東芝のように、エネルギー、社会インフラ、最先端のデバイスまで代社会の基盤を支える巨大システムを網羅する企業はその研究開発領域が極めて多層的です。
物理、化学、機械、情報といったあらゆる専門分野が高度に交差している一方で、製品が巨大かつ社会の裏方であるために、現場の研究開発の実態を外側から捉えるのは容易ではありません。
その広大な事業領域ゆえに、企業サイトの一般的な紹介だけでは自身の専門性がどのインフラを支え、どの次世代デバイスを形作っているのか、その全体像を把握するのは困難です。
この問題に対し、特許情報を活用します。
特許情報は企業の開発の軌跡であり、客観的なエビデンスになり得る情報です。
本記事では、採用サイトとは別の視点で、東芝の研究・開発職ニーズと関連する専門性を特許情報から解読します。
結論(概要)は以下の通りです。
(1)半導体関連:材料、物理、電気系分野(材料科学、材料工学、応用物理学、電子工学、電気電子工学など)
(2)データ処理関連:情報系、電気系の分野(情報科学、情報工学、情報セキュリティ、コンピュータサイエンスなど)
(3)電池関連:化学系、材料系、物理系の分野(電気化学、化学工学、材料科学、材料工学など)
(4)給電、配電等関連:電気系、情報系分野(電気電子工学、制御工学、通信工学など)
(5)ビジネスICT関連:情報系、電気系、その他分野(情報科学、経営情報学、電気電子工学、データサイエンス、人間工学、数理科学など)
(6)材料の調査や分析関連:化学系、物理系、情報系、材料系、電気系の分野(分析化学、有機化学、無機化学、応用物理学、情報科学、材料科学、電気電子工学など)
(7)情報の記録、再生関連:電気系、物理系、情報系、材料系の分野(電気工学、電子工学、応用物理学、情報工学、材料工学など)
(8)電信通信関連:情報系、電気系の分野(情報科学、ソフトウェア工学、情報工学、電気電子工学など)
(9)電信通信関連:情報系、電気系の分野(情報科学、情報工学、電気電子工学など)
(10)制御装置関連:機械系、情報系その他の分野(機械工学、情報科学、制御工学、統計学、電気電子工学など)
1 企業サーチの概要
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
企業サーチは、企業の特許情報から、その企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。
特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。
すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。
2 総合メーカー
2.1 総合メーカーとは
ここでは、いわゆる大企業で複数の分野の製品やシステムを自社で開発・製造する企業を意図します。
企業規模や分野の数など厳密なものではありません。
2.2 サーチ対象
以下を対象にしました。
2.3 使用プラットフォーム
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
3 サーチ結果
3.1 結果概要
開発イメージは下表のとおりです。
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モノの開発 |
サービスの開発 |
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個人向け |
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法人向け |
・半導体発光デバイス |
・SiC MOSFETのキャリア移動度を向上させる半導体装置の製造方法 |
3.2 出願件数の推移
下図は東芝の特許出願件数の推移です。

上図期間中、出願数は減少傾向にありますが、毎年1000件を超える出願がおこなわれています。
これらの出願に関わる数の開発がおこなわれていることが推測されます。
3.3 主な開発分野
特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。
出願上位10の技術分野を抽出して並べています。
各記号は発明の技術分類をあらわします。
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。


分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)
3.4 東芝の近年の開発トレンドと求められる専門の例
特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。
ここ10年のトレンドは以下のとおりです。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
(1)H01L|開発トレンドと専門性

H01Lは半導体などに関する分類です。
従来の半導体発光デバイスは、高温環境下での長期間動作において、チップ化工程で生じる結晶欠陥が発光層まで広がり、発光特性が劣化するという問題がありました。
これに対し、立方晶のガリウム砒素(GaAs)基板上に発光層(InGaAs)が設けられ、これら基板と発光層の間に半導体多層膜を配置した半導体発光デバイスであり、製造過程で基板の側面や角に発生し、半導体多層膜の方向へ延びる結晶転位の影響に対し、GaAs基板の表面の立方晶の(100)面に対する傾斜が転位の発光層への伝播を抑制し、半導体多層膜が異なる組成(例えばInAlPとGaAs、またはInGaAsとGaAsP)の層の交互の積層が転位の伝播方向を変化させたり、結合・消滅させたりして、結晶欠陥の発光層への到達を防ぐ半導体発光デバイスが開発されています(以下URL)。
GaAs基板上にInGaAsが設けられた半導体発光デバイス→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7682817/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(InGaAs、InAlP、AlGaAs、GaAsPなどの発光層および半導体多層膜を構成する半導体材料の組成比の最適化、結晶成長条件(温度、圧力、原料ガス流量など)の解析、高品質なエピタキシャル層を形成するためのプロセス設計、半導体多層膜における界面の構造や組成が転位の伝播に与える影響の原子レベルでの評価)、応用物理学(GaAs基板の傾斜角が結晶成長時の転位発生密度や伝播方向に与える影響の理論的な予測、結晶欠陥(転位)の存在する領域におけるキャリアの再結合過程の解析および発光効率の劣化メカニズムの解明、転位の閉じ込めや消滅効果のメカニズムの解明)
従来の窒化物半導体層をシリコン基板上に形成するウェーハでは、応力による反りや割れが生じ、生産性が低いという問題がありました。
これに対し、窒化物半導体層の形成中に、シリコン基板の中央部が外縁部より高温にされ、中央部に生じる複数の第1領域と呼ばれる局所的な塑性変形(X線像で観察され異なる方向に延びる線状体を含む)が、窒化物半導体層とシリコン基板間に発生する応力を緩和することで、ウェーハ全体の反りやクラックの発生を抑制する物半導体ウェーハが開発されています(以下URL)。
シリコン基板窒化物半導体ウェーハ→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7684893/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(窒化物半導体層の組成(AlGaNのAl組成など)や膜厚の調整などによる最適な応力状態の設計、低温層と高温層の組み合わせや炭素導入など窒化物半導体層の多層構造が結晶品質(転位密度)や応力分布に与える影響の評価および制御手法の確立、塑性変形を誘起する熱処理条件とシリコン基板の結晶方位、ドーピング濃度などとの関係の解析)、電子工学(塑性変形が導入されたウェーハの電気特性の測定・評価、シリコン基板内の塑性変形領域の分布や特性とデバイスの信頼性・性能との相関関係の解明、ウェーハの反りやクラック、欠陥がその後のデバイス製造工程におけるプロセス安定性や歩留まりに与える影響の評価)
従来のSiC MOSFETでは、SiC層とゲート絶縁膜界面の欠陥やSiC層内の炭素空孔により、キャリア移動度が低下し、性能が制限されていました。
これに対し、まずSiC層にアルミニウムをイオン注入して不純物領域を形成し、その後、アルミニウムの10倍以上の高ドーズ量で炭素をイオン注入し、その領域に意図的に過剰な格子間炭素を導入し、1600℃以上の高温熱処理をおこなうことで、この過剰な炭素がイオン注入によって生じた炭素空孔を埋め、さらに、酸化処理し、その後に水素ガス雰囲気下でSiC層表面をエッチングすることで酸化によって表面に生じた炭素空孔密度の高い領域を除去する工程により、SiC層内の炭素空孔密度が低減され、結果としてキャリア移動度が向上した高性能SiC MOSFETを実現する半導体装置の製造方法が開発されています(以下URL)。
SiC MOSFETのキャリア移動度を向上させる半導体装置の製造方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7675004/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(アルミニウムおよび炭素イオン注入後のSiC結晶内部における格子間炭素と炭素空孔の形成メカニズムの原子レベルでのシミュレーションおよび最適な注入条件の予測、1600℃以上の熱処理における欠陥回復メカニズムの解析および熱処理温度や時間の最適条件の導出)、電子工学(SiC MOSFETのI-V特性、C-V特性およびホール効果測定によるキャリア移動度、閾値電圧、界面準位密度およびチャネル抵抗などのデバイス性能の評価、界面に導入される窒素の結合状態(3配位、4配位)がキャリア移動度および信頼性に与える影響の解析および最適な界面終端条件の特定)
従来のSiC MOSFETは内蔵ボディダイオードの動作により積層欠陥が生じ、オン抵抗が増大し信頼性が低下したり、サージ電流耐量が低いという問題がありました。
これに対し、複数のトランジスタ領域とダイオード領域を併せ持つ半導体装置であり、トランジスタ領域にはMOSFETとショットキーバリアダイオード(SBD)が、ダイオード領域にはSBDとpn接合ダイオードが設けられ、ダイオード領域のpn接合ダイオード(p領域)の表面における占有面積がトランジスタ領域のpn接合ダイオード(ボディ領域)よりも大きいことで、サージ電流印加時にダイオード領域のpn接合ダイオードへ電流を流し、その電流が隣接するトランジスタ領域の伝導度変調を促進することでサージ電流耐量を向上させてデバイスの破壊を抑制する半導体装置が開発されています(以下URL)。
