今回はプリンタやコピー機などのオフィス機器(以下、便宜的に「複合機」と言います。)の業界に焦点をあてます。
複合機は日常では当たり前の機器ですが、精密技術の結晶だと言えるくらい、さまざまな技術が集約されています。
一方、その機能の多様さや複雑さゆえに外部からは開発の最前線が見えづらい分野かもしれません。
これを特許情報からみていきます。
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
実際にどのような開発がおこなわれたのか特許情報に記載されています。
今回は、複合機メーカー5社の特許情報からどのような開発がおこなれてきたのか、また、開発にどのような専門性が求められるのか読み解きました。
結論(概要)は以下の通りです。
・機械系分野(機械工学、制御工学、精密工学など)
・情報系分野(制御工学、情報科学、情報システム、情報工学、データサイエンス、ソフトウェア工学、通信工学など)
・電気系分野(電気電子工学、電子工学、制御工学、電気工学など)
・化学系、材料系分野(化学工学、材料科学、材料工学など)
・物理系分野(応用物理学など)
・その他分野(デザイン学、人間工学、認知科学、経営工学など)
1 業界サーチの概要
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
業界サーチは、業界における主要企業の特許情報から、その業界の企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。
特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。
すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。
2 複合機業界
2.1 複合機業界とは
ここでは、オフィスや企業向けに印刷、コピー、スキャン、FAXといった多様な機能を有する製品を提供する業界を意図します。
ただし、法人用か個人用かは区別しておらず、いわゆるコピー機やプリンタか、それ以外の製品かの区別もしていません。
2.2 サーチ対象
以下の複合機メーカー5社を対象にしました。
(2)リコー
(3)富士フイルムビジネスイノベーション
(4)コニカミノルタ
(5)ブラザー工業
2.3 使用プラットフォーム
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
3 サーチ結果
3.1 結果概要
開発イメージは下表のとおりです。
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モノの開発 |
サービスの開発 |
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個人向け |
・プリンターへのインク補給のためのインク補給容器 |
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法人向け |
・インクジェットプリンターに係る記録装置 |
・所定の作業をおこなうロボットシステムの制御方法 |
個人向けか法人向けかについては、明細書だけでは読み取れない場合もあり、上記の区分けは曖昧なものが多々あります。
3.2 出願件数の推移
下図は複合機メーカー5社の特許出願件数の推移です。

平均すると、どの企業も毎年数千件の特許出願をおこなっています。
これは他の業界と比較しても相当多いです。
近年、出願件数は減少傾向にありますが、それでも毎年かなりの出願数です。
すなわち、このような出願につながる開発がおこなわれていることが推測されます。
3.3 開発の活発度
特許出願件数≒開発の活発度、だと考えるなら、
セイコーエプソン≒リコー>富士フイルムビジネスイノベーション≒コニカミノルタ≒ブラザー工業
だと言えます。
3.4 主な開発分野
各社ごとに特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。
各社の出願上位3つの技術分野を抽出して並べています(特許出願されていても、その企業の出願件数上位に入っていない技術分野は除外されています)。
各記号は発明の技術分類をあらわします。

分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)
インクジェットプリントなどがこれに該当します。
全5社がこの分野から多く出願しています。
電気光学的結晶に基づいたものなどがこれに該当します。
セイコーエプソンがこの分野から多く出願しています。
光電気泳動などがこれに該当します。
リコー、富士フイルムビジネスイノベーション、コニカミノルタ、ブラザー工業がこの分野から多く出願しています。
制御装置などがこれに該当します。
リコー、富士フイルムビジネスイノベーション、コニカミノルタ、ブラザー工業がこの分野から多く出願しています。
電極材料などがこれに該当します。
セイコーエプソンがこの分野から多く出願しています。
3.5 複合機メーカー5社の近年の開発トレンドと求められる専門の例
特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。
ここ10年のトレンドは以下のとおりです。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
出願件数が少ない技術分野は除外しています。
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。
(1)セイコーエプソン|開発トレンドと専門性

上図期間中、B41Jが最も多いです。次いでH04N、G06F、G03B、B25Jが多いです。
具体例としてインクジェットプリンターに係る記録装置が挙げられます。
従来の記録装置では、記録ヘッドのノズルを保護する蓋部が直線的にスライドして開閉する構造が一般的でした。しかし、このスライド動作に必要なスペースを確保するため、装置全体の奥行き方向への大型化が避けられないという問題がありました。
これに対し、記録部(ラインヘッド)が記録位置から退避位置へ移動する際に、その動きに連動して蓋部が回動する機構が採用され、蓋部が直線的にスライドするのではなく、軸を中心に回転することで開閉するため、蓋部の動作に必要なスペースが削減され、装置の奥行き方向への大型化を抑制する記憶装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7613541/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(回動機構部における被接触部と接触部の形状、材質、表面処理の検討、蓋部の回動動作における慣性モーメントの計算およびスムーズな開閉動作を実現するためのバネ定数やダンパー機構の設計、全体的な振動解析および記録動作中の振動が記録品質に与える影響の評価)、制御工学(ラインヘッドの記録位置から退避位置への移動、それに連動する蓋部の回動、キャップユニットの移動といった一連の動作シーケンスを最適化するための制御アルゴリズムの設計、フラッシング部へのインク吐出やブレードによる清掃などのメンテナンス動作の効率を最大化するための制御ロジックの構築)
既存の液体吐出装置では、液体収容部が透明な窓で構成されているため、周囲が暗い環境では液体の残量を確認しにくいという問題がありました。
これに対して、発光によって液体残量を表示する表示部が装置の前面から側面にかけて設けられ液体収容部を模した残量表示画像の表示と、ユーザーの接近を検知すると自動的に表示部を点灯させる近接センサーにより視認性を高めた液体吐出装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7639879/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(表示に用いるLEDや有機ELディスプレイの発光効率と輝度制御技術の確立、周囲光環境に応じた表示輝度の自動調整機能の設計、近接センサーの検出距離・角度特性のシミュレーションと実機検証)、情報科学(近接センサーの検知タイミングと表示部の点灯・消灯動作の自然な連携制御、ユーザーが最も残量を確認したいであろう瞬間に表示がされるようなアルゴリズムの設計、視認性を損なわずに省エネルギーを実現するための表示情報の簡略化や表示時間の調整)
従来のインク補給作業では、ユーザーによる不適切な操作で補給不良や液漏れが発生する可能性がありました。
これに対して、インクを収容する容器本体部とインク出口を形成する筒部、弁および隔壁を備えたインク出口形成部を有するインク補給容器であり、隔壁の中央に連通孔が貫通形成され、プリンター側の針が筒部内に挿入され弁を開く際、この隔壁が針と接触することでインク補給容器がプリンターのインク入口に対して正確に位置決めされることで、弁が適切な位置で開弁し、インクの補給不良や液漏れを防ぎつつユーザーが安定した姿勢で容易にインク補給をおこなうことができるインク補給容器が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7513169/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(容器本体部、インク出口形成部、弁、隔壁および位置決め部の形状や寸法の設計、強度解析などによる針の挿入時やインク補給時の応力分布、変形および耐久性の評価、確実な位置決めとスムーズな動作を両立させるための設計)、化学工学(毛管現象を利用した液だれ防止機構の効率を最大限に引き出すための表面処理や構造設計、インクと接触する部品材料の適合性評価(耐薬品性、吸着性など)および長期間の使用におけるインクの品質安定性(凝集、沈降など)を維持するための容器内部構造や密閉性の検討)
具体例として最適な搬送速度で高画質な画像データを生成する画像読取装置が挙げられます。
来の画像読取装置は原稿の搬送速度と画像解像度が相関するため、薄い原稿の紙ジャムを避けるために搬送速度を落とすと、ユーザーが要求していない(必要以上に)高解像度のデータが生成されてしまうという問題がありました。
これに対して、搬送部、音波センサー、読取部、端部検出センサーおよび制御部を備えた画像読取装置であり、音波センサーで原稿の重送や厚みを検出し、その結果やユーザー設定に基づき制御部が第1または第2の読取モードを選択し、第2読取モードでは搬送速度を低速にしても読み取りタイミングの調整により第1読取モードと同等の解像度を維持して画像データを生成する画像読取装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7544223/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(音波センサーの送受信回路と信号増幅回路の設計、減衰率の正確な検出アルゴリズムの設計、搬送モーターの速度制御回路とドライバーの設計、読取モードの切り替えや重送検出、紙ジャム停止などの制御ロジックのプログラミング)、情報科学(低速搬送時に取得される高解像度画像データからユーザーが選択した解像度と同等の画像データを生成するためのダウンサンプリングやフィルタリングなどの画像処理アルゴリズムの設計、画像データ生成のタイミング制御、データ形式の最適化、外部装置へのデータ転送プロトコルの設計)
従来の画像読取装置では、ADFの開閉を繰り返すことでADFが変形し、原稿の位置ずれや読み取り画像の品質低下が生じる問題がありました。
これに対して、原稿台を有する筐体と、その上部にヒンジを介して回動するADF搭載カバーおよび原稿を読み取る読取部を備えた画像読取装置であり、ヒンジが筐体側に固定される第1部材とADFおよびカバーを支持し相対的に回動する第2部材から構成され、第2部材にはカバーの回動半径方向に延伸する補強フレームが固定されており、この補強フレームがADFのフレームに強固に固定されていることにより、カバー開閉時のADFの自重やユーザーによる加重がヒンジに集中しても補強フレームがADFの変形を抑制する画像読取装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7593445/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ヒンジと補強フレームおよびADFフレームの接合部における応力集中の評価および材料選定や板厚、リブ形状の最適化、長期的な開閉繰り返しによる疲労破壊や原稿搬送時の微小振動が読み取り精度に与える影響の評価、部品のクリアランス設計)、電気電子工学(読取部のセンサーの選定、ノイズ特性、感度、ダイナミックレンジの評価、光源の駆動回路の設計、機械的な位置ずれやブレによって発生する信号の歪みやノイズを電気的に補償する回路やファームウェアの設計)
