次世代の電池と言われている全固体電池技術の進展はEVを中心に、電池技術はさまざまな産業に大きな影響を与える可能性があります。
当該分野に関わる企業は既に10年以上は全固体電池の開発に取り組んでいるはずです。
どのような企業が全固体電池の技術開発に取り組んでいるのでしょうか?
これを特許情報からみていきます。
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
実際にどの企業によって開発がおこなわれたのか特許情報に記載されています。
本記事では、採用サイトとは別の視点で、技電池技術の開発に関わる企業の研究・開発職ニーズと関連する専門性を特許情報から解読します。
結論(概要)は以下の通りです。
・化学系分野(材料科学、無機化学、高分子化学、電気化学、物理化学など)
・機械系分野(機械工学など)
・電気系分野(電気電子工学など)
1 本サーチの概要
本サーチは、さまざまな用途の全固体電池に関わる先端技術の開発をおこなっている企業とその開発にどのような専門性が求めらるのかを特許情報にもとづき客観的に導き出そうとするものです。
2 全固体電池技術
2.1 検索条件
2.2 留意事項
本特許検索は、関連技術全体を広くカバーすることを目的としています。
そのため、検索キーワードや技術領域をある程度包括的に設定し、主要な技術分野や関連企業を洗い出すことを優先しています。
一方、特許情報は非常に多岐にわたり、必ずしもすべての関連技術や企業を網羅できるわけではありません。
このアプローチには情報漏れや情報ノイズが一定程度ある可能性が高いです。
そのため、検索結果においては関連性が薄い情報が含まれる場合や、逆に重要な情報が見落とされている場合もあることをご留意ください。
3 サーチ結果
3.1 結果概要:開発品イメージ
開発イメージは下表のとおりです。
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モノの開発 |
サービスの開発 |
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個人向け |
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法人向け |
・電池そのもの |
・電池の検査方法 |
多くが全固体電池やその部品、それらの製造方法に関するものです。
3.2 結果概要:出願件数の推移
下図は特許出願件数の推移です。

2000年から増加傾向にあります。特に2016年から2019年に出願件数が急増しています。
3.3 結果概要:企業別の出願件数
下図は最近(2015年~2022年)における企業別の特許出願件数です。

その推移が下図です。

3.4 各企業の個別情報
2015年からのトレンドは以下のとおりです(期間中のトータル出願数が多い順に記載)。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
技術分野の記号分類に関する詳細は特許庁のサイトをご覧ください(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p1101
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。
(1)トヨタ自動車|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。次にH01Bが多いです。
具体例として全固体電池の検査方法が挙げられます。
従来の全固体電池では内部の接触不良が原因で性能が低下する可能性がありました。
これに対して、温度変化に対する抵抗の変化が接触不良の有無を強く反映することにもとづき、全固体電池を高温と低温でそれぞれ充放電させて、その直後の抵抗値を測定し、測定結果をあらかじめ設定された閾値と比較して接触不良か否かを判定する方法が開発されています(以下URL)。
温度変化に対する抵抗変化に基づく全固体電池の検査方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2024-068875/11/ja
従来のシリコン系負極材料は充放電時の体積変化が大きく、電池性能の劣化を引き起こすという問題がありました。
これに対して、多孔質シリコン粒子とグラファイト粒子を組み合わせることで当該問題を解決しています。具体的には、多孔質シリコンの大きな体積変化を緩和するためにグラファイトを複合材料として所定割合使用することにより、グラファイト粒子がピラーのように働き多孔質シリコンの構造を保持し体積変化による破壊を抑制する負極活物質層が開発されています(以下URL)。
全固体電池の負極活物質層→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2024-047223/11/ja
従来の全固体電池では集電タブ同士が接触して短絡してしまうという問題がありました。
これに対して、電極体の一部分を弾性ローラーで挟み込み、その側面に絶縁層を形成することで当該問題を解決しています。具体的には、電極体を弾性ローラーで挟み込むことで電極体の表面を平坦にし、平坦化された表面に光硬化性樹脂などを塗布して光照射することで絶縁層を形成することで電タブと他の層との接触を防止して短絡のリスクを低減する製造方法が開発されています(以下URL)。
全固体電池の製造方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2024-037578/11/ja
具体例としてリチウムイオン伝導体が挙げられます。
従来のリチウムイオン伝導体は加圧状態でのイオン伝導性が低いという問題がありました。