SiCパワーMOSFET→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7653901/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(SiC基板やエピタキシャル層の品質がデバイス性能に与える影響の評価、不純物(アルミニウム、窒素、リンなど)の導入方法(イオン注入、拡散など)と活性化条件の最適化、高温熱処理による材料変化や界面形成メカニズムの原子レベルでの解析)、電気電子工学(SiC MOSFETの電気特性(オン抵抗、閾値電圧、ブレークダウン電圧、スイッチング特性、サージ電流耐量など)の測定およびその特性がデバイス構造や材料に起因する問題点の特定、デバイスのスイッチング損失や熱特性の解析および最適な駆動条件や放熱設計の検討)
(2)G06F|開発トレンドと専門性

G06Fはデータ処理などに関する分類です。
従来、複雑なITシステムの監視システム検証用モデルを手動で作成するのは非常に困難でした。
これに対し、サーバ動作を監視するシステムの定義ファイルからアラートモデルを、サーバやアプリケーションの情報を含む定義ファイルからネットワークモデルを、それぞれ変換・生成し、また、アプリケーションの定義ファイルと監視システムの仕様に基づき検査式を作成し、アラートモデル、ネットワークモデル、監視システムの状態遷移ルールにより監視システムの多様な状態を示す状態遷移情報も生成し、これらのアラートモデル、ネットワークモデル、検査式、状態遷移情報を統合することで、監視システムの検証に用いるための検証用モデルを自動的に作成するモデル作成装置が開発されています(以下URL)。
IT監視システムの検証用モデルの作成装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7675685/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(さまざまなITシステム設定ファイルの構造の解析およびそれらを統一的な形式モデルへ変換するデータ変換アルゴリズムの設計、生成されたモデルの論理的な整合性や網羅性を保証するための形式検証手法による検証の自動化と効率化を図るためのソフトウェアツールの設計)、情報工学(定義ファイルから必要な情報を抽出してアラートモデル、ネットワークモデル、検査式、状態遷移情報などを生成するための構文解析器やデータ変換モジュールの設計、各モデルを統合して監視システム検証用モデルを自動で構築するソフトウェアアーキテクチャの設計)
従来の技術では、特定の通信プロトコルに限定され、多様な通信におけるリプレイアタック(盗聴した過去の正しい通信データをそのまま再利用して正規の利用者になりすます攻撃)検知が困難でした。
これに対し、第1情報処理装置(例: 制御装置)と第2情報処理装置(例: 監視装置)から構成される検知システムであり、第1情報処理装置はセンサーの観測値にセンサーの分解能未満の独自のノイズ(第1ノイズ値)(非線形に経時変化し、特定範囲内で非周期に変動する第1ノイズ出力値を生成し、それを分解能未満に縮小して作成)を統合した値を送信し、一方、第2情報処理装置は受信した統合値から観測値と第1ノイズ値を分離し、さらに第1情報処理装置と同様の原理で独自のノイズ(第2ノイズ値)を生成し、分離した第1ノイズ値と生成した第2ノイズ値の空間距離を比較し、その差が閾値より大きい場合にリプレイアタックと検知することにより、通信プロトコルに依存せず、かつ低負荷でリプレイアタック検知が可能な検知システムが開発されています(以下URL)。
ノイズを活用した検知システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7612626/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(攻撃者がノイズのパターンを予測・再現するのを困難にするための非周期性乱数生成アルゴリズムの設計、通信チャネルにおけるノイズの挙動の数学的モデル化および観測値に付加されたノイズが通信過程でどのように変化するかを予測するノイズ除去・分離技術の検討)、電気電子工学(第1情報処理装置と第2情報処理装置間のセキュアな通信プロトコルの設計、センサーの観測値とノイズを統合した統合値の生成・送信・分離によりリアルタイムでのリプレイアタック検知を可能にするための回路設計やプログラミング)
多種多様なシステムログの中からセキュリティ対策に本当に必要なログを選び記録する作業がシステムごとに異なり、かつ判断が困難でした。
これに対し、まず監視対象システムで想定される脅威事象を取得し、次にその脅威を検出するために確認すべき攻撃の種類(検出対象攻撃)を特定し、さらに各検出対象攻撃の検知が可能なログの一覧である攻撃-ログテーブルに基づき全ての検出対象攻撃を検知できるログの組み合わせ(ログセット)を複数生成し、生成された各ログセットに対してログ監視の制約の小ささ(簡易度(ログの解析難易度、データ量、コストなどが含まれ、ユーザーはそれぞれの制約要因に重み付けが可能))を考慮して優先度を算出し、最終的に算出された優先度が上位のログセットが選択され、そのログセットに含まれるログを記録装置に記録させることで効率的かつシステム固有の制約に合わせた最適なログ監視を実現する制御装置が開発されています(以下URL)。
サイバー脅威検出のための制御装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7638918/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(脅威情報から検出対象攻撃を導出する攻撃情報生成アルゴリズムの設計、膨大なログの中から最適なログセットを生成するための組み合わせ最適化問題を解くアルゴリズムの設計)、情報セキュリティ(さまざまな脅威事象を検出するために必要なログの種類や粒度、それぞれのログが持つセキュリティ上の意味合いの分析、攻撃者がログの監視を回避しようとする手法の分析、それらに対抗できるようなログ取得戦略やログ簡易度の評価基準の検討)
従来の技術では、複雑な多段ネットワークシステムにおいて、サイバー攻撃の耐性を精度良く評価することが困難でした。
これに対し、ネットワークセグメントごとに正常な通信データを学習したモデル(正常通信データモデル)を関連付けて記憶する機能と、特定の攻撃シナリオ(攻撃元、攻撃先、攻撃モジュールを含む)が実行された場合に予測される通信データを生成する機能とを有し、生成された予測データに基づいて対象のネットワークセグメントを特定し、関連する正常通信データモデルを選定し、予測された攻撃通信データと選定された正常通信データモデルが示す正常通信データとの類似度を判定し、この類似度が高いほど攻撃が正常な通信に紛れて検出されにくいことを意味するため当該攻撃シナリオの有効度が高いと計算することで、多段ネットワークシステムにおけるサイバー攻撃の耐性を各セグメントの特性を考慮して高精度に評価することが可能となる情報処理装置が開発されています(以下URL)。
情報システムをサイバー攻撃から守るため情報処理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7608380/15/ja
関連する専門分野の例:コンピュータサイエンス(各ネットワークセグメントにおける正常通信データモデルを効率的に学習するための機械学習アルゴリズムの設計、攻撃シナリオから通信予測データを生成する際のネットワークシミュレーションモデルの構築)、情報工学(ネットワークセグメントの構成情報や通信ログを効率的に収集・管理するデータベースシステムの設計、異なる形式のデータを統合するためのデータ変換モジュールの設計)
(3)H01M|開発トレンドと専門性

H01Mは電池などに関する分類です。
従来のチタン酸リチウム負極は自己放電による被膜形成とそれに伴う正極劣化および低温での抵抗上昇が問題でした。
これに対し、スピネル構造(酸化物の結晶構造の一つ)を有するチタン酸リチウム活物質粒子を主体とする活物質含有層を備えた負極であり、この活物質含有層は活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆する第1バインダと、これとは異なる第2バインダを含み、第1バインダにはポリビニルピロリドンやカルボキシメチルセルロースなどの特定の水溶性高分子が活物質粒子質量に対して0.05質量%~0.50質量%という割合で配合されており、この第1バインダが活物質粒子表面を被覆することで活物質と電解液との不要な副反応が抑制され、自己放電に伴う被膜形成が抑制されて、充放電サイクル中の正極電位の上昇が抑えられ、正極の劣化と低温環境における抵抗上昇が抑制される負極が開発されています(以下URL)。
リチウム二次電池用負極→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7631556/15/ja
関連する専門分野の例:電気化学(負極と電解液界面での電荷移動抵抗、拡散抵抗、SEI(Solid Electrolyte Interphase)層の形成メカニズムの解析、リチウムイオンの挿入脱離挙動や特定のバインダや被膜が電極反応速度に与える影響の評価)、材料科学(活物質粒子の形状、サイズ、表面状態およびバインダによる被覆状態の評価、チタン酸リチウムのスピネル構造の結晶性や充放電サイクルによる構造変化の解析、第1バインダやアルミニウム含有被膜と活物質表面との相互作用および被膜の化学構造の特定)
水系電解質を用いた二次電池は製造コストが低く安全性が高いという利点がある一方で水の電気分解によるガス発生で電極が剥離しやすく、充放電効率や寿命性能が低いという問題がありました。特に、負極では水素発生が顕著で活物質の剥離やキャリアイオン挿入反応との競合が問題でした。
これに対し、負極集電体に特定の第1金属元素(Sn, Ni, Cu, Pb, Tiから1種以上)を含む第1金属物質が設けられ、さらに負極活物質含有層の表面にこの第1金属物質と、電解液中に添加された特定の第2金属元素(Hg, Zn, Pb, Sn, Cd, Pd, Al, Bi, Inから1種以上)を含む第2金属物質の特定比率での共存により、負極活物質の剥離を防ぎ、均一な被覆層による安定した電池特性の二次電池が開発されています(以下URL)。
