これまで、総合メーカーの開発の全体像と個別の開発において求められる専門性について企業ごとに紹介してきました。
先の記事:
【総合メーカー(1)】開発職に求められる専門性とは?パナソニックの特許で読み解く技術分野
【総合メーカー(2)】開発職に求められる専門性とは?三菱電機の特許で読み解く技術分野
【総合メーカー(3)】開発職に求められる専門性とは?日立製作所の特許で読み解く技術分野
複数の業界にまたがって事業を展開する総合メーカーについては、業界分類では断片的な情報しか見えてきません。
そこで、総合メーカーの開発の全体像と個別の開発において求められる専門性がイメージできるよう1社に絞って見ていきます。
今回はソニーを見ていきます。
結論(概要)は以下の通りです。
(1)画像通信関連技術:情報系、電気系の分野(情報科学、情報通信工学、情報工学、電気電子工学など)
(2)データ処理関連技術:電気系、情報系、数学系 (電気電子工学、情報通信工学、情報科学、データサイエンス、応用数学など)
(3)無線通信関連技術:情報系、電気系の分野(通信工学、情報工学、情報科学、電気電子工学など)
(4)半導体関連技術:材料、電気、機械系分野(材料科学、電子工学、精密工学など)
(5)イメージデータ処理関連技術:情報系、電気系の分野(情報科学、データサイエンス、情報工学、電気電子工学など)
(6)診断、手術、個人認識関連技術:情報系、電気系、機械系の分野(情報科学、電気工学、電気電子工学、機械工学など)
(7)光学装置関連技術:電気系、材料系、物理系、機械系の分野(電気電子工学、電気工学、材料科学、材料工学、応用物理学、機械工学など)
(8)情報の記録、再生関連技術:機械系、材料系、電気系、物理系の分野(機械工学、材料科学、電気電子工学、応用物理学など)
(9)ビジネスのICT関連技術:情報系、電気系分野(情報科学、ソフトウェア工学、認知科学、電気工学など)
(10)撮影装置関連技術:電気系、情報系、機械系の分野(電気電子工学、電子工学、情報科学、機械工学など)
1 企業サーチの概要
特許情報は企業の開発情報だと言えます。
企業サーチは、企業の特許情報から、その企業がどのような開発をおこなってきたのか、客観的な情報を導き出そうとするものです。
特許分類(後述)からは、その特許に関わる開発の主な技術分野がわかります。
すなわち、その企業の開発職においてどのような専門性が求められるのか特許情報から推測できます。
2 総合メーカー
2.1 総合メーカーとは
ここでは、いわゆる大企業で複数の分野の製品やシステムを自社で開発・製造する企業を意図します。
企業規模や分野の数など厳密なものではありません。
2.2 サーチ対象
以下の企業を対象にしました。
2.3 使用プラットフォーム
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
3 サーチ結果
3.1 結果概要
開発イメージは下表のとおりです。
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モノの開発 |
サービスの開発 |
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個人向け |
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法人向け |
・バーチャルプロダクションに係る映像の情報処理装置 |
・ハイブリッド型メディア配信に係る送信方法 |
モノの開発としては、例えば、映像処理装置が挙げられます。
サービスの開発としては、例えば、メディア配信の送信方法が挙げられます。
3.2 出願件数の推移
下図はソニーグループ株式会社の特許出願件数の推移です。

近年出願件数が減少していますが、年間数百件の出願が確認されます。
これらの出願に関わる数の開発がおこなわれていることが推測されます。
3.3 主な開発分野
特許出願件数が多かった技術分野を以下に示します。
出願上位10の技術分野を抽出して並べています。
各記号は発明の技術分類をあらわします。
発明の説明は、必ずしも特許請求の範囲を完全に表現したものではありません。
関連する専門分野の例はあくまでイメージです。また、専門の概念レベルを必ずしも同一レベルで表示してはいません。
特許は難解ですが、GeminiやChatGPTなどのテキスト生成AIを活用すると簡単に解読できます。以下の記事を参考にしてください。


分類参照:FIセクション/広域ファセット選択(特許情報プラットフォーム)
3.4 ソニーグループ株式会社の近年の開発トレンドと求められる専門の例
特許情報の出願年数が新しいほど、その企業の開発実態を反映していると言えます。
ここ10年のトレンドは以下のとおりです。
発明の主要な技術分野(筆頭FI)の出願年ごとの出願件数です。
(1)H04N|開発トレンドと専門性

H04Nは画像通信に関する分類です。
従来のバーチャルプロダクションでは、カメラがディスプレイの範囲外を撮影してしまうと、後から手作業で修正する必要があり、これが大きな負担となっていました。
これに対し、ディスプレイの周縁部に境界マーカーを付加した映像を表示させ、これをカメラで撮影した映像から境界マーカーの位置を判定することで、撮影映像におけるレンズの歪みや周辺光量落ちの量を正確に検出するため、この検出された情報に基づき撮影映像のディスプレイ外にはみ出した領域に対し、自動的な背景映像のCG合成により、撮影後の映像制作の効率を向上できる情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643419/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(撮影映像から境界マーカーを高速かつ正確に検出するための画像認識アルゴリズムの設計、カメラトラッキングデータ、マーカー検出結果およびCG背景データを効率的に処理するためのデータ構造と処理パイプラインの設計)、電気電子工学(カメラから入力される映像信号の品質を最適化し、ノイズ除去、色補正、ダイナミックレンジ調整などの前処理をおこなう技術の検討、大型ディスプレイへの映像出力の最適化)
従来のカメラでは、撮影中の本線映像と拡大表示や輝度レベル表示、ステータス表示といった補助情報を同じディスプレイで切り替えて表示していたため、本線映像を常時確認できないという問題がありました。
これに対し、4K解像度以上の映像を撮影する撮像部を備え、撮影された本線映像を映し出す第1の表示部と、フォーカス調整用の拡大画像、輝度レベル表示、カメラ設定情報あるいは外部からのリターン映像などの補助情報を映し出す第2の表示部という2つの独立した表示部を搭載していることにより、撮影者は本線映像を確認しながら同時に別のディスプレイで詳細な補助情報をリアルタイムで確認できる撮像装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7517392/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(撮像装置が生成する高解像度(4K以上)の画像信号を効率的に処理して2つの異なる表示部に適切に分配するための画像処理アルゴリズムおよびシステム設計)、電気電子工学(撮像部から出力される高解像度信号の安定的な伝送、表示部への最適な供給および複数の表示部を効率的に駆動するための回路設計)
従来の放送システムでは、特定の伝送方式に限定され、多様なネットワーク環境での柔軟なメディア配信が困難でした。
これに対し、MPEG Media Transport(MMT)プロトコルを用いて、映像や音声などの主要なメディアコンポーネントを含む第1のパケットと、そのコンポーネントの取得方法を示す情報(ロケーション情報とプロトコル識別情報を含む)を含む第2のパケットを多重化した伝送ストリームを生成してこれを送信するものであり、第2のパケットに含まれるプロトコル識別情報はMMTプロトコルパケットまたはHTTPによる伝送を指定可能であり、ロケーション情報は対応するプロトコルに合わせたURLとして表現されることにより、受信側は放送波で受け取った情報に基づき通信ネットワークから最適なプロトコル(例:HTTP、UDP、TCP)でメディアコンポーネントを柔軟に取得できるため、放送と通信を連携させた多様なサービスを提供可能な送信方法が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7517389/15/ja
関連する専門分野の例:情報通信工学(MMTプロトコルをベースとした放送・通信ハイブリッドシステム全体の通信プロトコル設計、ネットワークアーキテクチャの最適化、パケット伝送効率の評価)、電気電子工学(放送・通信ハイブリッドシステムにおける送受信装置のハードウェア設計、信号処理回路の最適化)
既存の動画像配信では、受信機のデコード能力に合わせたフレームレートでしかサービス提供できず、安価な機器では高フレームレートのコンテンツを視聴できないという問題がありました。
これに対し、動画像データを複数の階層に分類し、それぞれを複数のビデオストリームとして符号化・送信する受信装置であり、最下位階層のストリームはデコード間隔が等間隔になるように符号化され、上位階層のストリームは下位階層の中間タイミングでデコードされるよう構成されることにより、受信装置は自身のデコード能力に応じて必要な階層のストリームを選択的に復号でき、フレームレートが動的に変化しても、表示ギャップを発生させることなく高品質な動画再生を可能にする受信装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7396447/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(既存の階層符号化技術を基盤として最下位階層の等間隔デコードや上位階層の中間タイミングデコードを実現するための符号化パラメータの最適化手法の検討、受信側でデコード能力に応じた階層選択を効率的におこなうためのストリームパーシング(解析)アルゴリズムやバッファ管理ロジックの設計)、電気電子工学(複数のビデオストリームを同時に受信して選択的にデコードするための受信部のデジタル信号処理回路の設計、最下位階層の等間隔デコードを保証しつつ上位階層のデコードタイミングの中間配置を実現するためのクロック同期やデータフロー制御の回路の最適化)
