コストとパフォーマンスのバランスの評価)
従来のテキストデータ検索では、すべての単語や文を対象にインデックスを作成するため、特にAI分析に利用するような膨大な量の多次元ベクトルデータを登録する際の処理負荷が大きく、効率的な検索が困難でした。
これに対し、データベースに登録する複数の文字または文字列を受け付けると、それらに対応する複数のベクトルを算出(ベクトル間距離に基づいて複数のクラスタに分類)し、次にそれぞれのクラスタについて、そのクラスタに含まれるベクトルを代表する代表ベクトルと、その代表ベクトルから各クラスタ内のベクトルまでの距離を求め、これらの算出された代表ベクトルと求められた距離は各クラスタを識別するクラスタ識別情報と対応付けて辞書情報として記憶され、さらに元の複数のベクトルに対応するクラスタ識別情報とデータベースに登録された文字または文字列の位置情報とを対応付けたインデックス情報を生成して全てのベクトルを個別にインデックス化する代わりにクラスタ化された代表情報を用いることによりデータ登録時の処理負荷を軽減し、効率的なデータ検索を実現する処理方法が開発されています(以下URL)。
多次元ベクトルデータのデータベース登録および検索負荷を軽減する技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643580/15/ja
関連する専門分野の例:データサイエンス(膨大な文字・文字列から生成される多次元ベクトルデータを効率的かつ意味的に適切なクラスタに分類するためのアルゴリズムの選定と最適化、文字や文字列を意味的に捉えた多次元ベクトルに変換する手法の検討)、情報工学(スケーラビリティと可用性を考慮した分散データベースの選定と構築、データ取り込みからインデックス生成、検索までのデータパイプラインの設計、クラスタIDとデータベース上の位置情報を紐付けたインデックス(文転置インデックスや単語転置インデックスなど)を登録時の負荷軽減と検索効率の最大化を両立する形で設計)
(2)G06Q|開発トレンドと専門性

G06QはビジネスICTに関する分類です。
従来の利益分配は貢献度の変動考慮が難しく、スマートコントラクトの柔軟な変更も困難でした。
これに対し、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかに対応し、分散台帳を管理する情報処理装置であり、目的達成に向けた各工程の実績値をその種別に応じ、統一基準で貢献度を示す指標値に変換する第1スマートコントラクトと、その指標値に基づき利益分配割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、工程・実績値・実績種別の対応を示す第1証跡データを分散台帳に登録し、分散台帳から発生源と各工程の証跡データの対応を示すトークンを参照し、第1スマートコントラクトで各工程の指標値を算出し、第2スマートコントラクトで利益分配割合を算出することにより、各参加者の貢献度を考慮した利益分配を可能にする情報処理装置が開発されています(以下URL)。
サプライチェーンにおける各参加者の環境貢献度合いを評価して利益を自動分配する情報処理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7709097/15/ja
関連する専門分野の例:ソフトウェア工学(スマートコントラクトのコードの記述およびテスト環境での動作検証、処理速度や gas 消費量といったパフォーマンス指標を最適化するためのアルゴリズム設計、分散台帳に登録される証跡データやトークンのデータモデルの設計、データベーススキーマや API 仕様の策定、システム全体のセキュリティ設計)、データサイエンス(実績種別(電力、燃料、プラスチック使用量など)のデータに対して環境貢献度合いを客観的に示す指標値への変換式の導出およびその妥当性の検証、各参加者の実績値の変動や測定誤差が最終的な利益分配割合に与える影響の評価および公平性を確保するためのロバストな分配モデルの設計)
従来の購買行動分析では、多様な行動を示す顧客の正確な分析が困難であり、特に複数人で来店するグループ客の場合、個々の行動だけでは購買に至るまでのプロセスを正しく把握できないという問題がありました。
これに対し、店内映像を分析し、顧客と店員との関係性から店員が接客した顧客を特定し、店員が接客した顧客が異なるグループに属するという特性に基づき複数の顧客をグループ化し、このグループ情報とそのグループに属する顧客の行動とを対応付けて分析することで、人物の購買行動をより正確に把握する情報処理プログラムが開発されています(以下URL)。
店内の顧客行動を分析する情報処理プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7315049/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(監視カメラからの映像ストリームを効率的に取り込み、保存、処理するためのデータフローとストレージシステムの設計、人物の検出、追跡、骨格推定などの既存の画像認識技術が最適化されたソフトウェアモジュールの設計)、経営学(分析すべき顧客の行動種別や購買心理工程の定義、グループ購買行動における役割分担(例: 意思決定者、影響者、購入者)を考慮した分析軸やグループ単位でのコンバージョン率の定義、システムから得られる購買行動データが店舗のレイアウト改善、商品陳列の最適化、効果的な接客方法の開発、ターゲットを絞ったプロモーション戦略など具体的なマーケティング施策にどう繋がるかの検討)
従来の販促では、購入済み商品へのクーポン配布やオンラインショップでの履歴に基づく広告提示が主流でしたが、これにより顧客が興味を持ちつつもまだ購入に至っていない商品への効果的なアプローチが困難でした。
これに対し、店内映像から顧客を追跡し、特定の商品に対する行動を分析する配信プログラムであり、来店から購入に至るまでの行動プロセスを定義した行動種別に基づき、顧客の行動が特定の第1の行動種別(例: 商品を手に取る、比較する)に到達し、かつ当該商品が未購入である場合にその商品に関連する情報を自動的に配信することにより、顧客の潜在的な購買意欲を捉え、効果的なタイミングで販促情報を提供する配信プログラムが開発されています(以下URL)。
ユーザが興味を持つ購入前の商品に関連する情報を提供できる配信プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7315048/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(人物検出・追跡アルゴリズムの店舗環境に合わせてた最適化、「商品を手に取る」「商品を比較する」「棚の前で立ち止まる」といった購買行動に関連する具体的な動作をリアルタイムで正確に識別するモデルの構築、買い物カゴに入っている商品を自動で認識する物体認識技術(例: CNNベースのモデル)の設計)、経営学(所定のレベル以上の行動種別の具体的な定義、どの行動が顧客の強い興味や購買意欲を示唆するのかの分析、顧客の特定の行動(例: 商品を5秒以上見つめる、複数の類似商品を比較する)が検知された際にどのような情報(クーポン、商品の詳細情報、関連商品の推奨など)をどのタイミングで(店内、レジ、来店後など)配信することが最も効果的かの検証、配信された情報が顧客の購買行動に与える影響の評価)
従来のピッキング計画では、オーダーの組み合わせ探索時に制約条件を満たせない未割当オーダーが発生し、作業効率の低下を招くという問題がありました。
これに対し、まず作業内容を指定する複数のオーダーの初期順序とオーダーの組み合わせに関する制約条件を取得し、次にこの初期順序に従って制約条件を満たすオーダーの組み合わせを探索し、この探索で組み合わせに割り当てられなかった未割当オーダーが存在する場合、その未割当オーダーを初期順序の先頭に配置した第2順序を新たに作成し、この第2順序に従って再度オーダーの組み合わせ探索をおこなうことで、未割当オーダーを積極的に割り当てようと試み、最終的な未割当オーダーの数を低減し、倉庫作業などの全体的な効率を向上させる情報処理装置が開発されています(以下URL)。
倉庫のピッキング作業などにおける未割当指定単位の数を低減する情報処理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7633570/15/ja
関連する専門分野の例:データサイエンス(過去のピッキング履歴データ(オーダー内容、移動距離、作業時間など)の収集・分析、未割当オーダーが発生しやすい条件やパターンを特定するモデルの構築、オーダーの属性(物品の種類、重さ、保管場所など)と制約条件(積載量、移動距離上限など)の関係性の分析、複数の制約を同時に満たしつつ未割当オーダーを最小化するようなオーダーの組み合わせ方を予測する機械学習モデルの設計)、情報科学(オーダー情報、棚情報、移動距離テーブルなどのデータを効率的に管理・アクセスできるデータ構造の設計および探索アルゴリズムとの連携の最適化、第1探索および第2探索処理において組み合わせの生成と制約条件のチェックを高速におこなうためのアルゴリズムの設計)
(3)H04L|開発トレンドと専門性

H04Lは電信通信に関する分類です。
従来のシステムでは、セキュリティ脅威(DoS攻撃など)により時刻同期に用いるPTP通信の精度が低下すると、その影響を他のノードに適切に通知・連携する機能不足から、品質の低い時刻源を選択し続けることで通信品質や効率の低下を招くという問題がありました。
これに対し、複数の時刻源からPTP信号を受信する複数のポート、これらを選択する選択部、時刻同期処理をおこなう時刻同期部を備えた通信装置であり、さらに時刻同期の精度を低下させる事象(DoS攻撃、リソース不足など)を検出する検出部と、その脅威情報をネットワーク全体のノードを管理する通信管理装置へ送信する送信部、通信管理装置から最適なポートを推奨する情報を受信する受信部を備え、選択部が受信した推奨情報と各時刻源の優先度に基づき最適なポートを選択して時刻同期処理を実行することにより、セキュリティ脅威やリソース不足時においても時刻同期を維持し、無線アクセスネットワークの安定性と通信品質を向上させる通信装置が開発されています(以下URL)。
無線アクセスネットワークにおける時刻同期の精度低下を抑制する通信装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7701671/15/ja