具体例として音声指示に対応した印刷システムが挙げられます。
従来の技術では、音声でコンテンツを指定して印刷する際に膨大な数のコンテンツから利用者が求めるものを特定しにくいという問題がありました。
これに対して、印刷装置とネットワーク接続されたサーバーを含む印刷システムであり、サーバーは音声仲介装置から音声による印刷指示を受け取り、指示に応じてコンテンツを選択し、印刷データを印刷装置に送信し、サーバー内のコンテンツ群は音声指示を取得する時期(季節など)に応じて選ばれる確率が異なる時期依存コンテンツを含み、選択部がこの時期に応じて時期依存コンテンツの選定確率を調整して適切なコンテンツを自動的に選択することにより、ユーザーは漠然とした音声指示でも時期に合ったコンテンツを簡単に印刷できる印刷システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7687180/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(音声指示に含まれるキーワードや文脈からユーザーの印刷意図の解析、時期依存コンテンツの選択確率を制御するための機械学習モデルの構築、ユーザーの利用履歴や傾向を考慮したパーソナライズされたコンテンツ選択ロジックの構築)、情報システム(ユーザーの音声指示から印刷完了までの一連の情報フローの設計、各コンポーネント(音声仲介装置、サーバー、印刷装置)間の連携を円滑にするためのシステムアーキテクチャの構築)
従来の表示装置では、画面が小さい場合にメインのページ画像とサムネイル画像がともに見にくくなるという問題がありました。
これに対して、文書のページ画像を表示する表示領域において、複数のページのサムネイル画像群を同時に表示する方法であり、ページ画像の拡大操作を受け付けると、サムネイル画像群の表示位置を移動させ、その際、拡大表示されたサムネイル画像の一部が隠れるように表示を更新し、サムネイル画像群の拡大率は文書の先頭ページの形状(縦長か横長か)に基づいて決定されるため、文書の特性に合わせた視認性が確保されて、ページ画像とサムネイル画像の両方を見やすく表示できるようになる表示方法が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7694229/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(スマートフォンなどの表示装置上で文書のページ画像とサムネイル画像をスムーズに表示・操作するためのソフトウェアアーキテクチャの設計、ユーザーがページ画像を拡大した際にサムネイル画像を動的に配置し、その一部を隠すといった複雑な表示制御を効率的におこなうための画像レンダリングエンジンやグラフィックスライブラリの選定・最適化、ページ形状に応じたサムネイルの拡大率の自動調整機能を実現するためのアルゴリズム設計)、デザイン学(文書ページとサムネイル画像の最適な配置バランスの検討、画面が小さいデバイスでも両方の情報が見やすいレイアウトデザインの考案、ページ拡大時にサムネイルが一部隠れる表示方法や縦長・横長文書に応じた拡大率の調整がユーザーにとってどのような視覚的・操作的影響を与えるかの評価、ボタンの配置、アニメーションの速度、色の使い方などユーザーの認知負荷を軽減し、より自然で分かりやすいインタラクションデザインの考案)
具体例として複数のプロジェクターの投写位置の調整装置が挙げられます。
既存のマルチプロジェクションシステムでは、複数のプロジェクターの投写位置を個別に調整する必要があり、その作業が非常に煩雑でした。
これに対して、2台のプロジェクターをそれぞれ独立した回転台に載置し、これらをハウジング内に収納する位置調整装置であり、ユーザーがスライド式の操作レバーを動かすと、2つの回転台が連動して互いに逆方向に回転することにより、各プロジェクターから投写される画像光の方向が同期して変化し、被投写面における画像の表示位置やサイズを1回の操作で調整できる位置調整装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7626159/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(複数のプロジェクターを搭載するハウジングの構造設計、操作レバーと2つの回転台を連動させるギアやリンク機構の設計、プロジェクターの重量を支えつつスムーズな回転を可能にするためのベアリングや摺動部の選定)、制御工学(操作レバーの位置を検出するセンサーの選定と配置、信号に基づいて回転台のモーター(もし搭載する場合)を制御するフィードバック制御アルゴリズム設計)
従来のプロジェクターでは、赤、緑、青の各色光の光量バランスが人間の視感度(特に緑色に対する感度が高いこと)に必ずしも最適化されていませんでした。そのため、特に明るい環境下での視認性において課題がありました。
これに対して、白色光を発光する光源装置と、複数のレンズからなるレンズアレイ、各色を透過するカラーフィルター、画像情報に応じて光を変調する画素電極、投射光学系を備えたプロジェクターであり、レンズアレイ内の第2レンズ(緑色光用レンズ)の面積を第1レンズ(青色光用レンズ)および第3レンズ(赤色光用レンズ)よりも広く、かつ対応する緑色フィルターの面積よりも大きくして緑色サブ画素電極により多くの白色光(特に緑色成分)を取り込み、第2レンズの緑色フィルターと重なる部分はパワーを持たず重ならない部分が正のパワー(光を収束させる能力)を持つ構成により、緑色フィルターおよび緑色サブ画素電極への光の集光効率を最大化し、人間の視感度が最も高い緑色の画像光の輝度を向上させ、全体としてより明るく視認性の高い画像を表示できるプロジェクターが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643481/15/ja
関連する専門分野の例:応用物理学(非球面レンズの理論的裏付けとなる光学シミュレーションモデルの構築および光源からの光が各色フィルターとサブ画素電極に効率よく集光されるようなレンズの曲率、厚さ、配置の決定、カラーフィルターの材料選定と多層膜設計、光変調装置(液晶パネルなど)における光の偏光変調メカニズムの物理的解析)、電子工学(緑色サブ画素電極への入力信号の最適化、より高い輝度で緑色画像光を生成するための画素駆動回路の設計、画像出力装置から入力されるデジタル画像信号を各色サブ画素電極に適したアナログ電気信号に変換する信号処理アルゴリズムの設計)
具体例として工具を用いて対象物に対し所定の作業をおこなうロボットシステムの制御方法が挙げられます。
従来のロボットシステムでは、ロボットアームの移動後に作業領域のズレが生じ、印刷などの作業品質が低下する恐れがありました。
これに対して、工具を取り付けた移動ステージを保持するロボットアームおよびカメラを備えたロボットシステムであり、まずロボットアームを第1姿勢に固定し、移動ステージによって工具を移動させながら対象物の第1領域の作業を実施し、次にロボットアームを第2姿勢に切り替えて固定し、その姿勢を維持したままカメラで対象物を撮像し、この撮像結果に基づき移動ステージの駆動により工具の位置を補正し、その後、第2姿勢を維持したまま移動ステージによって工具を移動させながら対象物の第2領域の作業をおこなうサイクルを繰り返すことで、ロボットアームの姿勢変更に伴う工具位置のズレを自動で検出、補正することが可能となり、作業品質の低下を抑制できるロボットシステムの制御方法が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7687117/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ロボットアームの各関節や移動ステージのリニアガイドの剛性解析や振動解析および作業中のたわみや振動が工具の位置精度に与える影響の評価、圧電アクチュエータやモーター、減速機などの駆動系の選定と設計および駆動力、速度、位置決め精度を達成するためのメカニズムの構築)、情報科学(印刷された模様やマーカーなどの作業基準点を自動で認識して位置を高精度に特定する画像処理アルゴリズムの設計、認識された作業基準点と工具の目標位置とのずれを計算してずれを解消するために移動ステージの駆動量や方向を決定する制御アルゴリズムの決定、リアルタイムでロボットの動作を制御するソフトウェアアーキテクチャの設計)
(2)リコー|開発トレンドと専門性

G03Gが最も多いです。次いでG06F、B41J、H04N、B65H、G06Qが多いです。
具体例としてプリンタなどの画像形成装置に搭載される定着装置が挙げられます。
従来の定着装置では、加熱源の輻射熱や反射部材からの反射熱により特に定着部材の幅方向端部の周辺部材が過剰に温度上昇し、熱劣化や破損の恐れがありました。
これに対して、回転可能な定着部材を加熱する管状の加熱源(発熱体を内包)と、加熱源からの輻射熱を定着部材に反射する反射部材および定着部材を支持する側板を備えた定着装置であり、加熱源の管状部材の径が絞られた封止部が加熱源を保持する部分よりも幅方向内側に配置され、この封止部が反射部材の幅方向外側端部よりも外側に位置するように構成されており、加熱源は両端に保持部を持ち、保持部には加熱源の幅方向外側から当接して移動を規制する突出した当接部が設けられ、もう一方の保持部には当接部が設られないことで、加熱源の熱膨張を幅方向一方向へ逃がし、封止部や周辺部材への過剰な熱到達を抑制して熱膨張による部材の破損を防止する定着装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7549787/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(加熱源のガラス管(石英ガラスなど)の熱膨張係数の測定および封止部の位置や管径の最適化、反射部材として使用されるアルミニウムやステンレスなどの金属材料について表面の反射率や熱吸収率の温度依存性の評価、ベルト保持部材に適用可能な耐熱性樹脂材料の熱膨張特性、機械的強度、定着ベルトとの摺動特性の評価)、電気電子工学(定着部材の温度を目標値に維持するための高精度な温度制御回路の設計、温度センサーからの信号に基づいて加熱源の電力供給を調整するシステム構築、定着装置内の各電気部品(モーター、センサー、ヒーターなど)への電力供給経路の設計)
従来の現像剤容器は複数の部材を封止材で接着して組み立てる際に封止材が過度に押しつぶされてはみ出し、製品の信頼性や品質低下を招く恐れがありました。
これに対して、第一ケーシング部材と第二ケーシング部材との間を封止材で接着する封止部において第一ケーシング部材に形成された凹形状部に第二ケーシング部材の一部が入り込むように形成された第一封止部と、第一ケーシング部材の交差する2面で構成される段差形状部に対して第二ケーシング部材の2面がそれぞれ対向するように形成された第二封止部を有することにより、接着時に封止材が過度に押しつぶされるのを防ぎ、封止材のはみ出しを抑制することで現像剤の漏れを防ぐ収容容器が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7620895/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(ケーシング部材に使用される樹脂の成形性、寸法安定性、耐衝撃性、接着剤との相性の評価および最適な樹脂材料の選定、封止材について粘度、硬化時間、接着強度、弾性率、耐現像剤性などの評価および過剰な押しつぶしを抑制しつつ高い封止性能を維持できる材料組成の探索)、精密工学(第一封止部(凹形状と凸形状の嵌合)および第二封止部(段差形状の対向)における寸法公差とクリアランスの設計の最適化、ケーシング部材を正確に位置決めするための位置決め機構の形状、配置および加工精度の最適化、製造プロセスにおける接着剤塗布量、塗布位置、塗布速度および硬化条件の精密制御システムの検討)
具体例として印刷環境(温度、湿度)を最適化する情報処理装置が挙げられます。