(2)G06F|開発トレンドと専門性

G06Fは電気的デジタルデータ処理に関する分類です。
既存技術では、HDMIケーブル内に仕様情報を保持するレジスタを設ける場合、レガシーな電子機器がそのレジスタにアクセスするとシンク機器で誤動作を引き起こす可能性がありました。また、Active Optical Cable (AOC)などの高機能ケーブルは従来のHDMIソース機器が供給できる電流では正常に動作しない可能性があり、ソース機器の故障を招く懸念がありました。
これに対し、接続されたケーブルが特定の仕様に対応しているかを判断し、対応している場合は対応モードで動作し、非対応の場合は非対応モードで動作するように制御する電子機器であり、対応モードでは、接続ケーブル内のレジスタへのアクセスを制御、例えばDDCライン(Display Data Channel)上のスイッチを操作することで、シンク機器への不要なアクセス情報伝送を遮断することでシンク機器の誤動作を回避し、電源ライン上の電流供給を制御することでActiveケーブルが必要とする電力を適切に供給し、ソース機器の過電流による故障を防ぎ、非対応モードでは、レガシー機器との互換性を維持し、スムーズな接続を可能にする動作制御により、ケーブルの特定機能(レジスタや電流消費部など)を良好に利用し、伝送システムの安定性と信頼性を向上させた電子機器が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7335416/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(電圧検出部、制御部、スイッチング回路の回路構成の設計、各種半導体デバイス(マイコン、トランジスタ、抵抗など)の選定、電流消費部を持つケーブルに対しソース機器から適切な電流が供給されるよう電源回路の設計)、情報通信工学(HDMI規格のDDC(Display Data Channel)やHPD(Hot Plug Detect)ラインにおける通信プロトコルの解析、レジスタアクセス時のスイッチ制御が通信シーケンスに与える影響の評価、ソース機器とケーブル間の「対応/非対応」判断ロジック(電圧モニタ結果に基づく判断)の設計)
従来のテレビ会議システムなどでは、取得した映像をそのまま伝送すると計算負荷が高い、伝送コストが大きい、またユーザーの服装や体毛といったコミュニケーションに不要なプライベート情報まで伝わってしまうという問題がありました。
これに対し、第1の場所のユーザーの手に対応する操作(ポインティングなど)に関する情報(手の位置、腕の位置、手の形状など)を伝達情報として取得し、この情報に基づき、第2の場所に、ユーザーの手に対応する画像を生成して表示し、伝達情報に基づいて特定されるユーザーの手のポインティング位置と手の仮想的な位置とがなす第1の直線と、腕の仮想的な位置と手の仮想的な位置とがなす第2の直線とによる角度が所定の角度範囲に入っていない場合には、これらを自動的に補正して画像を生成することで、より自然で臨場感のある手の動きを再現することで、伝送情報量を削減しつつ遠隔地間の円滑なコミュニケーションを可能にし、ユーザーのプライバシーも保護する情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7468588/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(ユーザーの手の動きを正確に認識・追跡するための画像認識アルゴリズムの設計、機械学習を用いた姿勢推定モデルの構築、伝達情報(手の位置、腕の位置、手の形状など)を効率的に表現して送受信するためのデータ圧縮技術やネットワークプロトコルの設計)、電気電子工学(カメラやデプスセンサーなどの入力部からユーザーの操作体(手など)の情報を正確に取得するためのセンサーシステムの設計およびアナログ・デジタル信号変換回路の最適化、ディスプレイやプロジェクターなどの出力部で仮想的な手の画像を鮮明かつ遅延なく表示するための映像信号処理回路や駆動回路の設計)
従来のモーションデータ検索はテキストやカテゴリに依存し、モーションデータの増加と複雑化により、ユーザーが求めるデータを効率的に見つけることが困難になっていました。
これに対し、対象の動きの時系列データから時間または部位ごとの特徴量(処理前特徴量)を算出し、これに重みパラメータを適用して処理後特徴量を取得し、この処理後特徴量を用いてモーションデータの中からユーザーの意図に合致するものを検索することを可能とする装置であり、重みパラメータはユーザー設定または機械学習により自動決定され、特定の時間区間や部位の動きを重視した検索と、検索結果のモーションデータの一部をユーザーの動き情報に合わせて補正する機能により、モーションデータの検索の効率化と再利用性を向上させた情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7521602/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(ユーザーの動きを示す時系列データから、特徴量を抽出し、重みパラメータを適用して処理後特徴量を生成するための計算アルゴリズムの設計、モーションデータの中からユーザーの求めるデータを素早く見つけ出すための検索アルゴリズムの設計)、応用数学(ユーザーの動きの時系列データから姿勢や速度などの処理前特徴量の算出方法の検討、重みパラメータを決定する推定器の数学的基盤の構築、処理後特徴量と既存のモーションデータの特徴量との類似度を評価するための数学的な特性の分析)
従来のMaaSプラットフォームでは、各交通プロバイダが個別の発券システムを持ち、新たな端末導入時にセキュリティ上の脆弱性や運用ボトルネックが発生していました。
これに対し、サーバーと第1の発行者ノード装置を備えたシステムで、第1の発行者ノード装置がサーバーに認証要求を送信し、応答に基づいてチケット処理クライアントとして交通サービスイベントを捕捉し、トランザクションメッセージと、それをMaaSネットワークのブローカノード装置へ転送する許可要求をブローカノード装置に送信し、サーバーはブローカノード装置からの許可要求を受け取り、転送を許可することでMaaSネットワークへのセキュアなアクセスを可能にすることにより、チケット処理端末の導入・運用におけるセキュリティと効率性を向上させるシステムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7325725/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(発行者ノード装置、サーバー、ブローカノード装置および加入者ノード装置といった各コンポーネント間の通信プロトコルとデータフォーマットの設計、認証クレデンシャルの管理、イベントの捕捉、トランザクションメッセージの生成・転送および許可要求の処理をおこなうソフトウェアモジュールの設計)、データサイエンス(発行者ノード装置から送信される認証クレデンシャルやトランザクションメッセージに含まれるデータの分析、不正アクセスや異常なトランザクションパターンを検知するモデルの設計、交通プロバイダやユーザーの利用履歴データから需要予測や最適なサービス提供のためのデータ駆動型意思決定支援システムの構築)
(3)H04W|開発トレンドと専門性

H04Wは無線通信ネットワークに関する分類です。
従来の無線通信では、フレームの先頭を正しく受信できない場合、他の無線LAN信号との区別やフレームの終了時刻が分からず、効率的な通信が困難でした。
これに対し、送信フレームの先頭にプリアンブルを、途中にミッドアンブルを生成・配置して送信し、プリアンブルはヘッダ情報を含み、ミッドアンブルはプリアンブル内のヘッダ情報の一部と、トレーニング用の情報(L-STF, L-LTF, HE-STF, HE-LTFなど)を含み、ミッドアンブルにヘッダ情報の一部を含めることで、たとえフレームの途中から信号を受信しても、ミッドアンブルを検出・復号することで、その信号が自己のネットワーク(BSS)のものか、または他のネットワーク(OBSS)のものかを識別でき、他のBSSからの信号を待つことなく自ネットワークの通信を開始できるため高度空間再利用技術による通信効率を向上させた無線通信装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7371740/15/ja
関連する専門分野の例:通信工学(プリアンブルやミッドアンブルの具体的な波形設計、キャリア検出のアルゴリズム改善、多重アンテナ技術(MIMO)との連携、無線環境下での伝送効率や干渉耐性の測定と解析)、情報工学(無線通信装置全体のシステムアーキテクチャ設計、各モジュール(プリアンブル生成部、ミッドアンブル生成部、無線送信処理部、ミッドアンブル検出部、ヘッダ情報解析部など)のソフトウェア・ハードウェア協調設計)
既存の技術では、データは正しく受信できても、その応答情報(ACK/NACK)が受信できなかった場合、データの再送が必要となり通信遅延が発生する問題がありました。