関連する専門分野の例:情報セキュリティ(PTP通信におけるDoS攻撃、なりすまし、データ改ざんといった脅威の検知精度を高めるための機械学習を用いた異常検知システムの設計、脅威が検出された際に通信管理装置が推奨する経路へ安全に切り替えるための認証・認可プロトコルの設計)、情報通信工学(複数のPTP時刻源とPTPノード間の接続状況や通信品質(遅延、ジッターなど)をリアルタイムで測定・分析してネットワーク全体の時刻同期状況を可視化する監視システムの設計・構築、ネットワークトポロジ、各リンクの品質、ノードのリソース状況などを考慮した経路最適化アルゴリズムの設計)
従来の技術では、インターブロックチェーンネットワーク全体の異常を精度良く検知することが困難でした。
これに対し、自装置とブロックチェーンネットワークを接続する複数のゲートウェイ部のうち、特定のゲートウェイ部を介してトランザクションを送信した場合の応答時間を取得し、過去の応答時間を統計処理して基準値を設定し、現在の応答時間がその基準値以上である場合にブロックチェーンネットワークとそのゲートウェイ部を含む環境に異常があると判定することにより、インターブロックチェーンネットワーク全体の異常、ゲートウェイ部や通信ネットワークやブロックチェーンノードの異常を検知する情報処理プログラムが開発されています(以下URL)。
ブロックチェーンネットワークの異常検知する情報処理プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7678399/15/ja
関連する専門分野の例:ソフトウェア工学(ゲートウェイ部とブロックチェーンネットワーク間のトランザクション監視や応答時間取得のための高効率なソフトウェアモジュールの設計、異常検知ロジックや基準値設定アルゴリズムを組み込んだ堅牢な情報処理プログラム、システムの障害発生時においてもサービスを継続するためのフォールトトレラントな設計)、データサイエンス(過去のトランザクション応答時間データに基づいた動的な基準値設定モデルの設計と検証、複数のゲートウェイや通信経路からの応答時間を総合的に評価して異常の種類を識別するパターン認識モデルの構築、検出された異常に対するリスク評価指標の定義とその評価モデルの設計)
従来の技術では、マルチキャストグループへの参加・離脱が頻繁に発生するとルータの処理負荷増大や帯域の輻輳が起こる問題がありました。
これに対し、対向装置との通信に必要なアドレス情報とストリーム配信時の通信ポリシー(許可情報、ステータス情報などを含む)を保存し、パス生成のトリガを検出した場合にこれらの情報に基づいて中継網に最適なパスを生成することで、ネットワークリソースを効率的に管理し、帯域輻輳を抑制する伝送装置が開発されています(以下URL)。
ストリーム配信におけるネットワーク帯域の輻輳を抑制する伝送装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7648434/15/ja
関連する専門分野の例:通信工学(伝送装置間の動的なパス生成・制御メカニズムの設計とそれが中継網の帯域利用効率に与える影響の評価、ポリシー情報に基づいたパス生成プロセスのロバスト性の検証とさまざまなネットワーク環境下での通信安定性の評価)、ソフトウェア工学(アドレス情報、ポリシー情報、マルチキャスト情報などの各種データを管理するためのデータベーススキーマ設計とそれにアクセスするモジュールの実装、GMP、RSVP-TEなどのプロトコル処理部やポリシー管理部、パス管理部といった制御部の中核となるソフトウェアコンポーネントの設計)
従来の技術では、通信システム内の各通信装置が異なるロギング機能を持ち、異常発生時に統一的なログ収集が困難なため異常事象の特定に時間を要するという問題がありました。
これに対し、自装置の動作を記録するロギング処理部、自装置の異常を監視し検知する制御部を備えた複数の通信装置(第1および第2の通信装置)で構成さた通信システムであり、いずれかの通信装置で異常が検知された場合、その通信装置がロギング処理を停止するとともに他の通信装置へロギング停止を指示するトリガ信号を生成・送信し、トリガ信号を受信した他の通信装置も自装置のロギング処理を停止することにより、異常発生時の各通信装置のログがほぼ同時に停止されるため異常発生直前の統一されたログデータを効率的に取得でき、迅速かつ効率的な異常事象の特定ができる通信システムが開発されています(以下URL)。
複数の異なるベンダーの通信装置が混在する通信システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7622505/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(通信装置内部のセンサーや監視モジュールからの異常データを高精度で取得するためのアナログ・デジタル回路設計、トリガ信号を確実に生成・伝送するための信号処理アルゴリズムの設計、異なるベンダーの通信装置間での相互運用性を保証する物理層およびデータリンク層のインターフェース仕様の策定と検証)、情報科学(各通信装置から収集されるログデータを効率的に格納・検索するための分散データベースシステムの設計、異常発生直前のログデータから、異常の種類や根本原因を自動的に識別するための機械学習アルゴリズムの設計、異常検知後のログ解析プロセスを自動化してオペレータへのアラートやレポーティングをおこなうためのデータ可視化ツールとユーザーインターフェースの設計)
(4)H04W|開発トレンドと専門性

H04Wは無線通信に関する分類です。
従来のシステムでは、端末がネットワークに接続する際のランダムアクセスプロセス(電波を使って基地局に通信を始めたいことを知らせ接続を確立するための最初のやり取り)において、異なる接続方式が混在すると端末が自分宛てではない応答を誤って認識してしまうという問題がありました。
これに対し、ランダムアクセスプリアンブル(端末が基地局へ送る「通信したい」という最初の短い信号)を送信する送信部、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を決定し、応答を待つための監視期間(モニタリングウィンドウ)の開始を制御する制御部、その期間内でRNTIを用いて下り制御情報を検出して応答を受信する受信部を備えた端末装置であり、制御部がプリアンブル送信時に上りリンク共有チャネルを送信しなかった場合でもモニタリングウィンドウの位置を変更しないように制御することにより、4ステップランダムアクセスで実際に使用されるRNTIとは異なる新しいRNTIを用いることで、端末が自分宛てではない応答を誤認することを回避できる端末装置が開発されています(以下URL)。
5Gなどの次世代無線通信における端末装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643500/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(端末の送信部と受信部におけるRF(高周波)回路、ベースバンド回路およびA/D・D/A変換器の設計、信号処理アルゴリズムの実装およびリアルタイム処理性能の評価、複数の端末や基地局からの信号が混在する環境(マルチパス環境など)における信号伝搬特性を考慮したシミュレーションおよび誤り率を最小化するための信号処理パラメータの決定)、情報科学(ランダムアクセスプロセスにおけるRNTIの割り当てアルゴリズムやモニタリングウィンドウの同期メカニズムの設計、システムの遅延や衝突確率を最小化するための数理モデルの構築、下りリンク制御情報の符号化・復号化における巡回冗長検査のビット誤り率や誤検出率の評価および効率的かつ堅牢なデータ伝送のための符号設計)
既存の技術では、広い帯域幅を持つ新しい無線環境において、端末が単一のキャリア全体でチャネルの状態(アイドルかビジーか)を検出するため、データ伝送の開始が遅れるという問題がありました。
これに対し、受信部が、1つのキャリア内の2つ以上のアップリンク帯域幅がアイドルであると判断された場合にアップリンク伝送を指示する情報を受け取り、検出部がその指示に基づいてキャリア内の複数の帯域幅に対して個別にチャネルの状態を検出し、最後に送信部が検出された帯域幅がすべてアイドルである場合に、それら2つ以上の帯域幅の少なくとも1つを使用してアップリンク伝送をおこなうことにより、端末はチャネル検出をより細かく実行できるため、アンライセンス周波数帯域でのデータ伝送をより迅速に開始または完了できるようになる端末装置が開発されています(以下URL)。
アンライセンス周波数帯域におけるアップリンク伝送方法に関する端末装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7694611/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(端末の送受信部における高周波回路、ベースバンド回路およびA/D・D/A変換器の設計、複数の帯域幅ユニットからの信号を効率的に検出・合成するための信号処理アルゴリズム設計)、情報工学(複数の帯域幅ユニットを用いたチャネル検出と伝送を制御するMAC層(メディアアクセス制御層)プロトコルの設計とシミュレーション、端末がアップリンク伝送をおこなう帯域幅を選択する際の自律的な最適判断をおこなうアルゴリズムの設計、端末の能力報告やネットワークからの指示情報などシステム全体の情報連携メカニズムの設計)
既存の5G-NRシステム(第5世代移動通信システム(5G)の無線通信部分の国際標準規格)では、低遅延かつ高信頼性が求められる特定のサービスにおいて、DCI(基地局が端末にデータ送受信のタイミングや方法を指示する制御情報)が下りリンク信号と上りリンク信号のどちらをスケジューリングするか、また、その際の信号受信に必要な情報をどのように指示するかについて、明確な解決策が存在せず、さらにDCIとスケジューリングされる信号との間の時間的なオフセットと閾値の関係が不明確であるという問題がありました。
これに対し、スケジューリングオフセットを指示する情報を含む下りリンク制御情報(DCI)を受信する受信部と、そのオフセットに対応するQCL情報(異なる信号でも無線チャネル特性が似ているとみなせるという仮定(準同位置関係)を示す情報)に基づいて、DCIによってスケジューリングされる下りリンク信号を受信するように制御する制御部を有する端末装置であり、受信したDCIのスケジューリングオフセットと、特定のサブキャリア間隔で確定された閾値を比較することで、下りリンク信号の受信タイミングと方向を正確に調整し、通信信頼性を高める端末装置が開発されています(以下URL)。