従来の印刷工場などでは、印刷用紙が温度や湿度などの環境要因に影響されやすく、紙詰まりなどの不具合が発生しやすいという問題がありました。
これに対して、印刷装置の運転モード(通常印刷モード、夜間印刷モードなど)の入力を受け付け、印刷媒体(用紙など)が指定された印刷ジョブの実行指示を受け付け、次に印刷装置の周辺環境情報(温度、湿度など)と印刷媒体に適した環境条件情報を取得し、これらの情報に基づいて印刷装置の動作を制御(環境情報が環境条件を満たす場合は印刷ジョブを送信して印刷を開始し、満たさない場合は運転モードに応じて動作を決定し、通常印刷モードではオペレータに通知を出し、夜間印刷モードでは環境調整を指示する信号を設備機器に送信し、環境が整うまで印刷を待機させ、夜間印刷モードで完了時刻が指定されている場合は環境が整わなくても、完了時刻から逆算した開始時刻を経過したら印刷を開始)することにより確実な印刷を実現する情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7563442/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(印刷用紙の種類ごとの環境条件を格納する環境条件テーブルや印刷ジョブの情報を管理するジョブ管理テーブルの最適なデータ構造の設計、環境情報が環境条件を満たすかどうかの判定ロジックや夜間印刷モードにおける印刷開始時刻の計算アルゴリズムの設計)、制御工学(環境測定器から得られる温度や湿度のデータにノイズが含まれる場合を想定した正確な環境情報を取得するためのアルゴリズムの設計、印刷装置周辺の温度や湿度を目標値に調整するための設備機器(空調設備など)の制御ロジックの設計)
従来の会議は遠隔会議の普及により対面の価値が問われており、参加者の円滑なコミュニケーションを支援する効果的な手法が求められていました。
これに対して、空間内の映像表示装置、ユーザーの位置を検知するセンサおよびユーザーの発話量を計測するマイクを備えた情報処理システムであり、複数ユーザーの位置と発話量をリアルタイムで計測してその情報に基づいて映像演出を制御、具体的には最も発話量の多いユーザーを特定し、そのユーザーの背後の領域を発話中以外のユーザーから見て明るくするなど視覚的に区別できるような演出をおこなうことにより、会議参加者の注目を発話者に集め、議論の活性化やチームワークの向上を支援する情報処理システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7652236/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(センサ装置からの位置情報やマイクからの発話量データを効率的に収集してリアルタイムで処理するためのデータパイプラインの設計、複数のタグからの信号に基づいて空間内の複数ユーザーの正確な位置を特定するアルゴリズムの設計、マイクからの音声信号を分析して各ユーザーの発話量を正確に計測する技術の検討、複数の発話者がいる場合に最も発話量の大きいユーザーを特定するアルゴリズムの設計)、人間工学(話者への視覚的な注目誘導(スポットライト演出)が人間の注意の配分や情報処理にどのように影響するかの分析および最適な演出パターンの設計、会議環境システムにおける参加者の発話行動、視線、身体の向き、移動パターンなどの観察・分析、管理者やユーザーがシステムを直感的に操作できるか設定が分かりやすいかなどの評価)
具体例として複数のヘッドを備える印刷装置の液体吐出装置が挙げられます。
従来の液体吐出装置では、ヘッドが傾斜していると各ヘッドに液体を供給するサブタンク内の液面高さが異なり、これによってヘッドにかかる負圧にばらつきが生じ、液体の吐出性能が不安定になるという問題がありました。
これに対して、複数のヘッドと、それぞれに液体を供給する複数のサブタンクとを備えた液体吐出装置であり、ヘッドとサブタンクが鉛直方向に対して傾いて配置されており、サブタンクが上限検出手段と下限検出手段を持ち、かつ、傾き角度が大きいヘッドに対応するサブタンクほど上限位置と下限位置の間の距離(液体の制御範囲)が大きく設定されていることにより、サブタンク内の液量変化による負圧変動が傾きの大きいヘッドでも許容範囲に収まりやすくなり、結果として各ヘッド間の負圧ばらつきが低減されて安定した液体吐出が可能となる液体吐出装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7601192/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(傾斜角度に応じたサブタンクの容量、形状、および液面検出センサ(上限検出手段、下限検出手段)の配置を最適化するための設計、サブタンク内の液体残量変化がヘッドにかかる負圧に与える影響の評価)、制御工学(上限・下限検出センサからの信号に基づき送液ポンプを適切に制御してサブタンク内の液体残量を所定の範囲に維持するアルゴリズムの設計、傾斜角度が異なる複数のヘッドそれぞれに対して最適な負圧を維持するための各サブタンクの液位制御範囲を動的に調整する適応制御や予測制御の導入の検討)
既存技術では、噴射チャネルからマニホールド(複数の噴射チャネルへインクなどの印刷流体を供給・分配する共通の流路)へ伝播する圧力波が噴射を不安定にする問題がありました。
これに対して、各噴射チャネルとマニホールド装置との間に長さが異なる2つの流体経路(第1流体経路と第2流体経路)が設けられたプリントヘッドであり、この長さの差は「閾長さ」と呼ばれ、噴射チャネルの圧力チャンバで生成された圧力波がマニホールド装置に到達する時間が閾時間だけ異なり、この閾時間は各噴射チャネルの共振周波数またはヘルムホルツ周波数(容器の開口部と内部の空気が共鳴して特定の音を発する固有の周波数)に基づいて決定され、半共振周期またはその奇数倍、あるいは半ヘルムホルツ周期に設定されていることにより、マニホールド内で互いに到着する圧力波は位相がずれて破壊的に干渉し、結果として生じる波の振幅が低減されることで、噴射の一貫性が向上し印刷品質の安定化が図られたプリントヘッドが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7487766/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(プリントヘッド内部の微細流路(噴射チャネル、マニホールド、流体経路)の3Dモデル設計およびそれらの構造解析・熱流体解析、異なる流体経路の長さや形状が圧力波の位相差に与える影響の数値解析および破壊的干渉が最大限に引き起こされる最適な幾何学的配置の特定)、電気電子工学(プリントヘッドのアクチュエータを駆動する波形生成回路や高精度なタイミング制御が可能なドライバICの設計、圧力チャンバ内の圧力波をリアルタイムで監視するための微小圧力センサーの選定や配置の検討、センサーからのフィードバック信号を利用したアクチュエータの制御アルゴリズムの設計)
具体例として撮像装置で撮影した画像の表示端末が挙げられます。
従来、広視野画像は全体一律の撮影設定で撮られるため、ユーザーが閲覧する特定領域の画質が不適正になる課題がありました。
これに対して、撮像装置が撮影した広範囲の視野角を持つ広視野画像を取得し、その中からユーザーが注目する所定領域画像をディスプレイに表示する表示端末であり、表示制御部が表示を担い、パラメータ生成部が表示中の所定領域画像の画質が適正でない場合にその画質を最適化するための露出、ホワイトバランス、ISO感度などの撮影パラメータを自動で生成し、パラメータ送信部が生成されたこの最適な撮影パラメータを撮像装置に送信することで、次に撮像される広視野画像、特にユーザーが注目する領域の画質を向上させ、遠隔コミュニケーションなどでの視認性を高めることを可能にする表示端末が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7501559/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(広視野画像から所定領域を効率的に切り出してその領域の明るさ、コントラスト、色バランスなどを自動で評価する画像解析アルゴリズムの設計、画質評価に基づき露出、ホワイトバランス、ISO感度、ノイズ低減などの最適な撮影パラメータを生成する機械学習モデルや最適化アルゴリズムの設計)、電気電子工学(撮像装置のCMOS/CCDセンサーの特性の評価および特定の所定領域の画質を向上させるためのセンサー駆動方式や信号読み出し方法の設計、表示端末のディスプレイ特性(色再現性、輝度、応答速度など)を考慮し、受信した広視野画像を最適な状態で表示するためのディスプレイ駆動回路や画像表示処理回路の設計)
従来の技術では、可視光と不可視光の同時読み取りにおいて、特に不可視光の信号が弱くノイズに弱いためS/N比の低下が問題でした。
これに対して、可視光を受光する第1の画素列と、赤外線などの不可視光を受光する第2の画素列が同一方向に並べて配置された光電変換素子であり、第2の画素(不可視光画素)の電荷を電圧に変換する画素回路が当該第2の画素のごく近傍(数画素相当の距離)に設けられたことにより、不可視光によって生成された微弱な電荷がノイズの影響を受けやすい長い距離を転送されることを防ぎ、信号の減衰やノイズの重畳を抑制する光電変換素子が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7544205/15/ja
関連する専門分野の例:電子工学(フォトダイオードやトランジスタといった個々の素子の特性の解析、画素回路内の電荷転送効率とS/N比を最大化する回路構成の設計、アナログ・デジタル変換器や信号処理回路のレイアウトの最適化、クロストークや外部ノイズの影響を最小限に抑える設計)、情報科学(可視画像と不可視画像が同時に取得される際のそれぞれの画像に含まれるノイズ成分や混入成分の特定およびこれらを効率的に除去・分離する画像処理アルゴリズムの設計、不可視情報から特定のパターンや特徴を認識するための画像認識アルゴリズムや機械学習モデルの構築)
具体例として印刷装置の内部に組み込まれた乾燥装置が挙げられます。
従来の乾燥装置用ローラでは、印刷媒体との接触により生じる繊維層の微小段差が異常画像の原因となり、また、フッ素樹脂繊維層と基材との接着強度が不足するという問題がありました。
これに対して、液体組成物が付与された被接触部材(印刷媒体)を乾燥させるためのローラ状の接触部材を備えた乾燥装置であり、接触部材が基材と被接触部材と接触するフッ素樹脂繊維層から構成され、フッ素樹脂繊維層の基材に固定されている側のフッ素樹脂繊維の存在比率Xと、被接触部材と接触する側のフッ素樹脂繊維の存在比率Yの比X/Yが1.00未満であることで被接触部材との接触による繊維層の圧縮差に伴う微小段差の発生を抑制し、異常画像の発生を防ぎ、基材側の繊維間隙が維持されるため、接着剤の含浸が良好におこなわれてフッ素樹脂繊維層と基材との接着強度を向上させる乾燥装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7420295/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(異なる種類のフッ素樹脂(PTFE、PFAなど)やその混合比が繊維の柔軟性、耐熱性、耐薬品性に与える影響の評価および最適な材料の選定、存在比率X/Yが1.00未満となるような繊維層の密度勾配を制御する技術の探索、接着剤の種類や塗布方法、硬化条件の最適化および剥離強度を最大化するプロセスの確立)、機械工学(被接触部材がローラに巻き付く際の応力分布や摩擦特性の解析、巻率10%以上という条件が液体組成物の転写抑制と搬送安定性に与える影響の評価、ローラ形状の接触部材の直径が接触面圧や滑りに与える影響の解析、液体組成物の転写を抑制しつつ被接触部材の安定した搬送を可能にする最適な直径の導出)
具体例として廃棄物(リサイクル資源)の素材管理システムが挙げられます。
従来、リサイクル資源の取引における素材の品質確認は人手に頼っており、手間がかかるという問題がありました。