水系電解質を用いた二次電池→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7516330/15/ja
関連する専門分野の例:電気化学(第1金属元素と第2金属元素が共存する負極表面での水素発生過電圧の評価および析出挙動の解明、金属元素が水の電気分解反応に与える影響や負極活物質との相互作用の原子・分子レベルでの解析および最適な元素の組み合わせや配置の導出)、材料科学(負極活物質含有層表面の金属被覆状態(被覆率、形態、均一性)の観察および元素分布、化学状態の分析、負極集電体の第1金属物質の溶解挙動と活物質含有層への析出メカニズムの評価、負極活物質、導電剤、結着剤の配合比率や粒径、多孔度などの物理的特性が金属析出および水素発生抑制効果に与える影響の評価)
従来の燃料電池スタックでは、冷却水流路が途中で終端する溝(終端溝)を含む構造のため、冷却水が滞留しやすく、その結果として不純物濃度が増加し、局部電池の発生によるセパレータの局所的な腐食が問題となっていました。
これに対し、カソード側セパレータとアノード側セパレータにそれぞれ形成された冷却媒体流路において、終端溝が隣接するセパレータの冷却媒体流路の折り返し溝に対向するように配置されていることにより、終端溝内の冷却媒体が滞留することなく、折り返し溝へとスムーズに流れ込むことが可能になる燃料電池スタックが開発されています(以下URL)。
燃料電池スタック→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7631154/15/ja
関連する専門分野の例:化学工学(数値流体解析による流路構造における冷却媒体の流速分布、圧力損失および熱伝達特性のシミュレーション、冷却媒体の滞留が効果的に抑制されていることの評価および流路形状の改善や冷却効率を最大化するための流路設計)、材料工学(セパレータ材料(金属またはカーボン材料)が冷却媒体の不純物や局所的な電位差によって腐食しないかの電気化学的手法による評価、プレス加工などの製造プロセスにおける材料の成形性や寸法精度の評価および流路形状が正確に再現されるための金型設計や製造条件の最適化)
従来の複合電解質膜は水系電解質が膨潤して、ひび割れが生じ、自己放電や効率低下の原因になっていました。
これに対し、負極活物質含有層を備える負極と、第1複合層、多孔質層、第2複合層の少なくとも3層がこの順に積層されたセパレータを有する電極構造体であり、負極活物質含有層と第1複合層は密接しており、セパレータ切削時の剥離に伴う水平方向の力FHと垂直方向の力FVの関係が1.35 ≦ FH/FV ≦ 2.2の範囲であり、また、第1および第2複合層はアルカリ金属イオン伝導性を有する無機固体粒子と、酸素、硫黄、窒素、フッ素を含む官能基を有する炭化水素からなる高分子材料を含有し、複合層間に挟まれた多孔質層は多量の水系電解質を含浸可能な構造を有することで、特定の界面接着力で負極活物質含有層が複合層の膨潤を抑制し、ひび割れやクラックの発生を防ぎ、電池の内部抵抗低減や正負極間の電解質混合を抑制し、自己放電の抑制および充放電効率の改善が実現された電極構造体が開発されています(以下URL)。
二次電池の電極構造体→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7489948/15/ja
関連する専門分野の例:電気化学(セパレータと負極活物質含有層の界面におけるイオン伝導メカニズムの評価およびFH/FV比とイオン伝導性の相関関係の解明、水系電解質中での負極活物質の安定性、特に水素発生反応の抑制メカニズムの解析、異なる水系電解質間の混合が自己放電に与える影響の評価)、材料科学(アルカリ金属イオン伝導性無機固体粒子の合成条件(粒径、結晶構造、表面修飾など)の最適化、高分子材料のモノマーユニット組成、分子量、官能基の種類が吸水率、固体粒子との結着性、イオン伝導性に与える影響の評価および最適なポリマーの選定、セパレータの多層構造(複合層、多孔質層の厚みや積層順序)が機械的強度、遮水性およびイオン透過性に与える影響の検証)
(4)H02J|開発トレンドと専門性

H02Jは給電、配電などに関する分類です。
太陽光発電などの自然エネルギーは不安定なため、配電系統の急激な負荷・電力変動に対応できない問題がありました。
これに対し、自然エネルギーによる発電電力を配電系統に出力する第1電力変換装置、蓄電装置と接続する第2電力変換装置およびこれらを短絡するスイッチを含むバイパス回路を備えた発電システムであり、制御装置が第1電力変換装置の入力側電圧と電力指令値に基づく標準電圧との差分が閾値以上になった場合、バイパス回路のスイッチを閉じ、蓄電装置と電力系統を直接接続することにより、電力変換装置を介さずに蓄電装置が瞬時に電力を供給・吸収でき、配電系統の急激な負荷変動や電力変動に対して電圧や周波数の安定化にかかる時間を短縮し、システム全体の安定性を向上させた発電システムが開発されています(以下URL)。
太陽光などの自然エネルギーを利用し発電をする発電システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7583694/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(インバータやDC-DCコンバータといった電力変換装置の回路設計、スイッチング素子の選定、熱設計、電力系統における電圧・電流・周波数の計測・監視システムの設計、通信インターフェースの設計)、制御工学(複数の電力変換装置や蓄電装置、バイパス回路を含む複雑なシステム全体の協調制御アルゴリズムの設計、制御装置の内部における電圧・電流・周波数測定データのリアルタイム処理やバイパススイッチの高速かつ正確な開閉指令生成、システム全体の応答特性を最大化する制御パラメータのチューニング)
従来、高電力の無線給電は既存の無線通信システムに干渉を与え、給電時間を短縮すると効率が低下するという問題がありました。
これに対し、無線通信システムの信号を検知する検知手段と、電磁波で給電する給電手段および干渉度合いを判別する判別手段を備えた電子装置であり、給電手段が無線信号が第1期間(キャリアセンス期間)中に検知されない場合、第2期間(給電期間)中に給電をおこない、この第2期間は第1期間と、判別手段が判別した干渉度合いに基づいて決定される比率(第1比率)によって設定(干渉度合いが高いと判断されれば給電期間を短く、低いと判断されれば給電期間を長く設定)されることにより、無線通信システムへの干渉を抑制しつつ効率的な無線給電を実現する電子装置が開発されています(以下URL)。
無線給電装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7504963/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(高効率な給電用アンテナや送受信回路の設計、低ノイズで広帯域な信号検知回路の設計、電磁波干渉抑制のためのフィルタリング技術やシールド技術の検討)、通信工学(キャリアセンスの精度向上を目指した無線信号解析アルゴリズム(信号検出閾値の最適化、フレーム解析、トラフィック量推定など)の設計、干渉度合いに応じた給電期間比率の動的調整アルゴリズムの設計、複数無線システムが共存する環境下での性能評価と最適化)
従来の電力調整は電力貯蔵器の容量限界が考慮されておらず、過度な充放電要求による故障リスクがありました。
これに対し、電力系統の周波数と電力貯蔵器の充電状態を受信する通信部と、それらに基づいて電力の出力先と出力量を自律的に決定する演算部を備えた制御装置であり、演算部が電力貯蔵器の充電状態に応じて出力先と出力量の決定に用いる関数(垂下特性)を動的に変化(充電状態が低い場合は充電を優先する関数を、高い場合は放電を優先する関数を適用)させ、また、電力系統から出力電力の出力先および出力量を自律的に決定することを許可する通知を受信した後にこの自律的な電力調整を開始することで、系統の指示と協調しつつ過度な充放電を防ぎ、電力貯蔵器の故障を回避する制御装置が開発されています(以下URL)。
電力系統に接続された電力システムの制御装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7532311/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(電力貯蔵器の充放電を効率的におこなうためのDC-DCコンバータやインバータの回路設計およびこれら電力変換装置における損失低減技術の検討、電力系統の周波数変動に対応するための高速応答が可能なスイッチング制御回路の実装)、制御工学(電力貯蔵器の充電状態に応じて動的に変化させる垂下特性関数の数理モデル化とパラメータ最適化、過度な充放電を防ぐための状態制約付き最適制御理論の適用、電力系統からの自律制御許可通知に応じた制御モードの切り替えロジックの設計)
従来の無線給電・通信システムでは、個々の通信装置の状況に応じた柔軟な制御が困難でした。
これに対し、通信端末と無線通信を行う複数の通信装置に対して無線給電装置による給電および無線通信の制御を指令しする制御装置であり、各通信装置と通信端末間の通信データ量や接続端末数、無線給電の効率に関する情報などを取得し、これらの情報に基づいて各通信装置への無線給電の量や無線通信の方向・範囲・頻度などを決定し、制御信号を生成し、複数の通信装置(第1通信装置、第2通信装置など)が存在する場合、それぞれの通信データ量や接続端末数に応じてどちらの通信装置にどれだけの無線給電をおこなうかを決定することにより、無線給電の効率化と通信装置および通信端末間の無線通信の効率化を図る制御装置が開発されています(以下URL)。
複数の通信装置に対する無線給電と無線通信を最適化する制御装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7508340/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(無線給電装置における電力伝送効率を最大化する送受信アンテナの設計とマッチング回路の最適化、通信装置と通信端末間の高周波回路のインピーダンス整合技術の検討、各種センサーからのアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換器を含む信号処理回路の設計)、通信工学(各通信装置が取得する通信データのリアルタイムな収集・解析手法の確立、無線給電と無線通信の指令を伝達するための低遅延かつ高信頼なネットワークプロトコルの設計、取得した情報に基づいて最適な給電量や通信パラメータを決定する資源配分アルゴリズムの設計とシミュレーション評価)