これに対し、基地局装置から端末装置へ送信されるデータチャネルに対する応答情報を、その優先度に応じて異なる特性を持つ2つの上りリンク制御チャネル(第1または第2の上りリンク制御チャネル)を使い分けて送信することにより、重要な応答情報はより確実なチャネルで送られ、基地局から無線リソース制御(RRC)シグナリングという約束事によって指示された回数だけ、応答情報を異なるスロットで繰り返し送信することで、応答情報が失われるリスクを低減させて応答情報の信頼性を高め、不要なデータ再送が減少することで、通信全体の遅延を短縮する端末装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7359269/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(基地局および端末における無線周波数フロントエンドの設計とシミュレーション、アナログ-デジタル変換器(ADC)やデジタル-アナログ変換器(DAC)などの回路設計、信号伝送路におけるインピーダンス整合やフィルタ設計)、情報科学(基地局と端末間の通信プロトコル(MAC層、RRC層など)の実装と応答情報の送受信に関する制御フローの設計、データチャネルと制御チャネルのスケジューリングアルゴリズム設計、繰り返し送信の回数を動的に決定する適応的アルゴリズムの設計)
既存技術では、アイドル状態の端末(UE)が基地局からのページングメッセージを待つ際、指定されたページングオケージョン(PO:端末がネットワークからの呼び出し(ページング)を監視する特定のタイミング)で常に無線を監視する必要があり、これが不要な電力消費やオーバーヘッド(本質的な処理以外の余分な負担)を生むという問題がありました。
これに対し、UEがPOに先立つインジケータ窓内でページング早期インジケータ(PEI:UEがPOを監視する必要があるかを事前に示す信号)の受信を監視する技術構成を有し、UEはこのPEIの受信の有無に応じて、実際にPOを監視するか、または監視せずにスリープ状態に移行するかを判断し、基地局が送信する複数の同期信号ブロック(SSB)に関連付けられた識別情報と、PEIの送信リソースとのマッピング情報をUEが取得することで、UEは自身が監視すべきPEIの数を限定し、より効率的にPEIを検出でき、無駄な無線監視時間を削減して端末の消費電力を低減する方法が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7615350/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子通信(PEIやSSBの変調・復調回路、高周波(RF)回路の設計とシミュレーション、PEIの検出精度を高めるための相関器設計やデジタル信号処理アルゴリズムのハードウェア実装、不連続受信(DRX)動作と連携した電力制御回路の設計)、情報科学(UEのページング待ち受け動作における制御フロー(PEI監視、PO監視、スリープ移行など)のプロトコルスタック(MAC層、RRC層など)への実装、PEIオケージョンの構成情報(時間、周波数、機能など)やSSBとのマッピング情報を取得しこれに基づいてUEが監視すべきPEIのサブセットを決定するアルゴリズムの設計)
既存技術では、親機が子機の通信状況を考慮せず通信路を切り替えるため、子機の通信が途絶える問題がありました。
これに対し、複数の通信路を持ち、その切り替え前に子機へ関連情報を通知し、通知を受けた子機は、その情報(通信路の切断予測や品質悪化予測)に基づき通信路の品質要求を含む切り替え要求を親機へ送信し、親機はこの要求を受信すると、要求を満たす品質の通信路へ切り替えることにより、子機は事前に通信断を予期し、アプリケーションの停止や別の通信路へのハンドオーバーなどの処理を安全におこなうことができるため、テザリング環境における通信の信頼性と安定性が向上した通信装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7635789/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(親機と子機間の通信において高い信頼性と低遅延を確保するための無線信号の変調・復調技術や誤り訂正符号の設計、複数の無線通信路の品質を正確に測定・予測するためのRFフロントエンドおよびベースバンド処理回路の設計)、情報科学(親機と子機が通信路の状態を共有し協調して通信路を切り替えるための新しいプロトコルの設計、多様なセンサーデータを基に高精度な予測を行うためのアルゴリズム設計と学習モデルの構築)
(4)H01L|開発トレンドと専門性

H01Lは特定の半導体装置などに関する分類です。
従来の半導体チップ積層技術では、接合強度を高めるためのプラズマ活性化処理がパッドの劣化や装置汚染を引き起こす問題がありました。
これに対し、第1基板と第2基板のそれぞれの接合面に、内部回路に接続される複数のパッドに加え、それらのパッドの外側に線状の金属層(ガードリング)が配置され、このガードリングの幅はチップ端部からパッドに至る領域における比較的強度の低い絶縁層同士の接合強度を補強し、製造時の制約や誤差も考慮して、全体として求められる接合強度を満たすよう決定されることにより、接合面の活性化処理を用いることなく半導体チップ間の接合強度を向上させた光検出装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7424445/15/ja
関連する専門分野の例:材料工学(半導体チップの接合面における絶縁層および金属層の材料選定、界面設計および接合プロセス条件の最適化、異なる材料間の接着メカニズムの原子・分子レベルでの解明)、精密工学(ナノメートルスケールの複数半導体チップの精密な位置合わせ技術の検討、接合プロセス中に発生する熱膨張や収縮やそれに伴う応力の予測およびこれらの影響を補償する接合装置の設計)
従来のマイクロLEDディスプレイでは、画素の高精細化に伴い、LEDを小さくし隣接するLED間の間隙を狭めたことで、特定のLEDからの光が隣の画素の蛍光体に入射し、光クロストークが生じて色再現性が低下するという問題がありました。
これに対し、複数の発光素子から構成され、各素子は共通の第1導電層と第2電極を有し、第1導電層には隣接する発光素子の電流パス間にトレンチ(溝)が設けられており、そのトレンチ内に遮光部が形成され、この遮光部は発光素子から出射された光が隣の発光素子の第1導電層へ漏れるのを低減し、光クロストークを抑制し、さらに遮光部が反射ミラーとして機能することで、光取り出し効率も向上し、画素チップの小型化と高精細化を両立しながら色再現性を高めることを可能にした発光デバイスが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7613466/15/ja
関連する専門分野の例:電子工学(発光素子に流れる電流と発光強度との関係(I-L特性)の解析、電流パスにおける抵抗や熱発生がデバイス性能に与える影響の評価、駆動トランジスタや保持容量を含む画素回路の設計の最適化)、材料科学(発光層の半導体結晶成長条件を制御し発光効率や寿命を最大化するための欠陥制御技術の探索、遮光部として用いられる光学材料(光吸収材、反射材)の合成方法や成膜技術の確立および波長選択性や耐久性の評価、量子ドット蛍光体の組成やサイズ、表面修飾の調整)
従来の有機光電変換素子では、異なる波長を検出するために複雑な積層構造や多数の電極が必要でした。
これに対し、第1電極と第2電極の間に有機光電変換部が設けられた構造で、この有機光電変換部は波長感度の異なるキナクリドン層とペリレンテトラカルボン酸ジイミド層が交互に複数回積層され構成されており、この素子は両電極間に印加する電圧変化により、異なる波長に対する感度特性が変化することにより、単一の素子で複数の波長域を検出することが可能となる光電変換素子が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7127721/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(有機半導体材料であるキナクリドンとペリレンテトラカルボン酸ジイミドの分子設計、合成およびそれらの材料を組み合わせた薄膜の作製プロセスの最適化、積層構造における界面の電子状態や結晶構造が光電変換効率や波長感度特性に与える影響の解析)、電子工学(光電変換素子に印加する電圧が波長感度特性に与える影響の解析および最適な電圧制御メカニズムの検討、作製された素子を組み込んだ撮像装置や光センサ全体の回路設計)
従来の2PD方式像面位相差AFでは、画素を分割する分離部が感度低下や混色を引き起こす問題がありました。
これに対し、複数の画素の光電変換素子を仕切る素子分離に2種類の異なる材質の分離領域が画素の種類(色)に応じて使い分けられるものであり、光路への影響が小さい不純物イオン注入領域からなる第1種分離領域はシリコン基板とほぼ同じ屈折率を持つため光が透過しやすく、感度ロスが少ない特性を利用し、主に長波長光(赤や緑)を担当する画素に適用され、光の散乱や反射を抑え高感度を維持し、一方、光の屈折率差を利用して混色を抑制するシリコン酸化膜等からなる第2種分離領域はシリコン基板と異なる屈折率を持つため光を反射・導波する特性を利用し、主に短波長光(青)を担当する画素に適用され、短波長光が基板表面付近で吸収されやすい特性を利用して光を効率的に分離・反射させることで隣接画素への混色を抑制するという、波長特性に応じた分離領域の配置により画素分割による感度ロスと混色を解決する固体撮像素子が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7207451/15/ja
関連する専門分野の例:電子工学(フォトダイオードのPN接合深さ、不純物濃度プロファイルおよび形状の最適化、素子分離構造がフォトダイオードのバンド構造やキャリア輸送に与える影響の解析、画素内のトランジスタ(リセットトランジスタ、転送トランジスタ、増幅トランジスタ、選択トランジスタなど)のレイアウトと特性の設計)、材料科学(第1種分離領域(不純物イオン注入層)および第2種分離領域(シリコン酸化膜等)の界面特性(界面準位、固定電荷)の評価、混色抑制効果と暗電流抑制効果を両立できる最適な材料組成や形成条件の探索、カラーフィルタやオンチップレンズの材料の分光透過率、屈折率、熱安定性などの評価、半導体基板と各種薄膜層との間の密着性、応力および拡散挙動の解析、デバイスの信頼性向上に寄与する多層膜構造の設計)