これに対して、素材管理装置の品質情報生成部が計測機器で測定した材質データを分析し、素材の名称や不純物情報を含む詳細な品質情報を自動生成して品質情報記憶部へ格納し、データ出力部が要求に応じて品質情報を端末に表示し、利用者は必要な情報を迅速に確認でき、照合部が利用側の再計測データと提供側の品質情報を比較することで品質差異の検証を可能にするこれらの各機能により取引の品質確認作業を効率化する素材管理システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7582427/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(素材管理システム全体のアーキテクチャ設計、データベースの最適化、ネットワーク通信プロトコルの選定、システムセキュリティ(特にブロックチェーンを用いた改ざん防止機能)の実装)、データサイエンス(計測機器から得られる生データから素材の材質、不純物の種類、含有率を正確に特定して品質ランクを自動で決定するためのアルゴリズム設計とモデル構築)
(3)富士フイルムビジネスイノベーション|開発トレンドと専門性

G03Gが最も多いです。次いでG06F、H04N、B41J、G06Q、B65Hが多いです。
具体例として複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置が挙げられます。
従来の画像形成装置では、特定のトナー消費を目的としたトナーバンド形成において、紙の種類によって転写の難易度が異なるにもかかわらず、トナーバンドの形成方法(量やタイミングなど)が一律であったため、特定の紙種では十分な画質維持や現像剤消費量の抑制ができなかったという問題がありました。
これに対して、転写対象画像と、媒体への転写を目的としない画像(トナーバンド)を保持する像保持手段、転写手段および除去手段を備えた画像形成装置であり、トナーバンドを形成する形成手段の動作モードが媒体の種類によって切り替わり、第1の媒体(表面粗さが粗い、または密度が低い媒体)では転写画像の前にトナーバンドを形成する第1の形成モードが採用され、第2の媒体(表面粗さが低い、または密度が大きい媒体)では転写画像の間にトナーバンドを形成する第2の形成モードが採用され、さらに第1の形成モードでは第2の形成モードよりもトナーバンドに使用する現像剤の量が多く設定されることにより、転写性が低下しやすい粗い媒体でも事前に転写性を確保し、不要な現像剤の消費を抑えることができて、例えば、エンボス紙や和紙のような高感度紙では多めに、普通紙のような低感度紙では少なめにトナーを消費することで、媒体の種類に応じた画像形成を実現し、転写品質と現像剤消費量を両立する画像形成装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7495002/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(各種媒体(高感度紙、低感度紙など)に対する最適な転写電圧波形や印加タイミングを決定するための電気的特性評価と回路設計、媒体の表面粗さや密度を検出するセンサーの設計および検出信号から媒体種を正確に判別するアルゴリズムの実装、トナーバンドの形成量やタイミングを制御するための画像形成プロセスのフィードバック制御システムの設計)、材料科学(異なる紙媒体の表面構造や組成がトナーの付着・剥離特性に与える影響の評価、感光体や中間転写ベルトの表面エネルギー、誘電率などの物性の調整、各材料間の界面特性の制御および媒体の種類が変わっても安定した画像転写を可能にするための材料組み合わせの最適化)
従来のトナーでは、チタン含有量が最適ではないため、低温低湿から高温高湿までの幅広い環境下でクリーニング不良が発生する問題がありました。
これに対して、トナー粒子とシリカ粒子を含む外添剤から構成されるトナーであり、トナー全体に対するチタン(Ti)含有量が0.05ppm以上18ppm以下で、このTiはトナー粒子または外添剤の少なくとも一方に含まれるTi含有粒子(例えば酸化チタン粒子)に由来し、外添剤に含まれるシリカ粒子はBET比表面積が100m²/g以上のシリカ粒子AとBET比表面積が20m²/g以上90m²/g以下のシリカ粒子Bの組み合わせにより、トナー粒子からのシリカ粒子の遊離が制御され、低温低湿環境下での過剰な遊離によるクリーニングブレードの不安定化や高温高湿環境下でのシリカ不足による外添ダム形成不良を抑制してクリーニング不良を防ぐ静電荷像現像用トナーが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7477024/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(Ti含有粒子の種類や粒径、添加量の調整およびトナー粒子への分散性や外添剤との相互作用の評価、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bの比表面積や粒径のバランスの最適化、トナー材料の劣化挙動や環境耐性の評価および材料組成の最適化)、化学工学(トナー粒子の凝集・合一工程における温度、pH、撹拌条件、凝集剤の種類と添加量の最適化、目標とする粒径分布や円形度を持つトナー粒子を効率的に製造するための反応工学的検討、Ti含有粒子やシリカ粒子を含む外添剤をトナー粒子に均一に付着させるための混合装置の選定と操作条件の最適化)
従来の画像形成装置では、無端ベルトのプロファイル変化や外部からの外乱により張力が変動し、像の乱れが生じるという問題がありました。1つのテンションローラのみでベルトの周長調整と張力付与を行う場合、大きな変化に対応しようとすると、ベルトに巻き癖が生じたり、支持が不安定になったりする可能性がありました。
これに対して、環状の無端ベルトの張力を維持するための2つのテンションローラが併用された画像形成装置であり、第1のテンションローラは弾性部材(ばね)によって無端ベルトに張力を付与し、その位置を検出する位置検出部を備え、転写領域に隣接する位置に配置され、局所的または一時的な比較的小さな張力変化を弾性的に吸収し、一方、第2のテンションローラは第1のテンションローラの位置検出結果や画像形成装置の稼働状態(印刷モードの切り替えなど)に基づいて移動機構により位置が調整され、第1のテンションローラよりも広い範囲で無端ベルトの周長を調整可能であり、経年劣化などによる比較的大きな張力変化やプロファイルの変更に伴う周長変化を吸収することにより、第1のテンションローラが本来の張力維持に専念でき、無端ベルトの張力変動に起因する像の乱れを抑制して安定した画像形成を実現する画像形成装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7700582/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(無端ベルトの張力分布、振動特性、プロファイル変化の解析および最適なローラ配置、テンションローラ径、ベルト材料の決定、第1および第2テンションローラ、駆動ローラ、支持ローラなどの各構成部品にかかる応力、変形、摩耗の評価、ベルトの蛇行や振動を抑制するための機構の設計)、制御工学(第1のテンションローラの位置検出部から得られる信号のノイズ除去と位置推定アルゴリズムの設計、検出された第1のテンションローラの位置情報(ズレ量)に基づいて第2のテンションローラを駆動するステッピングモータの回転角度を制御するためのフィードバック制御アルゴリズムの設計)
具体例として発話者の発話タイミングを特定しやすくするための情報処理システムが挙げられます。
従来の技術では、会話の場で次発話者を特定したり会議参加者に通知したりする仕組みはありましたが、発話が始まる前にその可能性を通知するものではなく、発話の重複によるコミュニケーションの阻害が問題でした。
これに対して、プロセッサがユーザー(対象者または周辺者)の状況情報(例えば、特定の体の動き、表情、呼気音、特定の音声、視線、脈拍などの生体情報)を取得し、これらの状況情報からユーザーが発話を開始する可能性が高いと判断した場合、そのユーザーが持つ機器(例えば、スマートグラスやスマートフォンなど)に対して、発話開始前にその可能性を知らせる通知(例えば、視覚的な表示画像、振動、音など)をおこなう制御情報を生成することにより、対象者は周囲の人の発話の可能性を事前に察知し、自身の発話タイミングを調整できる情報処理システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7670105/15/ja
関連する専門分野の例:認知科学(発話開始前のためらいの音声(例:「えー」「あー」)や特定の身体動作(例: 頷き、手を挙げる、身を乗り出す)がどの程度発話の意図と相関があるか解析、発話可能性を判断するための高精度なトリガー条件の特定、さまざまな文化的背景や個人の特性に応じた非言語的キューのバリエーションの分析)、情報工学(各種センサー(カメラ、マイク、生体センサーなど)からのデータを低遅延で収集・統合してプロセッサでの解析に適した形式に変換するデータパイプラインの設計、ユーザーの表情、動き、発話内容、意図をリアルタイムで解析するアルゴリズムの設計)
既存の文書管理システムでは、階層的なフォルダ構造が文書の整理には役立つものの多数のフォルダを順次開く必要があり、現在の作業に必要な文書全体の把握が困難という問題がありました。
これに対して、ユーザーインターフェースにファイルのドラッグ&ドロップ操作を受け付ける作業スペースと、フォルダを作成できる第1のフォルダに登録されたファイル一覧を同時に表示するプログラムであり、ユーザーが第1のフォルダ内のファイルを作業スペースへドラッグ&ドロップすると、当該ファイルを作業スペース内に登録して作業準備を効率化し、一方、ユーザーが第1のフォルダ内のフォルダを作業スペースへドラッグ&ドロップしようとすると、プログラムはこれを検知して登録を禁止し、その旨を画面に表示することにより、作業スペースはフォルダによる階層構造を持たず、常にフラットなファイル一覧状態が維持されるため、ユーザーが現在の作業に必要な文書群を一目で俯瞰できて作業効率が向上するプログラムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7509307/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(文書ファイルの登録、表示、移動といった操作がスムーズにおこなわれるためのバックエンドシステムの設計、大量のファイルの中から必要な情報を素早く見つけ出すためのデータベース構造の最適化、ドラッグ&ドロップ操作が途切れない応答性の高い処理ロジックの実装)、デザイン学(フォルダをドラッグ&ドロップできない場合の視覚的なフィードバック(エラー表示やアニメーション)のデザイン、新規登録されたファイルや特定のファイル群を目立たせるための視覚的階層の設計、ユーザーテストを通じて実際の利用状況に基づいた改善点の洗い出し)
従来の印刷工程では、多種多様な部品を効率的に印刷するためグループ化していましたが、その後の後加工処理ではこのグループ化が考慮されず、全体的な生産効率が低下するという問題がありました。
これに対して、まずプロセッサが同じ属性を持つ部品から構成されるグループを生成し、次にこの生成されたグループに基づいて印刷装置の印刷スケジュールと後加工処理装置の後加工処理スケジュールを生成し、その際、印刷スケジュールは同じグループ内の部品が同一の印刷装置で連続して印刷されるように最適化され、さらに後加工処理スケジュールが通常は印刷されたものがロールの奥から手前に積層されることを考慮し、同じグループ内の部品の印刷順の逆順で後加工処理がおこなわれるように生成されるという技術構成により、印刷から後加工まで一貫してグループ化のメリットを享受でき、特に連続紙印刷後の後加工処理における効率を高め、製造工程全体を最適化する印刷管理システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7521671/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(複数の印刷機や後加工機の稼働状況、部品の属性、発送予定日などの大量のデータをリアルタイムで処理して最適なスケジュールを高速に算出するプログラムの設計、スケジュールデータを各装置に連携させるための通信プロトコルの設計)、経営工学(印刷順の逆順での後加工処理が具体的な製品や工程においてどの程度の効率改善に繋がり、それがコストや納期にどう影響するかの評価、既存の生産データを用いたシミュレーション分析、ボトルネックの特定、資材の最適在庫量の算出、柔軟な生産計画を策定するためのフレームワークの設計)