オフセット情報で下り信号受信を制御する端末装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7505619/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(DCIのコンパクト化(ビット数削減)が信号品質に与える影響の評価、最適な変調符号化方式と冗長バージョンの組み合わせの決定、サブキャリア間隔やスケジューリングオフセットの変化が端末の信号検出性能やQCL仮定の適用に与える影響の分析、受信機のデジタル信号処理アルゴリズムの最適化)、情報科学(DCIのフォーマットやフィールド構造を高信頼性・低遅延サービス要件に合わせて設計、ビット数を削減しつつ必要な情報伝達を保証するメカニズムの構築、スケジューリングオフセットとQCL情報、空間関係、パスロス参照信号といった情報の連携、端末がDCIに基づいて最適な送受信判断をおこなううためのプロトコルロジックの定義)
既存の5Gシステムでは、IoTサービスの拡大に伴いURLLC(超高信頼低遅延通信)のような小容量データの高速・低遅延伝送が求められています。しかし、小容量データではMACヘッダ(データを正しく送受信するためにデータ本体の前に付加される制御情報)がデータ全体に占める割合が大きくなり、ヘッダによるオーバーヘッド(余分な処理やコスト)が通信遅延の原因となる問題がありました。
これに対し、第1種別のデータと第2種別のデータを送信する送信部と、これらを多重する制御部を有する送信装置であり、制御部が第2データに適用するMACヘッダとしてデータ長を示すフィールドを含まず、予約ビットフィールド(将来の機能拡張のために現時点では特定の目的を持たせずに空けておく領域)とLCIDフィールド(データの種類やどの論理チャネルを通して送られたデータかを識別するための番号が設定される領域)(LCID:Logical Channel Identifier)で構成される特定のMACヘッダパターンを複数の中から選択し、さらに、選択したMACヘッダを示すLCIDを複数のLCIDから選択し、MACヘッダのLCIDフィールドに設定することにより、MACサービスデータユニット(MAC層が上位層から受け取る実際に送信したいデータ本体)を含むMACプロトコルデータユニット(MAC層が送受信のために独自に構成するヘッダやフッタなどが付加されたデータブロック全体のこと)を構成し、第1データと第2データを多重化して送信し、MACヘッダのデータ量を削減し、ヘッダ送信によるオーバーヘッドを低減する送信装置が開発されています(以下URL)。
5Gシステムにおける送信装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7572642/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(データ長を省略したMACヘッダや予約ビットフィールド、LCIDフィールドの構成を効率的に処理するためのデジタル回路設計、集積回路においてヘッダ処理を低遅延かつ低消費電力で実現するための論理回路設計)、情報科学(複数のMACヘッダパターンから最適なものを選択するロジック、LCIDの割り当てと管理、異なる種類のデータを効率的に多重化するスケジューリングアルゴリズムの設計、プロトコルやアルゴリズムが実際に通信環境下で期待通りの性能を発揮するかどうかの検証)
(5)G06T|開発トレンドと専門性

G06Tはイメージデータ処理に関する分類です。
従来の技術では、画像から人の関節などの3次元座標を特定する際に誤認識やノイズによって精度が低いという問題がありました。例えば、左右の関節を誤認したり、関節間の距離が不自然に変化したりすることがありました。
これに対し、対象者の部位の位置を含む骨格情報の時系列データを取得し、次に時系列データの特徴量に基づき特定の時点の骨格情報において位置が異常な部位を特定し、その異常な部位の位置を異常である確率の大きさに応じて制約する確率分布モデルを決定し、時点ごとの部位の位置を示すノードと生体的に連結する部位を示すノード同士を接続するエッジを含むグラフを生成し、異常な部位のノードに決定したモデルを対応付け、最後に生成したグラフに基づいて時系列データにおける骨格情報を修正することにより、対象者の骨格情報を時間的・構造的な整合性を考慮して高精度に特定する情報処理プログラムが開発されています(以下URL)。
対象者の部位の位置を特定可能にする情報処理プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7684622/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(画像認識技術を用いて多視点画像から対象者の関節の3次元座標を推定する部分や推定された骨格データの中から異常な状態(例:不自然な関節の角度や位置)を自動で検出する異常検知アルゴリズムの設計、検出された異常に基づいて時系列的な連続性や人体の構造的制約(骨の長さなど)を考慮して最も妥当な骨格姿勢を算出する最適化アルゴリズムの実装)、応用数学(異常な部位の発生確率やその位置の制約を記述するための確率分布モデルの定式化、時系列データの時間的な整合性や身体部位間の生体力学的な関係性を数学的に表現するモデルの構築およびそれらのモデルに基づいた最適化問題の定式化と解法の探索)
従来の技術では、映像中に複数の行動が含まれる場合や目的外の行動が混在する場合に指定した行動の時間区間を正確に検出することが困難でした。
これに対し、人の行動を撮影した映像から時系列的な特徴量を抽出し、次にその映像の一部区間である候補区間に対し、第1の機械学習モデルにより要素行動区間を推定し、さらに、この推定された複数の要素行動区間を組み合わせることで評価区間を複数設定し、これらの評価区間に対応する時系列特徴量を第2の機械学習モデルにより評価区間ごとの評価結果を取得(第1と第2の機械学習モデルを異なるものとすることで要素行動区間の推定と評価値の算出の目的が明確に分離)し、最後に候補区間内に設定された複数の評価区間の各評価結果に基づいて候補区間が検出対象の行動区間であるか否かを判定することにより、粗い粒度での評価が可能となる行動区間検出プログラムが開発されています(以下URL)。
行動を撮影した映像から指定された行動の時間区間を検出する行動区間検出プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7677455/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(映像データから人の姿勢や動きといった特徴量を抽出するアルゴリズムの設計、抽出された特徴量を用いて要素行動や複合行動を識別する機械学習モデルの構築と訓練)、データサイエンス(多様な環境下で撮影された映像データから、行動識別のための特徴量の選定と前処理手法の検討、機械学習モデルのハイパーパラメータの最適化やモデル評価指標の設計、モデルが誤検出や未検出を起こす原因を特定するためのデータ駆動型分析)
従来の技術では、事前に学習していない未知の物体を個別に識別して検出することが困難でした。
これに対し、物体が配置されていない背景画像と物体が配置された対象画像を取得し、特徴抽出モデルにより中間特徴量を生成し、次に中間特徴量を生成モデルに入力することで背景画像には存在しないが対象画像には存在する物体の領域を示すマスク画像を生成し、このマスク画像と中間特徴量を推定モデルに入力することで、学習済みモデルにない未知の物体であっても背景との差分から物体の存在を検出できる推論プログラムが開発されています(以下URL)。
て背景画像に存在しないで対象画像に存在する物体を検出する推論プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7687186/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(ディープラーニングモデルを用いて画像から物体の特徴を効率的に抽出するモデルアーキテクチャの選定と最適化、背景画像と対象画像の差分を効果的に捉えてマスク画像を生成するアルゴリズムの設計、生成されたマスク画像と特徴量を基に個々の物体を正確に識別して位置を特定する物体検出モデルの構築と評価)、電子情報工学(カメラなどの画像センサーから取得される生の画像データを効率的にデジタル信号に変換・処理するための信号処理回路の設計、大量の画像データを高速で処理するために必要な計算リソースの選定と最適化、機械学習モデルを実際に動作させるための組み込みシステムや並列処理環境の設計)
従来の表情推定では、専門家によるアノテーションが困難でコンピュータが顔画像から微細な表情変化を正確に捉え、自動判定することが困難でした。
これに対し、顔に付与された第1および第2のマーカを含む画像を取得し、これらのマーカの画像上の位置を特定し、次に特定された第1マーカの現在位置と基準位置との差分および第1・第2マーカ間の現在の位置関係と基準位置関係との差分を算出し、これらの差分に基づき顔における特定の表情(アクションユニット)の発生強度を数値として判定することにより、人の判断を介さずコンピュータが画像から直接、微細な表情変化に対応した発生強度を自動で判定できるプログラムが開発されています(以下URL)。
顔に付したマーカの位置と位置関係の変化から特定の表情の発生強度を判定するプログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7673615/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(画像データからマーカを正確に検出する画像処理アルゴリズムの設計、複数のマーカ間の相対的な位置関係の変化量を算出する幾何学的計算ロジックの実装、表情の発生強度を定量的に判定するための判定基準の設定と最適化、システム全体を統合して効率的に動作させるためのプログラムコードの記述)、電子工学(微細な顔の動きやマーカの位置を高精度に検出できるカメラやその他のセンシングデバイスの選定と最適化、センサーから得られるアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路の設計、得られたデジタル信号からノイズを除去して必要な情報を抽出するためのデジタル信号処理の回路設計やファームウェア設計)
(6)G06N|開発トレンドと専門性

G06Nは計算装置に関する分類です。