(5)G06T|開発トレンドと専門性

G06Tはイメージデータ処理などに関する分類です。
従来の画像検索アルゴリズムは画素単位の類似度(例えば色)に偏り、画像内の実際のコンテンツ(オブジェクト)の類似性を正確に評価できないという問題がありました。
これに対し、第1画像と第2画像の類似度を評価するために複数の指標を組み合わせることでこの問題を解決するものであり、具体的には、まずSSIM (Structural Similarity Index Measure) 値を計算して画像の構造的類似度を測り、次にSIFT (Scale Invariant Feature Transform) 値を計算して画像の特徴点の類似度を測り、さらにヒストグラム値を計算して画像の明度やムードなどの分布を評価し、これらの値のうち、SSIM値の重要度を高く設定し、その値が大きいほどSIFT値とヒストグラム値への重み付けを小さくすることで、よりコンテンツの類似性を重視した調整済みSIFT値と調整済みヒストグラム値を算出し、最終的にSSIM値と調整済みSIFT値、調整済みヒストグラム値の和に基づいて類似度スコアを計算することで、色の違いに惑わされずオブジェクトの形状や特徴に基づいた客観的な画像類似度評価を実現するシステムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7689657/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(画像の数理モデルの構築、効率的かつ高精度な画像特徴抽出アルゴリズムおよび類似度評価指標の設計と最適化、大規模な画像データセットにおける計算効率と検索精度のバランスを考慮したシステム設計)、データサイエンス(SSIM、SIFT、ヒストグラムといった異なる尺度で得られた特徴量間の相関関係や独立性の統計的分析、各特徴量への適切な重み付けをデータから自動的に学習するアルゴリズム設計、画像データセットの特性に応じて類似度評価モデルの性能がどのように変化するかの予測)
従来の画像カラー化は手作業が多く時間がかかる点が問題でした。
これに対し、システムが入力画像から基準カラー画像を取得するための第2のワークフローを提供し、この第2のワークフローでは、ユーザーがGUI上で入力画像の関心領域(ROI)を選択し、それに所定の画像フィルタセットを適用して色彩効果を付与することで、カラー化の基準となる画像が生成されます。次に、画像/ビデオ編集アプリケーションのGUI上に、第1の画像フィードの1または2以上のグレースケール画像における少なくとも第1のオブジェクトをカラー化するためのカラー化ノードを含む第1のワークフローが表示され、この第1のワークフローでは、第2のワークフローで生成された基準カラー画像と、カラー化したい第1の画像フィード(グレースケール画像)がニューラルネットワークベースのカラー化モデルに入力として供給され、ニューラルネットワークベースのカラー化モデルが基準カラー画像のROI上の色彩効果に基づいてカラー化された少なくとも第1のオブジェクトを含む、第2の画像フィード(カラー化画像)を出力します。このようにユーザーが作成した基準カラー画像を基にニューラルネットワークが自動的にグレースケール画像をカラー化するシステムにより、手作業の負担を削減し、迅速かつ正確なカラー化を実現する方法が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7625183/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(画像/ビデオ編集アプリケーションのノードベースのGUIの設計、大規模な画像やビデオデータセットを効率的に扱うためのデータ構造やアルゴリズムの設計)、データサイエンス(基準カラー画像の色特性をグレースケール画像に転写するための深層学習モデルの数理的基盤の設計、大量の画像データセットによるモデルの訓練プロセスの最適化、モデルが色の破綻なく自然なカラー化を実現できるようにするための画像の色空間変換や知覚的な品質評価指標の導入)
従来の技術では、現実の被写体と仮想画像を単に重ねるだけで異なる画像をシームレスに切り替えることは困難でした。
これに対し、画像生成部を備え、第1の撮像装置が撮像した第1のオブジェクトの実画像と、その第1のオブジェクトの3Dモデルと特定の視点情報に基づいて生成された第1の仮想画像とを扱い、第1のオブジェクトとは異なる第2のオブジェクトの3Dモデルと視点情報に基づいて生成された第2の仮想画像を生成し、これらの実画像、第1の仮想画像、第2の仮想画像を特定の視点情報に応じた合成比率で合成することで、違和感のない合成画像を生成する情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7683607/15/ja
関連する専門分野の例:コンピュータサイエンス(複数の入力ソース(実カメラ映像、3Dモデルデータ)からデータを効率的に取り込み処理するデータパイプラインの設計、ユーザーが仮想視点や合成比率を直感的に操作できるようなユーザーインターフェースおよびユーザーエクスペリエンスの設計)、電気電子工学(複数の実カメラで撮像された画像から対象オブジェクトの3Dモデルを正確に再構築するためのアルゴリズムの設計、実カメラと仮想カメラ間の位置・姿勢を正確に推定して実画像と仮想画像をピクセル単位で位置合わせする技術の検討)
従来の点群符号化は参照構造の制約により、データサイズ制御(ポイント数の低減)が困難になる問題がありました。
これに対し、3次元オブジェクトを表現するポイントクラウドのポイントを分類されたグループによって階層化し、その階層化された参照構造を形成する装置であり、具体的には、参照構造形成部がポイントをグループ分けし、そのグループ単位で並び替えて階層的な参照構造を構築することにより、各ポイントのジオメトリデータ予測値をこの階層構造に基づいて導出し、元のジオメトリデータとの差分である予測残差を生成し、符号化部がこの予測残差を符号化する、この階層化された参照構造によりポイントクラウドの特定の階層(グループ)単位でのデータ削除や情報量の制御を容易にする情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7639819/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(大規模なポイントクラウドデータを効率的に処理するためのデータ構造の設計および階層化された参照構造を構築するアルゴリズムの実装、各ポイントのジオメトリデータの予測値を高精度に導出するアルゴリズムの設計)、電気電子工学(ポイントクラウドのジオメトリデータから冗長性や非可逆性を除去するためのデジタル信号処理アルゴリズムの設計、レイヤ情報など符号化データに付加されるメタデータを効率的に表現し伝送するためのデータフォーマットの設計、異なるネットワーク環境(例: 5G、Wi-Fi)やデバイス(例: スマートフォン、クラウドサーバー)でのポイントクラウドデータのリアルタイム伝送を可能にする通信プロトコルの設計)
(6)A61B|開発トレンドと専門性

A61Bは診断、手術、個人認識に関する分類です。
内視鏡画像において、挿入部の光学系によるケラレと呼ばれる黒い影(黒領域)が発生すると、従来の露光制御ではこの黒領域も含めて輝度を調整しようとするため、本来観察したい領域(観察領域)が過剰に明るくなってしまう問題がありました。
これに対し、撮像部で内視鏡画像を撮像し、露光制御部で露光を制御するシステムであり、取得した内視鏡画像の中からケラレによる黒領域を含む画像の中心領域と周辺領域の輝度を比較し、内視鏡の影が写り込んでいるかを判断し、もし影が写り込んでいると判断した場合、内視鏡の挿入部(スコープ)のサイズに応じた特定の抽出領域を設定し、この抽出領域内の輝度値のみに基づいてイメージセンサの露光を制御することにより、黒領域の影響を受けずに観察領域の輝度を調整し、過剰な明るさによる白飛びを防ぎ、より鮮明な内視鏡画像を得ることが可能な内視鏡システムが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7484939/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(内視鏡画像内のケラレ領域を自動で検出してその形状や範囲を特定する画像認識アルゴリズムの設計、検出されたケラレ領域を除外した上で観察領域の輝度を適切に評価し最適な露光量を算出するアルゴリズムの設計)、電気工学(イメージセンサから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して画像処理部に送るためのA/D変換回路およびインターフェースの設計、情報科学分野で開発された露光制御アルゴリズムの指示に基づきイメージセンサの電子シャッター速度やゲインを調整する制御回路の設計、内視鏡の光源(LEDやレーザーなど)の明るさを高精度に制御する電源回路および調光システムの設計)
従来の計測方法では生体との接触が必要で不快感があり、また、非接触型では計測位置のずれや外光の影響で正確な発汗状態の判別が困難でした。