具体例として外部データ連携型画像処理システム(情報処理装置)が挙げられます。
従来の画像処理装置では、スキャナーで直接読み取った原稿のデータ処理に限定され、多様な場所で取得された外部データを統一的に扱えない問題がありました。
これに対して、画像読取が指示された際、内蔵スキャナー(第1の画像読取装置)の代わりに、別の装置(第2の画像読取装置)で読み取られ外部記憶装置に格納されたデータファイルを読み込み、この外部データの形式を内蔵スキャナーで読み取った画像データと同じ共通データ形式に変換して画像データを生成し、その画像データを内蔵スキャナーから出力する際のファイル形式に変換し、生成されたデータファイルを指定の宛先に送信することにより、外部で取得した画像データを自装置でスキャンしたかのように一元的に処理する情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7613043/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(外部記憶装置から読み込んだ多様なデータ形式を画像処理装置が扱う共通の内部画像データ形式に変換するモジュールの設計、変換後の画像データを最終的な出力ファイル形式に変換して指定された宛先へ確実に送信するファイル形式変換エンジンおよび通信プロトコルの実装)、電気工学(異なる画像データの形式変換や送信処理を高速かつ安定しておこなうための最適なプロセッサやメモリの選定およびそれらを統合する回路基板の設計、USBやネットワーク通信のための入出力インターフェースの物理的な設計、信号品質の評価、電源供給の最適化)
具体例として画像形成装置が挙げられます。
従来、ネットワーク上の複数プリンターで印刷ジョブを共有する際、ジョブ作成時のプリンターと実際に印刷するプリンターの構成(トレイの用紙種類など)が異なると意図しない印刷結果が生じる問題がありました。
これに対して、他の画像形成装置のトレイ情報を含む印刷ジョブを取得する画像形成装置であり、プロセッサはこの印刷ジョブに登録されたトレイ情報が当該他の画像形成装置の構成変更後に作成されたものである場合でも変更前の構成情報を取得して参照し、その上で印刷ジョブのトレイ情報と自装置の構成を比較し、自装置の構成に合わせてトレイ情報を自動的に調整または提案することで、ユーザーが意図した通りの印刷をおこなう画像形成装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7700559/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(印刷ジョブに含まれるトレイ情報(用紙サイズ、種類など)と自装置および他の画像形成装置のトレイ構成情報を動的に取得・管理するためのデータ構造の設計、ジョブの実行時に最適なトレイを自動的に選択して一致しない場合やトレイ構成が変更されている場合にユーザーに適切な選択肢を提示したり自動でトレイ情報を調整するアルゴリズムの設計)、電気工学(印刷ジョブの実行中に複数のトレイ間で用紙を切り替える際の搬送機構の電気的制御システムの設計、各トレイに搭載されている用紙の検知センサーからの信号処理回路の設計、ネットワーク経由で他の画像形成装置の構成情報を安定して取得するための通信インターフェース回路の設計)
具体例として宿泊などの同行者を特定する情報処理システムが挙げられます。
従来のシステムでは、同行者に関する情報を事前に手動で入力する必要があり、手間がかかる上に同行者の変化にリアルタイムで対応できないという問題がありました。
これに対して、注目ユーザーの携帯端末から取得した近距離無線通信の履歴(誰が、いつ、どのくらいの時間、注目ユーザーの近くにいたかを示す情報)と注目ユーザーの識別子に基づいて注目ユーザーに同行している同行者を自動的に特定し、特定された注目ユーザーとその同行者の情報(例えば、ユーザーの属性や同行人数、同行履歴など)を総合的に分析し、それらに合致する最適な提供情報(広告やクーポンなど)を動的に選択し、選択された情報は注目ユーザーまたは同行者の携帯端末あるいは商業施設内のデジタルサイネージなどに提供されるため、事前に同行者情報を入力する手間なく状況に応じたパーソナライズされた情報提供が可能な情報処理システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-047096/11/ja
関連する専門分野の例:情報工学(携帯端末からの近距離無線通信履歴データを効率的に収集してデータベースに格納するためのシステムアーキテクチャの設計、特定の時間枠内での同時滞在頻度や移動パターンの解析および同行確率を算出するアルゴリズムの設計、最適な広告やクーポンを自動的に選定してユーザーの携帯端末やデジタルサイネージに配信するアプリケーションロジックの実装)、電子工学(携帯端末のNFC(近距離無線通信)アダプタやBluetoothモジュールなどの無線通信部分の回路設計、情報処理装置(サーバー)が多数の携帯端末から同時にデータを受信して処理するための高速通信インターフェースの設計およびデータ処理をおこなうプロセッサ周辺の回路設計)
具体例として給紙台の駆動機構の故障を防止する給紙装置が挙げられます。
従来の給紙装置では、給紙台の昇降速度が固定されていると用紙補給に時間がかかり、ユーザーが速度を変更できる場合でも積載量が多いと駆動機構に過負荷がかかり故障する恐れがありました。
これに対して、プロセッサがユーザーの操作(ボタンの押下回数や長押しなど)に応じて給紙台の昇降速度を決定し、もし給紙台が設定された速度で動けない状態(例えば、用紙の積載量が多すぎて、給紙台が予定の時間内に所定の位置に到達しない場合)を検知すると、駆動機構への負荷を軽減するため、自動的に昇降速度を決定された速度よりも遅く制御することにより、ユーザーの利便性を損なうことなく給紙台の駆動機構の故障リスクを低減する給紙装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7600874/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(駆動モーターの必要トルクや出力、ギア比の算出および適切なモーターの選定、給紙台のガイド機構や支持構造の強度解析および変形や破損がないような部材の形状や材質の最適化、給紙台が予定の速度で昇降できない異常時に駆動系への過負荷を物理的に軽減するためのクラッチ機構やトルクリミッターの設計)、電気電子工学(給紙台を昇降させるモーターを駆動するためのモータードライバー回路の設計、給紙台の位置や用紙の有無を検出する光センサー、エンコーダー、ロードセル(荷重センサー)などの選定およびセンサー信号を正確に読み取るためのアナログ・デジタル変換回路の設計)
(4)コニカミノルタ|開発トレンドと専門性

G03Gが最も多いです。次いでB41J、G06F、H04N、A61B、B65H、G02Bが多いです。
具体例として連続印刷中のトナー切れによる停止を防ぐ画像形成装置が挙げられます。
従来の連続紙対応画像形成装置では、トナーボトルが空になると装置が停止し、生産性が低下するという問題がありました。トナー容量を増やすとボトル交換が困難になるという問題も生じていました。
これに対して、着脱可能なトナー収容容器(トナーボトル)に加え、現像器にトナーを供給するトナー収容部が中間バッファとして設けられ、このトナー収容部はトナー収容容器の1割以上という一定量以上のトナーを貯蔵できる容量を有することで、トナー収容容器が空になってもトナー収容部に貯蔵されたトナーが現像器に供給され続け、装置を停止させることなくトナー収容容器を交換することを可能となる画像形成装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7468569/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(トナー収容部や搬送スクリューの内部形状の流体力学的設計、トナー収容容器からトナー収容部への、またトナー収容部から現像器へのトナー供給量を制御する機構の設計)、電気電子工学(トナー収容部内のトナー残量を正確に検知するためのセンサーの選定および信号を処理する回路の設計、トナー搬送用モーターの駆動回路の設計、制御部からの指示に基づいてトナー供給量を精密に調整するアルゴリズムの設計)
従来の転写ベルトでは、トナーの転写性、転写後に残る残留トナーのクリーニング性、および耐久性の全てを高いレベルで両立させることが困難でした。特に、転写容量を大きくすると紙粉や残留トナーが付着しやすくなり、また、表面の硬度を上げるとトナー離型性が低下する問題がありました。
これに対して、基材層およびその上に積層された表層から構成され、基材層の比誘電率が20~100と高く設定されることでトナーを引き寄せる電界を強化してトナー像の良好な一次転写と保持能力を確保し、表層側の表面から深さ15µmまでの領域における比誘電率が5~10と低く設定されることでトナーとの鏡像力を低減し、二次転写時のトナー離型性とクリーニング性を向上させ、表層側の表面のマルテンス硬さが300~700 N/mm²と高されることでトナーの食い込みを抑制し、耐久性を確保するこれらの多層構造と各層の物性制御により、相反する特性を両立させた転写ベルトが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-066584/11/ja
関連する専門分野の例:材料科学(基材層に用いるポリイミド樹脂とチタン酸バリウムなどの強誘電体粒子の分散性、充填率、配向性が比誘電率に与える影響の評価、表層に用いるアルコキシシランの種類(官能基数)、加水分解・重縮合条件がマルテンス硬さと比誘電率に与える影響の解析および最適な組成とプロセス条件の確立)、電気電子工学(転写ベルトの多層構造における静電界シミュレーションの実施およびトナー像保持能力と離型性のバランスを最適化するための比誘電率および層厚の設計パラメータの導出、転写ベルト表面の電荷減衰特性および残留電荷の挙動の評価)
従来の画像形成装置では、印刷中にトナーの有無などによる突発的な負荷変動が生じると、像担持体の回転ムラが発生し、結果として出力画像に色ずれが生じるという問題がありました。
これに対して、像担持体を駆動するモータの回転情報と像担持体自身の回転情報の両方を検知し、これらの検知結果に基づいてモータのフィードバック制御のゲイン比を動的に切り替える制御部を備えた画像形成装置であり、通常時はモータ側の回転情報を重視した第1モードで制御し、モータと像担持体の位相差または速度差が所定の閾値を超えて突発的な負荷変動を検知した場合には像担持体側の回転情報を重視した第2モードへ瞬時に切り替えることで、負荷変動下でも像担持体の回転ムラを抑制して色ずれの発生を防ぐ画像形成装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7694245/15/ja
関連する専門分野の例:制御工学(モータとギア、像担持体を含むシステムの数学モデルの構築および過渡応答解析による負荷変動時の位相差や速度差の振る舞いの予測、PID制御器のゲインパラメータの調整および安定性と応答性を両立させるためのゲインスケジュールや適応制御アルゴリズムの検討)、電気電子工学(モータの駆動電源回路設計、第1検知部および第2検知部のセンサ選定と配置の最適化およびノイズ耐性を考慮した信号増幅・フィルタリング回路の設計、制御部におけるリアルタイムOSの選定とフィードバック制御アルゴリズムを効率的に実装するためのプログラミング)
具体例としてインクジェット記録装置が挙げられます。
従来の技術では、インクの吐出量や媒体の種類によって媒体上でのインク液滴の広がり方が異なり、一律の活性エネルギー線(例えば紫外線)照射ではインクが確実に硬化・定着しないという問題がありました。