量子コンピュータのオブザーバブル測定では、同時測定可能なオブザーバブルをまとめたクリーク(同時に測定可能なオブザーバブルのまとまり)の数が少ないほど効率的ですが、オブザーバブル数が多い場合にイジングマシン(組合せ最適化問題を高速に解く特殊な計算機)のビット数制限により効率的なクリーク生成が困難でした。
これに対し、まず測定対象オブザーバブルからイジングマシンのビット数に応じた第1群を抽出し、イジングマシンで第1のクリークを生成し、次にこの第1のクリークに含まれないオブザーバブルの中から第1のクリークとの同時測定が可能なオブザーバブルを優先的に選択して第2群を生成し、第1のクリークと第2群の和集合に対して再度イジングマシンで第2のクリークを生成し、この第2のクリーク生成処理を所定の終了条件が満たされるまで繰り返し、より多くのオブザーバブルを含むクリークを段階的に確定することにより、イジングマシンのビット数制限を緩和しつつ1つのクリークに含まれるオブザーバブル数を最大化することで最終的に生成されるクリーク数を削減し、量子コンピュータによるオブザーバブル測定の効率を向上させるパーティショニングプログラムが開発されています(以下URL)。
複数量子ビットオブザーバブルのパーティショニングプログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7667523/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(イジングマシンと連携するためのAPI利用や計算資源(ビット数、結合度)の制約を考慮した効率的なデータ構造・アルゴリズム設計、さまざまな量子ビット数とオブザーバブル数を持つシミュレーションデータセットや量子化学計算・最適化問題から生成される現実的なオブザーバブル群に対するクリーク数削減効果と計算時間(パーティショニングにかかる時間)の評価)、データサイエンス(多数のオブザーバブルとその同時測定可能性の関係のグラフ構造の解析およびグラフの特性(例:密度、連結性、次数分布)が生成されるクリーク数や最適化の難易度にどのように影響するかの分析、イジングモデルのハミルトニアンにおけるペナルティ項の係数や反復回数などのパラメータが、解の品質(クリーク数)と収束速度に与える影響の最小化)
従来の触媒探索は膨大な時間と労力を要し、AIを用いた高速化も探索軸の設定や特徴量抽出の手動作業に起因する精度低下や探索漏れが問題でした。
これに対し、まず物質の原子配列に基づき、表面構造に関連する特徴量をコンピュータに自動で抽出させ、次に抽出した特徴量と原子配列情報を説明変数、物質に生じる化学反応に関する情報を目的変数とする訓練データを用いて機械学習モデルの訓練を実行し、このモデルは入力された説明変数から化学反応情報を予測できるよう学習されて訓練が完了すると、各特徴量が目的変数に与える影響度(因果関係)を自動で抽出することにより、触媒探索における特徴量設計や探索軸選択といった専門家の高度な判断を必要とするプロセスを自動化し、人手では困難な膨大な探索範囲の絞り込みを高速に実現する機械学習プログラムが開発されています(以下URL)。
触媒組成を探索する機械学習プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7708310/15/ja
関連する専門分野の例:化学(さまざまな原子配列や表面構造を持つ物質の反応エネルギー、吸着エネルギー、遷移状態構造などの化学反応に関するデータの算出、機械学習モデルが抽出した表面構造の特徴量と化学反応性の因果関係が既存の化学的知見(例:ルイス酸・塩基性、電子状態、表面欠陥の種類など)とどのように一致・乖離するかの評価およびモデルの化学的妥当性の検証)、情報科学(物質の原子配列情報、抽出された表面特徴量、化学反応情報といった多種多様なデータを格納・管理するためのデータベースシステムの設計および高速なデータアクセスと整合性を保証するアーキテクチャの構築、機械学習モデルの訓練や予測、因果関係抽出といった計算負荷の高い処理をGPUや分散コンピューティング環境で効率的に実行するための並列処理アルゴリズムの設計や最適化)
グラフデータを用いたAIでは、効率的な特徴量(グラフレット)選択が難しく、単純に削減すると予測精度が低下したり、重要な特徴を見落とす可能性がありました。
これに対し、まずコンピュータに予測対象のグラフから複数の部分グラフ構造の出現頻度を算出させ、次に訓練済みの機械学習モデルの予測結果に対するノードまたはエッジごとの寄与度に基づき、各部分グラフ構造の説明スコアを算出し、出現頻度の平均、標準偏差、説明スコアの平均の積を各部分グラフ構造の評価値として算出し、この評価値が大きい順に部分グラフ構造をリストに追加し、その都度、リストに含まれる部分グラフ構造でベクトル化したグラフを入力とした際の機械学習モデルの精度を算出し、精度の変化が所定条件を満たした場合(例:精度が上がらなくなった場合)、その時点のリストに含まれる部分グラフ構造を選択し、さらにリスト内の部分グラフ構造間で相関性が高いものがあれば説明スコアが低い方を削除することにより、予測に有意に寄与する部分グラフ構造のみを選択し、グラフデータを用いた機械学習の予測精度と説明性の両立を実現する部分グラフ構造の最適選択プログラムが開発されています(以下URL)。
グラフデータを用いた機械学習におけるグラフ特徴量の最適選択プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7694809/15/ja
関連する専門分野の例:データサイエンス(評価指標(出現頻度、説明スコア、その積)を組み込んだ新しい特徴量選択アルゴリズムの実装、予測モデル(訓練済み機械学習モデル)が特定のノードやエッジあるいは部分グラフ構造に対してどの程度寄与しているかを定量化する寄与度算出アルゴリズムの設計およびその精度と計算効率の評価)、応用数学(与えられたノード数制限(例:3、4、5ノード)の下で全ての可能な非同型部分グラフを効率的に列挙するアルゴリズムの設計、大規模な予測対象グラフから列挙された各部分グラフ構造が何回出現するかを高速にカウントするアルゴリズムの設計)
従来の仮説解釈では、仮説が既存知識か否かしか判断できず、既存知識でない仮説の解釈が不十分でした。
これに対し、まず解釈対象の仮説を受け取り、次に複数のリソースとその関係を示す知識ごとにその知識の根拠となる情報と仮説解釈に用いるルールを紐づけたルール識別子を格納する第1の記憶部から当該仮説に対応する根拠情報とルール識別子を取得し、続いて各ルール識別子に対し、そのルールと仮説が既存知識であることの確からしさを含む第2の記憶部から対応する既存知識であることの確からしさを取得する処理をコンピュータに実行させることで仮説が既存知識と合致するか、矛盾するか、あるいは新発見であるかを多角的に解釈することを可能にする情報処理プログラムが開発されています(以下URL)。
統計的に抽出された仮説を既存の知識とルールに基づいて解釈する情報処理プログラム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7652337/15/ja
関連する専門分野の例:数理科学(統計的に得られた仮説の妥当性の数学的な評価、既存の知識との関連性や新規性を定量的に分析するためのモデルとアルゴリズムの設計、仮説と既存知識の確からしさについて確率論や推論の枠組みを用いた定義およびその信頼性の検証)、情報科学(複数のリソースとそれらの関係、知識の根拠情報、ルール識別子などを効率的に格納し、高速な検索・取得が可能なデータ構造の選定およびスキーマの設計、仮説解釈のために必要なクエリ(例: 「合致知識取得クエリ」「矛盾知識取得クエリ」)の最適化)
(7)H01L|開発トレンドと専門性

H01Lは半導体に関する分類です。
従来の半導体装置では、電極形成時のエッチングにより半導体層の側面が露出し、電極と半導体層が短絡し性能が低下する問題がありました。
これに対し、基板上に半導体層が形成され、その半導体層の基板と反対側がシリコンを含有する第1絶縁膜で覆われ(第1絶縁膜には電極を設けるための開口部が形成)、半導体層の側面(基板と平行な方向に面する側面)とその側面に設けられる電極との間に金属元素を含有する第2絶縁膜(エッチング耐性が高く、特に、フッ素系ガスを用いたドライエッチング時に生成するフッ化物の沸点が高い金属元素(例えばアルミニウム、ハフニウム、ジルコニウムなど、電気陰性度が1.8以下の金属元素)を含有)が設けられ、半導体層の側面を保護することにより、電極形成時のエッチングプロセスにおいて半導体層の側面が露出することを防ぎ、半導体層と電極との短絡を抑制する半導体装置が開発されています(以下URL)。
半導体装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7705048/15/ja
関連する専門分野の例:電子工学(半導体装置の電流-電圧特性、高周波特性、ノイズ特性といった電気的性能の測定・評価、短絡抑制効果がデバイス性能に与える影響の分析、半導体層の各層の厚さ、ドーピング濃度、絶縁膜の誘電率などがデバイスの電気特性(例:ゲート電圧-ドレイン電流特性、ピンチオフ特性、リーク電流)に与える影響の予測および最適な構造設計)、材料科学(第2絶縁膜に含有される金属元素の電気陰性度とフッ素系ガスに対するエッチング耐性の相関関係の解析、第1絶縁膜と第2絶縁膜の界面および第2絶縁膜と半導体層の界面における原子レベルの結合状態や欠陥密度の評価、プロセス温度や雰囲気条件が各層の結晶性、不純物拡散、応力に与える影響の評価)
従来の電子部品内蔵パッケージは、はんだ接合時の加熱で絶縁層からガスが発生し、パッドの剥離が生じることで十分な接合信頼性が得られないという問題がありました。
これに対し、絶縁層に電子部品が設けられた電子部品内蔵パッケージであり、はんだバンプ(電子部品と基板を電気的に接続するための小さなはんだの突起)に接する第1の面から絶縁層まで達する複数の開口部(絶縁層に接する第2の面側の開口面積が、第1の面側の開口面積よりも小さく形成)がパッドに形成され、この開口部によりはんだ接合時に絶縁層から発生するガスが効率よく排気され、パッドにかかる圧力を抑制され、電子部品内蔵パッケージと電子回路基板との熱膨張率差によって発生する熱応力を緩和するため、ガスの影響と熱応力の両面からパッドの剥離を防ぎ、接合信頼性を向上させた電子部品内蔵パッケージが開発されています(以下URL)。
電子部品内蔵パッケージ→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7623588/15/ja