(5)G06Q|開発トレンドと専門性

G06QはビジネスにおけるICTなどに関する分類です。
従来のサプライチェーンマネジメントは取引実績に基づくツリー構造で、異なるサプライチェーン間の企業連携を把握できませんでした。
これに対し、参加企業の企業情報を管理するポータル管理部、取引先管理グループを生成・管理する取引先管理部、企業を招待する招待部、招待承認を処理する承認制御部、公開設定を制御する公開設定制御部を有するシステムであり、ポータル管理部が参加企業の基本情報を一元的に管理し、各企業は取引先管理部を通じて自社の取引先管理グループを生成し、招待部を用いて他の企業を招待でき、招待された企業が承認制御部を通じて承認すると招待元と招待先の間に双方向の繋がり企業としての関係が構築され、この際、取引先管理部が直接繋がった企業だけでなく、その繋がり企業の取引先管理情報を参照し、その先の企業を2次繋がり企業として自社のネットワークに自動的に関連付ける連携機能により、従来の直接的な取引関係(ツリー構造)では見えなかった複数のサプライチェーンに跨る広範な企業ネットワークが自動的に生成・可視化できるサプライチェーンプラットフォームシステムが開発されています(以下URL)。
複数の異なるサプライチェーンに跨る企業間の情報共有を可能にするサプライチェーンプラットフォームシステム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7625566/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(サプライチェーンネットワーク情報の効率的な生成と更新のためのグラフデータベースおよびアルゴリズムの設計、大量の企業情報と取引先管理情報を処理するための分散データベースアーキテクチャの設計と最適化)、経営情報学(従来のサプライチェーン管理システムが抱える課題(異なるサプライチェーン間の連携不足など)の分析、本システムが提供する新たな価値(2次繋がり企業の可視化によるリスク低減など)の評価、企業が公開設定を行う際のビジネス上のメリット・デメリットの分析)
従来の分散型エネルギーリソース活用では、余剰電力の有効活用や適切な取引判断が個々のユーザに委ねられ、効率的な電力融通が困難でした。
これに対し、ユーザが設定した蓄電池の使用計画に基づく必要な電力量と現在の蓄電量を比較し、ユーザ設定の売買価格とアグリゲータの売買価格を比較する2段階の判断をおこない、この判断に基づき余剰電力があれば売電を、不足していれば買電を自動的に実行する取引処理手段を備え、使用計画に必要な電力量以下であってもユーザがあらかじめ設定した売電優先度(高価格での売電)や買電優先度(高価格でも購入)に応じて取引を成立させることで、ユーザの意向を反映した柔軟で最適な電力取引を自律的におこなうことができる電力取引システムが開発されています(以下URL)。
電力取引システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7693594/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(蓄電池(EV搭載型や定置型)の最適な充放電プロファイルを作成して寿命を最大限に延ばしつつ効率的な電力融通を可能にする制御アルゴリズムの設計、電力変換装置(PCS/パワコン)の効率向上や小型化、低コスト化の検討、電力系統との安定的な連携を確保するためのインターフェース設計や保護システムの構築)、情報科学(大量のユーザ情報(蓄電量、使用計画、設定価格)とアグリゲータ情報(売買価格)をリアルタイムで収集・処理するためのスケーラブルなデータベースシステムの設計、ユーザの優先度設定と市場価格変動に基づいて売買の判断を迅速かつ高精度に行うためのアルゴリズムの設計)
従来の負荷分析は専門家による時間のかかる目視や個人差・環境要因を考慮できない点が問題でした。
これに対し、ウェアラブルセンサから身体部位の角度や継続時間に基づく負荷値の時系列データを取得する分析装置であり、データから負荷が高い着目区間を自動設定し、複数の着目区間における負荷値の時系列パターンを統合してクラスタリングをおこなうことにより、類似する負荷パターンを持つ作業をグループ化し、各グループの代表的な負荷パターン(平均時系列パターンセット)を特徴情報として抽出し、この特徴情報を作業映像などと紐付けて表示することで、作業者が負荷の種類や原因を視覚的に詳細把握できるようになり、個人差や環境要因に起因する負荷の違いも分析して作業改善に繋げることが可能となる分析装置が開発されています(以下URL)。
作業者の身体負荷の分析装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7682825/15/ja
関連する専門分野の例:人間工学(センサから得られる身体部位の角度や継続時間データが実際の作業姿勢における負荷とどの程度相関するかの検証、クラスタリングによって分類された負荷パターンが人間工学的にどのような作業特性やリスクに対応するか解析)、データサイエンス(ウェアラブルセンサから得られる生データに対して欠損値補完や平滑化などの前処理の適用、本特許の目的に最適なアルゴリズムの選定およびパラメータの調整)
従来の分析では、多数の変数の中から目的変数への影響要因を特定することが困難であり、特に突発的な要因や継続的に影響するが影響度が低い要因を見落とす可能性がありました。
これに対し、複数の異なる期間にそれぞれ回帰モデルを推定し、各入力変数の出力データに対する影響度と影響要因として選択される頻度を算出し、算出されたこれら2つの指標をそれぞれ第1軸と第2軸に配置したマトリックス図として出力し、このマトリックス図は影響度と頻度の高低に基づいて4つの領域に分割され、「安定的に高影響な変数」「一時的に高影響な変数」「定常的に低影響な変数」「影響が低い変数」といったカテゴリ分類で可視化することにより、ユーザーが多様な影響要因を視覚的に特定できる情報処理装置が開発されています(以下URL)。
半導体や化学プラントなどの製造プロセスなどで目的変数に影響を与える情報を可視化する情報処理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7693587/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(時系列データに対して最適に適用するためのモデリング手法の探索、多数の説明変数から重要なものを選定するアルゴリズムの選定、複数の期間で推定されたモデルの係数情報を統合して変動するデータ傾向に対応できるような集計・分析手法の設計)、数理科学(回帰モデルの推定における各説明変数の係数(影響度)の推定精度やバイアスについての統計学的アプローチからの評価、複数の期間でモデルを推定する際のデータ量やノイズの影響を最小化するためのサンプリング戦略や重み付け手法の検討、マトリックス図の領域分割基準値(第1基準値、第2基準値)を統計的な変動や異常値を考慮して動的に設定するための数理モデルの構築)
(6)G01N|開発トレンドと専門性

G01Nは材料分析などに関する分類です。
有機ハロゲン化合物は多様な異性体混合物で、含有率が異なる標準試料で定量すると測定誤差が大きく信頼性が低いという問題がありました。
これに対し、まず分析対象の有機ハロゲン化合物を熱分解してフラグメントイオンを生成し、そのフラグメントイオンを質量分析することでマススペクトルグラムを得て、次にこのマススペクトルグラムから特定の炭素数のフラグメントイオンのピーク面積比を用いて有機ハロゲン化合物のハロゲン含有率を算出し、最後に算出されたハロゲン含有率に最も近い標準試料の検量線と分析試料を質量分析して得られたマススペクトルグラムから有機ハロゲン化合物の含有量を定量することで、分析対象のハロゲン含有率と標準試料のハロゲン含有率の乖離が小さくなるため複雑な混合物であっても信頼性の高い定量分析が可能となる有機ハロゲン化合物の分析方法が開発されています(以下URL)。
有機ハロゲン化合物の分析方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7596328/15/ja
関連する専門分野の例:分析化学(有機ハロゲン化合物の炭素鎖長やハロゲン置換数に応じた最適なフラグメント化条件(熱分解温度、イオン化エネルギーなど)の検討、マススペクトルにおける各フラグメントイオンの質量電荷比とピーク面積が元の有機ハロゲン化合物のハロゲン含有率とどのように相関するかの検証、多成分混合物である有機ハロゲン化合物の各成分(炭素数、ハロゲン数)がどのようなフラグメントイオンを生成するかの解析、ハロゲン含有率算出に用いるフラグメントイオンの最適範囲(例:炭素数3~7)の特定)、有機化学(短鎖、中鎖、長鎖塩素化パラフィンなどさなざなな有機ハロゲン化合物の分子構造や異性体の特性の確認、熱分解や電子衝撃イオン化によって化合物がどのように開裂し、どのような安定なフラグメントイオンを生成するかの反応機構や選択性の解明、フラグメントイオンの質量電荷比とそれが元の化合物中のどの部分構造に由来するかの予測)
従来の光学検査では、物体表面からの反射光の分布を詳細に評価することが難しく、微細な表面性状や欠陥を高精度に識別することが困難でした。
これに対し、まず検査対象の物体表面から反射される光を複数の異なる波長を透過させる波長選択部を介してイメージセンサー(数の異なる波長の光を区別して受光できる色チャンネルを備える)で撮像して画像を取得し、次に取得した画像の各画素において光を受光した色チャンネルの数を色の数として推定(例えば、鏡面に近い表面であれば受光する色数は少なく、粗い表面であれば光が広範囲に散乱するため受光する色数が多くなる)し、この色の数に基づいて物体表面からの散乱光分布を識別するか、または表面の状態を直接識別することで、照明光を分光することなく非接触で物体の表面性状や微細な欠陥を高精度に評価できる光学検査方法が開発されています(以下URL)。
物体の表面状態を非接触で識別する光学検査方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7696852/15/ja