これに対して、インクを吐出する記録動作部と、活性エネルギー線を照射する照射部、これらを制御する制御部を備えるインクジェット記録装置であり、制御部がインク液滴が媒体に着弾した後の液滴の表面から最奥部までの距離(インクの厚み)に応じて活性エネルギー線の照射量を動的に変化させることにより、インクの広がり具合が変化してもインクの最奥部まで硬化させることができるインクジェット記録装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7540545/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(さまざまな顔料濃度や光重合開始剤の配合比率を持つUV硬化インクの粘度や表面張力の温度依存性の確認、異なる記録媒体上でのインク液滴の着弾挙動(広がり直径、液滴の高さ)の評価、インク組成と液滴形状の関係の解明)、応用物理学(UV-LEDアレイやUVランプの出力スペクトルと強度分布の評価、インクの吸収スペクトルとの適合性の検討、インク液滴の形状(高さ、広がり)に応じたUV光の散乱、吸収、透過挙動の解析および液滴内部へのエネルギー到達度の予測、インクの最奥部を硬化させるために必要な照射強度、照射時間、照射タイミングおよびUV光源と媒体間の距離といった照射パラメータの最適値の決定)
従来の液滴吐出ヘッドでは、液体中の異物や気泡を除去するためにフィルターを設置していますが、フィルターの面積を大きくするとヘッドが水平方向に肥大化し、小型化や多連化が困難になるという問題がありました。一方、フィルターを垂直に配置しても流路形状によっては圧力損失が生じやすく、液体の流量が偏ることで吐出性能が低下する問題がありました。
これに対して、ヘッド部から排出される液体中の異物を捕捉するアウトフィルターが設けられた排出流路を備える液滴吐出ヘッドであり、アウトフィルターが配置されるアウトフィルター室内の前室において、液体が流入する流入口の開口面積よりもその上端部の水平断面積が大きい構造により、液体が前室へ流入する際の流速低下が抑制されてフィルター全体にわたる液体の流量が均一化され、結果としてヘッドの水平方向の大型化を抑えつつフィルター通過時の圧力損失を低減し、安定した液滴吐出性能を維持することができる液滴吐出ヘッドが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643319/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(アウトフィルター室内の液体の流れ、特に前室の形状変化が流量分布や圧力損失に与える影響のシミュレーション、液体の粘度や密度、フィルターのメッシュサイズ、流路の断面積といったパラメータについてフィルター全面にわたって均一な流量が得られ圧力損失が最小になるような最適な流路形状の探索、ヘッドの筐体やフィルターの固定方法についてインクの循環圧や外部からの振動に対する耐久性を確保できる材料選定と構造設計)、電気電子工学(ヘッド内のインク圧を最適範囲に保つ制御アルゴリズムの設計、ノズルからの液滴吐出タイミングや量、インク循環時の流量を正確に制御するための電子回路の設計、異物による詰まりや気泡の発生といった異常を検知し自動で対処するロジック(例えば、フィルター逆洗や気泡排出動作)の構築)
具体例として画像から知識として知識グラフを整理する知識グラフ生成装置が挙げられます。
従来の技術では、画像から未知の情報を得る際に利用者が対話を通じて回答する必要があり、手間がかかるという問題がありました。
これに対して、フレーム画像から複数の物体(オブジェクト)を自動で認識し、その中から2つのオブジェクトとその間の関係を表す文章(例えば「男性が階段を歩いている」)を生成し、その文章から「男性」と「階段」というエンティティと、「歩く」という関係(リレーション)を抽出し、これらを結びつけた知識グラフを自動で生成することにより、人手を介することなく構造化された知識として利用可能になる知識グラフ生成装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7687071/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(画像中の人物や物体(オブジェクト)を正確に検出して位置関係や行動を認識する画像認識モデルの構築、画像認識の結果(特徴ベクトル)を入力としてオブジェクト間の関係性を記述する自然な文章を生成する自然言語生成モデルの設計、生成された文章から「主語-述語-目的語」のような形でエンティティとリレーションを正確に抽出・分類して整合性のある知識グラフとして出力するモジュールの設計)、データサイエンス(画像-テキストペアデータセットを学習データとして利用できるようにするための前処理、生成された知識グラフの正確性(例えば、抽出されたエンティティやリレーションが正しいか)や網羅性(例えば、画像中の重要な情報が知識グラフとして表現されているか)の評価)
具体例として画像処理装置が挙げられます。
従来の技術では、調整画像を読み取る際に光源を常に点灯させるため光源の寿命が短くなるという問題がありました。
これに対して、画像の色の濃淡を調整するために用紙に形成された複数の調整画像を読み取る際に調整画像が形成されている領域のみに光を照射するように光源の点灯・消灯を制御する画像処理装置であり、用紙の搬送方向において調整画像が形成されている区間または調整マークのように光源の安定化が必要な場合に前倒しで光源を点灯させ、読み取りが不要なシリアル番号やページ番号などの情報が形成された箇所では光源を消灯させ、複数の調整画像間の距離が短い場合はその間も光源を点灯させ続けることで頻繁な点灯・消灯による光源への負荷を軽減し、アレイ型の光源を使用する場合は主走査方向においても調整画像が形成されている領域のみに光を照射したり、毎回調整画像の形成位置を変えることで特定の領域の光源が早く劣化することを防ぎ、光源全体の寿命を均一に延ばすことができる画像処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7287560/15/ja
関連する専門分野の例:電子工学(光源の電流・電圧特性の解析、点灯時の光量安定化までの時間を短縮する制御アルゴリズムの設計、センサの露光時間や読み取り速度に合わせて光源の点灯タイミングを精密に同期させる回路設計)、機械工学(用紙の高速搬送時でも調整画像が光源の照射範囲とセンサの読み取り範囲に正確に位置するようにする搬送ローラやガイドの設計、光源やセンサの取り付け精度を高めて振動や温度変化による位置ずれが発生しないようなメカニズムの検討)
具体例として医用画像撮影システムが挙げられます。
従来の技術では、患者のポジショニングが完了した後に誤りを判定していたため、手戻りによる大幅な時間ロスと患者への負担増大が問題でした。
これに対して、撮影オーダー情報から患者のポジショニングに関する情報を取得し、それが統計的に撮影頻度の低いポジショニングであると判定した場合、患者のポジショニングを開始する前にその旨を注意喚起する撮影支援情報を通知することにより、放射線技師はポジショニングの誤りに早期に気づくことができ、手戻りや再撮影を未然に防ぐことができる医用画像撮影システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7670088/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(特定の撮影部位や方向におけるポジショニングの統計的頻度の分析、異常検知アルゴリズムや機械学習モデルの構築)、電気電子工学(撮影オーダー情報に基づきX線発生装置や検出器の制御回路と本システムとの間で正確な信号のやり取りや同期が取れるようなインタフェースの設計、ポジショニング支援情報の通知が既存の撮影装置の動作に干渉せず緊急時の安全停止機能などを阻害しないようシステム全体の電気的安全性と電磁両立性の評価・設計)
具体例として給紙装置が挙げられます。
従来の給紙装置では、用紙の種類や特性に関わらずユーザーが規制板を手動で調整するため、給紙不良が発生しやすいという問題がありました。
これに対して、用紙を積載する給紙トレイ上の用紙束の端部を規制する規制板の位置を検出する規制板位置検出部と用紙の種類や特性、サイズなどの用紙情報を取得する用紙情報取得部を備え、これらの情報に基づき、判定部が規制板の位置が適切であるか否かを自動で判定し、用紙の厚さや表面状態、装置内部の温度や湿度といった環境情報も考慮して最適な規制板の位置を判断することにより、ユーザーの手動調整による不正確さを解消してさまざまな用紙に対応した給紙不良の発生を削減できる給紙装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7600733/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(過去の給紙データやジャム発生履歴から用紙の種類や特性、環境条件に応じた規制板の最適な位置関係を学習する機械学習モデルの構築、画像形成装置の操作パネルや給紙装置本体の表示部に視覚的かつ分かりやすいメッセージで通知するユーザーインターフェースの設計)、機械工学(規制板を正確かつスムーズに移動させて任意の用紙サイズに対応できる調整機構(例: ステッピングモーターを用いた位置制御システム、リニアガイド機構など)の設計、用紙の種類や厚さ、表面特性(摩擦係数など)の変化が給紙性能に与える影響の評価、給紙抵抗や用紙の斜行、ジャム発生を抑制するための規制板の形状や材質の最適化)
具体例としてズームレンズが挙げられます。
従来のズームレンズは高解像度と明るさ(小F値)の両立が求められる一方で、レンズ群が少ない構成ではズーム時に球面収差やコマ収差の変動が大きく、ズーム全域での良好な収差補正が困難でした。
これに対して、物体側から像面側へ順に正パワー(光を収束させる働きを持つレンズ)の第1レンズ群、負パワー(光を発散させる働きを持つレンズ)の第2レンズ群、正パワーの第3レンズ群、正パワーの第4レンズ群、負パワーの第5レンズ群、正パワーの第6レンズ群の6つのレンズ群で構成されたズームレンズであり、第4レンズ群には特定のアッベ数(光の分散(色のにじみ)の度合いを示す数値)を満たす正レンズが配置され、第2レンズ群には特定の屈折率差を持つ接合レンズが組み込まれることで、レンズ全長を抑えつつズーム全域で明るさを維持しながら球面収差、軸上色収差、コマ収差といった諸収差を補正し、高画質と使いやすさを両立したズームレンズが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7635631/15/ja
関連する専門分野の例:応用物理学(レンズ素材の光学特性(屈折率、アッベ数)の選定、非球面レンズの設計と評価、光線追跡シミュレーションによる収差発生メカニズムの解析、ズーム時の各レンズ群の移動量と収差変動の関係の定量化、結像性能の評価)、材料科学(高アッベ数かつ高屈折率のガラス材料の探索、低分散ガラスや異常分散ガラスの組成設計と合成、ガラスの熱膨張係数やヤング率などの物理特性の評価、レンズ成形プロセスにおける材料の流動性や固化挙動の解析、量産性を考慮した材料コストと性能のバランスの検討)
(5)ブラザー工業|開発トレンドと専門性

B41Jが最も多いです。次いでG03G、G06F、H04N、B65H、D05Bが多いです。
具体例として多ヘッド構成の印刷装置が挙げられます。
従来の印刷装置では、主制御回路から各ヘッドの副制御回路へ印刷データを送る際、すべてのデータを順番に読み込み自己のデータを抽出・格納する必要があり、データ処理に時間がかかるという問題がありました。
これに対して、主制御回路と、それに直列接続された複数の副制御回路と、それらによって駆動されるヘッド群を備えた印刷装置であり、主制御回路は各副制御回路へのデータ転送用に分割された主通信アドレス空間を持ち、各副制御回路はそのアドレス空間と紐づけられた独自のメモリ領域や通信アドレス空間を持つことにより、主制御回路が特定の主通信アドレス空間にデータを書き込むだけで対応する副制御回路は他のデータを読み込むことなく直接自身のメモリ領域にデータを受け取ることが可能になり、下流の副制御回路へのデータ転送もデータの内容を確認する手順を省いてアドレス空間の紐づけによって自動的におこなわれるため、データ処理にかかる時間や副制御回路の負荷を軽減し、印刷処理を高速化することが可能となる印刷装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7501690/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(データ転送の効率を最大化するカスタムプロトコルの設計、アドレス空間の割り当てアルゴリズムの設計、データ転送中のエラー検出・訂正メカニズムの設計、各副制御回路がデータを効率的に処理しヘッドを駆動するための組み込みソフトウェア設計)、電子工学(高速データ転送を可能にする通信インターフェースの物理層回路の設計、各副制御回路内で割り当てられたメモリ領域へのデータの自動書き込みを可能にするハードウェアロジックの実装、必要なデータ処理能力と転送速度を確保できる集積回路のアーキテクチャ設計)