これに対して、特定の複合ハロゲン化物と有機塩を組み合わせることで、加圧状態でのイオン伝導度を向上させています。具体的には、複合ハロゲン化物としてLiGaX4(Xはハロゲン)という複合ハロゲン化物が、有機塩としてテトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド (TBATFS)が用いられ、イオン電導度を向上させたリチウムイオン伝導体が開発されています(以下URL)。
リチウムイオン伝導体→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-184300/11/ja
(2)パナソニックIPマネジメント|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。次にH01Bが多いです。
具体例として硫化物固体電解質材料の製造方法が挙げられます。
従来の硫化水素固体電解質では有害な硫化水素が発生しやすいという問題があった。
これに対して、200℃から400℃の温度で熱処理をおこなうことで固体電解質の結晶構造を制御し、得られた固体電解質材料に対してNMR測定をおこない、特定の化学シフト範囲に現れるピークの積分強度比にもとづくことでイオン電導度の向上と硫化水素発生量抑制を図る製造方法が開発されています(以下URL)。
硫化物固体電解質材料の製造方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-011707/11/ja
従来の全固体電池では正極と負極が直接接触したり、微細なクラックが生じることで短絡が発生し、電池の性能低下や安全性の問題を引き起こす可能性がありました。
これに対して、固体電解質層の厚みを部分的に変化させることで正極と負極の間に物理的な障壁を作り、短絡を防止しています。具体的には、正極活物質層上に形成され比較的薄い第1厚み部分、第1電極層上に形成されて第1厚み部分よりも厚い第2厚み部分があり、第2厚み部分が正極と負極の間に物理的な障壁となって短絡を防止する全固体電池が開発されています(以下URL)。
正極と負極が短絡するリスクを低減した全固体電池→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2021-170563/11/ja
具体例として固体電解質材料が挙げられます。
従来は硫化物系の固体電解質が注目されていました。
これに対して、リチウムイオンの移動経路を確保しやすく高いイオン伝導度が期待できるスピネル構造を有する材料に焦点をあてています。具体的には、スピネル構造を有し、Li、M1(MgやZnなどの二価の金属)、M2(AlやGaなど三価または五価の金属)、X(FやClなどのハロゲン)からなることで、M2によってLiイオンの空孔が生成されてイオン伝導度が向上する固体電解質材料が開発されています(以下URL)。
固体電解質材料→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7445876/15/ja
(3)富士フイルム|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。次にH01Bが多いです。
具体例として全固体二次電池の集電体と電極活物質層との間の密着性を高める易接着層構造が挙げられます。
従来は集電体と電極活物質層の密着性を高めるために導電性材料とポリマー材料を含む厚いプライマー層が用いられていましたが、電池の厚みが増加しエネルギー密度が低下するという問題がありました。
これに対して、トルエンに溶解しやすい特定の重合体を用いて集電体の表面に形成される薄膜層(易接着層)を用いています。この易接着層の表面には微細な凸部を有することで電極活物質との接触面積を増大させて密着性を高め、易接着層の弾性率の調整により充放電時の電極の膨張収縮に対応することで電池性能を高める易接着層集電体が開発されています(以下URL)。
電池性能を高める易接着層集電体→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-084956/11/ja
従来の組成物では無機固体電解質の分散性が低く電池性能が安定しないという課題がありました。
これに対して、ポリマーバインダーに特定の官能基を導入して無機固体電解質との相互作用を高めて分散性を向上させています。 具体的には水酸基、アミノ基、カルボニル基などの官能基を有するポリマーを複数種類組み合わせて無機固体電解質粒子を均一に分散させ、かつ、製膜時にこれらのポリマー同士が反応して固まることで無機固体電解質粒子が固定されることで、界面抵抗が低減し電池性能が向上する組成物が開発されています(以下URL)。
無機固体電解質とポリマーバインダーを組み合わせた組成物→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7295336/15/ja
具体例として固体電解質シートの製造方法が挙げられます。
従来、固体電解質層の製造には加熱加圧が一般的でしたが、この方法では割れやヒビが生じやすくデンドライト(樹状に成長した結晶)の侵入経路となる可能性がありました。
これに対して、固体電解質粒子をガラス転移温度以下で加圧して予備成形体を形成し、ガラス転移温度以上に加熱して粒子の再配列を促し、加熱後の予備成形体を、より高い圧力で再加圧成形することで短絡発生を抑制する固体電解質シートの製造方法が開発されています(以下URL)。
固体電解質シートの製造方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2019-189822/19/ja
(4)日本碍子|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。
具体例として全固体二次電池が挙げられます。
従来の全固体二次電池ではリチウム複合酸化物(NCM)の組成や焼結体の特性が電池性能に与える影響が十分に解明されていませんでした。