関連する専門分野の例:応用物理学(特定の波長を効率的に選択透過させる波長選択部の設計、イメージセンサーの各色チャンネルの分光特性(感度曲線)の測定および目的とする波長領域の光を正確に識別できるか評価、物体表面の微細構造が光の散乱(BRDF)に与える影響のモデル化および色の数とBRDFの関係の予測、結像光学素子の収差の評価および高解像度かつ色収差の少ない光学系の設計)、情報科学(イメージセンサーから取得したRAWデータ(生データ)から各画素におけるRGBの値を正確に分離してノイズを除去する画像前処理アルゴリズムの設計、各画素で受光した色の数(アクティブな色チャンネルの数)を推定するアルゴリズムの設計、色の数とBRDFの物理的特性(例:半値全幅、ピーク強度)との相関関係に基づき未知の色の数からBRDFを推定するシステムの構築)
従来の超音波溶接では、溶接中の接合状態をリアルタイムで正確に把握することが難しく、不良品の発生や品質管理の問題がありました。
これに対し、接合対象物に加圧力を与えながら超音波を接合面に入力し、その際に接合対象物を介して伝搬する弾性波をセンサーで検出し、検出された信号を解析してその包絡線を生成し、この包絡線から経時的に漸増する第1領域と略一定値となる第2領域を抽出し、第1時間、第2時間、信号の振幅、第1領域における増加トレンド除去後の分散、包絡線の面積といった特徴量(接合面における酸化膜の破壊から原子間結合が形成されるまでの溶接過程を反映)を算出し、この特徴量の算出結果に基づいてコンピュータがリアルタイムで接合状態(正常か不良か、異常モードなど)を判定することで、超音波溶接の品質管理を向上させる診断方法が開発されています(以下URL)。
金属材料の超音波溶接時の診断方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7669313/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(さまざまな金属材料やその組み合わせについて超音波溶接時の温度、圧力、超音波振動条件が界面での原子拡散、結晶構造変化、介在物形成に与える影響の解析、超音波溶接における材料の塑性変形挙動の解析、接合面の平滑化や真実接触面積の増加が弾性波伝播に与える影響の評価)、電気電子工学(超音波センサーの特性評価、検出対象となる弾性波の周波数帯域、振幅、位相などを考慮した最適な信号増幅・フィルタリング回路の設計、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータの選定、高速・高分解能なサンプリングレートの決定、信号の歪みを最小限に抑えるデータ取得システムの構築、取得したデジタル信号から超音波の入力開始タイミングや特定の事象(例:酸化膜の破壊、原子間結合の形成)を自動で識別するためのアルゴリズムの設計)
蛍光X線分析ではアンチモンの総濃度は分かるものの価数別の評価ができず、水素化物発生ICP質量分析法は高価で大がかりなため、簡便な価数別のスクリーニング手法が求められていました。
これに対し、まず分析対象となる3価および5価のアンチモンイオンを含む第1分析溶液またはこの第1分析溶液に特定の酸を混合した第2分析溶液を用意し、次にこれらの溶液に第2の酸を混合することで3価アンチモンイオンは酸化させずに5価アンチモンイオンのみをクロロ化して[SbCl6]-イオンを含む第3分析溶液を生成し、この際、酸化剤となる硝酸やセリウム(IV)化合物の濃度制限により3価アンチモンの5価への意図しない酸化を防ぎ、続いて第3分析溶液と第1有機溶媒を混合し、撹拌後に40℃以上70℃以下の温度で静置して相分離させることでクロロ化された5価アンチモンイオンを有機相である第4分析溶液に抽出・分離し、その後、この第4分析溶液にローダミンBを含む呈色液を混合することによる5価アンチモンイオンの濃度に応じた赤色の発色の度合い(色または吸光度)を評価することで、簡便に元の溶液中の5価アンチモンイオン濃度を評価できる分析法が開発されています(以下URL)。
アンチモンイオンの分析方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7604414/15/ja
関連する専門分野の例:分析化学(アンチモンイオンの価数に特異的なクロロ化条件(酸の種類、濃度、反応時間、温度など)の検討および3価アンチモンの酸化を抑制しつつ5価アンチモンの選択的なクロロ化を促進する条件の確立、[SbCl6]⁻イオンの有機溶媒への分配係数の評価および高効率な抽出分離条件の決定、ローダミンBと[SbCl6]⁻イオンとの錯体形成反応のメカニズムの解明、呈色反応の速度、安定性、発色強度と濃度との線形関係の評価および検量線作成のための最適な波長や呈色液組成の決定)、無機化学(3価アンチモンと5価アンチモンの標準酸化還元電位を基に特定の酸(硝酸、セリウム(IV)塩など)が各価数に与える酸化作用・安定性への影響の予測、塩酸濃度と温度がアンチモンイオンのクロロ錯体形成に与える影響の調査および[SbCl6]⁻イオンの生成効率と安定性を最大化するための条件の特定、有機相中での[SbCl6]⁻イオンの安定性を確保するための最適なpHや溶媒条件の確立)
(7)G11B|開発トレンドと専門性

G11Bは情報の記録などに関する分類です。
従来、単一の磁気再生素子では、高密度化された記録媒体上の微細な磁気信号、特に最小パターンを高精度に再生することが困難でした。
これに対し、磁気記録媒体から情報を再生する際、互いに感度が異なる2つの再生素子(第1再生素子と第2再生素子)を用いる装置であり、最小記録パターン(1Tパターン)から得られる電気信号については第2再生素子の方が第1再生素子よりも高い強度で信号を検出するよう感度が設定され、これらの異なる感度を持つ2つの再生素子からそれぞれ得られた電気信号は取得部で取得され、その情報に基づいて処理部が最終的な再生信号を出力することにより、単一の再生素子では取得が難しかった微細な磁気信号の詳細な情報を多角的に捉えることが可能となる磁気再生処理装置が開発されています(以下URL)。
磁気再生処理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7510398/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(第1・第2再生素子の周波数応答、ノイズ特性、非線形性などの評価および最適な信号増幅、フィルタリング、イコライジング回路の設計、異なる感度を持つ2つの電気信号の統合およびノイズ除去や符号間干渉除去をおこなうための高度なデジタル信号処理アルゴリズムの設計)、応用物理学(磁気記録媒体における磁気信号の記録メカニズムや1Tパターンなどの微細な磁気ドメイン構造が再生素子に与える磁場分布の解析、第1・第2再生素子の材料(例:磁性層、非磁性層)の選択と層構造、素子サイズ、形状などを最適化、所望の異なる感度特性(特に高周波成分に対する応答性)を実現する物理設計)
既存技術では、記録密度向上のために磁気記録ヘッドのギャップ長を短くすると、高周波磁界の発生が困難になるという問題がありました。
これに対し、磁極と、第1磁性層、第2磁性層、非磁性中間層からなる積層体および第1非磁性層を備えた磁気記録ヘッドあり、第1磁性層の磁気膜厚(厚さ×飽和磁束密度)が小さくされてギャップ長を短縮しつつ第2磁性層の磁気膜厚が第1磁性層よりも大きく設定され、第2磁性層から第1磁性層へ電流を流すという従来のスピントルク発振子とは逆方向の電流印加により、薄い第1磁性層でも安定した高周波磁界を発生させることが可能な磁気記録ヘッドが開発されています(以下URL)。
磁気記録ヘッド→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7072036/15/ja
関連する専門分野の例:応用物理学(異なる磁性材料(FeCo合金、ホイッスラー合金など)の電子状態、スピン輸送特性、磁気異方性、ダンピング定数の評価、中間層の厚さや材料がスピン偏極率およびスピントルク効率に与える影響の解析、温度や外部磁界の変化が高周波磁界の周波数や強度に与える影響の予測および安定動作条件の特定)、電子工学(積層体への高周波電流の効率的な供給方法の検討および電流密度、発振開始電流、80%電流密度といった電気的パラメータを最適化するための回路設計、磁気記録ヘッドから得られる再生信号のノイズ特性の評価および高密度記録における信号対ノイズ比を最大化するための信号処理回路の設計)
本技術分野では、東芝を筆頭出願人とする東芝デバイス&ストレージ株式会社との共同出願が非常に多いです。以下、当該社との共同出願です(なお、「3.5 共同出願人との開発例」では筆頭出願人を抽出しているので、これらの情報は反映されていません)。
既存の磁気ディスク装置では、隣接トラックへの干渉によるデータ劣化を防ぐため、トラック全体のデータを読み出して書き換えるリライト動作がおこなわれますが、これにはディスクの回転を複数回待つ必要があり、時間がかかるという問題がありました。
これに対し、磁気ディスク、磁気ヘッド、バッファメモリ、コントローラを備えた磁気ディスク装置であり、データセグメントとパリティセクタが配置されたトラックに対し、コントローラがまず磁気ヘッドでデータを順次読み取り、バッファメモリに格納すると同時に新しいパリティを取得し、データの読み取り完了後、磁気ヘッドがトラックの先頭位置に戻るのを待たずにバッファメモリ内のデータと新しいパリティをディスクに書き込み始めることで、リライト動作にかかるディスクの回転数を削減し、全体の処理時間を短縮することを可能な磁気ディスク装置が開発されています(以下URL)。
磁気ディスク装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7693602/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(コントローラにおけるデータリード/ライトのタイミング制御ロジックの設計、バッファメモリの効率的な使用方法の検討、隣接トラック干渉の発生頻度とリライト動作の開始条件を決定するアルゴリズムの設計)、電子工学(磁気ヘッドのリード/ライト信号処理回路の設計とノイズ対策、バッファメモリ(DRAM/SRAMなど)のインターフェース回路の設計、磁気ディスクの回転速度を制御するモータードライバICの最適化)
従来のディスク装置では、高機能化に伴い配線数が増加し、配線を細くすると接続端子の強度が低下し、接合不良が問題でした。