これに対し、水が吸収される特定の波長帯の光を生体に照射し、生体各部位からの反射光を複数の受光素子で個別に受光し、その後、各部位の信号値の分布(第1の分布)を取得し、この分布の特徴量(平均値、中央値、信号値が基準値以下の信号数など)に基づいて生体の状態、特に発汗状況から精神状態を統計的に判別しすることで、非接触で簡易かつ安定的に精神状態を推定できる生体センサが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7601101/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(複数の受光素子から得られた信号値のヒストグラム(第1の分布)をリアルタイムで生成するアルゴリズムの設計、第1の分布から平均値、中央値、最頻値、歪度、尖度、分散、信号値が基準値以下の信号数といった統計的特徴量を高精度に抽出するアルゴリズムの設計、発汗がない状態の生体から得られる反射率分布(第2の分布)のデータベースの構築、第1の分布と第2の分布の比較に基づく生体状態(精神状態)判別モデルの訓練)、電気電子工学(水の吸収ピーク波長を含む光を安定的に照射できる光源(LED、レーザーダイオードなど)の駆動回路および制御回路の設計、複数の受光素子アレイ(InGaAs、PbSeなど)からのアナログ信号を高感度かつ低ノイズでデジタル信号に変換するA/D変換器を含むアナログフロントエンド回路の設計、受光素子アレイからの多チャンネル信号を高速で処理し特徴量抽出および判別アルゴリズムを実行するための組み込みシステムの設計)
従来の産業用アームに用いられる電磁ブレーキでは、停電時にアームが完全に固定され、手術を中断せざるを得ない問題がありました。
これに対し、複数の関節部を持つアームに、電力供給が遮断された際に作動するブレーキ機構が各関節に設けられていることにより、アームの自重による落下を防ぎつつ姿勢を保持でき、このブレーキ力は所定以上の外力が加わった場合には手動でアームを動かせるように調整され、アームの根元から先端にかけて関節ごとの負荷が異なるため、アームの先端側に配置されるブレーキ機構ほど、小さい値にブレーキ力が調整されることで、患者の安全を確保しつつ手術の継続やアームの緊急回避といった最低限の操作を繊細な動きで可能にする医療用アーム支持装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7215540/15/ja
関連する専門分野の例:制御工学(アームの姿勢や先端ユニットの重さ、重心位置を考慮した上で非常時ブレーキの作動と解除、手動介入時のトルク伝達特性を決定する制御則の構築および安全性と操作性を両立させるためのアルゴリズム設計)、機械工学(各関節部に組み込まれるブレーキ機構の構造設計、製造プロセスの検討、各部材の応力集中箇所の特定と強度計算)
既存の肌測定器は大型で携帯が困難であり、測定に専門的な訓練が必要という課題がありました。
これに対し、肌画像から肌のハリ・弾力を高精度に評価する係数を学習する装置であって、画像解析部で肌画像からキメ、毛穴、テカリ量などの指標に加え、輝度ばらつきや平均値判定、周波数解析による適正撮影フォーカス値を抽出し、次に、測定値取得部が従来の肌測定器による高精度なハリ・弾力測定値を取得し、係数取得部がこれら肌画像指標と測定値の大量の組み合わせを学習データとして回帰分析をおこない画像指標から肌のハリ・弾力を評価するための肌評価係数が算出され、複数のデータ群での分析の繰り返しにより信頼性の高い係数を導出することで、簡便な画像撮影のみで従来の大型測定器と同等の精度で肌状態を推定できる評価モデルの構築を可能にする肌評価係数の学習装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7540483/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(肌画像から肌評価指標を正確に抽出し肌測定器の測定値と肌画像指標の間の関係性を学習するためのモデルの構築、回帰分析を用いた肌評価係数の算出ロジックの設計、異なるデータセットでの検証を通じたモデルの汎化性能の評価)、電気電子工学(肌撮影部で使用される撮像素子(CMOSセンサーなど)の特性評価、肌の微細な凹凸や色合いを正確に捉えるための最適な光学系や照明の設計、肌画像からフォーカス値や輝度、周波数情報を取得する際の信号ノイズを除去してデータの品質を最大化するためのフィルタリング技術や信号増幅回路の設計)
(7)G02B|開発トレンドと専門性

G02Bは光学装置などに関する分類です。
従来、デジタルカメラやスマートフォンなどの撮像装置は小型化が進む一方で高画素化も求められ、レンズの小型化と大口径化(明るさ)を同時に達成し、かつ高い光学性能(収差補正やフレア低減)を維持することが困難でした。
これに対し、物体側から像面側へ順に、正・正・負・負・正・負の屈折力を持つ6枚のレンズで構成され、特に第4レンズと第5レンズの像面側レンズ面が像面側に凹形状、第6レンズの像面側レンズ面が変曲点を持つ非球面形状で、第1レンズの焦点距離と物体側レンズ面のサグ量(レンズの曲面の深さ)の最大値の比が特定の条件式を満たすことで、小型化と大口径化を両立し、球面収差(レンズの中心を通る光と周辺を通る光で焦点の位置がずれて像がぼやける現象)やコマ収差(レンズに斜めから入った光が彗星の尾のように一方向に流れてぼやける現象)、色収差(光の色(波長)によってレンズの焦点がずれて像の輪郭に色がにじむ現象)といった諸収差を補正し、レンズ面間での不要な光の反射(フレア)を低減する撮像レンズが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7364022/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(撮像素子の選定とその駆動回路の設計、レンズから結像される光の情報を高感度かつ低ノイズでデジタルデータに変換するシステムの構築、撮像素子の特性に合わせた信号処理やレンズの光学特性と協調した画質補正アルゴリズムの設計)、材料科学(各レンズの役割に応じた最適な光学ガラスや光学プラスチック(樹脂)の選定、非球面形状を精度良く成形できる材料の選定およびその成形プロセスにおける収縮や歪みを最小限に抑えるための材料特性評価、環境変化(温度、湿度)による光学性能への影響を低減できる材料の検討)
近年、撮像素子の大型化やミラーレスカメラのショートフランジバック化により、撮像レンズには小型化と高画質化の両立が強く求められています。しかし、従来の広角レンズは、光学系の全長が長くなりがちで、特に小型化と諸収差の良好な補正を同時に達成することが困難でした。
これに対し、物体側から順に正・正・負の屈折力を持つ3つのレンズ群で構成され、第1レンズ群と第3レンズ群は固定し、第2レンズ群のみを光軸方向に移動させてフォーカシングをおこない、第1レンズ群を負・正の屈折力を持つ2つの群に分け、物体側の第1a群が2枚のレンズで構成されることで、広角化と収差補正を両立させ、また、第3レンズ群の横倍率(β3)が「1.80 ≦ β3 ≦ 5.0」を満たし、光学系のバックフォーカス長と最大理想像高の比(BF/Yi)が「0.4 ≦ BF/Yi≦ 2.0」を満たすことで、光学系の小型化と球面収差、色収差、フレアといった各種収差の良好な補正を実現できる小型光学系が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7517900/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(撮像レンズと組み合わされる撮像素子(CCD/CMOSセンサ)の選定、選定した撮像素子の量子効率、ノイズ特性、ダイナミックレンジなどの評価、レンズのF値や透過率を考慮した最適な露出制御アルゴリズムの設計、撮像素子からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータの設計)、材料科学(レンズの光学性能を決定づける光学材料(ガラスやプラスチック)の選定、異常分散性を持つ材料や非球面成形に適した材料の物性評価、製造プロセスの最適化)
従来の望遠ズームレンズは小型化が進むミラーレスカメラに装着するには、バックフォーカスが長すぎたり、光学全長が短縮できなかったりする問題がありました。
これに対し、物体側から順に正・負・正・負の屈折力を持つ4つのレンズ群と後続群で構成されるズームレンズで、広角端から望遠端へのズーミング時に少なくとも第1レンズ群と第3レンズ群が物体側に移動し、第1レンズ群と望遠端における全系の焦点距離の比、第1レンズ群と第3レンズ群の移動量の比、広角端における光学全長とバックフォーカスの比とズーム比の比および第1レンズ群と第4レンズ群の焦点距離の比が特定の条件式範囲内にあることにより、短いバックフォーカスと短い光学全長を実現しつつ全ズーム域で収差補正と光学性能を両立する小型ズームレンズが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7661967/15/ja
関連する専門分野の例:応用物理学(レンズの特性が像質に与える影響の解明、回折限界や光の伝搬特性を踏まえた上でさらなる高解像度化や低収差化に寄与する新たなレンズ材料やコーティング技術の可能性の検討)、機械工学(レンズ群の移動量を正確に制御するためのズームカムやフォーカス機構の設計における摩擦や摩耗、振動などのメカニカルな問題点の解析および耐久性と操作性を両立するメカニズムの検討、量産性を考慮した上でのレンズの保持構造や鏡筒の設計、製造時の寸法誤差が光学性能に与える影響を最小限に抑えるための公差解析および高精度な組立・調整プロセスの確立)
従来の技術では、光変調部が光源と別にあるため、装置の小型化や消費電力の低減が難しいという問題がありました。
これに対し、波長の異なるレーザ光を一体的に生成する複数のモノリシック半導体レーザアレイにより光源部が小型化され、この小型化された光源からのレーザ光は微細加工が施された光導波路へ導入され、光導波路内で集約・整形され、その後、この光はミラーによって2軸方向に走査され、さらに回折素子を介してユーザーの網膜上に直接投影されるものであって、また、光導波路の出射口の間隔とミラーの走査角度が特定の数式を満たすことにより、限られた視野角の中に複数のレーザ光を高精細かつ色ずれなく並べて表示でき、消費電力を抑えた映像投影装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7643348/15/ja