従来のプリンターでは、ノズルを駆動する複数のパルス波形のうち実際に使用される波形は一つだけで、選ばれなかった波形に割り当てられた時間がノズルの待機時間となり、印刷速度向上の妨げとなっていました。
これに対して、エネルギー付与素子で液体を吐出するノズルを備え、異なる複数の駆動波形データからそれらの部分を交互に配置した時分割多重信号を生成する印刷装置であり、この多重信号は複数の駆動波形データ(例えば、大ドット用と中ドット用)を時間的に重ね合わせて1つの信号として送信するため信号線の数を削減でき、分離部はこの時分割多重信号から特定のタイミングで同期信号に基づいて必要な駆動波形信号(第1駆動波形信号または第2駆動波形信号)を分離し、駆動波形信号において電圧が所定値以上の第1信号が存在する期間のみ同期信号のパルスを出力し、それ以外の第2信号期間ではパルスを出力しないことで不要な信号部分がノズルの駆動に関与しないように制御することにより、1画素を印刷する周期において選択された駆動波形の周期のみが適用され、ノズルの待機時間が削減されて印刷処理の高速化を実現する印刷装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7468592/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(複数の駆動波形データを効率的に時分割多重化する回路の設計、高速なD/Aコンバータやアンプを選定・設計、分離部を構成するスイッチ群のタイミング制御を行う同期信号生成回路を設計)、制御工学(印刷データに基づいて最適な駆動波形(大小ドットなど)を選択して波形を生成・出力するための制御ロジックの設計、時分割多重信号の生成タイミングと同期信号のタイミングを厳密に同期させるためのクロック同期システムの設計、ノズルの待機時間を最小化して印刷速度を最大化するためのリアルタイム制御アルゴリズムの設計)
従来の液体吐出装置(インクジェットプリンタなど)では、出荷時にヘッドユニット内に充填された保存液を初回印刷前に排出してインクに置換する初期パージをおこないますが、この処理だけでは保存液がヘッドユニット内に多く残存し、印刷品質の劣化を招くという問題がありました。
これに対して、電源投入後かつ初回印刷前にまず、吸引ポンプでヘッド内の保存液の一部を排出しつつインクを導入する導入処理を実行し、次にキャップが離間した状態でキャリッジを複数回往復移動させることでヘッド内の液体を撹拌する往復移動処理をおこない、最後にキャップが接触した状態で吸引ポンプを動作させ撹拌された液体を排出する排出処理を実行するこれら一連の処理により、液体が滞留しやすい流路部分に存在する保存液が効率よくインクと置換され、ヘッドユニット内に残存する保存液を低減して安定した印刷品質を確保する液体吐出装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7587763/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ヘッドユニット内の流路形状とキャリッジの移動速度・加速度の関係のシミュレーションおよび保存液とインクの混合効率を最大化する設計の検討、吸引ポンプの吸引力、吸引時間、キャップの開閉タイミングを制御するための機械的機構の設計およびそれらの動作精度を確保するための部品選定)、制御工学(電源投入から初回印刷までのシーケンスの定義および各処理(導入、往復移動、排出)の開始・終了条件、エラーハンドリングロジックの設計、キャリッジ駆動モータや吸引ポンプの制御プログラムの設計、ヘッド内の保存液残量やインクの置換状態を推定するためのセンサーデータの解析アルゴリズムの設計)
具体例としてレーザプリンタ、LEDプリンタなどに着脱可能なプロセスカートリッジが挙げられます。
従来のプロセスカートリッジでは、ドラムカートリッジに記憶媒体を搭載する際、現像カートリッジが装着されると記憶媒体の電気的接触面が現像カートリッジに覆われてしまい、画像形成装置の電気端子との接触が困難になるという問題がありました。
これに対して、感光ドラムを含むドラムカートリッジとトナーを収容する現像カートリッジからなるプロセスカートリッジであり、ドラムカートリッジのドラムフレームの露出した外表面に第1記憶媒体の電気的接触面が配置され、ドラムフレームのハンドルとは反対側の端部に感光ドラムがハンドル側にハンドルがそれぞれ配置されることで、現像カートリッジが装着された状態でもドラムカートリッジ側の記憶媒体の電気的接触面が画像形成装置の電気端子と確実に接触できるプロセスカートリッジが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7622802/15/ja
関連する専門分野の例:電子工学(ICチップの電気的接触面と画像形成装置の電気端子との接触抵抗を最小化するための材料選定、表面処理、接触構造の最適化の検討、外部からのノイズに対するICチップのデータ通信のロバスト性の評価)、機械工学(ドラムフレームのICチップ配置位置周辺の構造解析、ICチップの固定強度や外部からの衝撃に対する耐性の評価、プロセスカートリッジの着脱を繰り返した際のドラムカートリッジと現像カートリッジ間の嵌合精度およびICチップの電気的接触面と画像形成装置の電気端子との接触位置のずれを最小化するための公差設計と組立プロセスの最適化)
従来の画像形成装置では、現像カートリッジの現像ローラを感光ドラムに接触・離間させる際にカートリッジに搭載されたメモリの電気的接触面が本体筐体側の端子と擦れて摩耗する懸念がありました。
これに対して、現像カートリッジとドラムカートリッジがそれぞれ独立して着脱可能で各々に情報を記憶するメモリが搭載された画像形成装置であり、現像カートリッジの着脱および現像ローラの感光ドラムへの接触・離間移動を案内する現像ガイド自体に現像メモリ端子が設けられたことで現像メモリと現像メモリ端子の相対位置関係を一定に保って摩耗を抑制し、同様にドラムカートリッジにおいても感光ドラムの中間転写ベルトへの接触・離間移動に関わらずドラムガイドに設けられたドラムメモリ端子がドラムメモリと常時接触状態を維持することで長期的な電気的接続の安定性を確保する画像形成装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7639875/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(接触抵抗の変動要因(接触圧力、表面粗さ、材料、環境要因など)の解析および最適な材料選定や接触構造の検討、繰り返し挿抜や現像ローラの移動に伴う微細な摺動による端子の摩耗メカニズムの解明、ノイズ耐性の向上やデータ転送速度の最適化のための回路設計や配線レイアウト設計)、機械工学(現像ガイドとドラムガイドの移動メカニズム(レール、カム、リンク機構など)についてカートリッジ装着時および現像ローラ/感光ドラム移動時のスムーズな動作と位置再現性を確保するための機構設計、現像メモリ端子と現像メモリ、ドラムメモリ端子とドラムメモリ間の恒常的な接触状態を維持するためのガイド機構の剛性、部品の公差設定および組み付け精度の管理)
具体例としてプリンタと通信可能な情報処理装置に組み込まれるプログラムが挙げられます。
従来の印刷システムでは、情報処理装置が複数の印刷経路(専用ドライバーによる詳細設定印刷とOS汎用機能による簡易印刷など)を持つ場合、一方の経路で印刷に失敗しても利用者が手動で経路を切り替えて再試行する必要があり、利用者に大きな負担を強いていました。
これに対して、印刷指示を受け付けると、まずOSに含まれない専用の印刷制御機能を用いる第1の経路で印刷をおこない、この第1の経路での印刷が失敗した場合、その原因が第1の経路特有のものであれば自動的にOSの持つ汎用の印刷制御機能を用いる第2の経路に切り替えて印刷を再試行するというこの自動的な経路切り替えとリトライ機能により利用者の手間を省くプログラムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7548406/15/ja
関連する専門分野の例:ソフトウェア工学(2つの異なる印刷経路(専用の印刷制御機能とOS汎用の印刷制御機能)間のシームレスな切り替えを実現するためのソフトウェアアーキテクチャの設計、最適なリトライ経路を選択するアルゴリズムの設計、ユーザーに負担をかけずに印刷状況やリトライの状況を通知するUI/UXの設計)、通信工学(ネットワークインターフェースの性能評価、Wi-Fiなどの無線通信環境下でのパケット損失、遅延、スループットの分析、各経路におけるデータ送信の効率性、安定性およびタイムアウト設定の最適化、異なる通信プロトコル間の互換性検証)
従来の電子機器では、追加プログラムを不揮発性メモリに保存するとコストが増大し、揮発性メモリに保存すると再起動時に消失するため、追加機能の柔軟な利用と利便性に課題がありました。
これに対して、基本プログラムを不揮発性メモリに保持しつつ機能拡張のための追加プログラムは外部からダウンロードして揮発性メモリ(SDRMA15)に保存し、制御部がリブートする際、揮発性メモリに追加プログラムがあるかを確認し、もしなければ不揮発性メモリに保存されたダウンロード元情報に基づき外部機器から自動的に再ダウンロードして再利用を可能にし、電源オフ時でも揮発性メモリの内容を保持するRAM保持処理を実行することで、再起動時の再ダウンロードの手間を省き追加プログラムの利用における利便性とコスト効率を両立する電子機器が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7582424/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(追加プログラムのダウンロード、メモリへの展開、実行、リブート時の再ダウンロード処理といった一連の流れを効率的に動作するプログラムの設計、異なる通信プロトコルやファイルフォーマットに対応するためのデータ変換モジュールの最適化、追加プログラムの自動再ダウンロード時にネットワーク負荷を最小限に抑えつつ通信途絶時にも回復可能な通信設計)、電気電子工学(不揮発性メモリ(フラッシュメモリ、E2PROM)と揮発性メモリ(SDRAM)を効率的に連携させるためのメモリコントローラの設計、USBやWi-Fiなどの通信インターフェース回路の設計と最適化)
具体例として情報処理装置が既存のスキャナを利用可能にするためのスキャンサーバプログラムが挙げられます。
既存技術では、情報処理装置のOSが特定の汎用プロトコルにしか対応していないため、非対応スキャナを利用できず、互換性や利便性に課題がありました。
これに対して、情報処理装置のOSに仮想スキャナとして登録され、OSから汎用的な第2プロトコルによるスキャンコマンドを受け付けると、プログラムがそのコマンドをスキャナが対応する専用の第1プロトコルに変換してスキャナへ送信し、スキャナが読み取った結果を第1プロトコルで受信してOSへ渡すことで、プロトコルの違いを吸収し、非対応スキャナでも情報処理装置から利用できるようにするスキャンサーバプログラムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7587765/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(OSが発行する汎用的な第2プロトコルのスキャンコマンドの解析、特定のスキャナが理解できる専用の第1プロトコル(ベンダー独自プロトコルなど)のスキャンコマンドに正確に変換するプロトコル変換エンジンの設計、OSのスキャナ管理システムと協調して仮想スキャナの検出、状態報告、スキャンジョブの受け渡しをスムーズにおこなうためのソフトウェアモジュールの構築)、通信工学(スキャナが対応する第1プロトコルと情報処理装置のOSが用いる第2プロトコル、それぞれの通信シーケンスやデータ構造の解析、プロトコル変換時のデータ欠損やエラー発生を防ぐためのロバストな通信ハンドリングの設計、データ転送速度や信頼性を最大化するための通信最適化手法の検討)
具体例としてプリンタなどの画像処理装置の給紙ユニットが挙げられます。
従来のロール紙給紙ユニットでは、給紙トレイを着脱する際に切断されたロール紙先端が外部に露出し、折れ曲がって給紙不良を起こす問題がありました。