関連する専門分野の例:電子工学(はんだ接合後の電気抵抗変化率、信号伝送特性(ミリ波・テラヘルツ波帯における損失など)、熱衝撃試験後の接続信頼性の評価、電子部品内蔵パッケージと電子回路基板間の熱膨張率差に起因する応力分布シミュレーション、はんだ接合時のガス発生・排出挙動のモデル化と解析)、材料科学(はんだ接合温度における絶縁層(ポリイミド、フェノール樹脂など)の主成分やコンタミ成分のガス化メカニズム、ガス発生量の評価、はんだ、パッド(銅、ニッケル、金などの単一金属または積層膜)、絶縁層間の密着強度、熱膨張率、熱拡散挙動の評価、ガス発生の少ない絶縁材料または密着性に優れるパッド材料(特に絶縁層との接合部分)の探索と評価)
従来の窒化物半導体装置では、動作周波数や動作電圧の増大に伴い、電流コラプス(半導体デバイスの動作中に電流が減少したりオン抵抗が増加したりする現象)を十分に抑制することが困難でした。
これに対し、電子走行層の上に電子供給層、第1バリア層、量子井戸層、第2バリア層、そして絶縁層が順に積層された構造の窒化物半導体装置であり、第1バンドギャップを持つ電子供給層に対し、第2バンドギャップを持つ第1バリア層のバンドギャップは大きく、第3バンドギャップを持つ量子井戸層のバンドギャップは第1、第2バリア層よりも小さく設計されており、第4バンドギャップを持つ第2バリア層のバンドギャップは第2バンドギャップ以上であり、かつ第1バリア層よりも薄く形成されている層構造により、高電位差で発生した電子が絶縁層側の界面準位に捕獲されることを抑制し、電子が量子井戸層を介して自由電子として移動するか、または2次元電子ガス層に戻ることを促進して電流コラプスを抑制する窒化物半導体装置が開発されています(以下URL)。
窒化物半導体装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7484785/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(窒化物半導体を用いたトランジスタ(HEMTなど)の回路シミュレーション、層構造や材料組成が電流コラプス特性、スイッチング速度、電力効率に与える影響の分析、実際に製造されたデバイスの電気的特性(電流-電圧特性、高周波特性、耐圧など)の測定および設計目標との比較評価)、応用化学(窒化物半導体(GaN, AlGaN, InGaNなど)の結晶成長プロセスにおける原料ガスの種類、流量、反応温度、圧力などの条件の最適化および欠陥の少ない高品質な薄膜を形成する技術の探索、異なる半導体層間や半導体と絶縁層(SiNなど)の界面における原子レベルの結合状態や不純物の影響の分析、電流コラプスの一因となる界面準位の形成を抑制するための表面処理や成膜プロセスの検討)
グラフェンを用いる電子装置では、グラフェンと電極との間のコンタクト抵抗が高く、グラフェンの特性を十分に活かせない場合がありました。
これに対し、グラフェンの表面に複数の孔を持つ電極を設けることで、電極とグラフェンの実効的な接触面積(エッジ部分)を増やし、コンタクト抵抗を低減することでグラフェンの持つ優れた電気的特性を最大限に引き出す電子装置が開発されています(以下URL)。
グラフェンと電極間のコンタクト抵抗を低減する電子装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7587132/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(グラフェンの品質(層数、欠陥密度、結晶性)が電極との接触特性に与える影響の評価および最適なグラフェン製造方法の検討、電極材料(金、チタン、クロムなど)とグラフェンとの界面における電子輸送特性を改善するための合金組成や積層構造の設計、異種材料間の界面における原子・分子レベルの構造、不純物、欠陥がデバイス特性に与える影響の解明およびそれらを制御する手法の検討)、電気電子工学(グラフェンと電極の幾何学的配置(孔の形状、サイズ、配置、櫛歯の間隔や幅など)がデバイスの電気特性(コンタクト抵抗、電流密度分布、発熱)に与える影響の解析および最適な構造設計、電子装置の電流-電圧特性、高周波特性、ノイズ特性、応答速度などの測定およびコンタクト抵抗低減の効果の評価)
(8)H04B|開発トレンドと専門性

H04Bは伝送に関する分類です。
従来のキャリブレーションはアンテナ間の位相ばらつきを補正するために多数回の調整が必要で、手間と時間がかかるという問題がありました。
これに対し、複数のアンテナを用いて無線通信をおこなう装置であり、キャリブレーション時には一つのアンテナを基準として他のアンテナをキャリブレーション対象とし、制御部は基準アンテナとキャリブレーション対象アンテナに送信信号を与え、特にキャリブレーション対象アンテナからの信号には所定の遅延量を付与して送信させ、受信装置側ではこの信号を受信して受信信号の電力ピークが持つ中心周波数からの偏差を観測し、制御部はこの偏差に基づき偏差を解消する適切な位相量を算出し、対応する移相器に設定してアンテナ間の位相ばらつきを補正することにより、複数回にわたる試行錯誤的な調整を不要とし、短時間でキャリブレーションを実現する無線通信装置が開発されています(以下URL)。
多アンテナ無線通信装置におけるアンテナ間の位相ずれを補正するキャリブレーション技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-150301/11/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(遅延部、移相器、分配回路、電力増幅器などの高周波回路部品の特性を考慮したアンテナ間の位相と振幅のばらつきを最小限に抑える回路設計、アンテナ素子間の相互結合や筐体などの周辺環境が電波伝搬に与える影響の評価、最適なアンテナ配置や回路構成の検討)、情報通信工学(基準アンテナとキャリブレーション対象アンテナから送信された信号の受信電力スペクトルから中心周波数に対するピークの偏差を検出するアルゴリズムの設計、キャリブレーションにおける送信装置と受信装置間のフィードバックループ(受信信号の電力スペクトル情報や補正位相量の送信)を効率的におこなうための通信プロトコルの設計)
従来の多アンテナ技術では、送信側も複数のアンテナが必要なため、装置の大型化が問題でした。
これに対し、単一のアンテナ素子とその周囲を回転する無給電素子を備えた無線通信装置であり、プロセッサがチャネル状態に基づいて信号送信に最適なサンプルタイミングを決定し、この決定されたサンプルタイミングは制御データとして無線送信部から受信装置へ通知され、さらに、プロセッサが決定したサンプルタイミングにおけるチャネル状態に応じた重み係数を用いて複数のデータ系列に対して重み付け処理を実行し、この重み付け処理された複数のデータ系列は無線送信部からアンテナ素子を介して送信されることにより、送信側もアンテナ数を増やすことなく無給電素子の回転によって作り出される周期的なチャネル変動を積極的に利用し、あたかも複数のアンテナがあるかのように仮想的なMIMO通信(複数のアンテナを使ってデータを同時にたくさん送受信する技術)を実現することで、装置の大型化を抑制しつつ伝送容量を増大させることが可能な無線通信装置が開発されています(以下URL)。
単一アンテナを用いた無線通信において伝送容量を増大させる技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7666728/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(無線通信で利用される高周波帯域における信号伝送特性を最大限に引き出すための遅延器や移相器といったRF (Radio Frequency) コンポーネントの回路設計および電気的特性(インピーダンス、損失、位相安定性など)の評価および最適化、電磁界シミュレーションなどによる物理的な配置や材料選定が回路性能に与える影響の解析)、情報工学(無線チャネルの変動特性を考慮した信号処理アルゴリズム(例:チャネル推定、等化、符号化復号化、多重化分離)の設計およびそれらを統合した無線通信システムの性能(スループット、遅延、信頼性)を最大化するためのアーキテクチャ設計)
従来、無線通信と衛星通信で周波数帯域が重複することで互いのシステム間で干渉が生じ、通信品質が劣化していました。
これに対し、複数のアンテナと無線送信部およびプロセッサを備えた無線通信装置であり、プロセッサが送信するデータに用いるビーム群を指定する情報を受け取り、このビーム群に含まれる少なくとも1つのビームを形成し、形成されたビームを含むビーム群全体の包絡線、つまりビームがカバーする範囲や形状を取得したビーム群指定情報に対応する補正係数(例えば、他の通信システムに干渉を与えない方向にビームが集中しないように包絡線の幅を狭めたり、逆に干渉のない方向を最大限に利用するために広げたりするもの)を用いて調整することにより、特定の方向への不要な電波放射を抑制し、他の無線通信システムへの干渉を低減することができる無線通信装置が開発されています(以下URL)。
複数のアンテナを用いる無線通信において他の無線通信システムへの干渉を低減する技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-098062/11/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(ビーム群の包絡線を補正するためのアンテナ素子ごとの重み係数(振幅と位相)を計算するアルゴリズムの設計および電波伝搬特性にどのように影響するかの解析、異なるアンテナ配置(例:線形アレイ、平面アレイ)におけるビームパターンとサイドローブレベルの評価、干渉低減効果を最大化するためのアンテナ設計パラメータ(素子間隔、素子数など)の決定)、情報工学(環境情報(例:衛星の軌道情報、他の基地局のビーム方向)に基づいて干渉を回避すべき方向を特定してその方向への電波放射を最小化するような補正係数をリアルタイムまたは準リアルタイムで算出する最適化アルゴリズムの設計、複数のビームを効率的に多重して各ビームの包絡線を個別にまたはまとめて制御するための信号処理アーキテクチャや基地局と端末間の制御情報の送受信プロトコルの確立)
従来、複数電力増幅器のフィードバック経路特性ばらつきで歪み補償が劣化し、個別補正は消費電力が増大する問題がありました。