これに対して、NCM中のニッケル、コバルト、マンガンのモル比を所定範囲にすることでNCMの充放電時の体積変化を抑制して固体電解質との界面剥離を防ぎ、多孔質焼結板とすることで固体電解質との界面での接触を向上させ、容量低下を抑制する全固体二次電池が開発されています(以下URL)。
全固体二次電池→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7624017/15/ja
従来の燃料電池セルでは熱サイクルによる変形によって接合部に応力が集中しクラックが発生しやすという問題がありました。
これに対して、接合材の外周端縁に曲線部を設け、特定の寸法比にして応力集中を抑制する燃料電池セルが開発されています(以下URL)。
燃料電池セル→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2021-022507/11/ja
(5)本田技研工業|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。
具体例として電池の充放電制御システムが挙げられます。
従来は電池の劣化状態を推定するのに実験データに基づいたモデルを用いていましたが、実際の電池の状態とモデルとの間に誤差により、必ずしも正確な状態把握ができるとは限りませんでした。
これに対して、電池内部に画像取得部を組み込み、内部状態をリアルタイムで観察し、その画像データにもとづいて電池の劣化状態を把握し充放電を制御するシステムが開発されています(以下URL)。
電池の充放電制御システム→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-118475/11/ja
従来のリチウム金属二次電池では負極にリチウム金属が不均一に析出し、デンドライトが成長しやすいため電池の寿命が短くなるという問題がありました。
これに対して、正極と負極集電体の間に伸縮可能な三次元構造体を含む中間層を設ける、この三次元構造体がイオン液体を吸収し、リチウム金属の析出・溶解に伴って伸縮することでリチウム金属の均一な析出を促してデンドライトの成長を抑制するリチウム金属二次電池が開発されています(以下URL)。
リチウム金属二次電池→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-059432/11/ja
(6)村田製作所|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。
具体例として固体電池が挙げられます。
従来の固体電池では電極層が均一な厚さで形成されており、端子近傍でのイオンの拡散が不均一になるという問題がありました。
これに対して、電極層の端子接触部の活物質量を非端子接触部よりも少なくすることで端子近傍でのイオンの拡散を抑制し、充放電反応を均一化することにより電池性能の向上させた固体電池が開発されています(以下URL)。(活物質:電池の反応の中心となる物質。正極活物質として例えばリチウムコバルト酸化物(LiCoO₂)など)
固体電池→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-022219/11/ja
従来は全固体電池を基盤に実装する際に電池を0Vの状態にする必要がありましたが、電池の劣化や製造工程の増加といった問題がありました。
これに対して、全固体電池と直列にスイッチング素子を接続して外部からのトリガー信号によってスイッチング素子をオンにすることで実装工程中はスイッチング素子がオフ状態となり全固体電池の出力が制限され、実装後にトリガーが入力されるとスイッチング素子がオンになり、共に実装される他部品への悪影響を与えることなく実装できる全固体電池モジュールが開発されています(以下URL)。
全固体電池モジュール→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7494900/15/ja
(7)ルノー|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。
具体例として硫黄を主成分とする電極活物質を用いた二次電池の性能向上のための技術が挙げられます。
従来の硫黄を活物質とする二次電池は高容量であるものの充放電レートが低く実用化が進んでいませんでした。
これに対して、電極活物質層に、特定の金属の硫化物または酸化物を添加剤として加えることで、この課題を解決します。具体的には、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)の硫化物または酸化物を添加することで、電極の内部抵抗を低減し、充放電速度を向上させる技術が開発されています(以下URL)。
硫黄主成分電極活物質の二次電池性能向上技術→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-095484/11/ja
従来の全固体電池では加圧接合時に固体電解質層に大きな応力がかかり破損するリスクがありました。
これに対して、一方の電極の端部が傾斜し、固体電解質との接合面が調整されて加圧時の応力を分散されることにより固体電解質への応力集中が抑制される全固体電池が開発されています(以下URL)。
全固体電池→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-062579/11/ja
(8)TDK|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。
具体例として固体電解質が挙げられます。
従来の固体電解質はイオン伝導度が低く、電池性能が制限されていました。
これに対して、A₂₊ₐE₁₋b₊αGbXd(AはLi、K、Naからなる群から選択される一つの元素、Eは…(省略))で表される特定の元素組み合わせや比率において高いイオン伝導度が得られる固体電解質が開発されています(以下URL)。