これに対して、ロール紙を収容する給紙トレイと、それを支持する筐体を備えた給紙ユニットであり、給紙トレイを筐体から引き出す(外方へ移動させる)動作に連動してロール紙の先端を自動的に給紙トレイの内部へ引き戻す戻し送り機構を有し、これが(給紙トレイの移動に伴って、ピニオンギアと筐体側のラックギアが噛み合い、一方向クラッチを介してローラが回転し、)ロール紙を巻き取り方向へ送ることにより先端が安全な位置に収納されることで、給紙トレイを再装着する際にロール紙の先端が筐体や給紙機構に接触して折れ曲がることを防ぎ、結果として給紙不良の発生を抑制する給紙ユニットが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7559892/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(ロール紙の戻し送り機構の設計、給紙トレイの引き出し量とロール紙の戻り量との関係の分析、ギア比の選定、ワンウェイクラッチの最適な配置の決定、筐体と給紙トレイ間の連動機構(ラックギアとピニオンギアの噛み合いタイミングや位置関係)の解析、着脱動作中の機構への負荷、耐久性および動作精度の評価)、制御工学(給紙トレイの着脱状態を検知するためのセンサーの選定と配置の決定、トレイの引き出し開始からロール紙の先端が完全に収納されるまでの間に戻し送り機構が所定の速度で動作するようにモーターの動作タイミングと速度を制御するアルゴリズムの設計、ロール紙の特性(紙厚、コシの強さ、摩擦係数など)が戻し送り動作に与える影響の分析、異なる種類のロール紙でも安定して動作するような制御パラメータの調整やフィードバック制御の検討)
具体例として縫製ミシンにおける縫製エラー管理装置が挙げられます。
従来の技術では、ミシンのエラー発生時に表示されるのは針数などの数値情報のみで、刺繍のような複雑な縫製模様の場合、膨大な数の縫い目の中からオペレーターがエラーの正確な発生位置を特定するのに時間がかかるという問題がありました。
これに対して、エラーが発生した時点の縫い目の座標と縫製模様の画像を基にエラーの発生位置を画像上に描画したエラー画像を自動的に取得し、これをエラーの種類と併せて表示部に提示することにより、オペレーターは縫製模様の画像上でエラーの場所を一目で把握でき、エラーの種類や対応策も同時に確認できるため、エラー箇所の特定と迅速なトラブルシューティングが可能な縫製エラー管理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7587756/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(リアルタイムでのデータ処理を実現するためのアルゴリズムの設計、ミシンと表示装置(スマートフォンやPCなど)間の通信プロトコルの設計、ユーザーインターフェースの設計、システム全体の性能評価と最適化)、デザイン工学(エラー発生時の視覚的な情報提示方法(例:エラー箇所のハイライト、エラー種別に応じた色分け、エラー表示のアニメーションなど)のデザイン、ミシンの操作パネルや外部の携帯端末の画面上でいかに効率的かつ快適にエラー情報にアクセスして対応策を把握できるかというユーザーエクスペリエンスの設計)
(6)まとめ
コピー、プリンタ機能を有する装置に関する出願が多くを占めます。
その中で遠隔会議のためのシステム、宿泊のためのシステム、医療関係のシステムといった従来製品以外の技術に関する出願も確認されます。
このような開発が日々おこなわれていることが予想されます。
3.6 共同出願人との開発例
共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。
技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。
各社の共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。
(1)セイコーエプソン

件数が少ないので詳細は省略します。
(2)リコー

共同出願の例として印刷装置が挙げられます。
既存技術では、印刷データ不足時に印刷速度を低下させると品質が劣化し、別のデータを印刷すると印刷順序が乱れる問題がありました。
これに対し、印刷媒体を搬送する搬送手段と、インク滴を吐出する印刷ヘッドを備え、印刷制御手段が印刷データ蓄積手段のデータ量を監視し、データ量が所定値未満の場合には搬送速度を第2速度(低速)にし、製品用データとは異なる非製品用データを印刷する第2印刷モードを実行し、データ量が所定値以上になった場合には搬送速度を第1速度(高速)に戻し、第2印刷モードを中断して製品用データに基づく第1印刷モードを開始させることにより、印刷データ不足時でも印刷品質を維持でき、非製品用印刷された部分は後処理で廃棄できるため、印刷媒体の損失を最小限に抑えつつ印刷後の処理が煩雑になることを防ぐことができる印刷装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6615278/15/ja
既存技術では、外部水晶フィルタに頼るためコストがかかり、集積化された連続時間フィルタは部品のばらつきで性能が不安定になる問題がありました。
これに対し、まず連続時間ポリフェース・フィルタでイメージ信号を減衰させ、同時に所望信号を増幅することで、後段の雑音影響を低減(このフィルタは複素演算により正負の周波数に異なる処理を施し、イメージと所望信号を分離)し、次にその出力がサンプル・アンド・ホールド回路で離散時間信号に変換され、その後段の離散時間ポリフェース・フィルタに入力(この離散時間フィルタはスイッチト・キャパシタ方式であるため、キャパシタ比で中心周波数が高精度に決まり、連続時間フィルタの課題であった部品ばらつきによる特性変動の影響を大幅に抑制しながら高い選択度とさらなる増幅を提供)され、連続時間フィルタの初期イメージ除去とアンチエイリアシング機能、離散時間フィルタの安定性の組み合わせにより、外部部品を不要にして集積化と高性能化を両立するバンドパスフィルタが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2009-530897/11/ja
なお、当該社との共同出願で確認されたのは2009年出願までです。
既存技術では、プラズマ生成に伴う有害物質の排気時に改質に有効な成分まで排出され、改質効率が低下する問題がありました。
これに対し、被加工物を搬送する搬送手段、プラズマを形成する放電電極、プラズマ生成物を吸引する吸引手段に接続されたカバー部材、放電電極を覆い被加工面に対向するフランジ部を持つ電極カバーを備えた改質装置であり、電極カバーがプラズマにより生成された活性種やオゾンを被加工面付近に閉じ込め、改質への利用効率を高めるとともにカバー部材と吸引手段が有害なオゾンの外部漏洩を防止する改質装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2013-095562/11/ja
(3)富士フイルムビジネスイノベーション

共同出願の例としてレーザー光を用いた非侵襲的な血圧指標値の算出装置(血圧測定装置)が挙げられます。
従来の血圧測定装置は受光信号に含まれる容積脈波の駆出波および反射波の振幅から血管抵抗を求め血圧を算出するため、高周波ノイズの影響を受けやすく、血圧変動の正確な測定が困難でした。
これに対し、被測定者の体内に照射されたレーザー光から得られる受光信号を用いてレーザードップラー法により血流速度を算出し、その血流速度から血流加速度を算出し、この血流加速度に基づいて血圧と相関性の高い血圧指標値を導出することで、ノイズの影響を受けにくく血圧の変動状態をより正確に把握できる血圧測定装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7138244/15/ja
(4)コニカミノルタ

件数が少ないので詳細は省略します。
(5)ブラザー工業

共同出願の例としてユーザーの特性に応じて運動メニューを自動生成するシステムが挙げられます。
従来の運動指導システムでは、バーチャルインストラクターの見た目はカスタマイズできても運動メニュー自体は消費カロリーなどの指標に留まり、個々のユーザーの運動目的や体力レベルに合わせた細やかなパーソナルメニューの作成が困難でした。
これに対し、ユーザーから受け付けた運動目的や体力レベル(年齢、運動頻度などから判定)の情報に基づいて複数のレッスン時間単位それぞれに、多様な体力レベルと動作を対応付けた順序データ(運動プログラムのパターン)を格納したデータベースからユーザーに最適な動作データを特定することにより、単に消費カロリーを指標とするのではなく、ユーザー個人の目的や体力に応じたパーソナルな運動メニューを自動で作成する運動メニュー作成システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-5830132/15/ja
(6)上記(1)~(5)(共同出願人)のまとめ
OA機器(印刷装置)や他分野の技術(血圧測定装置や運動メニュー作成支援システム)に関する出願が確認されます。
4 開発に求められる専門性
上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。
上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。
・機械系分野(機械工学、制御工学、精密工学など)
装置全体の機構設計、インク容器などの部品の構造設計、材料選定、装置における力学的挙動の解析、最適な搬送条件にするためのローラー形状などの部品形状の最適化などが求められます。
・情報系分野(制御工学、情報科学、情報システム、情報工学、データサイエンス、ソフトウェア工学、通信工学など)
装置の動作制御、制御システムの設計や最適化、画像の解像度調整などの所望の処理をおこなうアルゴリズム設計、対象システムの機能要件の定義とシステム構成やデータ管理の設計、センサーなどから得られるデータの解析、情報処理装置とプリンタなどの装置間の通信プロトコルの最適化などが求められます。
・電気系分野(電気電子工学、電子工学、制御工学、電気工学など)
表示に用いるLEDや有機ELディスプレイの発光効率と輝度制御、発光の最適化、センサーの特性評価や選定、センサーを含めた装置の制御、センサーの送受信や信号増幅などの装置を含めた電気回路の設計などが求められます。
・化学系、材料系分野(化学工学、材料科学、材料工学など)
インクの粘土などの物性値ががノズルに与える影響、装置内部材の耐熱性や熱膨張性などの物理化学的評価、部品などの材料や構造の適合性を踏まえた製造プロセスや構造の検討、材料の最適選定などが求められます。
・物理系分野(応用物理学など)
発光素子の温度特性と輝度変化の関係など装置の物理的特性の解析、光学シミュレーションモデルなどの理論モデルの構築、光学設計などの物理的な設計などが求められます。
・その他分野(デザイン学、人間工学、認知科学、経営工学など)
デザイン学ではユーザーが直感的で快適に文書を閲覧できるような表示画面のレイアウトの設計、視覚的影響などについてのユーザーテストなどが、人間工学では遠隔会議における人の認知特性、行動パターン、生理的反応の影響の分析や最適な演習ツパターンの設計などが、認知科学では人間のコミュニケーションにおける非言語的キュー(仕草、表情、視線、呼吸パターンなど)と発話行動の関連性の解析やそれらをシステムが認識・解釈するためのモデルの構築などが、経営工学では印刷物製造のサプライチェーン、生産性向上、コスト削減、納期短縮の評価などの経営的分析などが求められます。
ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。
5 まとめ
コピー、プリンタ機能を有する従来的なOA機器に関する出願が多く確認されましたが、一方で、遠隔会議のためのシステム、宿泊のためのシステム、医療関係のシステムといった従来製品以外の技術に関する出願も確認されました。
大学の専攻と関連づけるとしたら、特に多いものとして、機械、情報、電気、化学、材料、物理などの研究が該当する可能性があります。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社
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