これに対し、複数のアンテナ素子、それぞれのアンテナ素子に設けられた複数の電力増幅器、電力増幅器へ送信信号を出力するプロセッサおよび電力増幅器からプロセッサへフィードバック信号を戻す複数のフィードバック経路を備えた無線通信装置であり、プロセッサがまず複数のフィードバック経路それぞれのアナログ特性(ゲイン、位相、遅延、周波数特性など)を推定し、それらのばらつきを一括して補正するための一括フィルタ係数を算出し、この一括フィルタ係数を用いて送信信号またはフィードバック信号に一括補正を施し(プロセッサ内のばらつき補正部が、この一括フィルタ係数を持つ1つのFIRフィルタを介して送信信号を補正するか、あるいはフィードバック信号に逆特性を付与)、このように補正された送信信号と電力増幅器からのフィードバック信号とを用いてプロセッサ内の係数更新部が電力増幅器で発生する非線形歪みを補償するための歪み補償係数を更新することにより、個々のフィードバック経路ごとに補正器を設ける必要がなくなり、消費電力の増大を抑制しつつ歪み補償係数の精度を向上させ、結果として歪み補償性能の低下を防ぐ無線通信装置が開発されています(以下URL)。
複数の電力増幅器を持つ無線通信装置においてフィードバック経路のアナログ特性のばらつき補正により電力増幅器の非線形歪み補償性能を向上させる技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-071349/11/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(異なる電力増幅器のタイプにおける非線形歪みの実測およびそれらを表現する数学的モデルの構築、フィードバック経路におけるアナログ部品(例:ミキサ、フィルタ、アンプ)の温度特性や経年劣化による特性変動を考慮した回路シミュレーションと実機での測定による検証)、情報工学(フィードバック経路のゲイン、位相、遅延、周波数特性を一括して推定して補正するフィルタ係数を導出するアルゴリズムの設計、さまざまな信号変調方式やチャネル環境下でのシミュレーションと検証)
(9)H04|開発トレンドと専門性

H04Nは画像通信に関する分類です。
全領域に同一の圧縮率しか設定できない既存装置では、AI認識に最適な圧縮率でデータを縮小するとAIが着目しない領域の画質が損なわれ、人間が画像として利用できなくなる問題がありました。
これに対し、まず決定部が画像データ中のAI認識に必要な対象領域と、それ以外の非対象領域を特定し、それぞれの領域に適した量子化値(圧縮率)を決定し、次に第1符号化部が画像データ全体を対象領域の量子化値で符号化して第1符号化データを生成し、第2符号化部が画像データ全体を非対象領域の量子化値で符号化して第2符号化データ(異なる用途(AI認識用と表示用)に最適化された情報を含む)を生成し、その後、再構成部が第1符号化データを復号して得られたデータから対象領域の画像を抽出し、第2符号化データを復号して得られたデータから非対象領域の画像を抽出し、これら抽出された対象領域と非対象領域の画像を合成し、再構成画像データを生成し、最後に再符号化部がこの再構成画像データを、対象領域はAI認識に最適な量子化値で、非対象領域は表示に適した量子化値で再符号化して再符号化データを生成することにより、AI認識に必要な対象領域は高精度を保ちつつ人間が利用する非対象領域も適切な画質で表示できるようになる画像処理システムが開発されています(以下URL)。
AIによる認識処理に利用される画像を伝送する画像処理システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7700956/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(高速な画像符号化・復号処理を実現するための特定用途向け集積回路やプログラマブルロジックデバイスの設計、低消費電力で安定した画像データ伝送を可能にする通信プロトコルの検討と実装、ノイズによる画像品質劣化を最小限に抑えるためのアナログ・デジタル変換およびデジタル・アナログ変換回路の最適化、ハードウェアとソフトウェア間のインターフェース設計)、情報科学(既存の画像符号化規格における量子化パラメータの最適化、AI認識対象領域と非対象領域で異なる圧縮率を適用する適応型符号化アルゴリズムの設計、深層学習を用いたAI認識モデルの選定と学習データの設計、大量の画像データを効率的に格納・管理するためのデータベース設計、システム全体のスループットを最大化するためのデータパイプラインの設計とボトルネック解析)
近年のAI技術の進化によりディープフェイクを用いたなりすまし詐欺が社会問題化しており、従来の単純な過去と現在の挙動比較では、AIが訓練データから頻度の高い挙動を再現できてしまうためなりすましを正確に判定できないという問題がありました。
これに対し、遠隔会話の参加者のアカウントに紐付けられた現在のセンシングデータを受け取ると、その参加者の過去のセンシングデータから抽出された出現頻度が低い(第1基準値未満の)動作、音声または状態の特徴情報を取得し、現在のセンシングデータから抽出したその特徴情報と過去の低頻度特徴情報との一致度(マッチングスコア)を算出し、その一致度に基づいてなりすましの判定をおこない(一致度が低い(第2基準値未満の)低頻度特徴情報のペアの数が一定数(第3基準値)未満である場合になりすましであると判定)、主催者に通知することで、遠隔会話におけるなりすましの検知精度を向上させる判定方法が開発されています(以下URL)。
遠隔会話におけるなりすましの判定方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7697535/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(音声認識技術を用いたフレーズの検出アルゴリズムの改善、画像認識技術を用いた顔や骨格の特徴点抽出精度の向上、低頻度特徴情報を効率的に特定するための統計的分析、ディープラーニングを用いたなりすまし判定モデルの設計、リアルタイム処理におけるデータ転送と処理のボトルネック解析)、認知科学(発話の癖、非言語的コミュニケーション(ジェスチャー、表情の変化)、声質の特徴など個人に固有の行動パターンを特定するための行動分析、心理学的アプローチを用いた不自然さの定量化と評価指標の策定、ディープフェイク生成における人間の認知特性を考慮した脆弱性の分析、判定結果が人間の直感と合致するかどうかのユーザビリティ評価)
従来、1つの画像データに対して複数のAI処理を行う場合、それぞれのAI処理に最適な画質(限界圧縮率)が異なるため、特定のAI処理に合わせた圧縮をおこなうと他のAI処理の精度が低下する問題がありました。
これに対し、画像データを符号化する符号化部、符号化された画像データを復号する復号部、復号データに対して複数のAI処理を逐次または並列に行う処理部を備えた画像処理システムであり、精度監視部が各AI処理の結果が所定の精度を満たしているかを監視し、もし精度が低下した場合には圧縮率マップ生成部がその処理に必要な画質を提供するように圧縮率を動的に調整した圧縮率マップを生成し、この圧縮率マップに基づいて符号化部が画像データを符号化することで複数のAI処理のいずれにおいても適切な精度が得られるような復号データを生成することを可能にする画像処理システムが開発されています(以下URL)。
AIによる複数の処理において利用可能な復号データを生成できるようにする画像処理システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7670149/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(AI処理の要求に応じた適応的な符号化パラメータ制御の設計、符号化された画像データを効率的に伝送するためのネットワークプロトコルの選定、データストリーミングにおける遅延の最適化の検討)、電子情報工学(画像データの取得元である撮像装置の選定、画質、解像度、フレームレートなどの仕様が後段のAI処理に与える影響の評価、AI処理をおこなうためのプロセッサの選定およびハードウェアアクセラレーション機能を最大限に活用するためのAIモデルの最適化)
従来技術では無線環境変化への追従性や可用帯域推定の精度に課題がありました。
これに対し、無線伝送路からの受信信号強度(RSSI)とデータ伝送の可用帯域との対応関係を示す関係情報を記憶する記憶部、通信制御を行う制御部を備たシステムであり、制御部が画像送信装置との通信時にRSSIの測定値を取得し、記憶部の関係情報を用いて第1の可用帯域を推定し、この推定された可用帯域に基づき画像送信装置の画像データ伝送レートを調整する制御情報を生成して送信し、画像送信装置からこの制御情報が反映された画像データを受信すると、その画像データに基づき第2の可用帯域を測定し、最後に第1と第2の可用帯域の比較結果に基づいて記憶部の関係情報を最適化し、RSSI測定値に基づくリアルタイム性の高い可用帯域推定と受信画像データに基づく正確な可用帯域測定を組み合わせることで無線環境の変化に高精度かつリアルタイムで対応した画像伝送レート制御が可能となる画像伝送制御システムが開発されています(以下URL)。
画像伝送レート制御のリアルタイム性を高めた画像伝送制御システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7510102/15/ja
関連する専門分野の例:通信工学(さまざまな無線環境下での実測データに基づいた伝搬損失モデルの改善やノイズ・干渉の影響を考慮した可用帯域推定アルゴリズムの設計、画像送信装置への制御情報の伝達遅延や再送処理がシステム全体のリアルタイム性に及ぼす影響の評価、低遅延な制御プロトコルの設計)、制御工学(RSSIに基づく可用帯域の推定値と受信画像データに基づく可用帯域の測定値の乖離を最小化するための適応制御アルゴリズムの設計、制御ループの応答特性の解析、遅延時間の自動測定機能を含むパラメータチューニング手法の最適化)
(10)H05K|開発トレンドと専門性

H05Kは電子回路基板などに関する分類です。
従来の配線基板では、高温環境下で配線層の金属成分が拡散し、配線抵抗が上昇するという問題がありました。
これに対し、配線層の上に配線層の金属成分の拡散を防止する拡散防止層、その上に卑金属層、さらにその上に不動態層がこの順で積層された多層構造の配線を特徴とする配線基板であり、拡散防止層は配線層の金属成分を含む合金で構成され配線層からの金属拡散を抑制し、卑金属層は高い硬度と融点は物理的衝撃や熱拡散から配線を保護し、卑金属層の表面に形成される不動態層は加熱による酸化膜の厚み増加を抑制し、配線抵抗の上昇を防ぐ配線基板が開発されています(以下URL)。