これに対し、ヘッドを支持する支持板とヘッドに接続された配線部材を備えたサスペンションアッセンブリであり、この配線部材の接続端部が配線に接続された13以上の多数の接続端子を有し、接続端子の一部に対向する複数の第1開口と隣接する接続端子間の空間部に対向する複数の第2開口を持つベース層を備える接続構造により、接続端子の強度を維持しつつ配線の狭ピッチ化とハンダ接合時の信頼性向上を両立するサスペンションアッセンブリが開発されています(以下URL)。
ディスク装置に用いられるサスペンションアッセンブリ→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-118408/11/ja
関連する専門分野の例:材料工学(薄膜化された導電層(銅箔など)の強度と導電性を両立させるための合金組成や製造プロセスの検討、ポリイミドなどの絶縁材料における熱膨張係数や誘電率の評価、異種材料間の界面接着強度を高めるための表面処理技術の検討)、電子工学(微細な配線パターンにおける信号伝送特性(インピーダンス整合、クロストークなど)の解析と最適化、接続端子とFPCのハンダ接合における電気的信頼性評価、磁気ヘッドとFPCユニット間の高速信号インターフェース回路の設計と評価)
(8)H04N|開発トレンドと専門性

H04Nは画像通信に関する分類です。
従来の動画像復号では、動きベクトルを固定的な方法で予測するため自由度が低く、また選択情報を送ると符号量が増加するという課題がありました。
これに対し、復号化対象ブロックの予測モードと隣接する復号化済みブロックの予測モードに基づき動きベクトルを持つ利用可能ブロックを取得し、取得した利用可能ブロックに位置に応じたインデクスを設定し、利用可能ブロックの数に応じた符号表を用いて選択ブロックを特定するインデクスを復号し、復号されたインデクスに従って利用可能ブロックから選択ブロックを選択し、その選択ブロックの動きベクトルを用いて復号化対象ブロックを動き補償予測復号することにより、動きベクトル予測の自由度を高めつつ付加情報の削減と高効率な動画像復号を実現する動画像復号化装置が開発されています(以下URL)。
動画像復号化装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7431935/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(隣接ブロックの動きベクトルを活用した新しい予測モードの検討、利用可能ブロックの数に応じた最適な符号表の設計、動画シーケンスを用いた復号性能の定量評価と既存規格との比較分析)、電気電子工学(高速な動きベクトル探索と予測補償処理を実現するためのデジタル回路の最適設計、低消費電力化のための回路アーキテクチャの検討、画像データの入出力インターフェース設計、LSI製造プロセスを考慮したレイアウト設計)
既存のストリーミング配信技術では、通常、動画データを時間ベースで固定長のチャンク(ストリーミング配信されるデータを細かく分割した送受信単位)に分割しています。しかし、動画のフレーム(ピクチャ)は種類によってデータサイズが大きく異なり、特にデータ量の大きいIピクチャを含むチャンクはダウンロードに時間がかかり、視聴の遅延を引き起こすという問題がありました。
これに対し、ピクチャデータのサイズに応じてチャンクの時間長であるチャンク長を動的に決定するストリーミングサーバであり、セグメントデータを複数のチャンクに分割する際、Iピクチャ(動画のフレーム(コマ)を単独で完全に表示できる画像データ)を認識するとそのチャンク長を固定長よりも短く設定することにより、データサイズの大きいチャンクの伝送時間を短縮し、データサイズのばらつきを抑え、結果として、プロキシサーバなどを経由するネットワーク環境下でもダウンロード遅延が抑制されるストリーミングサーバが開発されています(以下URL)。
ストリーミング映像配信のストリーミングサーバ→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7562485/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(異なるネットワーク帯域や遅延条件下でのチャンクごとのダウンロード時間やジッターを測定するシミュレーションモデルの構築、チャンク長を動的に変更する制御ロジックが全体の伝送効率に与える影響の評価、パケットロスや再送処理が視聴体験に及ぼす影響の分析)、電気電子工学(動画符号化器からのピクチャデータをリアルタイムで解析してチャンク長を動的に決定するための高速な信号処理回路の設計、大容量のピクチャデータを一時的に格納するバッファメモリのアーキテクチャ設計、高効率なデータパッケージングとネットワークへのデータ出力をおこなうための通信インターフェース回路の設計)
既存の映像配信システムでは、HDMIケーブルを用いた映像表示においてソース機器、シンク機器およびケーブルの性能に応じた最適な映像フォーマットの手動設定がユーザーにとって非常に困難でした。
これに対し、複数の映像配信システムから受信装置(シンク機器)とHDMIケーブルの種別および映像伝送能力を示すデータ(第1データ)を受信し、それらを組み合わせて集計、保存するサーバ装置であり、特定の映像配信システムから第1データが送信された際、保存された過去の集計データの中から同じ組み合わせの機器およびケーブルに関する情報を参照し、エラーレートが許容範囲内で最も高解像度な映像フォーマットをそのシステムにとっての最適な映像フォーマットとして自動で選出し、選出された最適な映像フォーマットは第2データとして送信装置(ソース機器)に送られて自動的に設定されるため、ユーザーが専門知識がなくても最適な映像表示が可能なサーバ装置が開発されています(以下URL)。
HDMIケーブルを利用して映像データを表示するためサーバ装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7487149/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(機器種別やケーブル種別、伝送能力、エラーレートなどの属性を考慮したデータモデルの設計、大量のデータの中から特定の組み合わせに合致する情報を高速に検索・集計するためのインデックス検討、集計結果に基づいた最適な映像フォーマット選出ロジックの実装とその性能の評価)、電気電子工学(HDMI伝送におけるエラーレートの測定方法の標準化とそのしきい値設定に関する検証、さまざまな解像度、フレームレート、色深度の映像フォーマットが実際のHDMIケーブルを介して伝送される際の信号品質(ジッター、アイパターンなど)のシミュレーションと実測による評価、伝送路における信号劣化要因(ケーブル長、材質、コネクタ品質など)とそれらがエラーレートに与える影響の相関分析)
従来のウェアラブル端末は表示される情報の位置や色調をユーザーの視覚特性や装着状態に合わせて細かく調整することが困難でした。
これに対し、ディスプレイから投影された虚像をユーザーの前方に表示するウェアラブル端末であり、投影装置が備える第1ユーザー操作部をユーザーが回転させることで虚像の投影角度が調整され、ユーザーの頭の形状やサイズに合わせて表示位置を柔軟に調整でき、第2ユーザー操作部をユーザーが回転以外の動作で操作することで虚像の色調も調整可能であるため、ユーザーは自分の見やすい位置や色合いに虚像をカスタマイズできるウェアラブル端末が開発されています(以下URL)。
ウェアラブル端末→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7263603/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(第1および第2ユーザー操作部からの入力信号の解析、投影角度や色調パラメータに変換する制御ロジックの設計、ユーザーの頭部形状や視線データと連携して虚像の表示位置を自動調整する画像処理アルゴリズムの設計、色覚特性の個人差に対応した色調補正技術の実装とそれら全てのソフトウェアシステムの性能最適化)、機械工学(ユーザーの頭部形状にフィットし長時間の装着でも快適さを保つフレーム構造の設計、第1および第2ユーザー操作部(例えば、ダイヤルやスライドスイッチ)の精密な機構設計と耐久性評価、投影装置内部のレンズやミラーなどの光学部品を正確に配置・保持し外部からの衝撃や振動に強い構造の設計、熱発生を抑えつつ放熱効率を最大化する筐体設計と材料選定)
(9)H04L|開発トレンドと専門性

H04Lは電信通信に関する分類です。
従来の技術では、量子鍵配送(QKD)ネットワークにおいて、アプリケーション鍵を共有するための最適な経路を決定することが困難でした。このため、リンク鍵(量子鍵配送で生成される鍵)の枯渇や通信スループットの低下といった問題が生じていました。
これに対し、QKDによって生成されるリンク鍵の生成速度や保有量といったリソース情報および量子ビット誤り率(QBER)といった状態情報を収集し、収集した情報に基づき各リンクのコスト(リンク鍵の生成速度と保有量を考慮した重み付け和)から鍵リレー経路全体のボトルネックとホップ数を算出し、これをメトリックとして最適な鍵リレー経路を決定し、また、QBER値が所定の閾値を超える異常なリンクを回避する機能も備え、リンク鍵の枯渇を避けつつ安定したスループットで効率的なアプリケーション鍵の共有を実現する鍵管理装置が開発されています(以下URL)。
量子鍵配送ネットワークにおける鍵管理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7693596/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(ネットワーク内の各機器(鍵管理装置など)がどのような情報をやり取りするかを定義する通信プロトコルの設計、大量のネットワークデータから最適な経路を導き出すための高度なアルゴリズムの設計、ネットワーク全体の状態を監視して異常を検知・回復するための分散システムやAI技術の導入の検討)、電気電子工学(量子鍵配送に不可欠な光通信デバイス(レーザー、光検出器など)の性能向上や小型化、高速な鍵生成・処理を可能にする集積回路の設計、ネットワーク機器間の高速かつ安定したデータ伝送を実現するための通信インターフェースや信号処理回路の設計)
従来のTSN(Time-Sensitive Networking)規格では、メッセージがゲートを通過した後の転送状態を考慮しないため、特にバッファリングが行われる場合などに、メッセージの送信タイミングを正確に制御できない問題がありました。