関連する専門分野の例:電気工学(複数の発光部を持つ半導体レーザアレイの駆動回路の設計、光導波路における光信号の損失を最小限に抑えるための電気的な特性評価、高速で正確なミラー走査を実現するためのフィードバック制御システムの設計)、情報工学(各レーザー光の波長や位相、強度を調整して色ずれや画像の歪みを補正する画像処理アルゴリズムの設計、MEMSミラーの走査パターンとレーザー発光タイミングを同期させるためのリアルタイム制御ソフトウェアの設計)
(8)G11B|開発トレンドと専門性

G11Bは記録担体と変換器との間の相対運動に基づいた情報記録に関する分類です。
従来の磁気ヘッドでは、磁気テープとヘッド間の摩擦が原因で信号記録の精度が低下するという問題がありました。
これに対し、磁気ギャップが設けられ磁気テープと接触する第1の領域と、磁気ギャップがなく複数の溝部が設けられた第2の領域を記録面に備え、磁気テープ走行時、第2の領域に設けられた溝部が空気の流れを促進し、磁気テープを第2の領域から浮上させることにより、磁気ヘッドと磁気テープ間の摩擦が低減され、高密度記録において要求されるサーボパターンの高精度な記録が可能になり、この溝部は長さ方向に沿った幅寸法が深さ寸法よりも大きく設定されているため、効果的に磁気テープの浮上を促し、摩擦低減と記録精度向上に寄与する磁気ヘッドが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7651913/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(さまざまな溝部の形状(幅、深さ、ピッチ、断面形状)や配置における空気の圧力分布とテープの浮上量の予測および摩擦係数を最小化する設計パラメータの特定、磁気テープ走行時の振動やヘッドの動的な挙動の解析、安定した浮上状態を維持するための機械的構造の最適化)、材料科学(第1の領域に用いられる金属磁性膜や第2の領域に用いられる非磁性硬質膜について高密度記録に必要な磁気特性を維持しつつ優れた耐摩耗性と低摩擦特性を両立する材料組成や表面処理方法の設計、溝部を形成する微細加工プロセスの材料適合性の評価、加工後の表面粗さや形状精度を最適化するための材料の探索)
従来のテープリールは、磁気テープの薄厚化や長期保管に伴う巻き締まり(巻圧)の増加により、リールハブ(磁気テープを巻く筒状の軸)が変形し、磁気テープの記録再生特性が悪化するという問題がありました。
これに対し、リールハブの外周面に、下端部から上端部に向かって拡径する第1の外周領域と、その先のリールハブの径外方へ凸形状の稜線部を形成しつつさらに拡径する第2の外周領域が設けられたことで、磁気テープの巻圧によるハブの変形を抑制し、また、稜線部がハブの高さ中心よりも下端部側に配置されたことで、ハブの上端部が内側に倒れ込むのを防ぎ、磁気テープの変形皺発生を抑制し、安定した記録再生性能を長期にわたって維持できるテープリールが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7571638/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(リールハブについてポリカーボネート(PC)やABS樹脂にガラスフィラーなどを添加した複合材料の配合比率の最適化および高温高湿度環境下での長期耐久性の評価、磁気テープについて薄膜化された基材のヤング率や熱収縮率の制御、磁性層において六方晶フェライトやε酸化鉄粒子などの磁性粉の粒径、アスペクト比、分散性の最適化、高密度記録に必要な高い保磁力と低ノイズを実現するための材料組成や製造プロセスの設計)、機械工学(リールハブについて第1および第2の外周領域のテーパ角度、稜線部の位置(高さH1)や半径差(ΔR1, ΔR2)が巻圧によるリールハブの変形抑制効果に与える影響の解析、リールハブ一体成形における金型の抜き勾配(特に第1成形面と第2成形面の境界部)を考慮した成形後の熱収縮による変形を予測・補償する金型形状の設計)
従来の磁気テープは記録密度向上に伴うテープ変形によりデータバンド密度(磁気テープの幅方向におけるデータが記録される領域の詰め込み具合)を上げることが困難で、またサーボパターン記録には時間や物理的制約がありました。
これに対し、磁気テープの長手方向に沿ってサーボパターンを記録する方法であり、まず互いに異なるサーボバンド識別情報が埋め込まれる2つ以上のサーボバンド群(例えば、第1および第2のサーボバンド群:各サーボバンド群は3本以上のサーボバンドで構成)を決定し、次に隣り合う2本のサーボバンドにおいて、サーボリードヘッドで読み出されるサーボバンド識別情報とその長手方向の位相との組み合わせが重複しないように、各サーボバンド群にそれぞれの識別情報を記録することにより、多数のサーボバンドを識別する際の時間的・物理的制約を克服し、データバンドの増加に対応できるサーボパターン記録方法が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7444115/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(複数の磁気ギャップ(例えば3個以上の第1または第2の磁気ギャップ)を長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置するヘッドブロックの構造設計および各ヘッドブロックに適切な記録信号を同一タイミングで出力するための駆動部(パルス発生回路、電流駆動回路など)の設計、記録信号のパルス立ち上がり時刻を調整する制御アルゴリズムの設計)、材料科学(磁性層に使用される六方晶フェライト粒子、イプシロン型酸化鉄粒子またはコバルトフェライト粒子の組成、粒径、アスペクト比および保磁力の最適化、製造プロセス(塗布、配向、乾燥など)の条件検討)
既存技術では、磁気記録媒体の記録容量を増やすために薄膜化が進められましたが、薄くなることで走行安定性が低下し、特に繰り返し使用する際に表面状態が変化し、摩擦の増加によって安定性が損なわれるという問題がありました。
これに対し、磁性層表面に多数の孔部が設けられ、磁性層の表面の算術平均粗さ(Ra)が2.5nm以下、全体のBET比表面積が3.5m²/g以上7.0m²/g以下、全体の平均細孔直径が9nm以上であることで潤滑剤の適切な保持と供給が実現され、磁性層の平均厚みが80nm以下、サーボパターンの非直線性を示す統計値σSWが24nm以下であることでサーボパターンが幅方向にぶれることを抑制し、磁気ヘッドがデータ記録位置を正確に追従できるようになる、これらの物理的・化学的特性の組み合わせによって、薄膜化された磁気記録媒体でも性能を維持する磁気記録媒体が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7327561/15/ja
関連する専門分野の例:材料科学(ポリエステル基体の分子量分布や延伸条件の検討、磁性粉(六方晶フェライト、ε酸化鉄、コバルトフェライト等)の粒子サイズ、形状、組成、表面処理方法の最適化による磁気特性(保磁力、角形比など)の向上、結着剤、潤滑剤、添加剤の選定と配合比率の調整による磁性層の多孔性、摩擦特性、耐久性の改善、各層の成膜プロセスの制御)、応用物理学(磁性層における磁性粒子の微細構造(結晶粒径、配向度、欠陥など)がデータ記録時の信号ノイズやサーボ信号のジッタ(非直線性)に与える影響の評価、磁気ヘッドと媒体間の潤滑状態の解析および孔部構造が潤滑剤供給に与える影響や摩擦係数と走行安定性の関係の解明)
(9)G06Q|開発トレンドと専門性

G06Qは管理目的、商用目的、金融目的、経営目的または監督目的に特に適合した情報通信技術などに関係する分類です。
従来の需要予測では、予測対象領域(メッシュ)の大きさが固定で、細かすぎるとデータ不足で予測精度が低くなり、粗すぎると需要発生場所が曖昧になるという課題がありました。
これに対し、移動体(タクシーなど)の需要データを予測対象空間(セル)ごとに予測する際、その予測精度やデータ数に基づきセルの結合または分割を動的に決定する情報処理装置であり、予測精度が低いセルやデータ数が少ないセルは結合してデータ量を増やし、予測精度が高いセルはより詳細な需要把握のため分割することで、全体として高い予測精度と詳細な需要位置特定を両立する情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7501601/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(大量の移動体需要データ(位置情報、時刻、乗降データなど)を効率的に収集、蓄積、検索するためのデータベースシステムの設計・実装、需要予測モデルの精度向上と処理速度を両立するためのアルゴリズムの設計)、ソフトウェア工学(需要予測装置の機能(データ取得部、学習部、予測部、評価部、決定部、出力部など)のモジュール化とそれぞれの連携を定義するシステムアーキテクチャの設計、大規模なデータ処理やリアルタイム予測に対応できる分散システムやクラウドネイティブな構成の検討)
従来のガイドシステムはユーザーの状況にかかわらず一律のガイドを提供していました。例えば、興味のない展示物でも自動的にガイドが再生されてしまうなど、ユーザーの状態や嗜好に応じた柔軟な対応が難しいという問題がありました。
これに対し、鑑賞施設内でユーザーの状態(位置、視線、行動履歴など)を取得し、その情報から「アリ型」「バッタ型」「魚型」「チョウ型」といった複数の鑑賞パターンを推定し、この推定された鑑賞パターンに応じて、ユーザーに提示するガイドの内容や方法(音声、テキスト、アバターなど)を動的に決定し制御することにより、ユーザー一人ひとりの興味や行動に合わせたガイド体験を実現し、鑑賞への集中度や満足度を高めることが可能となる情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7677406/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(ユーザーの移動軌跡や展示物への滞在時間、視線の動きといった多次元データのリアルタイムの解析、4つの鑑賞パターン(A, G, F, B)に分類する学習モデルの構築、ガイド内容を動的に切り替える際のレコメンドエンジンの設計)、認知科学(音声ガイドの長さや詳細度、テキスト情報の表示量やタイミングがユーザーの理解度や集中力にどう影響するかの分析、ユーザーが展示物を鑑賞している最中にどのような情報がどのような形式(音声、視覚、アバターなど)で提示されると最も自然で受け入れられやすいかを心理実験や行動観察を通じて検証)