配線の抵抗上昇を抑制することができる配線基板→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7279496/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(各層の候補材料について熱力学的安定性、拡散係数、電気伝導性、機械的強度などの物性値の評価、高温環境下での各層間の界面反応の原子レベルでの解析および拡散抑制メカニズムの解明、無電解めっきやスパッタリングなどの成膜プロセス条件(浴組成、温度、時間、電流密度、熱処理条件など)が各層の膜質(結晶構造、粒径、欠陥密度)や層間密着性、均一性に与える影響の評価および抵抗上昇抑制効果を最大化するプロセスパラメータの最適化)、電子工学(試作した配線基板の配線抵抗値、絶縁抵抗値、静電容量、インダクタンスなどの電気的特性の測定、高周波特性や信号伝送遅延、ノイズ特性の評価および高速・高機能半導体デバイスへの適用可能性の検証、半導体素子との接合プロセスにおける配線基板の適合性の評価、接合信頼性(例:接合強度、接触抵抗の安定性)を向上させるためのプロセス条件の最適化)
従来の電子装置では、電子ユニットの重量で筐体下壁部が撓み、下段装置と干渉する可能性がありました。
これに対し、複数の電子ユニットを収容するユニット収容室を幅方向に有する筐体を備えた電子装置であり、筐体において隣り合うユニット収容室を仕切る仕切部材が上壁部から吊り下げられ、電子ユニットの幅方向の一端部を支持し、筐体の側壁部からユニット収容室内へ延出し、下壁部と間隔を空けて配置される支持部が電子ユニットの幅方向の他端部を支持する支持構造により、電子ユニットの荷重が筐体下壁部へ直接かかることを抑制し、下壁部の撓みを低減する電子装置が開発されています(以下URL)。
筐体下壁部の撓みを低減する電子装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7334424/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(電子ユニットの重量や外部からの振動・衝撃荷重に対する筐体フレームの応力集中、撓み、座屈などを予測する構造解析、最適な板厚、補強リブの配置、材料選定、筐体内の熱源(電子ユニット)からの発熱を効率的に外部へ排出するための熱伝導、対流、放熱シミュレーションおよび空気の流れを妨げない仕切部材の形状、通気口の配置、ファンの選定や配置の検討)、電気電子工学(電子ユニットへの給電や信号伝送経路における配線抵抗、電圧降下、信号品質(ノイズ、波形歪み)の評価、筐体の金属部分が接地経路やシールドに与える影響を考慮した配線設計、筐体内部の電磁波の発生源と伝播経路の特定、外部への電磁妨害の抑制および外部からの電磁干渉に対する耐性を確保するためのシールド設計やフィルタリング設計)
従来の液浸冷却槽では、電子機器の発熱量や圧力損失が異なると個々の機器に供給される冷媒流量が不均衡になり、冷却不足や過冷却が生じる可能性がありました。
これに対し、冷媒を貯留する槽本体の内部に電子機器を格納する格納部を備えた液浸槽であり、格納部の下には複数の整流穴を有する整流板が水平に配置され、そのさらに下には整流板の整流穴と位置が合う複数の流量調整穴を持つ流量調整板(整流板の下側から重ね合わされた位置と下方に離間した位置との間で移動可能)が配置されており、流量調整板の合計開口面積は整流板の合計開口面積よりも小さく設定され、電子機器の底面部に設けられた係止突起が電子機器が格納部に挿入される際に電子機器の種類(発熱量など)に応じて流量調整板を特定の離間位置へ押し下げることで冷媒の流量経路を変化させることにより、冷媒が整流穴と流量調整穴の両方を通過する場合と整流穴のみを通過する場合とで流量が調整され、各電子機器に最適な冷却を実現する液浸槽が開発されています(以下URL)。
電子機器の発熱量に応じて冷媒流量を調整する液浸槽→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7081368/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(冷媒流入口から整流板、流量調整板、各電子機器周囲に至る冷媒の流速分布、圧力損失、局所的な熱伝達率のシミュレーション、電子機器に対応する流量調整板の開口面積や冷媒流量を調整するための流量調整板の移動量と冷却性能の関係の評価)、材料工学(槽本体、整流板、流量調整板などの各部材について冷媒に対する耐食性、絶縁性、耐熱性、機械的強度の評価および最適な材料の選定、電子機器の係止突起と流量調整機構の係止穴の材料について繰り返しの挿抜に対する耐久性、摩耗粉の発生抑制の評価および最適な材料の選定)
液浸槽の空きスロットに中空のダミーユニットを格納すると、取り出し時にダミーユニットの浮力により急浮上する危険がありました。
これに対し、冷媒を貯留する液浸槽、複数のスロットのうち一部に格納される電子機器、残りの空きスロットに格納される中空状のダミーユニットを備えた電子装置であり、ダミーユニットは底部が開口しており、天井部には内部の空気と外部を連通させる第1の穴と、その穴を開閉する開閉部を有し、ダミーユニットは液浸槽に固定部で固定され、ダミーユニットの取り出しの際、開閉部を開放することで第1の穴からダミーユニット内の空気を排出し、同時に底部開口から冷媒を流入させてダミーユニットの浮力を低下させ、その後固定部の解除によってもダミーユニットが急激に浮上することを抑制し、安全かつ円滑な取り出しを可能にする電子装置が開発されています(以下URL)。
液浸冷却システムにおいて空きスロットに格納するダミーユニットの急浮上を抑制する電子装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7052558/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ダミーユニットの内部容積、第1の穴の開口面積、および底部開口のサイズの最適化、ダミーユニットを液浸槽に固定する固定部(例:ネジ、ラッチ機構など)やダミーユニットの浮力低下と連動して固定を解除するメカニズム(例:レバー、スライド機構など)の耐久性、操作性、確実性の評価、ダミーユニット取り出し時の冷媒の飛び散りを抑制するための穴形状や開閉部の設計および冷媒がスムーズに流入・排出されるための流路設計)、材料工学(冷媒に対する耐薬品性、絶縁性、比重(浮力低減に寄与する軽さ)、機械的強度を兼ね備えた材料の選定および長期使用における劣化の評価、天井部の第1の穴の開閉部(例:ネジ、弁、シート材など)や固定部の材料について冷媒環境下での耐摩耗性、耐疲労性、シール性の評価および適切な材料と表面処理方法の選定)
3.5 共同出願人との開発例
共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。
技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。
共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。

既存技術では、汎用デバイスの採用が進むデータ伝送装置において低速な旧来の通信規格(例:10Mbpsイーサネット)に対応するクライアント装置と高速な現行の通信規格(例:100Mbpsイーサネット)に対応する伝送装置内の汎用デバイスとの間でポーズフレームによる送信停止要求の解釈に齟齬が生じる問題がありました。特に、ポーズフレームで指定可能な中断時間の上限値を超えて長時間の中断が必要な場合に要求通りの送信停止ができないという問題がありました。
これに対して、クライアント装置と伝送先装置ユニットの間でフレームを伝送し、低速なクライアント装置と接続されるインタフェース部、高速なフレーム処理を担うフレーム処理部およびこれら2つの間でフレームを中継する中継部を備えた伝送装置であり、クライアント装置から低速の通信速度に対応するポーズフレームを受信すると、中継部がそのポーズフレームで指定された中断時間に応じて複数のポーズフレームを生成し、これらの複数生成されたポーズフレームは高速なフレーム処理部へ順次送信され、フレーム処理部がこれら複数のポーズフレームに応じてクライアント装置へのフレーム送信を抑制することにより、通信速度の異なる装置間でもクライアント装置が要求した中断時間と伝送装置が実際にフレーム送信を停止する時間との整合を図り、信頼性の高いデータ通信を可能にする伝送装置が開発されています(以下URL)。
データ伝送装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6314575/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(異なる通信速度間でのデータ変換(例:10Mbpsから100Mbps)における信号劣化の評価、ポーズフレームの生成・送信タイミングの制御アルゴリズムの設計)、情報科学(ポーズフレームの多重送信がネットワークの帯域幅利用効率や遅延に与える影響の分析とモデリング、複数のクライアント装置が接続される場合のフロー制御の競合問題への対策検討)
従来の物品の外観検査は対象画像とモデル画像全体を比較するため、個体差に起因する色の不均一性や局所的な異常を見逃しやすいという問題がありました。
これに対して、検査対象の物品を撮影した画像からその外接矩形領域を抽出し、これを複数の領域画像に分割する分割部を備えた検査装置であり、分類部がこれらの領域画像を外接矩形の基準位置からの距離に応じて複数のグループに分類し、算出部が各グループに分類された領域画像に含まれる画素を色ごとに集計し、グループごとに各色の画素数の割合を算出し、比較部が算出された検査対象物品の各グループにおける各色の画素数の割合を合格品を撮影したモデル画像について予め算出された割合と比較し、検査対象物品の合否を判定する構成により、物品全体ではなく局所的な領域に着目して色情報を比較できるため、個体差に埋もれていた異常を検出して外観検査の精度を向上させる検査装置が開発されています(以下URL)。
物品の検査装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7396160/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(検査対象の物品の画像データから外接矩形領域の抽出精度を高めるための画像前処理技術(例: ノイズ除去、輝度補正)の検討、領域分割やグループ分類における最適なパラメータの探索、色の割合を比較する際の機械学習モデルの導入、多様な合格品と不良品のパターンを学習させるためのデータセットの構築と学習アルゴリズムの選定、評価)、電気情報工学(撮像装置から送られる画像データを高速かつ正確に処理するための組込みプロセッサやFPGAの選定およびその上で動作するリアルタイムOSや制御プログラムの設計、さまざまな環境光下でも安定した画像を取得できるような照明条件やカメラセンサーの最適化)