これに対し、送信制御部と通信部を備えた通信制御装置であり、送信制御部が複数のキューに対応するゲートの開閉情報に基づき、第一メッセージの転送開始タイミングを制御し、この転送開始タイミングが既にゲートを通過することが確定した第二メッセージの送信コストと送信制御部と通信部間の第二メッセージの転送状態(例えば、バッファ部のデータ滞留量など)に基づいて決定されることにより、ゲート通過後の通信パスの状況も考慮に入れ、メッセージの送信タイミングと量を制御できる通信制御装置が開発されています(以下URL)。
リアルタイム通信における通信制御装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-081630/11/ja
関連する専門分野の例:情報工学(送信キューからのメッセージ選択ロジック、優先度制御メカニズム、輻輳制御アルゴリズムなどの設計、通信制御装置に搭載されるソフトウェア(ファームウェア)の設計)、電気電子工学(送信制御部、通信部、バッファ部などの各機能を統合した高速かつ低遅延で動作する回路設計、ゲート制御情報に基づく厳密なタイミングでのメッセージ送信を可能にする高精度なクロック同期回路や各モジュール間のデータ転送クロックを整合させるための回路の設計)
従来の技術では、量子鍵配送(QKD)ネットワークのシステム構成に柔軟性がなく、特に鍵管理装置に乱数生成器が必須でした。
これに対し、量子暗号通信装置と鍵管理装置から構成されるシステムであり、量子暗号通信装置は対向する装置と量子鍵配送処理によってローカル鍵を生成し、このローカル鍵を鍵管理装置に提供し、鍵管理装置は受け取ったローカル鍵を暗号化用・復号用のローカル鍵としてだけでなく、暗号データ通信先ごとに生成するグローバル鍵の乱数としても利用する割合を決定し、その割合に基づいて配分することにより、鍵管理装置に専用の乱数生成器がなくてもグローバル鍵の生成と共有が可能な量子暗号通信システムが開発されています(以下URL)。
量子暗号通信システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7520787/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(QKDに必要な単一光子検出器や光源の特性評価と選定、光ファイバーの伝送損失を最小限に抑えるための物理層設計、信号の変調・復調回路の設計、量子乱数を生成するための物理乱数生成器のハードウェア実装と性能評価)、情報科学(ローカル鍵とグローバル鍵の効率的な管理と配分を実現する鍵管理ソフトウェアの設計・プログラミング、ネットワーク上で鍵情報を安全に転送するための暗号プロトコルの適用とカスタマイズ、アプリケーションへの鍵提供インターフェースの設計)
従来の秘匿通信では、パケットのデータ部が暗号化されてもヘッダは平文のため、通信経路上の第三者に送信元や送信先が知られてしまう問題がありました。
これに対し、複数の外部通信装置(中継ノードや受信ノード)と事前に暗号鍵を共有し、送信データ送信時には暗号鍵の残量に基づいて最適な中継経路を決定し、この経路上の各中継ノードと受信ノードに対して、それぞれ異なる暗号鍵でヘッダ情報を暗号化し、ここで受信装置向けのヘッダ暗号鍵と中継装置向けのヘッダ暗号鍵は異なる長さとすることで中継ノードが復号できるヘッダの範囲を必要最小限に抑えて機密性を高め、生成されたパケットはデータ部と多層暗号化されたヘッダを含んでおり、経路に沿って送信されることで中継ノードは自身に関連するヘッダ部分しか復号できず、送信元や最終送信先を秘匿できる通信装置が開発されています(以下URL)。
通信経路上の秘匿性を高めた通信装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7596239/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(ワンタイム暗号に用いられる鍵生成器のハードウェア設計、光ファイバーや無線通信における高速データ送受信のための変復調回路の設計と最適化、パケットヘッダの多層暗号化・復号処理を効率的におこなうための回路設計)、情報科学(共有された暗号鍵の残量や使用状況を効率的に管理する鍵管理データベースの設計、経路上のセキュリティ要件(鍵長など)を満たす最適な中継経路を探索・決定するアルゴリズムの設計、送信元・中継ノード・受信ノード間での多層暗号化・復号処理を制御する通信プロトコルの設計)
(10)G05B|開発トレンドと専門性

G05Bは制御装置に関する分類です。
従来の監視装置では、センサ信号の処理量を減らすと異常検出精度が低下し、精度を維持しようとすると処理量が増大するという問題がありました。
これに対し、機械装置(例:エレベータ、自動車、鉄道など)のセンサから出力される信号を収集し、その信号に基づいて異常を診断する状態監視装置であり、診断部には機械装置の速度、加速度、加加速度のいずれか1つ以上に応じた時間幅でセンサ信号を切り出す切出部と、切り出した信号から異常を判定する判定部が含まれ、機械装置が一定速度で移動している場合は第1の時間幅でセンサ信号を切り出し、加速または減速している場合はその動作開始時点から第2の時間幅で切り出すことで、定常的な動作音と非定常的な動作音(加速・減速時やドア開閉時など)の特性に合わせて必要な情報を含む信号のみを過不足なく抽出でき、データ処理量を抑えつつ高精度な異常検出を可能にする状態監視装置が開発されています(以下URL)。
移動する機械装置の異常などを診断する状態監視装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7646591/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(機械装置の各部品(モーター、ギア、ベアリング、ドア機構、サスペンションなど)から発生する振動や音響信号の特性の分析および異常時の変化の特定、速度、加速度、加加速度といった動的な状態変化を正確に捉えるためのセンサの選定およびノイズの影響を最小限に抑える配置方法の検討、センサから得られる時系列データが機械装置の実際の動作状態とどのように関連するかの検証および適切なデータ切り出しタイミングや時間幅の妥当性の評価)、情報科学(機械装置の動作状態(定速、加速、減速など)に応じてセンサ信号を適切に切り出すためのロジックや異常検知に特化した特徴量を自動で抽出するアルゴリズムの設計、切り出したセンサ信号を解析して正常状態からの逸脱を検出する異常検知モデルの構築、リアルタイム処理の要件を満たすためのデータの前処理、特徴量抽出、異常判定までの一連の処理パイプラインの設計)
従来の学習制御は動作途中からの開始でメモリを削減できるが、離散的なデジタル制御のため学習試行間の開始時刻にずれが生じ、制御性能が低下するという問題がありました。
これに対し、追従誤差に応じて修正制御入力を更新する更新部、学習制御開始時の制御対象の状態から学習開始条件を満たした時刻と実際に学習制御が始まる時刻とのずれを計算する計算部、この計算されたずれを相殺するように更新された修正制御入力を補正する補正部を有する学習制御装置であり、補正部による補正で修正制御入力の低周波成分に線形補間を適用し、高周波成分のゲイン低下を抑制しながら学習制御の出力を擬似的にずらすことで、学習開始時刻のずれによる制御性能の低下を抑制することで、メモリ使用量を抑えつつ高精度な学習制御を実現する学習制御装置が開発されています(以下URL)。
主に繰り返し制御における学習制御装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7693530/15/ja
関連する専門分野の例:制御工学(制御対象(例:HDDヘッド駆動装置、ロボットアーム)の数学モデルの構築、目標軌道に対する追従誤差を最小化するための最適な学習ゲインの導出、学習制御開始時刻のずれが制御システム全体に与える影響の評価およびそのずれを補償するための線形補間フィルタの設計)、情報科学(更新部、計算部、補正部の機能のデジタル制御システム上への実装、学習制御開始時刻のずれを計算するアルゴリズムや修正制御入力の線形補間の実装、大容量のメモリの使用量を削減しつつ学習試行間の修正制御入力を適切に管理するためのメモリ管理の設計)
製造データの項目増加により人手による製品異常の原因特定が困難になり、ユーザの監視負担が増大していました。
これに対し、製品が特定の状態である複数の原因候補の製造条件を推定し、その推定結果と複数の製造条件間の関係を示す関係データに基づいて可視化データを生成するデータ処理装置であり、この関係データは解析時の製造条件間の関係(第1関係データ)と通常時または設計時の製造条件間の関係(第2関係データ)を含み、可視化データ生成部は原因候補の製造条件を第1関係データと第2関係データそれぞれに基づいてグループ分けし、さらに第1のグループ内の製造条件を代表候補に対し関係の強さが、変化なし、増加、減少、の3つの小グループに再分割することにより、ユーザが異常発生時に特に注目すべき製造条件や通常時との関係性の変化を直感的に把握でき、多数の製造条件の中から原因を効率的に絞り込むことが可能となり、監視負担を軽減するデータ処理装置が開発されています(以下URL)。
製品が特定の状態になった原因を特定するデータ処理装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7524145/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(工場から収集される多種多様な製造条件データと製品の状態データを効率的に収集・管理するためのデータベース構造の設計、製品の特定の状態(異常)と関連性の高い製造条件を自動で抽出・推定するためのデータマイニングや機械学習アルゴリズムの設計、製造条件間の関係性(相関、因果関係など)の定量化およびその変化を検出するアルゴリズムの設計)、統計学(製造条件データが連続値、カテゴリカル値など混在する場合のデータ特性に応じた適切な統計的記述量や分布の分析、製品の異常状態と特定の製造条件との間に統計的に有意な関連があるかの評価、通常時の製造条件間の関係(第2関係データ)と異常発生時の製造条件間の関係(第1関係データ)の比較および統計的な差異や変化点の検出、複数の製造条件間の複雑な関係性のモデリング)
従来の機器診断モデルはその妥当性を判定する方法が確立されておらず、誤った診断をしてしまうリスクがありました。