従来の座席管理システムでは、ICタグを用いた勤怠特定に改善の余地がありました。
これに対し、利用者が端末装置をICタグに近づけて読み取った第1鍵情報と座席情報、利用者の勤怠情報および端末情報が送信されると、これらの情報に基づいて認証を実行し、認証に成功した場合、ICタグに関連付けられた新たな第2鍵情報を端末装置に送信し、端末装置はその第2鍵情報と端末情報、勤怠情報をICタグに書き込むよう制御することにより、ICタグにも情報が保管され(二重保管)、ICタグの不正利用(例:複製した情報での登録)やICタグの持ち出しによる不正利用(例:指定外の場所での利用)を防ぐことができるサーバが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7666519/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(ICタグに格納される鍵情報や勤怠情報のデータ構造の設計、サーバ側で実行される認証アルゴリズムの設計、端末装置とサーバ間のデータ通信プロトコルの設計)、電気工学(ICタグとNFCリーダー/ライター間の通信性能の評価、最適なICタグおよびNFCモジュールの選定、端末装置のバッテリー消費を抑えつつICタグとの通信を安定させるための回路設計)
既存技術では、グループ参加者の条件特定が困難でした。
これに対し、ユーザが設定したグループの参加条件を記憶部に保存し、グループへの参加を希望するユーザがその条件を満たすかを自動で判断するもので、参加条件を満たしたユーザの識別情報をグループに紐付けて記憶することで、条件合致者のみで構成されるグループを作成・管理し、グループに参加する全てのユーザが参加条件を満たしていることを証明するグループ証明書を生成し、その中に共有情報として参加条件を含めることで、個人情報を開示せずにグループの資格を証明でき、ユーザは不要な個人情報を提供することなく、安心して条件付きグループに参加し、各種サービスを享受できるようになる情報処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7666515/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(グループの参加条件を表現するためのデータスキーマの設計および憶部における効率的な管理方法の検討、参加条件判断部で実行される認証ロジックの設計、グループ証明書の生成アルゴリズム設計、利用者端末とサーバ間のセキュアな通信プロトコルの設計)、認知科学(グループ作成時の参加条件設定やグループ参加時の条件確認などの情報をユーザが効率的かつ正確に理解して入力できるようなユーザーインターフェースの設計、システム利用中のユーザの認知負荷や感情の変化の予測・評価、ストレスなくポジティブな体験が得られるようなユーザフローの設計)
(10)G03B|開発トレンドと専門性

G03Bは写真撮影装置などに関する分類です。
既存技術では、フォーカスレンズやズームレンズの移動中に正確なオートフォーカス(AF)が困難でした。
これに対し、交換レンズがズームレンズとフォーカスレンズの現在位置情報を撮像装置へ送信し、撮像装置はそのレンズ位置情報と取得したデフォーカス量および格納されたカムカーブに基づいて動いているレンズの合焦位置(ターゲットフォーカスレンズ位置)を算出し、この算出された合焦位置情報を交換レンズへフィードバックすることで、レンズ動作中でも正確なAFを可能にする交換レンズ装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7327539/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(レンズの正確な位置を検出するためのエンコーダやセンサーからのアナログ信号をノイズを抑えつつ高速でデジタル信号に変換するA/D変換回路の設計、撮像装置と交換レンズ間で大量のレンズ位置情報や制御コマンドを効率的かつ信頼性高くやり取りするための通信インターフェースの設計、レンズを駆動するモーターを制御するためのモータードライバー回路の設計)、情報科学(ズームレンズとフォーカスレンズの移動履歴や現在の速度などを考慮してレンズ位置を予測する予測アルゴリズムの設計、撮像装置と交換レンズ間でやり取りされる各種データの形式の定義および効率的なデータ構造の設計)
従来の撮像装置では、自動による主被写体判定のみに依存するため、必ずしもユーザの意図通りのフォーカス制御がおこなわれないという問題がありました。
これに対し、ユーザのフォーカス操作(例えば、フォーカスリングの操作)を検出し、その操作方向や終了時のピント位置、被写体全体の奥行き情報(デプス情報)に基づいて画面内の複数の被写体候補の中から目標ピント位置を設定する装置であり、まず、操作終了時のピント位置に最も近い被写体を目標ピント位置とする第1制御が実行され、この最も近い被写体と操作終了時のピント位置との乖離が所定閾値以上の場合には、単に最も近い被写体を選ぶのではなく、操作の移動方向も加味して目標ピント位置を設定する第2制御に切り替わることで、ユーザの操作意図を反映させた撮影を実現する撮像装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7687337/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(ユーザのフォーカスリング操作の速度、方向、量から意図する被写体を予測する機械学習モデルの構築、デプス情報を用いて画面内の各被写体の位置や形状を正確に認識してそれらの情報を基に画面内目標位置(被写体候補)を生成する画像処理アルゴリズムの設計、第1制御と第2制御の切り替え条件の最適化)、電気電子工学(フォーカスリングの回転量や回転速度、方向を高精度で検出するためのエンコーダやセンサー回路の設計およびそのアナログ信号をノイズを抑えつつ高速でデジタル信号に変換するA/D変換器の選定、撮像装置内部でユーザ操作検出部、デプス情報検出部、フォーカス制御部など各ブロック間でのデータ通信インターフェースの設計)
高輝度化が進む投射型表示装置では、発熱量が増加し、冷却ファンの高回転化による騒音増大が課題でした。従来の冷却技術では、密閉空間での冷却が一般的でしたが、周辺部品からの熱影響で循環温度が上昇しやすく、十分な冷却効率を得るためにはファンの回転速度を上げる必要がありました。
これに対し、熱交換器が冷却ファンの吸気口に正対して配置された装置であり、画像形成光学系を冷却する複数のファンが熱交換器の上方に積層され、各ファンの吸気口が熱交換器に直接向き合うように構成されていることでファンから発生する騒音が熱交換器によって遮蔽・吸収・拡散され、外部への音の漏洩が抑制される投射型表示装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7136308/15/ja
関連する専門分野の例:機械工学(装置内部の熱発生源(光源、空間変調素子など)からの放熱経路の設計、最適なファンの種類と配置の決定、冷却風が効率的に熱を運び去るように流路抵抗を最小限に抑えた設計、ファンや空気流によって発生する振動や騒音の発生源の特定および筐体の構造や材料、防振材、吸音材の適用によりそれらを効果的に低減する設計)、電気電子工学(高輝度光源や空間変調素子(液晶パネルなど)を駆動するための電源回路と制御回路の設計、装置内部の温度を正確に測定するための温度センサーの選定と信号処理回路の設計、冷却ファンを最適な回転数で駆動し静音性と冷却効率を両立させるためのモータードライバー回路とパルス幅変調制御などのファン制御アルゴリズムの設計)
従来の裸眼立体表示技術では、ユーザの視点位置を追跡する処理の精度や安定性に課題があり、特にユーザとの距離が変化した際に適切なトラッキングが困難でした。
これに対し、可視光カメラで得た画像から顔の特徴点を検出し、近赤外光の照射で瞳孔や虹彩の重心も検出し、顔の特徴点間の距離からユーザーと装置の距離を算出し、この距離に応じて、顔検出結果と瞳孔・虹彩の重心検出結果のどちらか最適な方を視点位置情報として選択し、ユーザーとの距離に応じて近赤外光の発光量の制御により適切な画像取得と目の安全性を確保することで、ユーザーとの距離や目の状態にかかわらず安定した視点位置トラッキングを実現する裸眼立体視の画像処理装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7613376/15/ja
関連する専門分野の例:情報科学(可視光画像から顔の輪郭、目、鼻、口などの特徴点をリアルタイムで検出する学習済モデルの構築、近赤外光画像から瞳孔や虹彩の輝度差や形状を基に重心を高精度で特定する画像処理アルゴリズムの設計、 顔の特徴点と瞳孔・虹彩の重心という異なる情報源から得られたデータをユーザーとの距離情報に基づいて適切に統合または選択する推論エンジンや状態遷移ロジックの設計)、電子工学(ユーザーとの距離に応じて発光量を適切に調整するためのLEDやレーザーダイオードなどの近赤外光素子の選定およびその電流(または電圧)を精密に制御するドライバー回路の設計、可視光と近赤外光の両方を効率的に取り込めるイメージセンサーの選定、センサーから出力されるアナログ信号をノイズを抑えつつ高速でデジタル信号に変換するA/D変換器およびそのインターフェース回路の設計、レンズやフィルターなどの光学部品の選定と配置の最適化)