固体電解質→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7548910/15/ja
従来の全固体二次電池は水分侵入による劣化が問題となっていました。
これに対して、全固体二次電池の表面をダイヤモンドライクカーボン (DLC) 層で、それ以外の部分を非伝導性DLCで被覆することにより、電池内部への水分侵入を抑制し、充放電サイクル特性を向上させた全固体二次電池が開発されています(以下URL)。
全固体二次電池→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2020-126791/11/ja
(9)古河機械金属|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。次にH01Bが多いです。
具体例として硫化物系無機固体電解質材料が挙げられます。
従来の硫化物系無機固体電解質材料は電気化学的安定性が高い一方で、リチウムイオンの移動速度が遅いという問題がありました。
これに対して、CuKα線を用いたX線回折により得られるスペクトルから結晶化度という数値を算出することで五硫化二リンの結晶性の程度を定量的に評価してから、 真空加熱法または一方向凝固法あるいはこれらの組み合わせにより結晶成長を妨げる不純物を除去することで結晶性が高まり、リチウムイオン伝導性を向上させる五硫化二リンの製造方法が開発されています(以下URL)。
硫化物系無機固体電解質材料→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-186776/11/ja
具体例として硫化物系無機固体電解質材料が挙げられます。
従来の硫化物系無機固体電解質材料は粉末同士の結着性が不十分であったため固体電解質膜を形成する際にクラックが入ってしまうという問題がありました。
これに対して、粉末の安息角(粉末の傾斜角)をJIS Z2502に準拠した注入法で57°~70°に調整することで、Li、P、Sを構成元素とする硫化物系無機固体電解質材料の粉末同士の結着性を高めて固体電解質膜のクラック発生を抑制する硫化物系無機固体電解質材料の製造方法が開発されています(以下URL)。
硫化物系無機固体電解質材料→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-130433/11/ja
(10)エルジーケム|開発トレンドと専門性

上図期間中、H01Ⅿが最も多いです。
具体例として固体電解質膜の製造方法が挙げられます。
従来の固体電解質膜は高いイオン伝導度を実現するために薄くすると機械的な強度が低下し、電池の内部短絡や性能低下を引き起こすリスクが高まるという問題がありました。
これに対して、多孔性高分子シートの端部を固定して熱処理することでシート内の気孔を大きくし、これに固体電解質フィルムを密着させて加圧することで固体電解質をシートの気孔内に充填することで固体電解質と高分子シートが複合化され、イオン伝導度と機械的強度を高める固体電解質膜の製造方法が開発されています(以下URL)。
固体電解質膜の製造方法→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2021-534564/11/ja
従来の固体高分子電解質にはイオン伝導度の低さや機械的強度の不足といった問題がありました。
これに対して、アルキレンオキシド含有高分子、多官能架橋性高分子、アミド系溶媒、リチウム塩からなるイオン性液体を混合して光硬化することで、高いイオン電導度と機械強度を有する固体高分子電解質が開発されています(以下URL)。
固体高分子電解質→https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2021-518977/11/ja
(11)まとめ
電解質や電極などの材料開発、電池構造や製造プロセスに焦点があてられたものが多く確認されました。
4 開発に求められる専門性
上記3.4にて確認された主な専門分野、これらから推測される専門分野は以下のとおりです。
・化学系分野(材料科学、無機化学、高分子化学、電気化学、物理化学など)
・機械系分野(機械工学など)
・電気系分野(電気電子工学など)
ただし、これらの専門は表現上のものであり、境界があいまいな場合も多く、単に大学の専攻名と結びつけられるものではないです(上記3.4の具体例などから判断する必要があります)。
また、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。
5 まとめ
全固体電池に関わる特許出願は、電池そのものに関わる分野(H01M)が最も多く、当該分野の開発が活発におこなわれていることが推測されます。
大学の専攻としては特に化学の研究に関係すると考えられます。
ただし、その他の分野も多いです。それらには、各種の構造設計や電気回路設計が求められるものも多く、機械や電気の研究に関係すると考えられます。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
6 次に何をすべきか迷っている方へ
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<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
<留意事項>
・本記事は、弁理士である管理人の視点で特許情報を独自に分析したものです。
・本サイトでは、特許情報を正確かつ最新の状態でお伝えするよう努めていますが、情報の完全性を保証するものではありません。
・特許情報のご活用や解釈は読者ご自身の責任でお願いいたします。
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