従来のシリコン光集積回路では、導波路の揺らぎにより光信号の位相にバラツキが生じ、光信号の合波効率が低下していました。
これに対して、少なくとも3個以上のカプラとカプラ間を接続する一対の導波路および各導波路に設けられた移相器から構成された光通信素子であり、入力された2本の光信号はカプラで合波された後、2分岐出力され、この分岐された光信号は一対の導波路を介して次のカプラへ送られ、その途中で移相器により位相量が調整され、光信号の進行方向の最下流に位置するカプラから2分岐出力された光信号のパワー量を検出部が検出し、この検出されたパワー量に基づき制御部が移相器を制御(具体的には、現在の位相量に所定の位相量を加算した場合と減算した場合の出力反転ポートからのパワー量を検出し、その比較結果からパワー量が減少する方向に移相器を制御)することで光信号の位相バラツキを補正して光信号のパワー損失を最小化し、安定した光通信を可能にする光通信素子が開発されています(以下URL)。
光通信素子における光信号の位相バラツキを自動調整する技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7415715/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(シリコン導波路内での光の伝播特性や損失のシミュレーション、位相バラツキを最小限に抑えるための導波路構造の設計、移相器として使用されるヒータ部の熱光学効果の解析および消費電力と応答速度のバランスを考慮した最適な加熱・冷却メカニズム設計)、情報科学(最下流のカプラで検出された光パワー量に基づき移相器への制御信号を生成するフィードバック制御アルゴリズムの設計、複数の移相器を効率的かつ高精度に制御するためのシーケンス制御や並列処理の最適化)
4 開発に求められる専門性
上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。
上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。
(1)データ処理関連(G06F)
・情報系、経営系の分野(情報科学、ソフトウェア工学、情報システム学、データサイエンス、情報工学、経営学など)
情報系では文書データ解析システムなど対象システムの設計、対象情報から機械学習モデルの入力として利用できる形式に変換するなど所望の情報処理をおこなうアルゴリズムの設計、所定の判断をおこなう機械学習モデルの設計、構築などが、経営系では手作業による文書照合や修正に伴うボトルネック、非効率性、エラー発生要因の特定などのプロセス分析などが求められます。
(2)ビジネスICT関連(G06Q)
・情報系、経営系の分野(ソフトウェア工学、データサイエンス、情報科学、経営学など)
情報系では利益分配割合の算出など所望の処理をおこなうための機能の記述、利益分配モデルなどの数学的なモデルの設計や実証、複数の参加者の情報処理装置の協調動作の実現などシステムアーキテクチャの設計、経営系では対象顧客の購買プロセスなど行動プロセスのモデル化、異なる顧客グループなど対象特有の行動パターンやそれらが購買意思決定に与える影響などの分析などが求められます。
(3)電信通信関連(H04L)
・情報系、電気系の分野(情報セキュリティ、情報通信工学、ソフトウェア工学、データサイエンス、通信工学、電気電子工学など)
情報系では対象とするネットワークシステムの潜在的な脆弱性の特定と評価、サイバー攻撃に対する防御メカニズムの設計、多様な要素からなる通信ネットワークアーキテクチャの設計、ネットワークデバイスおよびシステムの性能評価とボトルネック解析などが、電気系では通信装置の異常検知など所望の回路設計、通信装置内部のセンサーインターフェースの設計、異なる通信規格間の信号変換モジュールの設計などが求められます。
(4)無線通信関連(H04W)
・電気系、情報系の分野(電気電子工学、電気工学、情報科学、情報工学など)
電気系では無線信号の送受信をおこなう高周波・基底帯域回路の設計や電力消費やノイズ特性を考慮した最適化、デジタル信号の無線伝送に適した変調方式の選定やハードウェア・ソフトウェア実装の検証などが、情報系では端末と基地局間のデータ送受信などの通信プロトコルの設計や評価、無線リソース管理などの所望の情報処理をおこなうアルゴリズムの設計などが求められます。
(5)イメージデータ処理関連(G06T)
・情報系、数学系、電気系の分野(情報工学、情報科学、データサイエンス、応用数学、電子情報工学、電子工学など)
情報系では複数のカメラやセンサーからの骨格情報時系列データの統合処理システムなどのデータ取得と処理システムの設計、不自然な関節の動きや位置ずれを特定する異常検知などのアルゴリズムの設計などが、数学系では計測ノイズや推定誤差を考慮した関節位置の確率分布モデルの構築など対象データの統計的特性の数理的モデリング、異常確率に基づく関節位置の信頼度の重み付けなど確率的推定法の定式化や解析などが、電気系ではセンサー、プロセッサ、メモリなどを含むシステムの基盤設計、大規模な機械学習モデルの効率的な実行などの計算資源の最適化、センサーからのデータ入力、処理結果の出力、外部デバイスとの連携に必要な通信プロトコルやインターフェースの設計などが求められます。
(6)計算装置関連(G06N)
・情報系、化学系、数学系の分野(情報科学、データサイエンス、化学、応用数学、数理科学など)
情報系ではオブザーバブルのグループ化などの所望の情報処理をおこなうアルゴリズムの設計、イジングマシン連携などの通信プロトコルの設計、複雑なオブザーバブルの関係のグラフ化など数学的に扱いやすい形にする検討などが、化学系では対象とする原子・分子の物理化学的記述子の定義と体系化、反応メカニズム経路の解析、原子・分子レベルでの挙動シミュレーションなどが、数学系では物質の原子配列グラフや化学構造グラフから構造的な特性を数値的に表現するなど数理的定義と抽出、大規模グラフなど対象の数学的解析手法の確立、モデルの挙動に対する数学的照明などが求められます。
(7)半導体関連(H01L)
・電気系、材料系、化学系の分野(電子工学、電気電子工学、材料科学、材料工学、応用化学など)
電気系では設計パラメータが対象装置の電気的性能に与える影響のシミュレーションと最適化、短絡抑制効果を含むデバイスの電流-電圧特性、高周波特性、ノイズ特性などの測定と分析などが、材料系では絶縁材料の短絡抑制やデバイス性能向上への寄与など所望の効果を有する材料の選定と適用可能性の検討、絶縁膜のエッチング耐性、誘電特性、界面安定性などの対象素材の特性評価などが、化学系では窒化物半導体や絶縁層などの薄膜形成における原料の選定、成膜条件の最適化による高品質な材料設計、異種材料間の界面における原子・分子レベルの構造、不純物、欠陥がデバイス特性に与える影響など対象とする現象の化学的解明と制御方法の検討などが求められます。
(8)伝送関連(H04B)
・電気系、情報系の分野(電気電子工学、情報通信工学、情報工学など)
電気系では高周波における回路要素などの電磁界解析と最適配置の設計、遅延器、移相器など対象装置の周波数・温度特性といった特性評価と補償技術の検討、アンテナ素子間の相互結合などの各種要素を考慮した回路設計などが、情報系では受信信号の周波数スペクトルから位相偏差を検出するデジタル信号処理などの所望の処理をおおこなうアルゴリズムの設計、対象とする無線通信システムのプロトコル設計、対象システム全体の性能シミュレーションと検証などが求められます。
(9)画像通信関連(H04N)
・電気系、情報系の分野(電気電子工学、電子情報工学、情報科学、情報工学、認知科学、通信工学、制御工学など)
電気系では画像処理システムに最適なプロセッサやメモリなどの装置選定や全体構成の設計、高速な画像データ処理を可能にするアナログ・デジタル変換回路や信号処理回路などの回路設計や特性評価などが、情報系では対象領域と非対象領域で異なる量子化値を用いる適応型画像符号化・復号などの所望の情報処理のためのアルゴリズム設計、複数の符号化データや再構成画像データを効率的に扱うためのデータ形式などのデータ構造の設計、画像認識の精度を最大化しつつ処理負荷を考慮したAIなどAIモデルの構築などが求められます。
(10)電子回路基板関連(H05K)
・材料系、電気系、機械系の分野(材料科学、材料工学、電子工学、電気電子工学、機械工学など)
材料系では対象装置を構成する材料(元素、合金組成)の選定や比率の最適化、層間の密着性、拡散抑制能、応力緩和能などの材料特性を考慮した構造設計、欠陥形成メカニズムなどの要因の解析などが、電気系では配線抵抗、静電容量、インダクタンスなどの電気的特性の評価、デバイス信頼性試験や故障モードなどの装置の解析、フォトリソグラフィ、めっき、エッチングなどの微細加工プロセスの最適化などが、機械系では筐体全体の剛性・強度など対象の強度や構造の評価、発熱に対する筐体内部の空気流動や部材の応力など対象に及ぼす影響の解析、スムーズな挿抜を可能にするガイド機構など対象の機構設計などが求められます。
ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。
5 まとめ
情報処理プログラムなどの無形物から半導体や電子回路といった有形物まで広範囲で特許出願されており、おこなわれている開発や求められる専門性も多岐にわたると考えられます。
大学の専攻と関連づけるとしたら、主に電気、情報における研究分野が該当する可能性があります。
その他、材料、化学、機械、数学なども該当する可能性があります。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
興味を持った企業がある場合は、その企業に絞って調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社
<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
・本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
・特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
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