3.5 共同出願人との開発例
共同出願人からはビジネス的結びつきがわかります。
技術によっては、開発をアウトソーシングしている可能性もあります。
共同出願人(筆頭出願人)は以下のとおりです。

ウェアラブルデバイスの普及に伴い人体を介した電力供給が求められる一方、従来の技術では、送受信間の位置ずれや距離による給電効率の低下および広がる電波のロスが問題でした。
これに対して、大地に接地していない人体に接触する第1のアンテナ導体と、人体に接触せず大地と容量結合する第2のアンテナ導体を有するアンテナ部を備え、この2つのアンテナ導体間に交流の電力信号が印加されることで、人体を導体として意図的に電荷を誘起させ、電力信号に応じた交流電力を人体を介して効率的に伝送することを可能にする電力送信機が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7666968/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(人体への電力誘起効率を最大化するアンテナの形状と材質の最適化、微弱な交流信号から安定した直流電力を生成する高効率整流回路の設計、人体通信と電力伝送の周波数分離をおこなうフィルタ回路の特性評価と最適化)、情報科学(第1アンテナ導体として使用される導電性材料(金、銀、銅、導電性樹脂、導電性ゴムなど)について接触抵抗、柔軟性、耐久性、コストの観点から探索、アンテナ導体を覆う樹脂コーティングの誘電特性、防水性、生体安全性(アレルギー反応の有無など)の評価)
従来の3Dモデリングでは、高解像度だが低フレームレートの3Dスキャンと低解像度だが高フレームレートのメッシュ追跡を別々に取得し、幾何学的詳細を手作業で追加する手間がありました。
これに対して、まず高品質な3Dスキャンセットと、それに対応する低品質な追跡メッシュセットを取得し、次に3Dスキャンセットと追跡メッシュセットの差分から変位マップを生成し、さらに追跡メッシュの各頂点の表面張力値を計算し、これらの変位マップと表面張力値によりニューラルネットワークモデルを訓練して欠落した変位マップを自動生成できるようにし、最終的に生成された変位マップを低品質の追跡メッシュに適用することで、高フレームレートな3Dモデルを自動的に生成し、手作業による詳細追加の課題を解決する電子装置が開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7690117/15/ja
関連する専門分野の例:情報工学(3Dスキャンデータとメッシュ追跡データの取得、処理、統合に関するアルゴリズム設計、ニューラルネットワークモデルの構築と最適化)、応用数学(メッシュ構造の解析と最適化、ニューラルネットワークの数学的基礎となる理論構築とアルゴリズム設計)
既存技術では、モバイルネットワークの利用が集中する状況やカバレッジエリア外での通信において、通信容量の限界や接続性の問題がありました。デバイスツーデバイス(D2D)通信はこれらの課題を解決する可能性を秘めていますが、従来のネットワーク通信とのリソース競合や干渉が新たな問題となっていました。
これに対して、通常のモバイル通信が使う電波のリソース(例えば、アップロード用の共有チャネルであるPUSCHや、信号の復元に使うDMRSなど)の中から、D2D通信専用の領域を確保できるようにし、このD2D通信用の領域が通常のモバイル通信で使われている電波の範囲内に配置されることで、お互いが干渉し合うのを防ぎ、電波が届かない場所でもデバイス同士が直接通信できるネットワークエレメントが開発されています(以下URL)。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7027652/15/ja
関連する専門分野の例:電気電子工学(PUSCHおよびDMRS領域からD2D通信用のリソースセットを切り出す際の周波数および時間領域における最適な配置の設計、信号の忠実度を保ちつつ消費電力を抑えた送受信機の回路設計、D2D通信と既存のアップリンク通信間の相互干渉の評価)、情報工学(D2D通信におけるリソースの発見、割り当て要求およびセッション確立のための制御信号のプロトコル設計、リソースの第2のセット内で動的にリソースを割り当てるためのスケジューリングアルゴリズムの設計)
4 開発に求められる専門性
上記3で示した特許分類≒開発人材に求められる専門性、だと仮定します。
上記各特許情報には以下の人材が関わっていると言えます。
(1)画像通信関連(H04N)
・情報系、電気系の分野(情報科学、情報通信工学、情報工学、電気電子工学など)
情報系では画像認識などの所望のアルゴリズム設計やシステム統合などが、電気系では映像信号処理や回路設計、システム制御などが求められます。
(2)データ処理関連(G06F)
・電気系、情報系、数学系 (電気電子工学、情報通信工学、情報科学、データサイエンス、応用数学など)
電気系では信号伝送のための回路設計、デバイス選定などが、情報系では通信をおこなうための通信システムの設計、所望のデータを取得するためのアルゴリズム設計などが、数学系では取得データから特徴量を抽出するための数学的分析や数理モデルの構築などが求められます。
(3)無線通信関連(H04W)
・情報系、電気系の分野(通信工学、情報工学、情報科学、電気電子工学など)
情報系では通信プロトコルの設計や最適化、無線通信システム全体の設計、電気系では無線通信システムの信号処理、回路設計などが求められます。
(4)半導体関連(H01L)
・材料、電気、機械系分野(材料科学、電子工学、精密工学など)
材料系では半導体などを構成する素材設計、合成、評価などが、電気系では回路設計や設計品の評価、機械系では半導体チップの位置合わせ技術の検討、製造パラメータの最適化、所望の製品を製造するためのプロセスの確立などが求められます。
(5)イメージデータ処理関連(G06T)
・情報系、電気系の分野(情報科学、データサイエンス、情報工学、電気電子工学など)
情報系ではデータの統計的、数学的な分析、所望の情報処理をおこなうためのアルゴリズム設計、計算ロジックの最適化などが、電気系ではカメラで取得された画像の解析や画像処理のためのアルゴリズム設計などが求められます。
(6)診断、手術、個人認識関連(A61B)
・情報系、電気系、機械系の分野(情報科学、電気工学、電気電子工学、機械工学など)
情報系では画像データなどの情報解析、所望の情報処理をおこなうためのアルゴリズム設計などが、電気系ではセンサなどの所望の計測や通信に関わる情報制御、回路設計などが、機械系では装置の機構設計や強度計算、製造プロセスの検討などが求められます。
(7)光学装置関連(G02B)
・電気系、材料系、物理系、機械系の分野(電気電子工学、電気工学、材料科学、材料工学、応用物理学、機械工学など)
電気系では撮像素子の選定や駆動回路の設計、得られた光信号の電気信号への変換処理などが、材料気鋭では光学特性や機械特性を鑑みたレンズなどの材料選定などが、物理系では光学系の光収差メカニズムの解明などの物理的な評価などが、機械系ではレンズ群の動作など所望の目的のための機構設計や製造プロセスの検討などが求められます。
(8)情報の記録、再生関連(G11B)
・機械系、材料系、電気系、物理系の分野(機械工学、材料科学、電気電子工学、応用物理学など)
機械系では摩擦抵抗を最小化するための形状など所望の機能を実現するための構造設計、装置の動的な挙動解析、設計のためのパラメータ特定などが、材料系では装置に使用される材料の選定や摩耗特性、加工性といった特性評価などが、電気系では装置に係る回路設計、信号処理などの制御アルゴリズムの設計などが、物理系では磁気記録媒体の薄膜化に伴う物理現象や磁気特性、機械特性といった物性評価などが求められます。
(9)ビジネスICT関連(G06Q)
・情報系、電気系分野(情報科学、ソフトウェア工学、認知科学、電気工学など)
情報系では需要予測などの所望の情報処理をおこなうためのアルゴリズム設計、システムのアーキテクチャ設計などが、電気系では所望の通信をおこなうためのICタグなどの評価、選定、回路設計などが求められます。
(10)撮影装置関連(G03B)
・電気系、情報系、機械系の分野(電気電子工学、電子工学、情報科学、機械工学など)
電気系ではレンズからのアナログ信号をデジタル信号に処理するための変換回路や装置各部の動きを制御するための回路設計などが、情報系ではオートフォーカスなどの所望の効果を実現するためのアルゴリズム設計や効率的なデータ構造の設計などが、機械系では騒音発生源などの装置における問題の解析、当該問題を解決するための構造設計などが求められます。
ただし、上記特許出願にあたっては、共同出願者やその他事業者に技術をアウトソースしている可能性もあります。
5 まとめ
レンズから各種の情報処理装置まで広範囲で特許出願されており、おこなわれている開発や求められる専門性も多岐にわたると考えられます。
大学の専攻と関連づけるとしたら、主に情報、電気、機械、材料における研究分野が該当する可能性があります。
本記事の紹介情報は、サンプリングした特許情報に基づくものであり、企業の開発情報の一部に過ぎません。興味を持った企業がある場合は、その企業に絞ってより詳細を調べることをおすすめします。
興味を持った企業がある場合は、その企業に絞って調べることをおすすめします。
参考記事:1社に絞って企業研究:特許検索して開発職を見つける方法4
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
<出典、参考>
・特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にて公開されている情報
・会社四季報 業界地図2024年、2025年版 東洋経済新報社
<留意事項>
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