これに対し、時系列で変化する機器の状態データ(例えば、劣化に伴う音の信号など)を入力として受け取り、これを定量的な状態数値に変換するAIモデル(状態診断モデル)を実行する診断装置であり、このモデルから出力された複数の状態数値が時間経過(劣化の進行など)と共に期待通りに単調な変化(増加または減少)を示すか否かを判定部が自動で検証(例えば、劣化が進行すれば状態数値が増加するといった整合性を確認)することにより、AIモデルが機器の状態変化を適切に捉えられているか妥当性を客観的に判断する状態診断装置が開発されています(以下URL)。
IoT機器の状態を診断する装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7482055/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(時系列の音響データや振動データから機器の劣化度合いを示す状態数値を正確に算出できるニューラルネットワークの設計、モデルが生成する状態数値の時系列変化が想定される単調性を満たすかを判定するための統計的テストやパターン認識アルゴリズムの設計、状態診断装置全体のソフトウェアアーキテクチャの設計およびモデルの実行、妥当性判定、結果の送信、必要に応じたモデルの再学習といった一連の処理が効率的かつ安定して動作するシステムの構築)、電気電子工学(機器の劣化に伴う微細な音や振動の変化を捉えるための高感度なセンサーの選定、ノイズの影響を最小限に抑えるアナログ回路の設計、アナログ信号をデジタルデータに変換するA/Dコンバータの性能の最適化およびそのためのデジタル信号処理回路の設計)
3.5 共同出願人との開発例
共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。
技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。
共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。

従来のLED照明装置は複数の光源ユニットを円形に配置すると放熱が不十分になり、素子の劣化や寿命短縮の原因となる問題がありました。
これに対して、口金に接続された支持体の周囲に複数の光源ユニットが環状に配置された照明装置であり、各光源ユニットの台座部には多数の突起が設けられ、この突起間に異なる方向へ連通する空気流路が形成されていることにより、照明装置の設置向きに関わらず自然対流による放熱が効率的におこなわれ、LED素子の安定動作と長寿命化を実現する照明装置が開発されています(以下URL)。
LED照明装置→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6530539/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(放熱フィンや台座部に使用するアルミニウム合金やマグネシウム合金、銅などの金属材料、高熱伝導性樹脂などの有機材料の組成最適化や微細構造の設計、照明の光を効率よく透過させるグローブとするために透明性、耐熱性、耐候性に優れたガラスやポリカーボネートなどの光学材料の選定)、電気工学(複数のLEDを効率よく点灯させるためのLED駆動回路(定電流回路、スイッチング電源など)の設計、発光部から延びる配線が台座部や支持体の内部をどのように通り制御基板へ接続されるかの設計、口金から供給される電力を複数の光源ユニットへ適切に分配するための配電システムの構築)
4 開発に求められる専門性
上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。
上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。
(1)半導体関連(H01L)
・材料、物理、電気系分野(材料科学、材料工学、応用物理学、電子工学、電気電子工学など)
材料系では半導体発光デバイスなどの対象物の性能と信頼性を決定づける材料の選択、合成、物性評価などが、物理系では半導体発光デバイスにおける結晶欠陥(転位など)の発生メカニズムの解析など物理現象の理論的、実験的解明などが、電気系では半導体層上に形成される半導体装置の電気的特性の最適化やウェーハの反りや欠陥がデバイス特性に与える影響の電気的特性の評価などがなどが求められます。
(2)データ処理関連(G06F)
・情報系、電気系の分野(情報科学、情報工学、情報セキュリティ、コンピュータサイエンスなど)
情報系ではIT監視システムの検証用モデルの自動生成などの所望の処理をおこなうためのアルゴリズム設計、ノイズの変化などの数学的なモデル化や予測などが、電気系では装置間の通信プロトコルの設計、センサーからの情報の取得やデータの変換をおこなうための回路設計などがが求められます。
(3)電池関連(H01M)
・化学系、材料系、物理系の分野(電気化学、化学工学、材料科学、材料工学など)
化学系では電極界面におけるイオンの移動、電子の授受や副反応メカニズムなどの化学的な解明、電極性能向上のための条件の探索などが、材料系では電極活物質、バインダ、さまざまな複合材料の微細構造や組成、物性の評価、制御、最適化などが求められます。
(4)給電、配電等関連(H02J)
・電気系、情報系分野(電気電子工学、制御工学、通信工学など)
電気系では給電に必要なハードウェアと回路の設計、電力系統の挙動などの解析や制御システムなど装置の最適化、各装置を含む電力系統全体のモデリングなどが、情報系では複数装置を含むシステム全体の協調アルゴリズム設計、通信システムとの協調動作を実現するための通信プロトコルと制御アルゴリズムの設計などが、求められます。
(5)ビジネスICT関連(G06Q)
・情報系、電気系、その他分野(情報科学、経営情報学、電気電子工学、データサイエンス、人間工学、数理科学など)
情報系では従来システムなどの課題分析、搭載するシステムの評価、構築するシステムを支えるデータ構造、アルゴリズム、ネットワーク通信プロトコルの設計などが、電気系では電力取引システムにおける充放電の制御、電力変換などを含めたシステム全体の設計などがなどが求められます。
(6)材料の調査や分析関連(G01N)
・化学系、物理系、情報系、材料系、電気系の分野(分析化学、有機化学、無機化学、応用物理学、情報科学、材料科学、電気電子工学など)
化学系では化学物質の分析法におけるフラグメント生成条件などの理論的裏付けの確立、対象物質の化学的特性の評価などが、物理系では光散乱現象などの理論的解析、光の物理的性質や光と物質の相互作用に基づく光学系の設計などが、情報系ではイメージセンサーなどの情報取得手段から得られた画像などのデータから所望の回答を推定するアルゴリズムの設計、学習モデルの構築、システムの設計などが、材料系では金属材料の溶接メカニズムなど分析対象の現象の解析、材料特性が分析に与える影響の評価などが、電気系ではセンサなどからの信号を処理する電機回路の設計、各種装置を含めたシステム全体の設計などが求められます。
(7)情報の記録、再生関連(G11B)
・電気系、物理系、情報系、材料系の分野(電気工学、電子工学、応用物理学、情報工学、材料工学など)
電気系では電気信号の取得、処理およびシステム全体の信号品質の最適化や回路設計、アルゴリズムの設計などが、物理系では磁気信号の記録メカニズムなど対象の物理的解析や材料選定、形状などの最適化を通じた物理設計などが、情報系では磁気ディスク装置などのデータ管理、誤り訂正符号化、所望の動作をおこなうためのアルゴリズム設計などが、材料系ではサスペンションアッセンブリなど対象とする装置の材料選定やそれらの複合材料としての機械的・電気的特性の最適化などが求められます。
(8)画像通信関連(H04N)
・情報系、電気系、機械系の分野(情報科学、電気電子工学、機械工学など)
情報系では動画圧縮などの所望のアルゴリズム設計、ストリーミングデータ送信プロトコルにおける遅延の発生要因などの問題分析などが、電気系では動画像復号化装置などの対象装置の電気回路の設計、通信インターフェース回路の設計、システム全体の設計などが、機械系ではウェアラブル端末の装着性や操作性といった対象装置における所望の動作などを実現するための機構設計や材料の選定などが求められます。
(9)電信通信関連(H04L)
・情報系、電気系の分野(情報科学、情報工学、電気電子工学など)
情報系では量子鍵配送ネットワーク全体のスループットを最大化などの所望の処理をおこなうアルゴリズム設計、アプリケーション鍵を安全かつ迅速に送るためのシステム設計などが、電気系では量子鍵配送ネットワークなどのハードウェアの設計、データ伝送などの効率的な制御の検討などが求められます。
(10)制御装置関連(G05B)
・機械系、情報系その他の分野(機械工学、情報科学、制御工学、統計学、電気電子工学など)
機械系では対象装置の動作メカニズムなどの解析、物理量(振動、音、速度など)を計測するためのセンサ選定や信号評価などが、情報系ではセンサなどからの取得情報の中から異常検出などの所望の処理をおこなうためのアルゴリズム設計、学習済みモデルの構築などが求められます。
5 まとめ
対象規模の大小ではウェアラブル端末から発電システムまで、技術分野では化学物質の分析方法(化学)から情報処理装置(情報)まで広範囲で特許出願されており、おこなわれている開発や求められる専門性も多岐にわたると考えられます。
大学の専攻と関連づけるとしたら、主に情報、機械、電気、材料、化学、物理における研究分野が該当する可能性があります。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
興味を持った企業がある場合は、その企業に絞って調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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・総合メーカーの就職・転職先一覧|研究開発に強い企業の技術分野
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<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社
<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
・本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
・特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
・詳細な確認や重要な判断が必要な場合はお問い合わせフォームからご連絡ください。